日々好日
   2005年 11月

               ぐずぐずしてはいられません。冬はそこまで来ています。
11月30日(火) 「人生観」

★孫が風邪をひいたため、夜中も咳き込んですぐ目を覚まします。添い寝をしているので、抜け出してパソコンに向かうこともできません。昼間は、保育園を休んでいるので、「だっこ、だっこ」で、一日が暮れます。家事や雑用がどんなに多忙でも、夜中にパソコンに向かうことはできるのですが、かわいい孫相手では、お手あげ状態です。日記のアップもままなりませんでした。

★小さい芋と書くには失礼なほど、大きくてりっぱな小芋が届きました。さっそくおでんに入れました。もっちり、ほぐほぐ、とろりん、とろりん。口の中でとろけていきます。久しぶりにおいしい小芋でした。「日当たりが悪く、水もあまりあげなかったのがよかったのかも、と夫がいってました」とは、今年、超多忙で、畑は全くご主人さま任せだったというNさんのお言葉でした。土地を耕しつつ生きる、というのはいいですねえ。いろいろな収穫物をいただくたびに、人間に本来の生き方について考えたりします。
              

              



11月29日(火) 「準備万端」

★「とんぼパーティ」の打ち合わせが、会場になる予定のカフェ・レストランでありました。狭いながらもちゃんと座っていただけそうで、それが一番の心配事だっただけに、ほっとしました。そのあとのことなども実行委員さんのご尽力で、いい会になりそうでうれしいです。今日は、墓参もすませることもできましたし、昨夜、出版社からファックスで届いていた「ぼく、がんばったんだよ」の写真差し替えのゲラを、モデルの少年のお宅によって見せることもできましたし、会場のカフェ・レストランが、引退犬の募金箱を置いてくださったし、すべて順調に物事が運んだいい一日でした。そうそう、出・欠のはがきをM先生からまとめていただいたのですが、たくさんの方々からのメッセージ、うれしく拝見しました。ありがとうござました。

                
                 出・欠のメッセージは暖かさにあふれて……

               
               見て、見て♪ ビーズで作ったこんなかわいいお祝いのケーキも届いていました




11月28日(日) 「命(仮題)」

★「命」(仮題)の「フォーマットに流し込んだ状態」から一歩進んだ「写真入り」のものが上がってきました。カメラマンの野寺夕子さんといっしょに、取材先の代表に会ってこなければと思っています。日程は、えーっと……。野寺さんも代表もお忙しい方なので、近日中に折り合いがつくかなと思いつつ電話をしたら、代表は今、長期出張中ですとのことでした。必要なら連絡をとりますとのことでしたので、お願いしておいたところ、夕方電話がかかってきました。なんとインドネシアからでした。帰国は1月20日頃だとか。インドネシアでも「命」の救済に精を出されているとか。頭が下がります。

★藤野恵美さんの新作、『ゲームの魔法』(アリス館)が届きました。小学生のときにアトピーで入院をしたことがある藤野さんが、そのときの思い出を元に書いたという冒険物語です。横書きというのも珍しいです。仲間の本でご紹介しています。ごらんください。

★お願いしていたサイン本がY先生から届いたのですが、ご本といっしょに、「根深ネギ」と「干し柿」が入っていました。自らご丹精されたものだと思うと、ありがたくって押し頂きました。

               



11月27日(日) 「腰痛」

★久々に腰痛です。昨日、本町から難波まで、バギーの前輪を上げつつ押していったのが堪えたのだと思います。いつもはべた靴なのに、ヒールのある靴をはいていたのですから無謀といえば無謀でした。今日も一日、「ばあば、だっこ」コールに応えながら、やばいなあと思っていたのですが、とうとう……。でも、腰痛になるのが待ち遠しかったといったら語弊がありますが、パンジョの童話教室に名古屋から来てくれている生徒さんが、わたしがたびたび腰痛が起こるのを心配して、「母も使っているのですが、とても楽になるそうです」といって、ウエストマザーという医療用の腰部固定帯をプレゼントしてくれていたのです。使ってみたいなあと、腰痛が起こるのを待っていたのですが(そういうと、「いえいえ、腰痛は起こらない方がいいのです」と笑われてしまいました)、この固定帯がお守りになったのか、かなりの期間痛みはありませんでした。「お待ちどおさま。ウエストマザーさん、お世話になります。よろしくね」

★奈良の御所がご主人のご実家だというご近所さんから、「食べてみて、おいしいのよ」といって箱にいっぱいの柿をいただきました。手のひらからはみだすような大きな柿は、ずっしりと重く、見た目はかたそうなのですが、歯がすっと通るほどよいやわらかさと、甘さがたまりません。「おいしいのよ」といってくださっただけのことはあります。干したり、焼酎につけたり、熟したり(スプーンですくって食べるとたまりません)、心のこもった柿をいただいたおかげで、柿が果物の中で一番好きになったかもしれません。

              



11月26日(土) 「プレアデスのお祝い会」

★「おめでとうございます♪」の声がこだまして、会場は華やいでいました。横山充男さん率いるプレアデスの実力は、東京の出版会でも鳴り響いているそうです。そうでしょう、七人もの方が出版され(越水利江子さんは、なんと四冊も! 詳しくは、おめでとう掲示板をごらんください)、それが、毎年毎年なんですから。そのうえ今年は、越水さんが日本児童文芸家協会の協会賞を、浅田宗一郎さんが新人賞を受賞されました。まことにおめでたいことです。

     
向かって左から畑中弘子・大塚篤子・竹内もとよ・楠章子・浅田宗一郎・風野潮・越水利江子のみなさん

あまんきみこさんや浜たかやさんたち諸先輩と同じテーブルに座らせていただき、光栄でした。それにしても……。一年前のプレアデスのお祝い会の写真をいただいたのですが、なんとまあ、わたしの洋服、今日着ていたものと同じなんです! 「まだほかにもたくさんあるのに、よりによって」などと見栄を張ってしまいましたが、実は一張羅で、産経児童出版文化賞をいただいたときも、地元の園長先生が褒章をいただかれたときも着ていきました。「制服だといっとけばいいよ」といわれたのですが、うかつでした。とほほ……。

★二次会をお断りして、本町のハードロック・カフェで誕生パーティをしていた孫を引き取りにいきました。お友だちとまだまだおしゃべりをしていたいというママとタッチです。本町はエレベーターがないので、心斎橋までバギーを押していきました。孫は御堂筋に点滅するクリスマスのかざりや行き交う車のライトに大喜びでした。デパートでトイレをお借りしようとしたのですが、バギーごと入れるトイレがなかったので、そのまま難波まで歩きました。とちゅうで孫は眠ってしまったので、前のめりにならないようにバギーの前輪を浮かせて歩いたので、けっこうハードでした。スイスホテルのロビーのトイレをお借りして電車の乗りました。自宅の最寄の駅について車で迎えに来てもらおうと次女に電話をしたところ、車のキィがないというのです。そういえば、わたしと夫が持って出ていました。駅から自宅までまた歩きました。「タクシーで帰ってきたらよかったのに」と、家の前まで迎えに出てくれていた次女にいわれたのですが、眠っている子を抱いてバギーをたたんで……。それより歩いた方がましだと思ったのです。久々によく歩いたので、足の指の付け根に水泡ができました。水泡ができたのは、数年前に、大阪の環状線を一日かけてぐるりと一周歩いたとき以来です。



11月25日(金) 「二歳の夜明け」

★「少年」というタイトルで書いていた作品は、「ぼく、がんばったんだよ」というタイトルに決まりました。そして表紙の見本がやっとできあがってきました。待ったかいがあるというか、じゅうぶん満足できるものでした。この本は、ノンフィクションなので、イラストの部分がすべて写真になっています。たくさんのファイルの中から写真を選んだのですが、差し替えもあり、追加もありで、本文の再校が手間取っているようです。ゲラが届くのが待ち遠しいです。一方、12月29日発売の週刊女性にもモデルの少年の記事が出ます。少年のパパいわく、「ゲラを見せてもらったのですが、よくあの短期間の取材でまとめられたなあと感心しています」ということです。週刊誌の記者さんは、そういう嗅覚というか、才能がなければならないのでしょう。

★孫の二歳の誕生日でした。わたしが子育ての頃は、「三歳の夜明け」という言葉がありました。「三歳になると、お互いに意志の疎通ができ、子育てが楽になる」という意味合いなのですが、それは子育てしながら実感してきたところです。わたし自身が子どものころを親の話を元に想像してみると、五歳ぐらいが夜明けだったかもと思われ、わが子の最長に感動したものです。時代が流れ、今時の子どもの場合、孫を見ていて、二歳で夜明けかなと感じています。のんびりしていた昔と違って、情報の多い昨今、子どもが目覚める年齢が早くなっているのでしょう。でも、その分、幼い心にストレスも感じていくのではないでしょうか。そこでわたしは心を新たにします。日本中の子どもたちが、読後「ほっとして、元気がでる」といってくれる童話を書いていかなければならない、と。



11月24日(木) 「カレンダー」

★注文していた日本ライトハウス行動訓練所の「盲導犬を育てる会」が、たくさんのボランティアさんの協力を得て製作したというカレンダーが送られてきました。カレンダーの裏表紙にはこう書かれています。

       
イエローラブの肩甲骨の辺りに少し白っぽい毛色のところがある仔がいます。
                   鳥の羽のように見えたりもします。
        それをパピーウオーカーは、深い愛情を持って「天使の羽」といいます。
                    なんてやさしい言葉でしょう。
             どの色で生まれてもきっと持っている「天使の羽」。
              その天使の羽を持って生まれた子犬たちが、
            天子の羽をはばたかせて空に帰って行くその日まで、
         どうぞ、しあわせでありますようにとわたしたちは願い続けます。
                                            文 松井順子


                   

                      仕事大好きだったけど……
              大好きな人達の気配を感じながら窓辺のひなたぼっこ
               のんびし過ごす穏やかなこんな時間が今は大好き


毎月の絵の下に書かれている言葉も光っています。                                
引退犬の独り言ですね。カレンダーを買うことが支援になります。一冊1000円。お申し込みは日本ライトハウス行動訓練所です。
ここをクリックしてね

★どうしても観たい映画があったのですが、朝と昼間と夕方しかしていないのです。思い切って朝の9時半に観てきました。「イン・ハー・シューズ」です。わたしにとっては、最近観た映画の中で一番はまったかもしれません。本当の自分の生き方に出会うまで、いろいろあっていいのですね。今は視力が衰え老人ホームのベッドで寝たきりになっている教授が、読書障害のある妹娘に本を読む楽しみを教えるシーンがありました(このことは、直接映画のテーマとは関係ないことなのですが)。トツトツと読み上げる詩そのものもよかったのですが、死ぬ間際まで、人は人のためになにかできるのだと思い、泣けてなりませんでした。感動で胸はいっぱいでも、おなかは減るのですね。カレーうどんを食べて、パンジョの童話教室へ。三作合評しました。新しい生徒さんのはじめての作品も出ていたのですが、いい素材でした。物語のほつれもなく、先が楽しみです。もう一作は、掘り下げて書くと光る作品でしたが、「早く書き終わってしまいたい」という書き手の気持ちがじゃまをしているようです。じっくりとりくんでほしいので、同じテーマで書かれている本を紹介しました。別の一作は、「子どもの頃体験したことで、今の子どもに伝えたい思い出を書いてきて」という宿題に応えてくれたもので、厳しかったお父さんの愛情を感じ取れる季節感あふれるエピソードでした。お父さんやきょうだいがらみの短編をいくつも書いて、バックに大きなテーマを持ってきて、うまくつなぎ合わせられるといいなあと思いました。



11月23日(水) 「グリム兄弟」

★映画「ブラザーズ・グリム」を観ました。魔女や魔物をやっつけながら旅をしているペテン師のグリム兄弟が、本物の魔の森に挑むときが来ました。11人もの少女を飲み込んでしまったとう恐ろしい森には、すっかりおなじみになった赤頭巾ちゃんやヘンゼルとグレーテル、いばら姫、白雪姫などいくつもの物語が見え隠れします。大人になっても不思議な豆の力を信じている弟と現実派の兄は、何かにつけて意見が違うのですが、いざというときには助け合い困難を切り抜けていきます。この森での体験がやがてグリム童話を書くことになるのですが、事実なのかフィクションなのかは知りませんが、とてもよく考えられた物語で、中世のドイツの風情を含めて、ちょっと怖くて、かなり不思議で、心から楽しむことができました。



11月22日(火) 「出版事情」

★この夏、「お孫ちゃんに」といただいた本があります。ご自分のお子さんも大好きな本を沖縄の空港で見つけたからと、わざわざ送ってくださったのです。実は、すでにわが家にも同じ本があったのですが、「好きな本が二冊も♪」、と喜んでいました。真ん中のイルカはゴム製で、その部分はくりにてあるので、どのページにも登場します。押せばキューと鳴きます。繰り替えし、そればかり楽しんでいました。

                   
    
今日、はじめて二冊並べてみて、タイトルが違うことに気がつきました。「どうぶつえほん」と「イルカえほん」。そういえば、表紙の絵も微妙に違うのです。もしや、と思ってページを繰ってみました。あらら……。


                 

イラストの感じも違っていて、タコのシーン、上はリアルですが、下はマンガチックです。うつぼが描かれているシーンはカニにすりかわっていたりもします。イルカのイラストの感じは似ているものの異なり。値段も僅かながら違っています。なぜ……? 出版社と発行者の名前はあるのですがイラストレーターの名前はどちらにも描かれていません。片やメイド・イン・チャイナです。人気絵本だと思うのですが、刷りましの際に何かあったのでしょうか? 絵本の内容よりも、そっちのいきさつが気になるばあばです。



11月21日(月) 「りん」

★桜を一枝いただきました。狂い咲きというわけではなく、寒桜だそうです。どことなくさみしげ……です。桜は、暖かい春の日差しを浴びながら、見上げるように見るのがいちばんかなと思いつつ、寒空にそびえる桜の木を想像して、りんと背筋を伸ばしてみました。

                    

★昨夜10時から映画を観にいきました。「エリザベスタウン」です。予告編を観て想像していた映画とは、かなり違いました。10億ドルの損害を会社にかけて倒産に追い込んでしまった主人公が、生きる希望を失って自殺しようとしたその時、故郷に帰っていた父が死んだという電話が入りました。いったん自殺を延期して父の遺体のあるエリザベスタウンへ向かう飛行機の中で、フライト・アテンダントのクレアに出会います。クレアとの出会いが主人を立ち直らせることになるのですが、大損をかけたという問題が解決しないまま、映画は終わってしまうので、なんだかすっきりしませんでした。クレアやエリザベスタウンの住人の屈託のない生き方から、この映画が癒し系ということになっているようなのですが、傷心の主人公がクレアの恋の戦略にまんまとひっかかってしまったような感じがしたのは、わたしだけでしょうか。

★「仲間の本」に、風野潮さんの『アクエルタルハ』と、後藤みわこさんの『ぼくのプリンときみのチョコ』をアップしました。どちらの本も、「売れっ子作家としての引き出しの深さ」をつくづく思うものでした。



11月20日(日) 「感謝力」

★年下のお友だちに声をかけてもらって、小学校のPTAの講演会に行きました。講演のテーマは、テレビでもおなじみの女性精神科医さんの、「なぜ<いい子>じゃなければいけないの? ―精神科医からみた子どもの心」でした。立て板に水の如く流暢な話しぶりは、週の前半は診療、後半は大学で教鞭、土・日は講演で全国を飛び回っているという経歴からくるものでしょうか、さすがと思えるものでした。が、講演の途中で、その流暢さが頭の中を空回りしていきました。臨床経験の例をあげてのお話もあったのですが、テーマとつながっていかないのです。語りかけるというより、固い表情で一方的にまくし立てるという話し方にも問題があるように思いました。心に響いてこないのです。大人はすべて昔は子どもだったのですから、社会状況の違いはあるにしても、子どもの心が全くわからないということはありません。でも、子育ての難しさは、子育てをしてみてはじめてわかるのではないでしょうか。質問タイムに、「子どもは少しも悪くない。子どもをとりまく社会が、大人が悪いのです」と熱く語ったおじさん(父兄ではない?)に拍手が起こりました。同感です。帰り道、「消化不良のまま終わったね」とつぶやきあいました。この精神科医さんは、エリート人生で、きっと暗闇の時代がなかったのだろうなあと思いました。暗闇といえば、やっと暗闇を抜けでたQちゃんこと高橋尚子さん、優勝おめでとうございます♪ 二年間、走れなかったときも、夢を忘れなかったというあなたの笑顔と復活が、今日、どれだけ多くの人を元気づけたことでしょう。感動をありがとう! 解説者の増田明美さんの言葉も印象的でした。「Qちゃんは、走れなかった間、自分を支えて応援してくれた人たちへの<感謝力>で走っているのだと思いますよ」という。感謝力。いい言葉ですねえ。



11月19日(土) 「命」

★駅から自宅までの緑道を早足で歩いていたのですが、「あらら」と思わず立ち止まってしまいました。のら猫が二ひきいたのですが、どちらもわが家の猫どもにそっくりなのです。向かって右の茶白がテルに、右のキジトラがチッチに。うちの猫どもも、もともとはのらちゃんだっただけに、身につまされる思いがしました。おびえているのがかわいそうです。これから寒くなるというのに、どうするのでしょう。そう思いながら歩いていくと、なんと、またテルとチッチと同じ色合いの猫が二ひき、並んで木の根元にいました。人待ち顔なのは、だれかがえさを持って来てくれるのを待っているのかもしれません。のらにえさをやるのを非難する人もいます。ひもじくなるのは、猫も人間も同じなのに……。寒さがいっそう身にしむ夕暮れでした。

                  

★今日は、一日事務仕事に追われました。いやあ、疲れました。



11月18日(金) 「表紙」

★ちょっと心配していました。12月1日付けで出版予定の単行本の表紙がまだ出来てこないのです。それに写真の入れ替えなどをしたので、もういちど校正をしたいのですが、それも送られてきません。今週中にということだったので、きっと一生懸命してくださっているのだとしんぼうして待っていましたところ、夕方、表紙が添付で送られてきました。まだ途中だそうで、出来上がるのは月曜日だとか。今の段階でも、力強くいい表紙になっています。安心しました。今月の週刊女性の最終号に、この本のモデルの少年のことが載ります。そのときに、わたしの書いた本にもふれてもらえるそうで、表紙が間に合えば載せてもらえるところだったのですが……。

★インフルエンザの予防注射に行った病院に、熱帯魚の水槽がありました。色とりどりの熱帯魚よりも透明感のある水槽に見とれてしまいました。水槽にはすぐ水コケがはって、うまく掃除ができなかったことを思い出したからです。こんなにきれいにしておくには、どんなやり方で掃除をするのでしょう。そのとき熱帯魚は……? 気になったので、受付にいる看護婦さんにきいていみました。「業者に頼むんですよ」。なるほど。

         
 



11月17日(木) 「ヴォルフガング坊や」

★ほんとうにおもしろかったです、今日の「おもしろクラシック」。いえいえ、この言い方だと誤解が生じます。毎回おもしろいのですが、今月は特に、ということです。モーツァルトパート2でした。講師の新山さんによるとモーツァルトはただの天才ではなくて、天才中の天才だそうですが、五歳の誕生日にモーツァルトことヴォルフガング坊やが初めて作曲したというメロディは、わずか20数秒の旋律でしたが、「モーツァルト」「五歳」というだけで感激しました。「ケッヘル一番」といわれている正式なモーツァルトのデビュー曲となっている曲も、五歳のときの作品だそうで、それも聴かせてもらいました。そして、驚くなかれ、フランス民謡とばかり思っていた「きらきら星」でおなじみのメロディも、「山の音楽家」の元の曲も、モーツァルトが手がけたというのですから、驚きです。孫のガッティちゃんは、「きらきら星」も「山の音楽家」も、おはこです。二歳前にして、モーツァルトを歌えるなんて、うちの孫はすごいでしょ? 天才モーツァルトをそっちのけで、ガッティちゃんにメロメロのばあばは感激してしまいました。講師の新山さんは若い頃、傷ついた時、この曲を聴くことによって癒されたという「ヴァイオリンソナタハ長調」や「ヴァイオリンとビオラのための協奏交響曲変ホ長調」は素晴らしかったです。わたしのお隣に座っていたスタッフの武さん(ピアノの先生であり、作曲家でもある)も、心を癒すにはいい音楽を聞くのが一番だそうで、落ち込んだときは「やけ食い」と決めているわたしとは、えらい違いだなあと、ちょっとも小さくなっていました。モーツァルト一家は旅行が好きで、旅行先から家にだした手紙がすべて残っているそうで、だからこそ250年も前のモーツァルトを他の作曲家より正確に再現、身近に感じることができるということです。ふむ、ふむ……。

                      

                           モーツァルトにかんぱい



11月16日(水) 「『とらちゃん つむじ風』上陸間近」

★『とらちゃんつむじ風』の見本本が出来上がってきました。一年間「児童文芸」に連載していたのですが、単行本になるにあたり加筆しました。長谷川知子さんの絵でイメージチェンジしたとらちゃんのパワーが、ちょっとしょげている子に、「がんばりや」とエールを送ってくれることになること間違いなしと、刷り上ってきたばかりの本を手にして確信しました。こういうことを自画自賛というのですね。11月30日発行です。阪神ファンの方々にも、とらちゃんと草野球チーム「スターこらさっさ」の熱い思いが届きますように。


                 

★後藤みわこさんの『きみのプリンとぼくのチョコ」(講談社)、読みました。おっ、これは熱い。思春期の中学生の熱い思いにどきどきしながら、ラストの意外な展開に、すごい、すごいと感動しました。そして、今、風野潮さんの「アクエルタルハ』(ジャイブ)の世界にいます。神秘的な世界を創りあげた発想と筆力にうなりながら。少し時間がかかりそうですので、先に『きみのプリンとぼくのチョコ』をご紹介します。仲間の本をごらんください。



11月15日(火) 「りんご」

★心斎橋で、「Tの会」の合評会がありました。合評会はとても楽しく勉強になるのですが、一つだけ行くたびにがっかりすることがあります。イングリッシュガーデンのバイキングの内容がだんだん落ちていくことです。品数が少なくなっていく、代わり映えがしない、これといったメインディッシュがない、そのわりには高い……。ただ、何時間いてても、作品をだして合評をしても寛大なので、それはありがたいのですが。食べることがメインではないのに、こんな気持ちになるって恥ずかしいかも。

★昨夜遅く、信州からりんごが届きました。早速1個いただきました。しゃきっと硬くて、でもしっかり蜜が入っていて、一口かじるたびに、血がきれいになっていく気がしました。りんごの季節になると思い出す唄があります。
    
      わたしは真っ赤なりんごです
      お国は寒い北の国
      りんご畑の晴れた日に
      箱につめられ 汽車ぽっぽ
      町の市場に着きました
      りんごりんごりんご
      りんごかわいや ひとりごと  ♪

これって、童謡だっけ、それとも流行歌……? もう一曲ありました、りんごの唄。

      紅いりんごにくちびるよせて
      だまって見ている青い空
      りんごは何にもいわないけれど
      りんごの気持ちはよくわかる
      りんごかわいや かわいやりんご ♪

これは流行歌かな。いずれにしても、りんごのイメージは、かわいいんですね。そうだ、かわいくないりんごのお話を書いてみようかな。
11月14日(月) 「方寸」

★大好きな小布施の「くり落雁」をいただきました。パキパキかんでいると、とける瞬間舌の上にえんどうの味が広がっていきます。なんともいえなくおいしいんです。これをいただいた後の渋茶は格別です。でも、包装紙には、「くり落雁」ではなく、「方寸」(ほうすん)と書かれていました……? 

                  

説明書によると、小布施は栗の名産地で、栗かのこ栗ようかんなどで有名だそうです(それは、わたしもよく知っています)。くり落雁は、赤えんどうのを主原料としながら、「栗の風味を彷彿させ得て妙」といわれてそう名づけられていたのですが、くりを使用していると勘違いされることがあるので、この菓子屋さんでは、創業百周年を機にこの干菓子の名まえを「方寸」に変えたそうです。「方寸」は文字通り一寸四方、つまり、ささやかなことの謙譲語で、転じて人のこころを表すそうです。そんないわれは何もわからない孫のガッティちゃんは、はじめて食べた方寸がいたくお気に入りで、「もっと おかち ちょうらい」と、けっきょく三枚も食べました。説明書に書かれている、「味覚にデリケートなお子たちにまで愛されています」は、間違いではありませんでした。

11月13日(日) 「初めてのツリー」

★かわいいクリスマスのツリーはクッキーの箱。ふたは薄い綿の入った布で出来ています。ユニバーサルスタジオのお土産にいただきました。ガッティちゃんはスヌーピーもクリスマスツリーも知りませんでした。サンタさんも、まだ知らないのよね。そういえば、娘たちがまだ小さい頃、ダイエーでおもちゃを買ったらサンタさんが持ってきてくれるというサービスがありました。学生アルバイトのいかにもうそっぽいサンタさんがジングルベルのカセットとともに、おもちゃを持ってやってきたのですが、次女がこわがって、わたしにしがみついて泣いていたのを思い出しました。ユニバーサルスタジオのクリスマス、きれいでしょうね……。行きたいな。

            
     
            
           それは雪。本当はつめたいのよ。

11月12日(土) 「創作ゼミ」

★久しぶりにM先生の創作ゼミを覗かせていただきました。その場で読んで即合評というやり方は数年前と変わらないのですが、以前は5枚程度の短編が多かったように思います。今日の2作は、10枚と20枚というけっこう読み応えのある作品で、それを読んでその場で即合評するには、かなりの読解力がいると思いました。メンバーの深くて鋭く、かつ書き手に厳しい意見を聞いていて、同じメンバーで続けていても、決してなあなあ化していない姿勢に感心しました。意見が重ならないところも素晴らしいです。5時に終了したあと9時まで、わたしのお祝い会の打ち合わせがありました。ただでさえもお忙しいM先生にやはり超多忙のTさん、急いで帰らなければならないのに時間の許す限り残ってくれたUさん、出先から帰ってかけつけてくださったKさん、ありがとうございます。きっと、来ていただいた方に楽しんでいただけるいい会になるだろうと思います。わたしは何もせずに、ただただありがたいと思いつつ傍観しているだけで、申し訳ありません。


11月11日(金) 「うれしいご縁」

★当HPのカウントをヒットしてくださったのがご縁のノンタさんから、うれしいお知らせがありました。話しは何週間か前にさかのぼります。ノンタさんの勤めていらっしゃる小学校でブックトークがあるので、色紙に子どもたちにメッセージを書いてもらえないだろうかというメールがありました。悪筆のため色紙を書くのは苦手なのですが、ちょっとしたコメントを書いてラブちゃんバッジを三個はりつけて送らせていただきました。昨日そのブックトークがあったそうで、その時のようすを知らせてくださいました。


とんぼさまから頂いた色紙の朗読をしたあと、ラブちゃんバッチの話(募金のことや、バッチを手作りしているお方のこと)をしてから、子どもたちに色紙を回しました。皆が、すりすり、いいこいいこするみたいに、色紙を撫でている姿が印象的でした。「不合格」なときに、「素敵だよ」とささやいてくれるワンちゃんの存在が、子ども達は嬉しかったのでしょう。トーク終了後、子ども達が御本に集まってきて、皆、真剣な瞳で覗き込んでいました。ラブちゃんバッチを愛しそうに見つめる瞳、本を真剣に覗き込む瞳。「不合格」を恐れる心、「不合格」に傷ついた心、子ども達のそんな心に、きっと希望が見つかったのではないでしょうか。そんなことを感じました。私も、心の中で祈りました。「ワンちゃん、お願い。子ども達の心に飛び込んでいってね!」

子どもたちに、図書の先生がわたしの著書をすすめてくださる機会なんて、めったにありません。なおかつ、そのときのようすを教えてくださることは、とてもはげみになります。うれしいです。ありがとうございました。

★ほっほっほっ、わたしのヘアースタイルが変わっていたことに、教室のみんなは、「気がついていた」んですって。でもパーマがかかっていたとは……、ということでした。やっぱりね。


11月10日(木) 「超ナチュラル」

★パンジョの童話教室の日。受講生の黒一点のHALさんは、鋭い書き手なのですが、ヴァイオリンもかなりの腕前だと聞いていました。ぜひ聴かせほしいとお願いしたところ、ヴァイオリン持参で来てくれました。合評のあと、ミニコンサートとしゃれました。みんなうっとり……。うっとりのみんなも多彩で、それぞれ人生を楽しんでいる人たちばかりです。
作品が一度に4作も出ました。開講以来初めてです。それだけでうれしいわたしです。

               


★教室に行く前に、美容院に行って部分パーマをあてました。何年振りでしょう。教室では、だれも気がついてくれませんでした。やむをえません。あたり方がゆるくって、美容院に行く前とほとんど変化がないんですもの。それにしても、美容師の男の子のうんちくには、うんざりしました。ヘアースタイルの変遷から、カットの仕方、芸能人のヘアースタイルについてひとしきり話してくれるのですが、ぼそぼそした小声で聞き取りにくいのです。適当に聞き流せばいいのですが、美容院というのは目の前に鏡があるので、適当に相槌を打っている自分の姿を見るのがいやなので、真剣に聞き耳を立ててしまいました。疲れました。ロットを外したときに髪の毛がカールしていないので、「ゆるいのでは?」と言ったことに対しても、「これぐらいがベストで、それはなぜかというと、この方が仕上げがナチュラルで、更にナチュラル感を出すには髪の毛を乾かすときに、いったん、後ろから前に……」とひとしきり演説。確かに、パーマがあたってないという意味では、超ナチュラルな仕上がりです。

11月9日(水) 「豊年満作」

★吉橋通夫先生の「なまくら」(講談社)が、「野間児童文芸賞」を受賞しました。おめでとうございます。この本を読んで、感動しない人はいないでしょう。わたしたちがもう忘れてしまった日本人の心が、少年の生き様を通じて描かれています。必読の一冊です。

★わたしの住んでいるところは堺市なのですが、道を挟んで向こうは和泉市です。そこでとれる地場米を、直接知人から購入しているのですが、今年のお米は例年に増して、おいしいのです。「今年は、どこへいってもそういわれる」のだそうです。実るほどに頭を垂れる稲穂かな、ということわざもありますが、頭を垂れない稲穂がだめなのはもちろんのこと、垂れすぎてもおいしくないそうです。ほどよく垂れてほしいと願っても、自然の成せることなので、どうすることもできません。台風で倒れてしまうこともあるでしょう。今年は、長年お米作りに携わってこられた知人のお父さんも大満足されたという稲穂の垂れ具合だったそうで、そのおいしさは、わたしにもわかるほどでした。20キロを一か月も経たないうちに完食。今日また20キロ届けてもらいました。

                   

それにつけても、自然のめぐみって不思議です。昨日、柿をくださったOさんのお庭には2本の柿木があります。1本が渋柿のなる木。もう1本が去年いただいた干し柿用の木。今年、渋柿の木は鈴生りだったようですが、干し柿の方は不作だったそうです。同じ庭に根を張っていながら、やはり個性なんでしょう……か。


11月8日(火) 「化ける」

★「柿の渋がうまく抜けたから」といって、ご近所のOさんが届けてくれました。「味見をしたのはだいじょうぶだったけれど、柿も個性だからわからないわよ」。ということは、「ふふふ、毎回どきどきできる?」。「はい」。激シブが1個ぐらい混じっていたらいいなあと、頑固者の柿のいることに期待したのですが、うーん、甘い! おいしい! 最高! 今までに食べた果物の中でいちばん、といっても過言ではありません。立て続けに3個もいただきました。プラすまた2個 ……。「化ける」という言葉がありますが、まさに化けたのね、渋柿さん。化けたいなあ、わたしも……。(あんたが化けても、ただのお化けだって?) わかってます! Oさんの心のゆとりが柿に反映したのでしょう。お見事です。去年は干し柿にしたのをいただいたことを思い出して日記をさかのぼってみると、12月30日でした。

                 
             期待はずれの、とろける甘さ。「あんた、ほんとにシブかったの?」

11月7日(月) 「節約」

★昨日、車を運転しながらラジオを聴いていたところ、節約(もしかしたらケチ)の話をしていました。リスナーからの電話を紹介しているのですが、「ティッシュをそのまま使わないで、半分に切る」というのが多いということでした。わが家は孫がいるせいで、どんどんティッシュを使います。口のふちになにかついた、手で食べ物をさわった、こぼした、鼻チン……。たいていはティッシュの真ん中を少し使うだけ捨ててしまいます。半分に切ってもじゅうぶんいけるかも。ということで試してみました。箱は半分に切って重ねればいいので簡単ですが、問題はティッシュを切る作業でした。裁ちばさみで切ればすぐだと思ったのですが、ティッシュって切りにくいですねえ。少し多めに重ねると、どんなに力をこめても切れないのです。けっこう時間がかかりました。使用感? 頼りないです。慣れるといいかもしれません。

                


★「犬」の取材先にチェックをお願いしてあった最後の原稿が返ってきました。とてもていねいに書き込んでくださっていましたので、気合を入れて書き直しました。ちょっとデリケートな書き直し部分もありましたので、念のためもう一度みてもらっておこうと思い、プリントアウトをして送りました。これが終わればすべて完了です。タイミングよく、「犬」の関連写真をCDに入れたものを届けてくださいました。とてもいい表情の写真ばかりです。さっそく出版社に送りました。それから「糸」をまとめました。絵本になる素材でしょうか。イメージはあるのですが……アドバイスいただくために、見てあげるといってもらっていた出版社に送りました。

★畑中弘子さんの会心作「鬼の助」が絵本になりました。仲間の本でご紹介しました。ごらんください。読みきかせにも最適だと思います。

11月6日(日) 「CW→MS」

★今日は、のんびりした一日でした。雨空ということもあるのですが、夫が朝から出かけて昼食も夕食もいりませんでした。長女が、お友だちと会うためにガッティちゃんと出かけて、昼食はいりませんでした。次女も昼前に東京から出てきている友人に会いに出かけていきました。夕食はいらないそうです。ひいばあちゃんは、お昼は自分でパンを焼いて食べるといってくれました。大人3人分(+ガッティちゃんの分)の夕食を作ればいいだけです。ひいばあちゃんは5時半に、ガッティちゃんとママとわたしも6時半にはすませました。いやあ、楽でした。

★「少年」の再校正をすませて送りました。ワープロに入ったままの作品の一部をパソコンに移しました。ワープロで保存する場合、長編はいくつにも分けて保存しなければならなかったことを思い出しました。それなので、一作を移すのに同じ作業を何回も繰り返さなくてはなりません。肩がこりました。つくづくパソコンでの創作の楽さをありがたく思いました。原稿用紙に字を埋めることが苦手なわたしはワープロがなかったら、書いていなかったと思います。そしてパソコンがこの世になかったら、続けていなかったかもしれません。この時代に生きていてよかったです。

11月5日(土)「お仕事いろいろ」

「犬」の原稿ですが、取材先がいくつもあって、それぞれにチェックしてもらうのに手間取っています。残り2件ののうち1つが昨日戻ってきました。少し書き足しました。あとの1件は近日中に連絡がいただけるとのこと。それに手を加えれば、いよいよ脱稿です。また、「少年」のお父さんに見直してもらっていた原稿について、ファックスとメールが入りました。見てもらってよかったと思うことばかりです。

★B社から封書が届きました。なんだろうとあけてみると、「著作物使用許諾のお願い」でした。「おじいちゃんとぼくのがんこ合戦」から引用して以前使ったものを、再度使いたいとのことです。ありがたいことです。

★今日、はがきが2通届いたのですが、つくづくお便りっていいなあと思いました。1通は電通時代の先輩からで、10行足らずの文面からは、思いやりとユーモアがあふれていて、はがきに魔法がかけられているのではないかと思うぐらい心が癒されました。あと1通はネットで知り合った方で、メールでじゅうぶんすむ内容にもかかわらず、わざわざ素敵なはがきを選んで送ってくださったことが、とてもうれしかったです。某社の編集者さんから送られてきた契約書に添えられていた手紙には、「弊社の大切な財産と思い、末永く発刊させていただきたく存じます」と書いてくださっていました。感激しました。追って、この夏同社から出た本が届きました。偶然、わたしが書き進めている分野の本で、「がんばって書いてね」と背中を押してもらった感じがしました。といっても、編集さんは、わたしが何を書いているか、全くご存知ないというのも不思議な縁を感じます。

★映画「三丁目の夕日」を観にいきました。ずっと前からビッグコミックに連載されているので、わたしにとってはおなじみの鈴木オートなのですが(おや、六ちゃんが女の子?)、頭の中に三丁目ができあがっていて、違和感がありました。やたら30年代を強調しすぎて、軽々しい感じがしました。集団就職というのがあったことを思い出しました。このエピソードに泣いてしまいました。駅で手を振り別れた六ちゃんのお友だちは、みんなどうしたのでしょうか?
 三丁目は描ききれていなかったけれど、淳之介と一平は、なかなかよかったです。終了後の会話に耳を傾けると、「いすゞ自動車の実話かと思った」「ほんとにあった話とちがうの?」といっていた人もいました。

11月4日(金)「ペンの力」

★「少年」(仮題)の再校正。写真入りなどのチェックしてもらうために、京都の少年の家にいきました。原稿を預けたあと墓参をして京都シネマへ。いきあたりばったりで、「ライフ・イズ・ミラクル」を観ました。
戦時中、山奥に線路をひきに来た技師一家の物語なのですが、すぐ近くで大砲は炸裂するし、息子を徴兵にとられるし、線路を兵士を乗せた貨車は通るし、戦争に巻き込まれてはいるのですが、なんとものどかなのです。犬や猫、ロバ、にわとりなどなどに囲まれた暮らしぶりに、戦争への恐怖はありませんでした。ボスニア紛争中、セルビア人の男性の身の上におこった実話だそうです。だれのために戦っているのかわからないというセリフがありましたが、どの戦争もかりだされた人の思いは同じなのだろうと思いました。広い平野(丘)にあるおじいさんの家は素敵でした。あんなところで暮らしてみたいと思いました。原稿をもらって、帰りました。

★京都まで出かけるのに、バッグに新しい本を入れるのを忘れました。入ったままになっていた「半落ち」の最後の章を読んで、泣きました。こりもせず、三回読んで三回とも泣きました。ペンの力はすごいです。映画も、日本アカデミー最優秀作品賞をもらったくらいなのでいい出来だったと思うのですが、登場人物が、本を読みながら想像する方が勝っていて、映画のことは薄れてしまいました。

★写真家の松村六娘さんから、すてきなカレンダーが届きました。
            

             

動物保護団体「アーク」のカレンダーです。来年のカレンダーの撮影は、六娘さんがされたと聞いていたのですが、やさしさのあふれるすてきなカレンダーになりましたね。中を、ぜひ見ていただきたいです。こんなかわいい瞬間を、よくまあ捉えられたとうっとり見てしまいます。1月の子犬の、2月の猫の……、とでも抱いて頬ずりしたくなるかわいさです。そして、7月の猫ちゃんと少女のツーショット。モデルは……。おっとおしゃべりはここまで。カレンダーの売り上げは、動物の保護のために使われます。ついでに付け加えれば、同じ動物保護団体の「ハッピーハウス」のカレンダーも、同じ趣旨で出ています。どちらもよろしくお願いします。11月3日(木) 「子どものための音楽会」

★校区青少年健全育成委員会主催の第23回「子どものための音楽会」がありました。「みんなカナリア会」が出演するので、ガッティちゃんと応援に行きました。なつかしい童謡のメドレーに、体を揺らしながら聴いている人もいました。「みんなカナリア会」のスタッフの敬子さんと寛一さんの年の差を越えたデュエット、「忘れな草をあなたに」と「遠くへ行きたい」も、すてきでした。小4のせれなちゃんの独唱は、天まで届くような澄んだ歌声で、中学お兄ちゃんのピアノ伴奏が、なんともいい感じなのです。そのご一家と親類・お友だち一家との弦楽合奏はお見事でした。中学校の校長先生のギター・ソロ、昔とった杵柄、20年ぶりだそうです。美人で名高い奈緒ちゃんのピアノソロは、うっとり聴きほれ、かつ見ほれました。小学校のヤイリ先生のギターとピアノでの弾き語りには、驚きとためいきが。人気の先生だということです。なあるほど……。「子どものための音楽会」といっても、近年、お客さまはほとんどがおとなだったのですが、今年は子どもたちと若いお母さんがけっこういると思っていたら、ヤイリ先生のせいだったのですね。わたしは、ここで帰ったのですが、そのあとギター演奏・カントリーバンドの演奏(奈緒ちゃんのお父さんのバンド)・赤坂台の誇るテノール歌手の田中公道さんの独唱などがありました。あのお、ガッティちゃんですが、音楽会がはじまってすぐに眠ってしまいました。いつもは、お昼寝の時間だもんね。              

                 
                           猫のお客さまもいましたよ

久々に、カメラマンとして活躍中のNさんにお目にかかりました。ご入院中だった奥さまが退院されて、すっかりご回復されたそうです。ほんとうによかったです。


11月2日(水) 「子育ての頃」

★うっかりしました。今日は老人会の空き缶つぶしの日でしたが、失念してしまいました。ごめんなさ〜い。声枯れ、ますますひどくなっています。自然治癒派なのですが、いやあ、余り咳をしすぎて、のどが痛くなってきました。電車に乗って咳がでると気を使います。感じ悪いですもん。風邪ではないんですと、周りの人にいいたいのですが、そういうわけにもいかず……。

★今日は家族がみんな出かけていたので、孫を保育園に迎えに行き、夜、家族がぼつぼつ帰ってくるまでめんどうをみました。まもなく二歳になる孫は、おもしろいし、かわいいし、いっしょに遊んでいると、いろんな発見があって楽しいばかりです。ご飯を食べさせて、
お風呂に入れて……。ただ困るのは、だれもいないと、ちょっとみてて(預かって)といえないことです。隙を見てパソコンに向かうと、キーボードを叩きたがるし、資料をベッドに広げると、その上に飛び込んでくるし、全くのお手あげ状態です。それにつけても思うのは、自分が子育てをしているときに、書くことに目覚めてなくてよかったということです。もし、そうだったら、書きたいけれど、時間がないということで、ストレスがたまったことでしょう。あの頃は、自分が何をしたいのか考えるゆとりもないほど、主婦として忙しい一日でしたねえ。子育てはもちろん、帰りの遅い夫や同居をはじめた夫の母(まだ大阪でお店をしていました)への気遣いなどで、ぐっすり眠るということがなく、いつも時差ぼけのようでした。現在、子育て真っ最中の書き手さんは、きっとたいへんだと思います。でも、あせらないで。今は、あなたの書こうとしている物語の熟成期間だと思ってください。その時期が来たら、きっと……。48歳からスタートしたわたしは、自信をもってそういうことができます。


11月1日(火) 「冥利に尽きること」

★「わたしって幸せ」と、つくづく噛みしめた一日でした。というのは、12月に「とんぼパーティ」と称して、産経児童出版文化賞と10冊目の出版を記念してお祝い会をしてやろうと、仲間が立ち上がってくれたのです。今日は、案内状の発送をかねてKさんちで実行委員会がありました。わたしはしていただく立場で口出しはできないのですが、のこのこと出かけていきました。こういうことは場数を踏んでいらっしゃるというM先生のすご技に、ただただ感服。お昼は用意しておきます、とkさんにいっていただいていたのですが、なんとまあ、手作りの見事な松花堂にうっとり。どの一品も工夫が凝らしてあって、「これどうするの?」「これは?」、「早速作ってみる」と、しばし料理教室に早代わり。ワインまでだしていただいて、みんなから「おめでとう」をいってもらいました。手作りのバナナケーキもおいしくって、お土産にもいただきました。
                
                

おめでとうといえば、Kさんの作品が、「飛ぶ教室」の7篇に残りました。由緒ある「飛ぶ教室」の最終に残ったということは素晴らしいと、またカンパイをしました。ちなみに今回の入賞・佳作はありませんでした。え? はい、肝心のご案内状は一部を残し、無事発送していただきました。高槻までの電車の往復で、「半落ち」を読みました。もう一度、映画が観たくなりました。

★「少年」(仮題)の再校が届きました。写真が入ったので、思いも熱くなります。タイトル、もう発表してもいいのかな。きいてみよう、っと。あ、そうそう、全く別の原稿ですが、おととい日記で書いた「基本的なフォーマットに流し込んだ」状態というのは、ルビもうっていない、また漢字についても表記の細かいチェックをしていない、そんな状態をいうのだそうです。なるほど……、出版までは、まだかかりそうかな。