日々好日 12月



12月31日(水) 「ありがとう、今年さん」

★いよいよ今年も今日でおしまいです。ご近所の老夫婦のお宅二軒に心ばかりのお重をお届けして、今年の役目は終わりました。公私共にいろいろありましたが、結果的には、すべてよし……と思えることが、ありがたいです。家族、友人、仲間に心から感謝するとともに、少しでもみんなにお返しができるように、来年もがんばっていきたいと思います。

12月30日(火) 「こまわり君」

★ビッグコミックに「こまわり君」が再登場しました。前回の掲載時(三十年近く前の少年チャンピオン)は、全く目にする機会はなかったのですが、とにかく新鮮な驚きと笑いの世界に引き込まれて、繰り返し何度も読んでしまいました。三十年前小学生だったこまわり君は、今や中年のサラリーマン。ちょっと変った思考のため妻になかなか理解してもらえません。そのちょっと変った思考に、めちゃはまってしまうのです。息子に計算を教えるシーンがあります。「プチハイエナ」+「ハクビジン」=「カッショクハイエナ・グズリ」になり、しかも「カッショクハイエナ」は、十の桁に繰り上がるのです。十の桁には「ユーラシアカワウソ」と「スナネコ」がいて、それらをたすと、「ジャガー」になるのです。山田家の伝統ある猫式計算というそうで、これをはじめとするこまわり君の考え方は、妻に言わせると、「あなたが子供時代に残したおぞましい足跡!」で封印すべき儀式の数々ということになり、それは、こまわり君にとって、「わしの全人生を否定するか……」ということになるようです。作者の山上たつひこさんは、絵を描くのがいやになって小説家になっていたそうで、今回は編集者のたっての希望で、こまわり君の再登場とあいなったそうです。こまわり君、これからどうなっていくのでしょう……。目が離せません。

12月29日(月) 「羽希ちゃんファンクラブ」

★長女のシナリオ学校の仲間で、羽希ちゃんファンクラブ1号2号さんが、お祝いをかねて遊びにきてくれました。二人とも男の子なのですが、ピンクのキティちゃんのお洋服を買っきてくれました。食べて飲んで、M1グランプリのことなどで盛り上がって、「また来ます」と帰っていきました。どちらもヘビースモーカーらしいのですが、我が家にいる間、一回もたばこは吸いませんでした。やさしい、気持ちのいい子たちでした。

12月28日(日) 「国産版?」

★まさか、こんな暮れの気ぜわしいときに映画を観ることになるなんて思ってもいませんでした。しかもすでに二回観たことがある『踊る大捜査線』を、です。なぜそういうことになったかといいますと、帰国中の妹娘が『踊る大捜査線』の国際版とやらをしているというので、送っていくだけが、国際版の一言に興味深深、つい……なのです。なんのことはない、スクリーンに表示される固有名詞や日時がアルファベットで出るにすぎませんでした。編集もしなおしてあるという事なのですが、マニアではないので、どこがどう違うかはわかりませんでした。が、やっぱり面白かったです。平日価格で、プレミアスクリーンというのも、グッドでした。お客私たちを含めてたった4人でした。娘はアメリカで「指輪物語3」も「ニモ」も観てきたそうですが、チケットはわずか300円程度ということで、何度きいてもうらやましい限りです。映画人口の違いなんでしょうね。

12月27日(土) 「それぞれ」

★寒い夜は、猫が競ってふとんに入ってくるのです。ぐっすり眠っていても、どの猫か、それぞれくせがあってすぐにわかります。肩から顔にかけて、どたっと乗ってくるのは、シン。いくら脇におろしても、またどたっと肩にのっかってきます。しっぽで顔をなでてくるのは、チッチ。昼間は、しらっとしているのに、夜になるとすりよってくるのは、なぜでしょう。「私のこと忘れていませんか」と若手に先を越されて、か細い声で鳴くのはメメおばあさん。「おいで」と呼んでもただ鳴くばかり。起き上がって迎えにいかなければならなりません。よしよしと、だっこしてふとんに入れてやると、他の猫が出て行きます。しばらくすると、掛けぶとんの上にずどんと乗っかってくる子は、テル。猫にふりまわされて、朝起きると、すっかり肩がこってい、あす。いよいよ夜通し、ホットカーペットをつけっぱなしにしなければならないようです。

12月26日(金) 「年賀状」

★羽希ちゃんの一か月検診の送迎、次女のインフルエンザの予防注射・国際免許の申請、向こうに持っていく食料品の買出し、運転練習の添乗などなどにつきあっているうちに、夕飯のしたくをする時間に。その前に羽希姫をお風呂に入れて……。このところ気ぜわしいのは、あながち年末のせいだけではないようです。隙間産業と称し、時間のやりくりを得意としていたのですが、今や至難の業。深夜、やっと年賀状にとりかかることができました。私が子どもの頃、賀状はお書初めといって、一月二日に書いていたように思います。いつからでしょう、年賀状を年末に書くようになったのは……。暮れに忙しない気持ちで書かなくてもと思いつつ、元旦の朝、年賀状が届くとうれしいものです。できるだけ、元旦に届くように、まだこれからがんばらねば。手書きで郵便番号を記入するときは、「0」をしっかり丁寧に書かないと、機械が「6」と読み込んだりして、いくら早く出しても迷ってしまうそうです。

12月25日(木) 「顔見世」

★友人が、「おばあちゃんになったお祝いをしてあげる」といって、顔見世に招待してくれました。京都に住んでいるときは、南座に「招き」がでると、いよいよ年の瀬かと感じたものです。次女の体調不良、孫の守り、手づかずの年賀状、あれやこれや、後ろ髪をひかれる思いをしつつも、顔見世とあってはと、朝8時に家を出て京都まではせ参じました。「曽我物語」は、敵討ちに対する四人の兄弟のそれぞれの思いについて改めで感心し、玉三郎の娘道成寺の舞の華麗さにため息をつき、「傾城反魂香」は、鴈治郎・翫雀の芝居のうまさに引き込まれ、「雪暮夜入谷畦道」は、七五調のセルフの心地よさに、つくづく歌舞伎って面白いなあと思いつつ、5時間あまりを楽しみました。不景気なのか、空席が目立ちました。「……入谷畦道」で観た二八そばのシーンに影響されて、南座の隣の松葉で、にしんそばを食べて帰りました。

12月24日(水) 「心配の種」

★夜中にパソコンを叩いていると、次女が胃のあたりが気持ち悪いと起きてきました。もともと食が細いところに、アメリカでてきとうな食生活を送っていたらしく(次女は料理が上手なので安心していたのですが、何分にこまめに料理をする時間がなかったようです)、ますます小食になっていました。それを、日本に帰ってきていきなりいろいろ食べたので、胃がおどろいたようです、かかりつけのお医者さんでみてもらったあと、肩こりもひどいというので鍼灸院にもいきました。こんなにひどい肩こりは珍しいといわれたそうです。睡眠不足、パソコン、読書、視力の低下、運動不足などなど、肩こりの原因とおもわれるものは、すべて「イエス」だったそうです。いやはや。

12月23日(火) 「チキンの列」

★去年、イブの日にカルフールにチキンを買いに行って驚きました。すごい列。並んだあげくしかも売り切れでした。今年は賢くなって、今日買うことにしました。それでも祭日のせいか、整理券をもらうのに並び、香ばしいにおいが放たれる中、串刺しにされたチキンが焼きあがるのを待ちました。このクリスマス、カルフールは、いったい何羽のチキンを焼くのでしょう。
★次女がアメリカでの生活に車がいると言い出して(時々乗せてもらっていた人が卒業したとかで)、心配の種が増えました。カルフールに買い物に行くときに久しぶりに運転をしてもらったのですが、「ひゃあ、こわい」といっていました。「日本は道も駐車場も狭いやもん」。そんな問題かなあ。アメリカの中古車は、整備もできていないというし、夫は大反対。「道が広いし、だいじょうぶ」といわれても、時々鹿が飛び出してきたりして、あちこちに動物の死体が転がっていると聞いては、ますます心配に。

12月22日(月) 「下手がすてき」

★今月の、「お元気です会」のちょっとお勉強は、「絵手紙」でした。割り箸を削って描く絵は、「上手より下手(?)のほうが味があるのよ、字もそう」とは、指導してくれた鈴木さんの言葉です。「絵を描くなんて久しぶり」「手が麻痺しているから描けない」といっていた方が、素晴らしい画才を発揮され、たくさんいい絵が並びました。「またしてほしい」というリクエストがうれしいでした。
★留学中の次女が、冬休みを利用してアメリカから帰ってきました。昨日まで、遠いアメリカにいた娘が目の前にいると思うと、それだけで、もううれしくって幸せです。小さな羽希ちゃんも、あーおばちゃまに抱かれてうれしそうでした。「小さいねえ」「足がなんともかわいいねえ」「指がきれいやねえ」「眉毛の形がいいねえ」「かわいい泣き声」。ほめるポイントがちょっとずれてるのでは? 次女は、自分の小さいときに似ているといわれて、「そうかな……」となんともいえない表情。そのうち、あーおばちゃんのようになるよね、羽希ちゃん。

12月21日(日) 「地場ブランド」 

★つき立てのお米を届けてもらっています。すぐ目と鼻の先の田んぼでとれた、いわば地場ブランドで、電話をすれば、即ついて持ってくれます。おまけとして、とりたてのお野菜がついてきたりして(今日はキャベツとブロッコリー)、ちょっとお得かな。近くの方は、ご紹介します。身の回りにおいしいものがあるというのは、幸せです。松井豆腐店の豆腐と絹揚げ、ルヴァン・ルヴィウールのパン、カルフールのチキンとチーズ……。ん? あんまりないよね。でも、小鯛の笹漬け、カブラ漬け、富山のかまぼこ、どん太うどん、氷見うどん、青森のりんご、めんたいこ、沖縄の赤米、とれとれのさざえ、日本酒……。おいしい生活は、ご近所のみなさんのおかげでした。

12月20日(土) 「リサイクルリース」

★冬休み初日の今日、昔あそびの会「竹とんぼ」がありました。寒い中、三十数名の子どもたちが集まり、クリスマスリースを作りました。松ボックリのほかにも、発泡スチロールにカラースプレーを吹き付けたもの、プルトップ、毛糸、リボンなどなどで思い思いの飾り付けをして、とても楽しいリースができあがりました。ピンクの丸い飾りは、なんと梅の種です。今日欠席のお年寄りのスタッフが届けてくださいました。紙芝居のあと、ケーキとブランケットのプレゼントをもらって、みんな元気よく帰っていきました。どの子も風邪をひいたりお腹をこわしたりしないで、いい冬休みをすごせますように。


12月19日(金) 「うおっし!」

★気合を入れて、家の片付けをしました。生活の垢というか、世の中のしがらみというか、自己の物欲(それほどある方ではないのですが)をも含めて、捨てるに捨てられないものに囲まれている息苦しさをいつも感じています。五年前に亡くなった母が残したものは、ほとんどバザーに出して、とても喜んでもらいました。……のつもりだったのですが、母との思い出が沁みているものや、筆跡などの残るもの、最後まで身の回りにあったものなど、どうしても処分できずにいるものが、まだけっこうあります。それらを時々手にとることが、私にとって心安らぐことにもなるのですが、処分しておかないと娘たちが困るだろうなあと思う昨今です。ボランティア仲間に、ご主人の退官とともに身の回りの整理をされ、その後一切物を買わず、いただき物もしないという姿勢を守っている方がいらっしゃって、あこがれてしまいます。でも、こういうことって、夫婦が同じ価値観を持っていないとうまくいかないものなのですよね。何はともあれ、物置状態になっていた次女の部屋も片付いて、ふとんもふっくら(したかな? 今日は風が冷たかった)、冬休みの帰国を待つばかりです。

12月18日(木) 「シューベルト」

★12月の「面白クラシック講座」は、シューベルトでした。講師の新山さんによると、先月のワーグナーの力強さに比べ、シューベルトの旋律は優しいんだそうです。ふむふむ、確かに。小学校5年生の頃だったか、6年生だったか……、遠い昔、学校で習った国語の一節を思い出しました(うろおぼえですが)。

      「シューベルトの子守唄」

   外はしんしんと雪が降り続いています。
   少年シューベルトは、コンビクト音楽学校の寄宿舎で寒さに震えていました。
   寄宿舎から支給される薪だけでは、とてもがまんできません。
   けれど、それは、まだたえられることでした。
   シューベルトにとってがまんできないことは、五線紙が足りないことでした。
   「五線紙がほしい。五線紙さえあれば」
   シューベルトは、いつもそう思っていました。
                            (以下続くのですが、その先は忘れました)

泉のように湧き出てくるメロディを書き留めておく五線紙がたっぷりあったら、シューベルトは、もっとたくさんの名曲を残していたのかもしれません。毎日、反古にする紙の多さに、後ろめたい気持ちがあります。紙はたっぷりあるのに、創作はというと……。ごめんなさい、シューベルトさん。そして、思うように紙の使えなかった遠い時代の諸先輩方。


12月17日(水) 「進化」

★生まれたばかりの羽希(うき)ちゃんを、じいじの健康保険にいれてもらうために、出生証明書を産婦人科にもらいに行きました。その後、市役所で住民票をもらって、郵送で戸籍をあげてもらうために、新米ママはばたばたしていました。ばあば、つまり私は、今日は、運転手兼子守りに徹していました。お外の雑音や空気の動きが落ち着くのか、羽希ちゃんはぐっすり眠っていました。ママいわく、羽希ちゃんは進化しているそうです。生まれてすぐはガッツさんにそっくりだったのですが、生後三週間たった今は、徳光さん、あるときは石倉三郎に似ているというのです。こらこら、進化していく路線が間違っているぞ。羽希ちゃん、あんたは女の子なのよ。

12月16日(火) 「予告」

★植木屋さんが庭の刈り込みをしてくれました。どうせ散るからと落ち葉をそのままにしていたので、久々に土を見て、感動しました。一年間延び放題の植木が家を覆い隠していたので、ちょっと晴れがましい気分です。
★来年のことをいうと鬼が笑うそうですが、2004年2・3月号から1年間、「児童文芸」に連載していただくことになっている「とらちゃんつむじ風」の第1回分の校正をしました。粟田伸子さんのイラストが、めちゃ楽しいので、うれしくなりました。とらちゃんパワーが、読む人に笑いと元気を与えてくれるように筆を進めていきたいと、イラストを見て更に思いました。
★昨日、絵てがみのミニ講習会がありました。次回の「お元気です会」で、高齢者の方に描いてもらうにあたって、スタッフもあらかじめ、習っておこうというしだいです。「中心からはみ出る気持ちで大きく描く」の教えのもと、筆をとったのですが、。素材は同じでも(千両、だいだい、柿、サルの置物、とうがらし……)、15名それぞれ画風がちがっていて、おもしろかったです。添えるひとことにも個性が光っていました。それにつけても、今年は、年賀状が手づかずのまま。案もできていません。どうなることやら。

12月15日(月) 「HENP」

★いやあ、もう手が荒れてしまって、指先の感覚がおかしくなっています。指紋はとっくに消えているし、左手の親指はひび割れしています。マニキュアどころではないのです。何より辛いのは、本のページがうまくくれないこと(きっと札束も数えられないと思います。そんな機会など全くないので心配することはないのですが)。ハンドクリームもきかないので困っていました。それを知ったボランティア仲間が、いいものがあるからといって、娘さんに頼んで買ってきてくれたのが、「HENP」(イギリス製)。ハーブの匂いというか、薬草の独特な匂いがします。彼女は、庭仕事が大好きで手が荒れて困っていたところ、ピアニストの、やはりボランティア仲間が、去年教えてくれたそうで、「これがあって、どんなに助かったか」とのことでした。昨夜、さっそく塗って寝ましたが、今朝起きると、なんと、ひび割れがふさがっているではありませんか。奇跡的です。
     HENPって大麻のこと? ……。

12月14日(日) 「お祝いの会」

★保育園の佐藤園長先生が、多年にわたる民生委員児童委員としての活動や地域での貢献が認められて「藍綬褒章」をいただかれたので、そのお祝いの会が、リーガロイヤルでありました。司会を仰せつかったのですが、地域の各組織の代表者を含めて100人の出席者があるということで、いかにお気楽な私もさすがに緊張してしまいました。が、みなさんのご協力を得て、相和気藹々のうちに無事お開きになりました。お祝いのショートスピーチの他に手品あり、インド舞踊あり、飛び入りの「赤坂台の橋幸夫さんの歌」ありで、大変楽しい会になりました。100名以外に73名の記念品参加者もあり、佐藤先生のご親交の幅の厚さが伺えました。お祝い会は、何度もあるそうです。

12月13日(土) 「老い」

★今日、めめちゃん(猫)を洗ってやりました。16歳という高齢のせいで、歯がほとんどなく、よだれが垂れて、それが毛につくと、かなり匂うのです。いやがっていましたが、そのあと気持ちがよかったのでしょう、がぜん食欲が出ました。ミッキーという犬も長生きしたのですが(15歳)、晩年は歯に毛が絡まって、やはり匂いました。毛を外してやろうとすると、威嚇しました。すっかりぼけて、ごはんを食べても、またすぐ(もらってない)という表情をしました。トイレにも立ち上がれなくなって、大きな体を抱いて庭に下ろし、おしっこをする間、腰を支えていなければなりませんでした。老いというのは、人間も犬猫も同じなんですねえ。

12月12日(金) 「不燃ごみ」

★2階のトイレ、長い間、開かずの間状態だったのですが、赤ちゃんが生まれたので、夜中におむつの処理にわざわざ下に降りてこなくていいようにと、ウォーマーをウォシュレットに取り替え、手洗い器を少し大きくしてもらいました。が、かんじんのおむつ、病院で使っていたこともあって、布ではなく紙に流されていってしまいました。紙おむつはごみとして環境にどうなんでしょうね。我が家は、砂で固めた猫のふんやおしっこ、朝夕の散歩で持ち帰る犬のふん、それに赤ちゃんの紙おしめをあわせると、けっこうな量になり、これで、いいのかなあと気になっています。紙おしめや猫砂が可燃材料であることはもちろん、焼却炉に負担がかからないもの、オゾン層を破壊しないものであってほしいと願うことは、他力本願的発想なのでしょうか。

12月11日(木) 「さとうきび畑の唄」

★昨日、ノヴェライズした『さとうきび畑の唄』のゲラが送られてきました。校正して、今日、送り返しました。森山良子さんの歌う『さとうきび畑の唄』が、シナリオライターの遊川和彦さんによって、感動的なドラマになり、9月28日(日)TBSで放映されました。放送後の反響は大きく、再放送の希望が殺到したときいています(実際に、年末年始の何れかに放送されるそうです)。このドラマの素敵なところは、明るいということです。戦争をテーマにしてはいるのですが、大仰に構えず、平和に暮らしていた那覇の一般家庭の家族にスポットをあてることで、戦争下の沖縄の人々が、いかに追い込まれていったのかをユーモアを交えて描かれていました。それって、すごいと思いませんか? それが、戦争の悲惨さを痛いほど伝えていました。童話に書き直す仕事をさせていただいたのですが、次女の春子の視点に書き換えることで、小学生にもよくわかるお話になりました。この仕事にかかわらせていただいたことに、深く感謝いたします。なお、童話『さとうきび畑の唄』は今月中に出る予定です。その節は、どうぞよろしくお願いいたします。
★今年最後の講座の日でした。4月に開講したときは、童話を書いてみたいが、書いたことがないという人たちばかりの集まりで、こりゃえらいこっちゃという思いもありました(受講生もそうだったと思います)が、「書きたい」と言う気持ちがいかに大切かがよくわかる10か月でした。20代から70代まで、みなさん、とても楽しんで発想し、書き、合評し合っていらっしゃいます。準備もそれなりに大変ですが、講座を開いて、ほんとうによかったと思えることが、うれしいです。

12月10日(水) 「大ちょんぼ」

★悩んでいる最中に親身に相談に乗ってくださった大事な方と、「ちょっとかんぱい」のお約束をしていました。それが、まさか、今日だったなんて……! お電話がかかってきて、一瞬、何がおこったのかわかりませんでした。え、今日? まさか! 「気にしないで、私もそういうことがあるのよ」とやさしいお言葉をかけていただいたのですが、自分が信じられなくなりました。電話を切ってから手帳を見ますと、来週の水曜日13日にしるしがしてあるのです。慌てて、先方から送っていただいたメールをみると、10日(水)になっていました。その方は、第1水と第3水に講座をされているので(のはずなのですが、これも、もしかしたら思い込み……?)、講座の後にお会いすることになるだろうと、ご都合をお聞ききする前に手帳の第3水にしるしをいれていたのです。すでに第1水は過ぎていたので。オーケーをいただいた時に、手帳を確認しなかったのが、大ミスの原因でした。ごめんなさい、お忙しい中、やりくりをして時間を空けてあけていただいたのに、なんということでしょう。そして、なんとやさしい言葉で、私が気にしないように応対してくださったことでしょう。小梅さま。申し訳なく思う気持ちがつのるばかりです。
今日は、いいこともいろいろあったのですが、すべて色あせて、消えてしまいました。くすん!

12月9日(火) 「沢口靖子さん」

★実家のお墓参りのため、朝8時に家を出て京都へ。あれこれ所用をすませ、急いで帰ったつもりが、家に着くと夕方6時。あわててご飯の支度をして、家族がご飯を食べている間に犬の散歩。忘れられたと思うのか、クフーン、クフーンとうるさいのです。帰ってきて赤ちゃんの入浴。それからやっと自分の食事。出かけたら、その後のめまぐるしいことといったら……。
★地下鉄のドアに、点字の案内板(名刺の倍ほどの大きさ)が貼ってありました。「ここは、2両目の三つ目のドアです」。(前にはなかったよね。いつからかな)。ということで、駅員さんに聞いてみました。すぐにはわからなかったのですが、調べてもらうと、12月1日からだそうで、まだごく一部。順番に貼り付けていきますとのことでした。(地下鉄、やるやん)と、とてもうれしかったのです。その表示が実際どのように役に立つかは別として(視覚障害者の要望に応えてくれたのなら問題ないのですが、得てして、障害者対策というものは、健者の思い込みで実施され、実際はそんなに役に立たないケースもあるように思う)、手話ボランティアをしている知人に知らせてあげようと思いました。
★家に帰ると、沢口靖子さんのお母さんから留守電が入っていました。留守中に、来年度のカレンダーをガレージに届けてくださっていたのです。「東宝」と「エクセール(着物)」の大きなものと、エクセールの卓上物。一気に家の中が華やかになりました。明晩9時から大阪テレビの二時間ドラマ(ミステリー)に出られるそうです。来年度のNHKの大河ドラマにも出演が決まって、靖子さんは、現在、毎日NHK入りだそうです。地域の福祉バザーにも、毎年とはいわないまでも、私物や色紙を出して盛り上げていただいています。

12月8日(月) 「検問」

★生協の帰り、自転車の小検問があり、検問を受けました。別にあやしいからではなく、通りかがりの自転車を二人のお巡りさんが、片っ端から停めているのです。私の乗っている自転車は友人からもらったものですので、友人の名前が書いてあります。というのも、私は、よく自転車を盗られるので、見かねた友人がくれたものです。お巡りさんは、さっそく無線で問い合わせています。その間に、質問してみました。
「全国的にいっせい検問ですか?」
「いいえ、そういうわけではありません」
「歳末だからですか?」
「というわけでもないのです。いつもしています。事件のあるときは、してませんが」
(そうか、検問のあるときは、世の中平和なんだ)
「そうなんですか、初めてであいました」
「自転車の盗難が多いものですから」
「私もよく盗られるんです。この自転車も、ガレージに止めておいたのに盗られたんですよ。乗り捨ててあるの見つけた人が、友人のところに電話をかけてくれて、自転車に名前が書いてあるもんですから。友人が取りにいってくれたんです。和田西まで」
「えーっ、えらい遠いところまでですね。あ」
お巡りさんは、無線でやりとりの後、
「はい、けっこうです。ありがとうございました」
ですって。それで、なっとくするおばさんではありません。
「無線で問い合わせて、何がわかったのですか?」
「え、まあ」
「盗難届がでてなかったということですか?」
「そういうことです」
(あたりまえでしょ、もらったんやから。それより、私の盗られた自転車見つけてよ)といいたいところを、
「そうですか、寒い中、ごくろうさまです」
早速友達に報告しようと思うにつけ、もし盗難自転車だったら、どうなるのか(たとえば連行される、その場で調書をとられる、自転車をとりあげられる)、聞いておけばよかったと思うのでした。

★テレビドラマのノヴェライスですが、TBSと脚本家さんのチェックが終わったそうで、大幅な書き直しはなかったとのこと、ほっとしています。指摘があった個所を出版社の方で訂正して、再度TBSと脚本家さんに見ていただき、そのゲラが届くそうです。年内出版。早い!
★昨日、出版社に送ったメールの返事がきました。見てくださるとのことなので、失礼とは思いながら添付で送りました。プリンターですが、かすれて、うまくプリントアウトできないのです。年賀状のこともあるので、買い換えるなら早くと思いつつ、時間とおっかけっこで、つい、後回しになっています。

12月7日(日)「ニーズ」

★9月中旬に、出版社の担当さんといっしょに高崎に取材にいったのですが、子ども向けにどういう切り口で書けばいいのか、ずっと暖めていました。資料を再度見直してみたところ、いろいろこぼれていた情報があって、話がふくらんできました。やっと見えてきたかなという思いがして、急いでまとめにかかっています。出版社のニーズに応えられるものかどうか、担当さんにご意見を聞いてみようと、メールを打ちました。あえて連絡したのは自分を追い詰めるためで、とにかく、昨日今日と、がんばりました。

12月6日(土) 「骨密度」

★炊き込みご飯の、おいしい季節になりました。今朝、今シーズン初めて牡蠣ご飯を炊きました。ご飯の炊けるいい匂いが朝のキッチンに満ち満ちているだけで、元気になります。戦争も旱魃もない日本に暮らしていることを感謝しつつ、発展途上国の子どもたちにクリスマスカンパをしようと思いました。賢明幼稚園の小さな子どもたちですら、金曜日のお昼を粗食にして、その分をカンパしているのですもの(HP「日々好日」10月30日・「おめでとう掲示板」NO117参照)。
★出産10日目の娘が、骨密度を測ってもらいました。看護婦さんに、「わー、感動的です、この値。学生時代バスケットでもしていたのですか?」ときかれたそうです。稀に見るしっかりした骨だそうで、「運動していなかったのなら、きっと食事がよかったのでしょう」といわれたんですって。我家は雑食で、HPの「元気の素」を見ていただければわかるように、1日30品目を心がけてきました。そのおかげなのでしょうか、二人の娘は自慢できるほど健康です。アメリカにいる次女も、睡眠時間さえろくにとれないハードスケジュールを、元気にこなしています。思わぬところで、母親の面目が立ちました。
★夜7時から、佐藤先生祝賀会の打ち合わせ。それがなんと、11時半まで。
★そうそう、昨日うれしいことがありました。放課後学校をのぞいたら、五年生の男の子がとんできて、こんなことをいってくれたのです。「のびのびルームで、『アイディア料理は風太におまかせ』をで読んでおもしろかったんで、お母さんに頼んで買うてもろた。今日、のびのびでも読んだけれど、やっぱりめちゃめちゃおもしろかった」。ショウタロウくん、とんぼおばさんは、めちゃめちゃうれしかったです。

12月5日(金) 「お使い」

★お天気もいいし、おふとんも干して、久々にゆっくりした気分になりました。そんな気持ちになったのは、再校正が終わったからでしょうか。再々校正に向けて、体調を整えておかなければ……。思っていた以上に、長丁場になっています。良い本にしようと担当さんが、がんばってくれているので、それに応えようと気合が入る分、疲れも……。
★気になっていた孫の出生届けを出しにいきました。帰り、赤ちゃん本舗までお使いに。そう、「お使い」です。娘からカードを預かって、いわれたものをあれこれ買いに行きました。赤ちゃんグッズもいろいろあって、そそつかしい私のために、チラシを切り抜いてくれました。写真つきなので、なんとか間違わずに、買うことができました。それにしても、便利なものがいろいろあります。赤ちゃん市場は、不景気知らずかも。

12月4日(木) 「世代交代」

★ひゃあ、今日も綱渡りでした。娘の親友が、ガッツちゃん、じゃなかった孫の羽希ちゃんを見にくるというので、部屋を片付けたり、買い物にいったり、お料理をしたり、迎えにいったり……。夫が一泊でいないので、朝夕の忙しいときに犬の散歩にもいかなくていはならないし。一方で、今日発送予定の校正原稿に手を入れ(ドキュメンタリーなので、取材先のチェックを受けつつ部分的に書き直し)、宅配便にやっと間に合わせました。こんなどたばただったので、「昔あそびの会」の打ち合わせがあったのですが、せめて顔だけでも出そうと思っていたにもかかわらず、欠席することになりました。偶然にも熟年スタッフは揃って休みだったとか。若いスタッフのみなさんが、きっちり進めてくれたようです。うまく世代交代ができて、うれしいです。

12月3日(水) 「元気の素」

★高齢者クラブの空き缶つぶしの日。久々のお天気で、よかったです。回収が少ない目かったことや、キリンから空き缶つぶし機械を貸していただいているおかげで、早く終わりました。
★午後からは、小学校のボランティアクラブの支援をしました。12月なので、地域の寝たきりのお年寄りに年賀状を書いてもらいました。毎年二日に分けて書くのですが、今年度はクラブの回数が減ったので、一日しか当てられません。70人に出さねばならないので、どこまで書けるか不安でした。が、みんながんばってくれたので、42通も書けました。どれもかわいいイラストとメッセージが描き込まれていました。受け取ったお年寄りはきっと喜ばれ、元気がでることでしょう。残った分は、六年三組の子どもたちが書いてくれるそうです。

12月2日(火) 「生活のリズム」

★それにしても、忙しいのです。今までのように、うまく時間を使いこなせないのは、やはり、我が家に赤ちゃんが舞い降りてきたからかもしれません。手出ししないと宣言したのですが、見るのはかまわない、抱くのもかまわないなんて、二階にかけあがってばかりです。かわいいのです。おっぱいがほしいときは、「れーれー」と鈴を振ったように泣くのです。仕事はもちろん、ボランティア、家事、ペットの世話、どれもこれも中途半端です。家事については、娘がよく手伝ってくれていたので、それに甘えていたのかもしれません。早くリズムをつかまなくっては。(この日記も、3日の朝書いているありさまです)。ふう。

12月1日(月) 「その日暮らし方式」

★ここ数週間、あれやこれやと慌しくて、今日の「みんなカナリア会」をやむなく欠席しました。明日、あさって、しあさって……としなければならないことが山積みなのですが、特に落ち着かないのは、12月に入ったせいでしょうか。できるだけ、今日しなければならないことだけ考えることにしています。次の日のことは、寝る前にだんどりを立てます。それが朝方までかかることもありますが、スケジュールが詰まっているときは、この、「その日暮らし方式」が、私にはストレスがたまらない方法のようです。