日々好日        
2003年3月

3月31日(月)
★ロバートデニーロ、ビリークリスタル主演の映画「アナライズ ユー」を観にいく。9・11テロ事件の爪あとの色濃いニューヨークで、いち早く撮影が開始され、現地に元気を取り戻すきっかけになったというこの映画は、命を狙われているマフィアのボスと気弱な精神科医の織り成す話。ドンパチも殺人もあるが、明るく楽しい映画になっていた。この映画を観て、笑って癒されたニューヨークっ子も多かったらしい。それにしても、わが泉北での上演は、200席にたった5名……。しかも私は無料(6回観れば7回目はだたなのです)、娘は、レイトショープライス。閉館にならないように、もっと映画を観にいかねば。

3月30日(日)
★パピーウォーカーに育てられていた盲導犬候補の子犬が、いっせいに日本ライトハウス盲導犬訓練所に帰ってくるというので、その様子を見学させてもらいに千早赤阪村まで行った。 次々帰ってきた合計27頭の犬たちは、受付を終わると柵の中に放たれた。まだ生後一年ばかりだというのに、ほえることもけんかすることもなく、とても友好的に遊んでいた。すでに8頭の子犬を育てたというベテランのパピーウォーカーもいれば、別れを泣いている初めての方もみられたが、犬たちは、そろってききわけよく犬舎に入っていった。明日から、訓練が始まるそうだ。このうちの何頭が、盲導犬になるのだろう。一頭の盲導犬を育成するのに約400万円かかるときいているが、費用もさることながら、それを支えているボランティアの協力と、忍耐強い訓練士の努力に頭が下がる思いがした。
★体を消毒した後、産室をみせてもらったが、4月の20日にはパピーウォーカーに預けられる六頭のかわいい子犬が、元気にころころしていた。隣の産室には、それよりまだ小さい子犬も五頭、お母さん犬といっしょに寝ていた。盲導犬になる使命を持って生まれてきた子犬の寝顔は、天使のように無垢だった。

3月29日(土)
★テレビで見た「小顔」になる顔体操。大きく口を開けて、「あ・い・う・え・お」をゆっくり10回くりかえすだけ。モデルになった主婦三人が10日間で、すっきりした顔に。これはいいと思ったのだが、つい忘れる。車を運転しているときに思い出して、「よしっ」とばかりにやりかけたが、対向車が気になって……。
★東野圭吾の「白夜行」読み終える。東大阪界隈で起こる事件の数々。時を経て、場所は変わるも、悪の根っこは一つ。その展開、発想はすごい。

3月28日(金)
★住吉区に住む若いお母さんからお便りが届いた。彼女とは、去年の6月頃、光明池駅前の喫茶店で偶然に知り合った。母子医療センターからの帰りだとかで、生まれたばかりの赤ちゃんをだいていた。その小ささ、可愛さに思わず声をかけたのがご縁だ。お若いのに4人目のお子さんだというので感動、その後何度かお手紙のやりとりをした。今回のお手紙には、本好きの小1の長女にご主人が買って来られた本が、『心うたれるほんとうにあったお話』で、「その中に沢田さんの作品『天使のおてがみ』があったのでうれしかったです。娘といっしょに一番に読みました」と書いてあった。おじょうちゃんからのかわいいお手紙も入っていた。たった一回、それも行きずりに出会ったご縁に絆を感じることができて、とてもうれしい。
★デジカメ故障。修理に3週間ほどかかるとのこと。うへー、困った。修理費もけっこうかかるそう。五年間の修理保険に入っておいてよかった。
★単行本『命の重さはみな同じ』のプロット通過。

3月27日(木)
★かすかないい香り……。母の遺影に供えていたカサブランカの大輪が、いっせいに開花。友人からお彼岸にいただいたもの。めしべを撤去。まだまだ楽しめそう。幸せ気分でデスクワークに集中。
★ホームタウン紙から電話。「HP紹介の欄にのせるので、自己PRの文を100字で」との旨。早速、メールで送る。尚、ホームタウン今週号(各週発行)の「クローズアップ」に私が。クローズアップに掲載される顔写真は、毎回、その人をうまくキャッチしているなあと思って見ていた。私の写真も人から見れば、きっとそう思われているはず。でも……。アップにはもう耐えられません(もうでなくて、とっくにでしょ。……はい。それなのに、おめおめと……。すいません)。

3月26日(水)
★昨日は、施設見学のあと、「犬の散歩班」と「猫班」に別れてボランティア活動をすることになった。が、間もなく雷雨。散歩班が猫舎にかけこんできた。猫舎を雑巾がけした後、猫のトイレ用に新聞をたくさん裂いた。作業中も猫たちが膝に乗ってきたりして、子どもたちは大喜びだった。雨なので、猫といっしょにのんびり過ごす。夕食は子どもたちがカレーを作ってくれた。プラス、ニラとコンニャクと牛肉炒め、ダイコンのサラダもおいしかった。材料は、みんなハッピーハウスのものを使わせてもらった。甲斐さん、獣医さん、男性スタッフ1名ももいっしょに食事。犬たちがすりよってくる。
訓練指導会に紛れ込んだ子どもたちは、その様子を緊張して見ていた。が、甲斐さんに「だれか、してみる?」といわれ、ゴールデンレトリバーのももちゃんに、「おすわり」「伏せ」「待て」などをさせてもらう。
夜は寝袋に入って床に雑魚寝。どんなときでも楽しむことが上手なこどもたちは、一枚の毛布に頭を突っ込んで、、こわい話に夢中だった。

★今日は快晴。「やったあ、散歩にいける」と子どもたち。朝食の後、みんなで溜まっていた洗濯物を干すお手伝い。犬用のシーツ、バスタオル、タオルなど。「散歩班」とドッグフードの「空き缶洗い班」に分かれる。ドッグフードの缶は、そのまま捨てると烏が荒らすので、捨てる前に洗うことは大切な仕事になっている。それが終わると、えさの入っていたステンレス皿の回収と、それを洗う仕事。並行して猫舎の掃除。あっという間に12時半。みんなよくがんばったよね。朝作っておいたおにぎりとカップ麺などで昼食。コーヒータイムを楽しんでいると、子どもたちの姿が見えない。お気に入りの猫舎に入れてもらっているらしい。その間に荷物をまとめて帰る準備。昨日の2時に来て、2時に帰る。たった一日だったけれど、たくさんいろいろな経験をさせてもらった。リーダーになってくれた奈緒ちゃん、サブリーダーの智子(さとこ)ちゃん、そして純一君、まりちゃん、みなちゃん、芙美ちゃん、それに、一年生の加那ちゃん、みんなよくがんばったよね。お父さん、お母さんお疲れさまでした。カメラマンの野寺夕子さん、ありがとうございました。ハッピーハウスのみなさん、おさわがせしました。受け入れてくださって感謝します。単行本に向かってのプロット作りに入ります。


3月25日(火)
★「子どもボランティア体験隊」なるものを結成して(大人6名、子ども7名、カメラマン1名)、今日から一泊で、動物の孤児院「ハッピーハウス」に出かける。あいにくのお天気だが、450頭の犬や猫のお世話をしているスタッフの活動を見て、また、初めてのボランティア体験の中で、子どもたちは、きっといろいろ感じ取ってくれることだろう。それでは、行ってきます。 

3月24日(月)
★第4月曜日は、福祉協議会主催、「お元気です会」の日。寝たきりにならないためのB型機能訓練ということで、理学療養士さんの指導のもと、じゅうぶんに体をほぐした後、椅子に座ったままでマスゲームをした。92歳のおばあちゃんも、車椅子で参加しているMさんも、骨折をしていつもは手を上げられないといっているおばあちゃんも、お隣さんとつないだ手を、上にあげたり、横に引っ張ったり、無理なく、楽しそうに体中のスジをのばしていた。

 お話おばさん(奥平真子さん)の今日の民話は、河内長野にあるささゆりの寺「勝光寺」建立までのいわれ話。現在92歳のご住職(女性)さんから聞いてきた話を再話。まるで住職ご本人が話しているかのように、しっとりと語ってくれた。ただのおばさんが、夢枕に立った不動明王のお告げの通り、15年もかけて寺を建て、92歳の現在に至るまでのお話は不思議で、心地よいものだった。
 昼食は、泉北作業所から届いたおかずを、炊きたてのご飯といしょに詰める。たっぷりのだしじゃこと昆布でとった味噌汁は、スタッフの心づくし。今月のお誕生は五人。花の苗をプレゼント。
★8時から福祉協議会定例会。

3月23日(日)
★「映画、今晩も観にいこうね」と張り切っていたが、さすがに深夜3時の帰宅は、かなり疲れた。芝居に大声援をしたせいで、治りかけていた声帯をとうとうつぶしてしまった。しかも、花粉症到来。よもぎ風呂に入ったり、到来物のお菓子をつまんだりぐうだらしながら、これではいかんと時々仕事、またぐうだらの一日。
★テレビで「動物奇想天外」を見る。賢い犬と猫ばかり。「あ、これなら、うちのテルだって、できるかも」(できひんちゅうねん)「この子、シンにそっくり」(似てるだけでは、あかん)「ミッキ―の方が長生きした」(それが、どうした)「うちの子の方がかわいい」(どこがいな)。動物ものは盛り上がる。そんな人間をよそに、16歳の老猫メメはホットカーペットの毛皮の上で、シンはタオルを積み上げた上で、テルはお風呂場で、ノララは椅子にかけた服の上で、チッチはテーブルの下で、丸くなっている。どでかい雑種犬のマックは、パパにもたれてこたつで寝ている。特別なことは何もできないけれど、もしここで、それぞれが好きな言葉をいったとしたら……。「散歩」「えび」「かゆいかゆい」(背中をかいてほしい)「だっこっこ」(セーターの中に入れてほしい)「ブラシ」。そう考えただけでじゅうぶん癒される。

3月22日(土)
よもぎ茶を買った。珍しいお茶をみつけると、どんな味か試してみたくなる。今までに、イチョウの葉茶、柿の葉茶、センブリ、どくだみ、びわの葉茶、甜茶……ハーブも合わせると、いろいろトライしてみた。が、よもぎ茶は、茶葉をいれすぎたせいもあってか、苦くってお手上げだった。で、布の袋に入れてお風呂に浮かべてみた。いい香り。心身ともにリフレッシュしていく感じがうれしい。そういえば韓国では、よもぎはエステにも使われていたっけ。浴槽が黄ばむのが気になる人には、おすすめできない。
★松井誠の「大殺陣 雄呂血(おろち)を歌舞伎座で観劇。200人相手の立ち回りの迫力もさることながら、サービス満点の大衆演劇を堪能した。とても楽しかった。4時開演8時終演。230人もの出演者と裏方さんをかかえつつ、激しい殺陣のある芝居とショーを、1日2回こなしている松井誠は、すごい。女形もきれい。
★夜の12時から、封切られたばかりの映画「キャッチミー イフユーキャン」を娘と観にいく。終わるのが深夜の2時半になるというのに、映画館はかなり混んでいた。デカプリオ演じる、あるときは偽パイロット、またあるときは偽秘密捜査官、医者、弁護士などになりすましながら、小切手を偽造して追われる高校生と、それを追うトムハンクス演じる人間味あふれるFBI捜査官がなかなかよかった。父親の生き様も心打たれるものがあった。ウソのようなストーリーなのに、実際にあった犯罪を元に作られた映画だというのが、驚きだ。後味のいい映画だった。
★芝居で虚の世界を楽しみ、映画で、想像もつかない他人の人生を体験したいい一日だった。

3月21日(金)
墓参のため京都に。今日の京都は、不景気はどこ吹く風、ざるの豆をひっくり返したように活気付いていた。買い物もそこそこに退散することに。帰りの電車も込んでいて、阪急も地下鉄も立ちっぱなし。おかげで、本が一冊読めた。
★江國香織さんの著書「泣かない子ども」の中にサガンの小説が紹介してあった。貧しいピアニストの夫が妻の理不尽な振る舞いを、こと細かくぼやいている設定になっているそうなのだが、江國さんは、読んでいくうちにどんどん妻に惹かれていって、一度も夫に同情しなかったという。その妻の像は、
頭はいいが、機知はない。金遣いは荒いが、気前のいい鷹揚さはない。美しいが魅力はない。献身的だがやさしさはない。機敏だがいきいきしていない。人を羨むが自らの願望はない。人を中傷するが憎しみは持っていない。自尊心は強いが誇りはない。親しげだが暖かさがない。感受性が強いが傷つくことがない。子どもっぽいが純真さはない。愚痴を言うがあきらめはしない。高価な服を着ているがエレガンスがない。ヒステリックだが怒りはない。素直だが誠実ではない。臆病だが恐れを知らない。そしてつまり、情けはあるが愛がないのだ」というのだ。おもしろい。
★次女から、無事、大学の寮に帰ったとのメールが入った。

3月20日(木)
★福祉協議会主催「おもしろクラシック講座」、今日はショパンあれこれ。映画「戦場のピアニスト」でピアノ演奏された曲がショパンだったからとのこと。講師である新山さんご自身の子どもの頃の空襲体験話に始まり、作曲家にとって女性とのかかわり(出合いや別れ、パトロンなど)が、いかに曲に影響しているかという、女性の端くれとしては「ほれみたことか」と溜飲をおろすありがたいエピソードを交えつつ、ショパンの曲をあれこれ聴かせてもらった。貸し出しCDの中から、ウイーン・フィルの「世界の名曲」と米良美一の「ブリッジ」を。
★童話集「ごちそう大集合」に応募していた短編「美人になるおべんとう」の採用通知が届いた。11月刊行予定だそうだ。まずは、よかった。
★映画「戦場のピアニスト」の上演が今日までということもあって、最終に滑り込む。ショパンのピアノが映画に溶け込んで、主人公の悲しい表情とともに、心に刻み込まれる映画だった。それぞれに輝いて、素敵に暮らしてい家族が、ユダヤ人というだけで迫害を受け、悲惨な運命をたどっていく。何十万人もの命が残酷な仕打ちのうちに失われていく悲惨さ。今、イラクへの空爆が始まったことも併せて、辛く悲しい体験があるにもかかわらず、なぜ繰り返し熱い鉄を踏むのかが理解できない。とても悲しいことだ。心を痛めつつも、いつものようにおいしいごはんを食べてテレビで空爆を見ているわが身の傲慢さが、腹立たしい。アメリカに留学中の次女は、現在カナダを旅行中。早く連絡がとりたい。
★民生委員会。10時まで。

3月19日(水)
★朝、キッチンで水を流す音を聞きつけて、窓の外でマック(犬)が散歩に連れて行けと鼻を鳴らす。え、まだ6時半なのに? 家の中での気配を察し、庭から玄関にまわりドアをどんどん叩いて散歩をせがむ。係りの夫は、朝風呂の真っ最中だ。しかたがない。豆乳を買いに行くついでに散歩に連れ出す。快晴のせいか、すでに8時を回ったような明るさに、春を通り越して初夏という感じさえした。マックがぐんぐん引っ張る。いつもは聞き分けがいいのに、今日は変だ。しかもあちこち、下品なくらい匂いをかぎまわっている。ははーん、マックにも春のシーズンがきたようだ。急に飛びだしそうになるのをリードでセーブさせながら、やっとのことで豆腐屋に着いた。そこで思い出した……。豆乳の予約、先週から月と金だけに変更してたんだ。やれやれ、私の頭も春状態。かすみのかかった頭で,、出来上がったばかりのふっくら豆腐を買って、マックにおつきあいして大回りで帰った。
★最近、パソコンがフリーズすることが多い。パソコン救急隊にきてもらて、容量のチェックなどをしてもらう。ZAQとの契約容量は、じゅうぶんゆとりがあるそうだ。チェックの結果、パソコンが、「引出しはまだまだ入るが机の上がいっぱい」状態なのだそうだ。いつも机の上に書類が山積みになっている私には、とてもわかりやすい説明だった。机の上を広くしてもらう作業を、再度来てもらってすることになった。

3月18日(火)
★小学校の卒業式に参列。98名の子どもたちが小春日和の陽射しの中、さわやかに巣立っていくのを見送らせてもらった。卒業証書の授与は、何回も練習したのだろう、規律正しく流れるように行われた。子どもたちの中には、緊張で体がコチコチになっている子や、とても小学生だと思えないほど体の大きな子、反対に中学校の制服服姿を想像するとほほえましくなる子、ちょっと背伸びをしておしゃれをしている子など、一人一人表情をみることができて、とてもよかった。が、式中で歌われた曲は、どれも、おばさんには耳慣れない曲ばかりだった。けんめいに耳をそばだてると、仲間としてこれからも困ったときには助け合っていこうというような内容の歌詞だった。三曲とも同じ傾向の歌だった。「蛍の光」も「仰げば尊し」も歌わない卒業式は、まるで文化祭等の発表会を見ているようで、感動は伝わってこなかった。ことさら感傷的になる必要もないかもしれないが、歌の最中、あくびをかみころしている保護者の方も……。
閉会の後、控え室で、卒業生のお母さんに、「子どもたちの歌った曲、なんていうの?」ときくと、「さあ?」という返事。「去年卒業した上の子は、何を歌ったかさえおぼえていないといっています」と苦笑するお母さんもいた。ちなみに六年生が歌った曲は、「語り合おう」と「歌よありがとう」。五年生が歌った曲は「ビリーブ」(これは聞き覚えがある)、演奏した曲は「音楽の贈り物」。どこの小学校でもそうなのだろうが、演出のしずぎのような気がした。六年間教えてもらった先生方に、もっとダイレクトに、「ありがとう」をいってもいいのでは?
★昼から、昔あそび「竹とんぼ」のメンバーで、学童保育に「昔遊び」を伝授しにいく。チラシで作る「肩たたき棒」にみんな熱中。最初はうまく巻けなかったチラシも、20本完成までには、みんなうまくなった。紙コップ楽器の演奏も楽しそうだった。紙芝居は、いつものスタッフがいないので、おじいちゃんおばあちゃんに急に役をふる。それがびっくり。すごくおじょうずなんだもん。坊さんも、池の女神もおろちも、迫力満点。子どもたちに大受けだった。いっしょにいただいたおやつは、シュークリームと、おかきとジュース。ごちそうさまでした。

3月17日(月)
★とにかく今日は、よく歩いた。早朝に豆乳を買いに40分。夫がゴルフにいったので犬の散歩40分。「ぶらぶら散歩の会」50分(今日はコースをショートカット。自治会館で、心づくしの豆ご飯とつくしの佃煮、菜の花の和え物をいただいた)。午後からは泉北郵便局の先まで往復二時間。買い物。夕方三軒のお宅に託り物を配る。その度に汗をかく。昨日までとは違って一気に春めいてきたのが、うれしい。それに今日は、よく頂きものをした日だった。いかなごの佃煮。きんかんのはちみつ煮(私のひどい声を心配して)。おやき(信州の)。くだもの(りんご・三宝柑・ぼんたん)・お米、な、な、なんと10キロ! チョコレート。草もち。いやはや、友達はありがたいものです。そういえば、先日、皮をむいたメークインを大きなビニール袋にいっぱいいただいた(業務用。水につけてあった)。急いで食べなくてはと、肉じゃが、ポテトサラダ、カレー、ハムとジャガイモの挟み焼き、コロッケ、味噌汁……。次々、ジャガイモ料理を作りながら、かってアンデルセンに入賞した「先客万来、願いは一つ」の主人公を、ふと思い出した。あ、この作品、HPに掲載しようと思っていたのに、まだだった……。なんとか今晩中に……。原稿用紙20枚。できるかな?

3月16日(日)
★夫が、「職員会議に出たクロ」(wac)という本を買って来た。昭和35年から47年の間、松本深志高校で飼われていた犬と、それにかかわった人々の話だ。前足で「ちょいと」と人の背中をつついてごはんをねだるクロの様子が、うちの「マック」に似ていると、夫はうれしそうにそのページを見せてくれた。ぱらぱらとめくると、自由に学校の中を視察したり、授業にでているクロの写真がちりばめられていた。記念写真にまで、畏まって写っている。学校ぐるみでかわいがられていたクロの12年の生涯を読むにつれ、本来、犬は自由で、こういうふうに飼われるべきではないかという思いがした。
私が小さかった頃、小使いさんが雑種の犬を飼っていた。何年も前に卒業した男の子が拾ってきて、頼み込んで飼ってもらった犬のようだった。休み時間や放課後になると、おじさんの部屋には、子どもたちが集まってきた。食べたいのをがまんして残した給食のパンのはじっこを握りしめて駆けつけ、犬にやり、「おいしいか」と満足顔のがき大将もいた。思えば、おじさんの度量一つで犬を飼えたという時代は、学校の他においても、おおらかだったにちがいない。「小使いさん」が差別用語ということで、「用務員さん」になり、いつしか「技術職員さん」になり、その度に、おじさんと子どもとの距離がだんだん遠くなってしまったような気がする。今、もし、捨て犬を学校で飼ってと頼んだら、どんな返事が返ってくるのだろう。管理のことはもちろん、犬の雑菌のこと、犬アレルギーの子どもたちのお母さんの反応、噛み付くかもしれない不安、散歩はどうするのか……などなど深く考えすぎて、たぶん、いえ、もう学校で捨て犬を飼うという発想すらない時代なのかもしれない。
★単行本のプロットを添付で送る。
★雑誌に使う写真の選択。
★取材交渉、電話であれこれ。

3月15日(土)
★昔遊びの会「竹とんぼ」の日。雨が降っているのに30数人の子どもがやってきた。今日は和歌を詠むことになっている。「そんなんできひん」という子もいれば、すぐに書き出す子どももいる。はじめてやって来た2年生の男の子ばっかり8人グループは、そら、もうにぎやか。口々に、「どうやるん?」「したことない」「できひん」「ここの先生やさしいな」「そやから楽しいわ」「そのこと書こか」とべんちゃらもまじえながら、二首目には、素直で可愛い歌がさらりと出来上がった。それを和紙を張ったミニ色紙に写して、自分で詠みあげる。季節、学校、発見、好きなこと、願い……などなど。
五七五七七という枠の中でも、子どもの心は自由に、宇宙を駆けめぐる。

深夜、布団の中で、上坂和美さんの新作「世界の食生活を変えた奇跡の麺」を読む。書くにあたって試行錯誤していた段階を知っているだけに、いい本になったと仲間としても感無量だ。学研のこのシリーズ「世界を変えた日本の技術」は、とても読み応えがある作品ばかりがそろっているように、タイトルをみただけでも推測できる。

3月14日(金)
★やはり、宮部みゆきはすごい。「蒲生邸事件簿」をやっとこさ読んだ(まとまった時間がとれなかったので、中断ばかりしていた)。どうすればこんな面白い作品が書けるのだろうかと、ため息が出る。物語の発想と事件の意外な展開、存在感のある人物像。全くの架空の人物ありながら歴史的な2・26事件と何の違和感もなく繋がっているリアリティあふれる描写、天才としか思いようがない。今回の「蒲生家……」は、ファンタジーを読んでいるような不思議さがよかった。読み終えた後ストーリーを反芻すれば、私的には辻褄があわないと思うところもあったが、筆の勢いと面白さで、読んでいる最中は少しも気にならない。やはり筆力!
「心うたれるほんとうにあった話」(ポプラ社)が刷り上ってきた。一年生〜六年生向きまであるが、わたしの短編「天使のお手紙」は、一年生に収録されている。心が「ぎゅん」となるお話ばかりのっているので、学校での朝の読み聞かせに最適だと思う。
「未来を走れ、ハイブリッドエコカー」(学研)が後藤みわこさんから送られて来た。ドキュメンタリーをSF仕立てにした科学読み物というから、興味深い。環境問題からも、エコカーの開発がどうなっているのか、子どもたちにぜひ読んでほしい一冊だ。仲間の素晴らしい活躍はとてもうれしいし、いい刺激になる。みわこさん、ご本ありがとう。そしておめでとう!
ライトフレンズ(日本ライトハウス盲導犬訓練所のボランティアグループ)の藤川さん、ボランティアの高橋さんと、「読み特」用の写真チェック、並びに打ち合わせ。改めて、詳しく活動内容をきかせてもらって頭が下がる。単行本に向けて、しっかり章立てを組み立てなくては。

3月13日(木)
★童話説明会の出席者は3名。ゆっくりお話ができてよかった。みなさん4月からの講座に来てくださるとのこと。お話の糸、いっしょに紡いでいきましよう。
引き続き、ホームタウンの取材を受ける。記者(女性)はもちろんカメラマン(男性)の方も、すばらしく聞き上手。声がまたつぶれるかもと不安に思いつつも、つい、一時間ばかりしゃべりこんでしまった。「童話という世界も楽しいものなんですね」といっていただき、本望。ただ、アップの写真に自信が……。「20枚ほど撮りましたから、一番いいノン載せときます」とのこと。なにとぞ、よろしくお願いいたします。
★信号待ちで停まったとたん、窓ガラスを叩く音。あ、白バイ! あわてて窓を開ける。「赤やのに、さっきの信号なんで渡ったんや?」 ブレーキをふむより渡った方が……と、思ったのは、やはり間違った判断だった。「ごめんなさい、うかつでした。道の端に寄りましょうか」 指示された通り信号渡ったところで停めて、免許書を提示。「警笛鳴らしたの聞こえんかったんか?」「すみません、まったく」 あわてラジオを消す。「めがねは? コンタクト?」「いいえ、最近老眼になってきたので、メガネをかけなくても見えるんです」「あかん、免許書に書いてあったら、メガネをかけなあかん」「すみません」「もう、しゃあないなあ、今回は警告だけにしとくけど、じゅうぶん注意してや」 え、ほんとに? 「ありがとうございます」 ご厚情、身にしみました。今後模範運転して、決してこのご恩をうらぎらないようにいたします。
★3333さんやーい! ヒットされた方はご連絡ください。拙本をもらっていただくことになっていたのですが……。表示の仕方が悪いのでしょうか? 1111の時も連絡がなかったのです。

3月12日(水)
★夫を打ちっ放しに送った後、友人と河内長野まで足を延ばす。目指すは懐石料理のお店。この店を知ったばかりの頃は、手の込んだお料理と昼間のお手軽なお値段に惚れ込んで、入れ替わり立ち代り違う仲間と通ったものだ。素材のよさと季節感のあふれるお料理に、「やっぱりね」とうなずきあう。「いかなごのくぎ煮お持ち帰りあり」の張り紙にときめく。ここのくぎ煮ならと求める。家に帰って早速吟味。煮上がりが3センチにもならないつまよう枝ほどの細さの稚魚が、形もくずれずしっかり煮つめてある。さすが。生姜がかなりきいた濃い味付け。酒の肴よりもごはんに向いているかな。ごはんといえば今夜の晩御飯。おんもで鋭気をもらってきたからには、おうちでおいしいおかずを作らなきゃ申し訳ない。よーし、ちょっと早いが、声帯炎も腱鞘炎もふっかーつ宣言!
★あしたは、4月から童話教室を開講するにあたっての説明会。三日前の電話では、予約があったのは一名だとか。新設講座は、動員が難しいと聞いてはいたが……。一名でも例え百名でもするべきことは同じ。説明会用の資料作りに専念。ホームタウン紙から電話がかかってきて、取材にきてくれるそう。3月末に記事にしてくれるそうだ。ありがたい。どうぞよろしくお願いいたします。

3月11日(火)
★知人から電話がかかってくる。
「こんな声で、ごめんなさい」
「お風邪ひかれたのね、お大事に。で、お母さん、いらしゃいますか?」
「はい、おります」
「呼んでもらえる?」
(えっ、おばあちゃんを? 彼女はおばあちゃんと接点はないはず)
「あのお、おばあちゃんを呼ぶんですか?」
「おばあちゃんというか、お母さんを」
「お母さんて、わたしのこと?」
「わたしって、うそお、沢田さん! どうしたの、その声!」
「声帯炎。一週間しゃべるの禁止」
「そんなら、うんうんとだけいってね」
それが、うんうんでは、すまないことばかり。買い物に出たら出たで、人にあう。それでも「日にち薬」とは、よくいったもの。だんだん声が出てきた。当たり前と思っていたことがありがたい。
★徒然なるままに……、パソコンを叩いていたら、忘れかけていた腱鞘炎がぶり返しの気配! ポンコツは辛い。よーし、あしたは、命の洗濯。おんも(表)にでるぞおっ。

3月10日(月)
★耳鼻科の先生から、「沢田さん、遠慮せずに吸入器あてにきてください」といわれている。別に遠慮をしているわけではないけれど、待ち時間のことを考えると足が遠のく。吸入の代わりにもなるかもと、今日もせっせとお風呂につかる。冷えた体が芯から温まっていく間、週刊誌や雑誌に目を通す。文春、アエラ、朝日、毎日、新潮、コミック誌などの先週号の読み飛ばしていた記事も、しかたなしに目を通す。ふーん、そうなんやと、全く興味がなかったことに共感を感じて、得した気分になることもある。家人が新しい週刊誌を買ってくるとうれしい。二冊ダブルと、なんでやのんとがっかりする。
以前、お風呂で読んだ週刊誌情報では、一日何回もお風呂に入っていると、自己体温調節力が落ちて、冷え性になるらしい。そういえば、最近、冷え性も冷え性。顔が寒いというか、口の周りまで冷えてきて、こりゃもう、お風呂に入る方が手っ取り早いということになる。悪循環とわかっていても、お風呂に入って、じわーっと温まっていく過程は、最高。
★「雑巾さんの会」、顔だけ出す。「その声どうしたの? 早く帰って寝て、お願い」と追い返される。今日は、とても寒いのに、大勢の人が来てくれていた。女性民生委員も珍しく勢ぞろい。安心して帰らせてもらう。

3月9日(日)
★あいかわらず声がでにくい。朝食後、お風呂に入りリラックス。幸い、今日は何の予定もないので、猫といっしょにふとんにもぐりこむ。たまっていた本を二冊ばかり読む。その間うとうとしたり、またお風呂に入ったり。夕食はおでんのつもりで、昼食後、スジ肉をことこと煮始める。そろそろ買い物に行かねばと思っていたら、打ちっ放しから帰ってきた夫がかわりに行ってくれるというので、またうとうと。材料がそろったところで、おでんを火にかけ、酢の物を作り、ぬか漬けを出す。夕食の前にお風呂に入ってから、お湯を落とす。食事中、「さんまのからくりテレビ」をみながら大笑い。笑うって、喉にけっこう負担がかかる。(あ、これも喉を痛めた原因かも)。塩辛もあかんと思いつつ、お箸がのびる。
HPを更新。一歩も外に出なかった珍しい一日。寝る前にもう一回、お風呂に入る。お風呂場にある週刊誌は、隈なく読んだ。おととい、京都の本屋で見つけたお風呂で読む「正岡子規」、買っておけばよかった。濡れてもいい材質でできていた。

3月8日(土)
★今朝、起きて見ると声がでない。昨日から声がかすれていて、苦しそうだといわれていたが、日頃、どちらかといえば高い声の私は、かすれ声が気に入っていた。が、声がでなくなっては、そんなのんきなことをいっていられない。声帯が振動していないと感じる。けがを含めて痛みの伴う病気以外は、少々時間がかかっても自力で治すことを信条にしている私も、さすがに耳鼻科にでかけた。治療までに(治療後も)たっぷりと待たされた。これがかなわん。鼻から管を入れて、内視鏡で喉のうんと奥を診てもらった結果、「声帯炎」ということだった。「最近、長時間じゃべられたことがありますか」、ときかれる。しゃべらない日はない。普通の人よりはよくしゃべる、というか、しゃべらないとすべてが運ばない日常を送っている。「ここ一週間はしゃべらないようにしてください」といわれても……、ね。

3月7日(金)
★出掛けに、おばあちゃんから「その髪の毛なんとかしなさい。やつれてみえる」といわれ、電車の時間を時間を気にしつつ美容院にとびこむ。急いでカットしてもらって、その足で京都に。墓参と所用をすませると4時半。吉橋先生の講座がはじまる6時までホテルでコーヒータイムにする。ここは、いつも空いていて、静かで、合評原稿を読みなおすのにもってこいだ。ところがどっこい、今日は、三人組のおばあさんが隅の席に陣取って、ボリューム全開でしゃべっている。作品に目を通そうとしても、視力に聴力が勝ってしまう。家族構成、幸せ度、お気楽な性格か、神経質か、始末家か、三人の性格がおもしろくて、つい耳を傾けることに。5時を回ったころ、そろそろお帰りのご様子。「あんた、そのコートええねえ」「ええやろ、イタリア製やねん」「どおりでなあ」「軽いねん」「そうやろなあ、トラの模様がええわ」。え、どんなコート。思わず振り返りたくなるのを、ぐっとこらえる。横をお通りになるとき、拝見させていただく。お似合いというか、確かに暖かそうなコートだった。

3月6日(木)
★昔遊びの会「竹とんぼ」の打ち合わせ。PTAの若いお母さん二人が新しくスタッフに参加。心強い。うれしい。学童保育からも、子どもたちに「昔遊び」をさせてほしいと依頼があったので、今月の行事とあわせて検討することに。いっしょに何をして遊ぼうかと意見を交換しつつも、話題はいつしか地域の子どもたちのことに。30代から80代までとスタッフの世代は違っても、思いは同じ。心に残る子ども時代を過ごさせてやりたいということに尽きる。消え行く唱歌を惜しむ声も。卒業式で、「仰げば尊し」を歌わなくなったと知った高齢者スタッフは目をぱちくり。「最近の卒業式はどんなふうなのか、一回出席してみたい」とおっしゃる。早速、小学校の校長先生にお願いしてみる。3月18日の卒業式には、数名のおじいちゃんおばあちゃんが、子どもたちの卒業を見送る運びにあいなった。

3月5日(水)
★老人会のアルミ缶回収の日。回収されてきた空き缶を有志で踏みつぶす。厳冬のせいか、回収量がうんと少なかった。やはり冬は焼酎のお湯割よね、と言う声があがる。捨てればゴミ。回収すれば活動資金に。リサイクルは大切。
★小学校のボランティアクラブ支援。老人ホームに持っていく「元気の出る壁掛け」を仕上げる。みんなで縫った介護用雑巾とともに、六年生が後日、老人ホームに届けてくれるそうだ。五年二組がインフルエンザで学級閉鎖。最後なのに全員そろっていなくて残念。一年間、といっても年間十五回程度だけれど、いっしょにがんばってきたので、みんな自分の孫(子というのは、さすがにあつかましい)のようにかわいい。この子たちが悪いことをしていたら、叱る自信がある。そういう信頼関係ができていくことが、地域のおばさんとしてはうれしい。クラブ支援も、いつしか六年目に入ろうとしている。
★学校から帰ってくると、出版社から留守電が入っていた。昨夜書き上げ、メールで送った原稿(短編)にオーケーが出た。担当編集長のアドバイスがいつも的確。そのおかげだと感謝。まずは一つ肩の荷を下ろす。この勢いで、二つ目に進むぞ!

3月4日(火)
★「京都は吹雪の真っ最中です」と童話仲間からメールが入る。さすが底冷えの京都、なんてのんきに思っていたら、こちらも雪。いやはや、今年はいつまでも寒い。腱鞘炎は「炎」にならず、「痛」で治まったようだ。このところ深夜作業になっていたデスクワーク、お風呂に入ったり出たりしながら、一日中、がんばる。
★明日、今期最後のボランティアクラブがある。お別れに、昔のおやつを食べさせるのが恒例になっているので、酢大豆と煮干の甘辛煮を作る。子どもたちから預かっていた感想文を返却するため、もう一度読み直す。盲導犬に来てもらった時のこと、車椅子に乗った時のこと、介護用雑巾を縫ったことなどなど、率直な意見が書かれていた。子どもたちの顔が目に浮かぶ。一年間、お互いによくがんばったね。デジカメで撮った写真をプリントアウトする(これが、うまくいかない)などなど、創作の合間、明日のクラブの準備にけっこう時間がかかった。


3月3日(月)
★今日は第一月曜日。高齢者といっしょに童謡を歌う「みんなカナリアの会」のある日。雨だというのに満席。下の会議室から椅子を運び上げる。参加人数60数名。ボランティア12名。いつもの通り、なつかしい童謡や唱歌を、武さんの素敵なエレクトーンの伴奏にのせてメドレーで歌う。特に発声練習もしない。声を張り上げて歌おうが、ぼそぼそ口先で歌おうが、みんなの歌声に耳を傾けていているだけでもかまわない。昔から歌がお好きでお上手な方もたくさんいらっしゃる。それぞれのペースで歌っていいというのが、この会の人気の秘密かもしれない。指導者はベテランのプロがそろっている。真理さんの童謡コーナーに引き続き、貫一さんのナツメロのコーナー。ほっと一息ティータイムの後、誕生会。3月生まれは七名。それぞれのお好きな歌を、みんなで歌ってプレゼント。そのあとのけーこちゃんコーナーは、底に輪ゴムをひっかけた紙コップ三味線で盛り上がる。反省会で、四月から古いコマーシャルソングも一曲いれることに決まる。 豆腐屋のラッパが聞こえる黄昏時、ラジオから流れていたCMソングは、もっとたくさんの思い出を連れてきてくれることだろう。

3月2日(日)
★後藤竜二原作「乱世山城の国伝」を近鉄劇場に観にいく。大阪新劇の30周年記念公演だそうだが、とても見ごたえのある舞台だった。合戦の砂煙で始まった舞台が、エンディング、祭りの踊りの砂煙で終わる演出は、とてもいいと思った。兵糧攻めというか、農民が田畑を耕さないで団結するということは、武器より強い武器になる。が、それは、結果があっていえることで、戦国の世に、武器をもたない農民が一致団結して戦った山城一揆というのは、すごいことだ。会場で原作本を買った。電車の中で読み始めたが、舞台を観た直後もあってか、歴史の苦手な私も興味を持ってするすると読み進むことができそうだ。それにしても、歴史を書く作家はすごい。莫大な資料を調べ、選り抜き、物語として想像を駆りたて、組み立てていくのであろう。筆の先に神が降りてこないと書けないのだと自分にいいきかせて、納得する。

3月1日(土)
★右手首に腱鞘炎の気配あり。うーん、やっぱり……。これはパソコンの位置に大いに関係があるにちがいない。というのも、私はパソコンを、机の上に直角におかずに、15度ほど右に傾けて置いていた。つまり、斜に構えてパソコンを叩いていたので、右手はいつも宙に浮いている状態だった。そのせいか、特に右肩が凝った。右手に負担がかからないようにパソコンの位置をずらす。こんどは、左に15度ほど傾けておく。人生を斜に構えているわけではないが、パソコンの位置は斜めが落ち着く。
★夫の母の誕生日なので、家族そろって中華を食べに出かけた。といっても二女はアメリカ。学びながら自炊しているので、このHPをみたら、うらやましがるかも。ごめんね。月初めだし、雨だし、きっと空いているだろうと思っていたのに、ほとんど満席だった。老酒は五年、七年、十年とある。生ビールで乾杯の後、五年ものを注文。さらりとしている。やはり飲み比べればと、10年ものを頼んでみる。コクがあるというより、味にくせがあった。5年ものに氷砂糖を入れて、少し溶けたところで飲んだ方がまだおいしいように思う。そういえば、沖縄土産に買って来た10年物の古酒を夫が気に入って、何度もまとめて注文して、友人にも差し上げていたっけ。「最近、注文しないね」「年金生活だからね」。うーん……。夫には不似合いな言葉に長女と顔を見合わせる。隣のテーブルが空いて、若い母親と幼い男の子が席に着いた。しばらくして父親がやってきた。車を停めていたのだろう。義母83歳、夫62歳。父親と早くに死別、ここまできた二人の人生を思うと、胸が熱くなったのは10年物の老酒のせいだろうか。


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