童話教室ちょっとのぞき見


童話を書いている初心者の方、これから書きたいと思っている方
近くに童話教室がない方などの参考になればと思い
日記の中から独立させました


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3月14日・28日(パンジョ教室)

パンジョ教室も、今日で終わりです。2003年4月に開講して丸10年になります。ここが講師としてスタートの場であり、最後の場でもあるのだと思うと、ただただありがたいばかりです。カルチャーセンター自体が閉鎖になるのですが、泉北から文化発信の場が消えることは惜しいです。

10年間に、生徒さんの入れ替わりはありましたが、残ってくれたみんなは、きっと書くことの楽しさを体感してくれたことと思います。そして、日常を立ち止まって見つめ、発見することで、生活そのものが豊かに広がっていったのではないでしょうか? ニッサンやみつばちなどなどで入賞した人もいます。協会の会員・研究会員になった人もいます。更に、高みを目指して行きましょう。

プロの作家になる夢を叶えるためには、挫折しそうな自分をおだてて、信じて、はげまし続けて、大切に育むことではないでしょうか。(わたしなんか……とても)と思ってしまったら、夢がそっぽを向いてしまいます。じょうずに自分育てをするこつは、謙虚よりも厚かましいぐらいがいいかもしれません。

名詞を作りましょう。日本児童文芸家協会会員、あるいは研究会員という肩書きがあるならいうことはありませんが、「童話作家を目指しています」でもいいです。名詞は自覚につながります。

生徒さんたちから、場所を新しく設定するので勉強を続けたいという要望がありました。10名全員の希望なので、引き受けることにしました。とりあえず月に1回、1年間。そのあとのことは、またその時に考えようということになっています。
                
                       堺の銘菓、けしもち
                 堺の思い出にとふるまってくれました
               お気持ちうれしいです。芥子粒のついたものは
                  教室で、みんなでいただきました

                
         みんなから、とてもエレガントなブローチとイヤリングをいただきました
             これで終わりではないのに、気を使わせてしまいました
                   いくつになっても、これが似合う人で
                      ありたいです。目指します
                       ありがとうございました
                  
3月19日(広島教室)

とうとう最後の教室になりました。

協会から打診があって開講した福山・広島教室ですが、いい出会いの4年間でした。中でも、巣山ひろみさんが、作家でビューするお手伝いするという幸運に恵まれたことは、遠いところを通った甲斐がありました。巣山さんは、「天の川」の同人で、もともと書ける人だったのですが、書けるだけでは作家になれるというわけではないんですね。人との繋がりと、運が大きく作用するのだと、わたし自身の体験も含めて実感しています。教室で何度も合評したことも、商品として通じる作品に書き直きなおす大きな力になったことと思います。巣山さんにとっても、この教室は、いい出会いの場だったのではないでしょうか(ご本人からもお言葉をいただいています)。

                   
                        高知のさくら、一足お先に

初心者が多い教室でしたが、巣山さんや、佐藤智子さんに作品を合評してもらって、力がついてきた人もたくさんいます。西谷真知子さんが、協会の研究会員が応募できる賞「そよ風コンクール」で優秀賞を受賞しました。そのほかの人たちも、めきめき力をつけています。

天の川のくぼひできさんが、協会会員になり、講師を継いでくれます。くぼさんは実力のある人なので、あたらしい切り口で、それぞれの個性を伸ばしてくれると信じています。

2013年4月、興銀ビル教室が基町クレド(パセーラ)10・11階へ統合・移転します。クレドビル教室は4月5日(金)リニューアルオープンします。わたしは顧問という立場で残るので、くぼさんからお呼びがかかればかけつける約束をしました。

研究会員になってくれた人については、いつかきっと羽ばたいてくれることを信じて、個人的に無料で1年間添削をします。

                   
                     「感謝会」を開いていただき、記念品に
                      広島の高級化粧筆をいただきました
                         そのほかにもいろいろ♪
                   
                     欠席だった方からお花が届きました
                    長距離バスで通ってくださていた方です


みなさん、ありがとうございました。これからは、書く仲間としてよろしくお願いいたします。「童話塾in関西」、協会の総会、表彰式など、いろいろな場で会えますように。

                 
3月14日(パンジョ教室)

書く姿勢
・いつもアンテナを張っていますか?
・お話の種の見つけ方、身につきましたか?
・創作ノートを作っていますか?
・目指すべき未来を、具体的に描いていますか?
・物語を通じて、伝えたいことがありますか?

短編童話
・きらっと光るエピソードがひとつあれば、5まい童話が書けましたね。
・かといって、起承転結だけでは、だめでしたね。おまけにひとつ。だよね?

創作物語
・キャラクターの立ち上げ方は、しっかり頭に入っていますか?
・葛藤のない人物は、登場してくる意味がありません。その人物必要ですか?
・テーマがない物語は、のびきったそばのようだといわれています。食べる気になれませんね。
場面が目に浮かびますか?
主人公にそって読めますか?
2月28日(パンジョ教室)

前回公募に応募のおすすめについて書きましたが、今回は、どの公募がいいか、お勧めをの応募先をお知らせします。

公募には、大きく分けると二つ種類があります。
@作家を育てることが目的
のものと、
A企業の広報活動を担うためのもので、こちらは、その場限りのうれしさになります。

ただし、Aの中には、最優秀作品の副賞に出版がついているものもあります。それなので、@あるいは、副賞に出版がついているAの公募を選ぶと、本デビューにつながり、作家への近道になります。そういうものだけ選んでアップしました。

  日本児童文芸家協会つばさ賞  @(単行本になります。作家として育ててもらえます)
    次回は2014年1月末締め切りです。
    詳細は協会ホームページで追って更新されます。
    『児童文芸』にも掲載されます。
    なお、2013年度の『童話塾in関西』は、つばさ賞にスポットが当てられる予定です。

  そよ風コンクール  @ (日本児童文芸家協会の研究会員のみが応募できます)
    『児童文芸』に掲載 会員になる資格を得ます)
   
  講談社児童文学新人賞 @ (単行本になります。作家として育ててもらえます)

  日本新薬 こどもの絵本賞 A (最優秀賞は絵本になります)
    現在審査中。毎年応募があります。

  小川未明文学賞  A (最優秀賞は単行本になります)

  ニッサン絵本と童話のコンクール A (単行本になります)
    今年度の発表がアップされたばかりです。

  アンデルセンメルヘン対象 A(5作品一緒の絵童話になります)

  家の光童話賞 A(出版社が主催なので、将来、『ちゃぐりん』から原稿依頼があることも)

  福島正実SF童話賞@(単行本になります。岩崎書店主催。作家として育ててもらえます)

  ミツバチ童話と絵本コンクール A(絵本になります)
    3月8日から応募開始です。

童話の公募はたくさんあります。どこに応募してもいいわけではなく、大切な作品を羽ばた貸せる場所を選んでください。そのつながりで作家として羽ばたく礎になるかもしれません。万年佳作止まりという人がいます。いい作品を書いているのに大賞が取れないのは、何か問題があるように思います。上位入選でなくても入賞式などにはできる限り出席して、選考委員から作品について意見をもらうと、そこから抜け出せるヒントをもらえるのではと思います。受賞しておわりではなく、そこからが出発です。

こんな公募サイトがあります。締め切り・応募条件など変わることが多々あります。必ず確認してから出してください。
  
2月19日(広島教室)

今日は、公募について書いてみます。
わたしは、生徒さんに公募に向けて書くことをすすめています。公募には、枚数・締め切り・テーマなどが明確なので、それに向かって書けばいいのです。ニーズに合わせて書くことは、とても大切です。公募は筆が乱れるからと禁止している指導者もいるようですが、そうでしょうか。将来、出版社から依頼が来たときは、枚数・締め切り・テーマに合わせて書かなくてはなりません。いい勉強の場だと思います。公募は、だれにでも平等にチャンスは与えられています。自分の作品が、入選するレベルに達しているかどうか、チャレンジしてみてください。

公募作品を書くに当たって大切なこと

@応募要項をしっかり守る

A タイトルを工夫する

B テーマはしっかりしているか(中篇・長編)。公募のニーズに合っているか

C 素材がきらりと光っているか(短編)

D キャラクターが立ち上がっているか

E セリフが生き生きしているか

F ありきたりの話になっていないか

G 発見があるか

H 希望が見えるか

I 読んでいて、子どもが引き込まれる作品か

J 読後感がいいか(おまけにひとつの工夫があるか)

K 推敲をする

  ・ノンブルはふってあるか

  ・誤字・脱字はないか

  ・同じ単語・同じ表現を繰り返していないか

  ・不要な登場人物はいないか

  ・読者年齢に合っているか
 
  ・目線が変わってしまっていないか

  ・口語と文語が混じっていないか

L 声を出して読んでみる(リズム感)

M 冷却時間を充分にあける

N ダブル応募はしない


あなたが今書いているその作品は、低学年向きですか? それとも中学年? あるいは高学年? 内容・文体・使っている言葉・漢字。その年齢にふさわしいですか?

あなたが今書いているその作品の素材は、中篇にふさわしいですか? それとも短編? あるいは長編?

あなたは、伝えたいことがあって、その作品をかいていますか? 何を伝えたいのですか? 筆のすべりに任せて、ただ饒舌なだけになっていませんか?

大切なことは、公募の先にこそ、将来の自分の姿があることを信じて、イメージすることです。
2月14日(パンジョ童話教室)

合評の力は大きいです。ひとりよがりの作品にならないためには、仲間との合評は大切な場です。ただ……と、いつも思うことがあります。

今から述べることは、パンジョの教室だけではなく、共通していえることです。わたしは、3月いっぱいで、パンジョの教室を閉め(サークルに移行することになりました)、広島の教室を後任者に引き継ぐことにしています。従って、このページは、3月で閉じるつもりでいます。それなので、総括といった感じで、伝えたいことを書きます。

合評に向けての姿勢はさまざまです。さまざまでいいと思いますが、もし、プロの作家として羽ばたきたいのなら、合評に自分の作品をかけるということは、どういう意味があるのか、いちど考え直してみることが大切です。

合評に出せば、みんながアイディアをだしてくれるという他力本願の人がいますが、いつまでも甘えていては、自分のつばさで羽ばたくことができません。

また、合評でいわれたことだけを書き直し、何度も同じ作品を出して、同じことを繰り返している人もいます。初心者のうちはしかたがないことです。そうして学んでいくことでステップアップしていくことと思います。でも、いつまでも同じでは、自分のつばさで羽ばたく力がつきません。合評で出た意見をヒントに、その作品を大きく膨らませてください。

合評をうけたことで、自分の作品を見失って、いつまでも放り投げたままでいる人がいます。その作品を通じて伝えたいことがあるのなら、めげないで、新しい切り口を見つけてください。厳しい意見が出る作品ほど、魅力を秘めています。叩かれ強くなってください。

人の作品を読むことで力がついてきます。さらっと1〜2回、読み流しだけでは、上辺のことしかわかりません。中には、「読んできませんでした」という人がいますが、とても損をしています。繰り返し読んで合評に参加してください。人のために惜しみなく時間をさくことが、すべて自分の力となって還ってきます。

惰性で参加していませんか? 合評の場は、毎回、今日しかないと思って真剣に参加しましょう。そうすれば、新しい発見があります。生徒さんのひとりが、「教室がある日は、早朝に起き、作品を何度も読み返し、創作スイッチに切り替えます。他の予定を入れないで一日を丸々教室のために注いでいます」といってくれましたが、その姿勢は、その人の結果が証明しています。ショッピングのついでにといった感じで教室に来ている人がいますが、それはそれだけのことしが得ないのではないでしょうか?

みんなで合評することは、楽しいことです。趣味で書いている人は、そこまで自分を追い詰めなくてもいいと思います。プロを目指している人は、真摯な気持ちで合評することを肝に銘じてください。

               
                   和菓子の差し入れがありました
                バレンタインだったので、チロルチョコも
                  和気藹々も大切なエネルギーです
1月24日(パンジョ童話教室)

3篇合評しました。

長編のごくごく一部が出ました。本人の頭の中には書きたい物語が凝縮されていて、その物語への思いがあまりにも膨大なので、どこから書き出していいのかわからないようです。プロットを立てて、書きやすいところから書いてみることを進めました。でも、何よりも先に、伝えたいテーマが読者にしっかり伝わるためには、登場人物の設定が大切です。

ひとり暮らしのおばあさんのお話は、どことなくユーモラスな感じがして、好評でした。おばあさんの性格について、中途半端でした。物語に直接関係のない情報はできる限り、削除しましょう。物語の終わり方は大切です。ありきたりにならないように、おばあさんの性格を生かした終わり方を工夫してください。

書き始めにひとつ 話が進むに連れてもうひとつまったく別の葛藤が加わりました。短いお話の中に、超えなければならないハードルが平行してふたつある場合、小さな読者の気持ちがそれてしまう場合があります。しかも、どちらの解決策も、「ああよかった」という安堵感でも、「うそお」という意外性でもなく、「おもしろい」ともう一回読みたくなる終わり方ででもないですねえ。これでは集中力の育っていない小さな子どもを引きつけることはできません。幼児の心にもすとんと落ちるシンプルで、おやおやと思える気の効いたストーリーにしてください。不要な登場人物を削りましょう。文章は短く、リズミカルに。
1月15日(広島教室)

夕方の教室は、絵本原稿のノウハウについて勉強しました。絵本は絵がメインなので、ページを繰るごとに、場面の変化が必要です。文章を場面割りにして書いてみると、場面が見えてきます。ストーリーの展開も見えてきます。文章はできるだけ短く、リズム感のあるように。

自分の持物に対する思いが描かれている作品は、書き直すたびに余分な思い込みがそぎ落とされ、物語が明確になってきています。何かが起こる前と起こった後の子どもの価値観の変化が、もう少しわかると、小さな読者の共感を呼ぶと思います。あともうもうちょっとです。

あ、この作品……♪ 作者が、教室に来始めたときの作品です。筆力がついたのでしょう。うまく書き直せていました。興味深いモチーフです。きっと羽ばたくと思います。

シリーズで出版が決まっている作品です。主人公のユニークな行動が売りのメルヘンなのですが、今回、その行動がそっちのけでした。ほかの物語がおもしろいだけに、小さな読者ががっかりするのではと感じました。本になることがわかっているので、きびしく合評したのですが、そのあとで、編集さんのオーケーが出ていることを知りました。それなら、合評にかけることはないのですが、きっと本人の中ですとんと落ちていないのかなと思います。

夜の教室に男性の見学者がありました。「脳の刺激になりました」ということでしたが、「見学時間は30分だけ」と受付でいわれたそうで、そそくさと帰っていきました。この見学方法は、あまりよくないと思います。

広島教室は3月で切り替えになります。その機会に教室を新しい講師にバトンタッチする方向で進めています。閉鎖してしまうのは、遠いところ来てくれている生徒さんに申し訳ないと思っていたのですが、いい候補者が見つかりました。あとは手続きをふむだけです。詳しくは、正式に決まってからということに。
2013年1月10日(パンジョ教室)

2作合評しました。

1作は、子どもたちに伝えたい日本の伝統・風習がモチーフになっています。すべて、会話だけでつないだ物語は、作者のチャレンジです。「いつも、よぶんなことを書きすぎるといわれているので」ということでした。試してみることは、とてもよいことです。見習いたいです。ただ、このままでは、だれが話しているのか、よくわかりません。作者の中では一貫しているのですが、場面が展開すると、読者にはうまく伝わらないところもありました。

「地の文」は、とても大切です。地の文の書き方如何によって、作品に品位が加わったり、軽妙になったり、深くなったり、興味がわいてきたり……。筆力は地の文に現れるといわれるぐらいです。かといって地の文だけでは読みづらく、会話と地の文のバランスが大切です。

もう1作は、ある言葉からひらめいた物語です。おもしろいと思います。残念なのは、その言葉からのひらめきが、おとなの感覚によるものということでした。子どもならその言葉で、何を感じ、何を見つけ、何をおどろくのでしょう。子どもになりきって、ふるに五感を働かせてください。物語のきっかけになった言葉に固執しないことも大切です。枷をかけてしまわないで、自由に創作してください。
12月18日(広島教室)

幼年童話は、幼児目線であることが基本です。幼児の知っている言葉を使って、幼児がわかるように、短い文章で綴らなければなりません。わかっていてもできないのは、なぜでしょう。それは、書き手がおとなだからの一言に尽きます。おとなのわたしたちは、あまりにもたくさんの言葉を知りすぎていて、あまりにも知識がありすぎて、ついいろいろなことを書き足してしまいます。こう書けば子どもたちがよろこぶかもしれないというおとなの価値観も、余分なことを書かせてしまうのかもしれません。

子どもの価値観っておかしいです。大きくなったら水道になりたいと思う子がいたり、おばあさんになりたいという男の子もいます。パンの耳になりたいという女の子は、食べられたくないからだそうです。わたしは、娘に、「ママ10000さいまでいきてね」といわれたことがあります。数字に関しては、とくにとんちんかんです。そんな不思議な世界にいる幼児に向けて書くことでまずできることは、余分な文章をそぎおとすことです。リズム感のある文章で。大すきな絵本を写してみることも、声を出して読むこともおすすめです。

今回、それにチャレンジした作品がでました。かなり削ぎ落としてあります。枚数が減っています。伝えたいことが、伝わっていますか? 

本当にあったことを物語にする場合、こだわらないことも大切です。物語が動き始めたら、物語を書くきっかけになった内輪受けのするできごとは、外してしまいましょう。ひらめきと思ったことが邪魔になっていることが多々あります。だれにでもわかるようにすっきりして、物語がすんなり流れるためには、思い切ることも大切です。事実だけにこだわらず、思い出をくふらまして創作することが大切です。

長編を書くときに、しっかりプロットを立てましょう。書きなれた人でも、思いつきだけでスタートすると、途中で方向性を見失って、挫折してしまうことがあります。この主人公と登場人物で、このテーマを伝えるには、どんなエピソードを重ねていけばいいか、小見出しをつけると、全体の流れが見えてきます。
12月13日(パンジョ教室)

ふたりの作品を合評しました。

以下は、今日の合評を参考に、一般的な話として、書きました。参考になればと思います。

依頼作品を書くということは、「テーマ」・「枚数」・「締め切り」などの条件、つまり「枷」があるので、それをクリアーしなければなりません。公募慣れしている人には、当たり前のことでも、自分の書きたいものを書きたいように書いていた人には、しんどいことかもしれません。読者を意識した上で、そのテーマで、何を伝えたいか。光ったエピソードを素に、主人公の葛藤と成長を描く……。いうは簡単ですが、書くには、なかなか難しいことです。慣れです。

お話の種。これがなくては物語は書けません。お話の種は特別なものではなくて、すぐそばに転がっているのですが、それに気づくためには、「目」を養わなければなりません。その方法は、いろいろあって、教室でも機会があるたびに伝授してきたのですが、自分のものにしている人は実に少ないです。

そのうちのひとつとして、少し創作に慣れてきたひと向きには、毎日一話という方法があります。毎日一話が書けた。そこで満足してはいけません。書けたものは、あくまで「種」です。それを元に創作が始まるのです。わたしの教室では、「種」のままで提出してもいいことにしているのですが、もしプロを目指しているのでしたら、「種」状態での提出は、もっての外。みんなで考えてもらって書き直そうという考えは、甘いです。ちゃんと物語にしてから提出しましょう。

今年最後の講座ということで、いつもは帰る人もお茶に残ってくれました。創作に対する姿勢として、いい話が聞けましたね。仲間の話なので身近に感じたと思います。あれもしたい、これもしたいで片手間に書いているようでは抜き出ることはできないことが、よくわかったと思います。それにしても10数時間……! わたしも姿勢を正しました。
11月29日(パンジョ教室)

今日は、12月の第4週の振り替日でした。児童文学作家大塚篤子さんが訪問。合評にも加わっていただけるというので、4人が張り切って作品を提出してくれました。講師代もお支払いしないで合評していただけるなんて、ふつうはありえないことです。作家としての貴重なお話も伺うことが出来ました。ありがとうございました。

合評で出た意見は、どんな作品にも共通して言えることです
@都合のいいように物語を運ばない。
A主人公をどんなキャラクターにしたらいいのか。
Bこだわらないで、切り口を替えてみる。
C登場人物をうまく使う。 
D読み手に共感できるように。
D葛藤を、相手の死で終わわせるのは、解決にはならない。
Eいい子過ぎる物語は、小さな読者にそうありなさいという押し付けになりかねない。
F知らない花や虫、できごとなどをとりあげるときは、伝わるように描写すること。
G作者がしんどい作品は、読み手にもしんどい。辛い話を辛く伝えるだけではなく、辛い中にも、息抜きできるシーンやユーモアを取り入れると作品が深くなる

合評を受けた作品はそれぞれ、大きな風穴が通ったのではないかと思います。作品を出さなかった人にも、心にストンと落ちることがあったと思います。
11月22日(パンジョ教室)

ふたりの作品を合評しました。

ひとりの作品は、3つの言葉をつなげた発想訓練のためのショートストーリーが3篇。毎日1作を心がけているそうです。工夫されていて、おもしろかったです。続けていけば、きっと発想しやすい脳に進化していくと思います。このようなショートストーリーをお話の「種」としてたくさん持っていると、膨らませて短編の素材にしたり、長編の1シーンに使うこともできます。ストックは大切です。

もう1作の短編は、依頼作品なので、すでに「素材」「枚数」「締め切り」が決まっています。決められた素材を使って、制限のある枚数の中で、締め切りまでにどう書くかは、何を伝えるか作者のメッセージがしっかりしていることが大切です。子どもの努力への評価や物事に対する価値観、新しく生まれた命へのやさしさなどが描ける作品だと思います。終わり方もひとひねりほしいです。短編は起承転結だけではなくて、おまけにひとつの終わり方がきらりと光る作品の隠し味になります。
11月20日(広島教室)

夕方の教室は短編2作合評しました。発想はおもしろいです。10枚作品なのですが5枚の素材かなと思います。書きすぎているところ、不要なところを削ぎ落として、短く、リズミカルに描いたほうが物語がピンボケしないと思います。その方が、子どもたちにも、よくわかるはずです。

3枚の幼児童話。パーティに参加しているエピソードの羅列だけでは、物語ではありません。どうすれば、子どもたちが楽しみ読めるショートストーリーになるか話し合いました。

夜の教室は1作だけでしたが、あっという間に、時間が経ってしまうほど、難しい作品でした。というのも出版が決まっていて、編集さんの思いという枷がかかっているようなのです。シリーズになので、同じような展開は好ましくないし……。すとんと落ちないまま時間になりました。帰りの新幹線でずっと考えていて、わたしなりに感じたことをメールしました。と返事がありました。「おかげさまで気持ちが決まりました。(中略)できそうな気がしてきました」ということでした。がんばってほしいです。

巣山ひろみさんの『雪ぼんぼりのかくれ道』が、佐賀県の第48回新春読書コンクールの課題図書になったそうです。http://www.pref.saga.lg.jp/web/kurashi/_1018/ik-tosyokan/kansoubun21.html
巣山さんは本デビューしたことで、母校の短大で講演に招かれたり、FMラジオに出演したり、人生が開けてきているようです。テレビ出演の打診もあったそうです。歯車がかみ合えば、いろいろなことがいっぺんに動き出すものなのですね。

来月は、巣山さんの2冊の本の出版と、もうひとり「おめでとうさん」がいるので(正式な発表までは公に出来ないのです)、忘年会とお祝い会をかねた会をすることになっています。休会中のひとたちも集ってくれるようです。
11月8日(パンジョ教室)

教室の生徒さんが、白板にタイムスケジュールを書いてくれました。「童話塾」や「わらしべ」に参加して、時間をしっかり使うべきだと感じたそうで、ありがたいことです。

13:30〜 連絡
13:40〜 合評1
14:20〜 合評2
14:50〜 合評3
15:20〜 質問

3作合評して、びしりと終わりました。何でも、意識することは大切だと思いました。

作品1は、物語が展開していくうちに、主人公が置き去りになってしまいましたね。主人公の目線で描ききれなくなったからでしょう。主人公は、あくまで物語が始まるきっかけということにして、外してもいいように思います。おもしろい物語になりそうです。

作品2も、視点がぐらついています。赤ちゃんが初めて出会う物語としていい素材なので、めりはりのついた繰り返しで、かわいい物語に変身させてください。これからどんどんメルヘンが生まれそうですね。今にしか、いいえ、今だからこそ書けるお話を、どんどん紡いでください。楽しみにしています。

作品3。年齢とともに親の気持ちがわかるように成長する少女の心の変化を、より感動的に描くには、別れた親はどっちがいいか……。いろいろ置きかえてみると、はっとすることがあるはずです。読者をじーんとさせてください。
10月17日(パンジョ教室)

「童話塾in関西」と「サークル」に参加をした生徒さんたちの意識が変わってきました。もっとしっかり学びたいという思いが強くなったようで、それは、わたしにとってもとてもうれしいことです。休憩時間にみんなで話し合いました。結果、次のようになりました。
@開始時間・終了時間を守る
A2時間集中する。今までとっていたお茶の時間をなくす
B1回3作を合評する
書いてみればごく普通のことです。パンジョ教室は2003年4月の開講以来、和気藹々の教室で、お土産や手作りのおやつを持ち寄ってお茶タイムが当たり前の半ば社交場のようになっていました。四方山話に流れることも楽しんでいました。多いときは時間を気にせず、5から6作合評することもありました。時間はかなり超過。それが当たり前になっていました。

今回の話し合いは、よかったと思います。ニーズに応えていきたいし、わたしも遠くに越したので、時間厳守はありがたいです。

外からの刺激は、このことだけに留まらず、いろいろ実を結んでいくことと思い、それを願っています。

2作合評しました。新しい作品と書き直し作品。どちらにもいい意見がでました。その意見をどう取り込むかについては、作者の姿勢が大切です。これらの意見は参考になると思いますが、合評だけに頼って書き直していると、この作品を通じて何を伝えたかったのか見失ってしまうことがままあります。自分の作品です。どのようにすれば思いが伝わるか、伝わっていないところを合評で確認し、考えながら意見を取り入れてください。だれかがこういったからこう書き直しましたではないように。
10月16日(広島中国新聞興銀教室)

この教室のメンバーは、他県や他市から来る人や、仕事をしている人で構成されているので、その月によって欠席者があったり、「しばらく休みます」という人もあり、毎回だれが来るのか来ないのか、半分は予想がつきません。わたしにできることは、夕方の教室と夜の教室の境を外し、どちらも自由に参加できるようにすることぐらいです。

今日は、4作合評しました。アンテナに引っかかったことばや行動、幼児期の思い出、日常のできごと、小さな子どもの一言……、いろいろなことが、すべてお話の種になります。それは間違いなのですが、その種から花を咲かせるには、想像力が必要となってきます。つまり、事実を羅列しただけでは作文で、記録に留まります。物語にするには創作しなければなりません。主人公をだれにするかから始まり、どうすれば、思っていることが子どもたちに伝わるか、子ども目線になって描いていく、それが童話を書くということです。「ほんとうにあったこと」は、物語を書くきっかけとして、執着しないようにしましょう。

読者年齢によって求められるものは違ってきますが、子どもたちを夢中にさせるには、その年齢に合ったエピソードと葛藤がほしいです。一般論ですが、どんなに辛く悲しい物語でも最後は、子どもたちの心の中に希望と安心感がわいてくるようなものであってほしいです。

中国新聞に1976年から続いているコラム欄があります。それをまとめた冊子が初めて出たそうで、童話教室の生徒さん全員にいただきました。

            
                1回642文字で簡潔にまとめられた文章は
                    おもしろく読みやすいです
10月11日(パンジョ教室)

一般的には、童話の書き方を学ぶ場合、短編から入り →中編 → 長編と進み、再び短編に戻るというのが流れになっています。長編を書けるようになってから短編に戻ってみるとわかることは、短編が非常にむずかしいということです。「それができてやっと一人前だ」と、師にいわれたことがあります。長編しか書いたことがない人にとって、短編のハードルはもっと高いようです。

今日は、200枚300枚の長編をクリアーした人の短編と1枚童話を合評しました。短編を書きなれていないことがよくわかる作品でした。

5枚作品は、光ったエピソードが1つあれば書けます。起承転結だけではなく、おまけにひとつを意識し、工夫しましょう。リズム感もほしいです。

1枚作品は、ひらめきだけで、まとめます。あらすじではありません。一言でいえば小話です。すこん!と読ませる勢いがほしいです。

10枚作品になってくると、短編といえどもテーマや葛藤、複雑な展開が必要になってきます。5枚作品をうすめてのばしただけではだめです。

自分が書こうとしている作品が短編向けなのか、中編向けなのか、あるいは長編にふさわしいのか、まず見極めることが大切です。

初期(童話を書き始めて間なし)の短編は、何も考えずにすっと書けますが、書いていくうちに難しいことがわかってきます。その壁を超えれば、しめたものです。超えるには、書いて、書いて、ひたすら書くだけです。
9月27日(堺パンジョ教室)

筆力をつけようと思ったら、まずは、自分で何度も読み返し、とことん悩んでください。そして、どこがどう悪いのか、考えてみてください。にっちもさっちも行かなくなったときに、合評にかけましょう。そうすると、あ、そうか、ここが引っかかっていたのかと気がついて、次の作品を書くときには、ステップアップしているはずです。最初から頼りきっていると、いつまでも同じ繰り返しです。

書き直しにしても同じです。指摘のあった所だけ書き直すのではなく、伝いたいことがちゃんと書き直せたか、自分が書きたかったことはこれでいいのか、心のうちに問いかけましょう。

主人公は、たとえそれがブタであっても、河童であっても、星であっても、すべて書き手の分身です。書き手の思いや価値観が反映するわけですから、物事をあいまいにしないで、自分がそのことについてどう思っているのか、よくわからないことはとことん調べて、それに対しての自分の気持ちを日ごろから反芻しておいて、主人公に託してください。

競い合うように出ていた作品が、一段落ついたようにストップしました。作品のストックが、なぜないのですか? パンジョ教室は書ける人が揃っています。作品が出ないのは、気合が足りないからだと思います。

作家としてデビューしたいのなら、人並みの努力だけでは、なかなかチャンスにつながりません。先日、作家の大塚篤子さんがいい話をしてくれました。昔、川村たかし先生にいわれたそうです。「趣味で書くぐらいなら、お茶でも飲んでおしゃべりでもしていた方がましだ」と。

わたしが子どものころ、「1日1善」という言葉が流行ったことがありましたが、「1日1発見」を心がけてください。どんな小さなことでもかまいません。散歩のとき、電車に乗っているとき、ごはんを食べるとき、テレビを見ているとき、本を読んだとき、しっかり人や物や出来事を、好奇心を持って見つめてください。常にアンテナを張っておけば、思いがけないお話の種が引っかかってきます。それを、創作ノートに書きこみましょう。創作ノート作っていますか? 何度も、何度も言ったはずです。忘れていた人は、「創作いろはがるた」を読んで、初心に帰ってください。厳しいまもしれませんが、愛情だと思って受け止めてください。
9月26日(サンケイ教室)

今日で、この最後となりました。2年半という短い間できたが、最後まで残ってくれて、ありがとうございました。

―贈る言葉―

Nさんへ
だれも真似が出来ない世界を持っていると強いです。書き続けてください。いつかきっと不可思議な花が見事に咲く、そんな日が来る予感がします。

Fさんへ
短編を書くコツは、すでにクリアーしています。入選もたくさんしているので、次は、出版を目指して中編〜長編にチャレンジしてしください。テーマを見つけ、主人公の葛藤を描いてください。

Y氏へ
今回の作品で羽ばたけるように願っています。そして、これから書こうとしている作品で、次のステップへ。サークルには、男性もいます。どんどん翼を広げていきましょう。

Kさんへ
やさしい感性が、作品にも現れています。無理をせず、らしい作品を書いていってください。まずは、公募にチャレンジしましょう。わたしの大好きなあの作品、デビューさせようね。

Yさんへ
今はご家族のことで大変ですが、あせらず、あわてず、でも決して書くことを忘れないで、ライフワークにしてください。人生がより豊かになること請け合いです。

これからはライバルとして、がんばっていきましょう。そうだよ、みんな支えあう仲間でもあるけれど、ライバルでもあるんだよ。そんな気持ちでいてね。
実は、このコーナーをアップするのに、かなり神経を使っています。というのも、生徒さんの作品を守らなければならないからです。できるだけタイトルや登場人物・あらすじについては書かないことをルールにしています。その日の総括でもあるので、それらを省略しても教室の生徒さんには読めばわかる内容だと思います。ただ、その場にいなかった第三者のみなさんに、登場人物や内容を明記しないで、どの程度伝えられているかどうか、それをいつも考えます。もし伝わっていないのなら、このコーナーをアップしている意味がないと思っています。

いろいろな制限の中、すんなり書けるときと書けないときがあります。もしかしたら、教室の人たちにしか伝わらないかもしれません。しかも、エネルギー不足のときは、アップが遅れてしまうこともあります。が、このコーナーがありかぎりは必ず書きますので、気長にお待ちください。

9月18日(広島興銀教室)
今回は、その場にいた人たちにしかわからない内容になってしまったように思います。

<お昼のクラス>
5枚の書き直し作品、テーマが見えてきました。お母さん、いらないよね。アイテムの赤色のあれがどんなものなのか、読者にもわかるように描いてね。会話文と地の文のバランスを考えましょう。

書き下ろしの16枚作品。ひらめきで書いた作品。不思議なことが起こる場合、体験するのは1人に絞りましょう(物語の展開上必然性があれば複数でも可です)。別世界の学校の時間割は人間に準じないで、予想外の楽しさを。アイテムの黄色のもの、最後には主人公に認められるといいね。短編の素材です。半分以下の枚数で収めましょう。

9月末が締め切りなので、即読して合評しました。公募にチャレンジしようという姿勢になってくれてうれしいです。ただ、課題になっている素材が活かしきれていません。会話が多すぎます。地の文も入れてください。実際に体験してみてください。みんなで合評した内容を取り入れて、ぜひ書き直してください。

ユーモラスで魅力的なキャラクターの作品は、シリーズで出版が決まっています。ほんとうによかったです。おめでとうございます。でも……、今回の作品は、せっかくのキャラクターの魅力が描かれていません。主人公が入れ替わってしまっています。面白みに欠けています。最初の作品のように、キャラクター目線で描いて、彼を活躍させてください。

<夕方のクラス>
20枚の書き直し作品です。作者が創りあげた空間を、ほとんどほつれもなく主人公がうまく動いていました。魅力を感じる作品です。60枚作品の始まりの部分だということです。ある公募に出すということでした。わたしは別の公募向きかと思ったのですが、出したい公募があって、それに向かって書くということは、いいことだと思います。チャレンジしてみてください。

エンターテイメントの30枚作品は、町も登場人物もおもしろく描かれていて、楽しく読みました。好きです、この作品。100枚以上ある作品を、わけあって30枚にまとめたものだそうです。それなので、知りたいところがカットされている感じがありました。こういう場合、全体を30枚に縮小しないで、前半の3分の1を書いて、そのあとの展開を、あらすじでつけた方がベターだと思いました。最後の終わり方、工夫してください。作者が気づいていた通り、ぼくの活躍もほしいです。
9月13日(堺パンジョ教室)

この教室は、4人の生徒さんがブログを持っています(ひとりはリニューアル中です)。毎日、アップしている人は、確実に筆力がついています。作家として物事をとられる目が育っています。読者の視点を意識する力がついています。それが作品に反映しています。ブログのあるひとはせっかくなので、毎日書くようにすすめたのが、前回のことです。毎日、書くということは、しんどいことです。でも、書き手を目指しているのならチャレンジして欲しいです。3人とも、この2週間、欠かさずアップしていました。それぞれならでの発見・体験が楽しく綴られています。

公開日記を毎日書く効用

@日記は、その人にしか描けない日常のスケッチです。
A他人におもしろく読んでもらうための文章を工夫する場でもあります
B毎日、何か書かなければと思うことは、日常の発見につながります。それなりに努力もします。
C自分の価値観・本質に気づくことができます。
D毎日の積み重ねで、文章力がつきます
E自己顕示で、気分もすっきり、ある日はテンションも上がります。
F書き手には、自己顕示欲は無くてはならないものです。
G1日を省みることで、明日を考えることができます。
H公にしたことで落ち込むこともありますが、それも大切です
Iブログを開設したからには、読者に空クリックを何日も続けてさせるのは、失礼です。
自分の覚書のためだけになら、公開しない方がいいと思います。

画家は一枚の絵画が出来るまで、風景画なら何度も現場に足を運んで何百枚も同じ風景をスケッチします。人物画なら指の部分、髪の流れ、服のひだなど飽きるほそスケッチをします。繰り返し観察し、描くことが、やがて大作につながっていきます。作家も画家と同じです。公開ブログは読者を意識するので、その効果は大だと思います


今日3作合評しましたが、共通していえることは、膨らませ方の不足です。どんな物語でも、主人公を立ち上げてエピソードを羅列しているだけでは、読者は共感できません。独りよがりな作品は、ただの「絵空事」にすぎません。読者を物語の中に引っ張り込むには、「花も実もある絵空事にするんだよ」。吉橋通夫先生の教えを思い出しました。そう、「花も実もある」なんです。この言葉は実に深いです。

今日、驚いたのは、授業を録音していた生徒さんがいたことです。最近のボイスレコーダーは小さいので気づきませんでした。授業中にはプライベートな話も飛び交います。録音するなら、みんなの了解を得てからにしてください。取材のときでも、「録音してもいいですか、他の目的には使いません」と必ず了解を得ます。ボイスレコーダーの入っている袋は、いつも見かけていました。今回再生ボタンが入ったので気づいたのですが、ちょっとショックでした。他にもいるのかしら……。
9月12日(大阪サンケイ教室)

この教室は今月でおしまいです。引き止めてもらったのですが、生徒さんの将来のことを考えて、日本児童文芸家協会傘下のサークルに移行することにしました。発展的解消です。サンケイの生徒さんが中心になって準備していたそのサークル『わらしべ』の立ち上げが9日にありました。その時のようすが記事になって、朝日新聞阪神版(11日)に掲載されました。背中を押してもらっているようで、うれしいです。

   

今日は、出席者全員作品が出ました。サークルに移行することで、エンジンがいよいよ本気に切り替わった感じがします。みんなが「羽ばたかせたい」と思う作品の書き直しが提出されました。力が入りました。その結果、合評は、2作品しか出来ませんでした。  
8月23日(堺パンジョ教室)

作品をどんな段階で合評にかけるか……、それは、人それぞれです。教室は審査の場ではないので、完成度の高い作品を求めてはいません。このあとどう書けばいいか、どうふくらませばいいか、道に迷った作品、破綻した作品……、すべて大歓迎です。ひらめきだけで書き始めて、何を書きたかったのか自分でもわからなくなった人もいます。初心者はそれでいいと思っています。

合評に耳を傾けていると、お話が立ち上がってきます。それを育てていきましょう。そういうスタンスでいるのですが、ここでひとつ問題が発生しました。前回出した作品について、「あれは、もういいです。めちゃくちゃでした。合評いりません」という発言がありました。新たに書き直したという作品の提出があり、「前の作品はいいです。捨てます」ということが度々なので、「ちょっと待って」といわざるを得なくなりました。

みんな、忙しい中、それぞれの作品に命を吹き込もうと、いっしょうけんめい読んできてくれています。「もう捨てます」はないです。思うに、この生徒さんのように、思い立ったらすぐに書いてしまう(書かずにはいられない)タイプの人は、作品を寝かせてから出すことをお勧めします。書いたしりから次々出したい気持ちは分るのですが、2週間後に捨てたくなるのでは、困ります。プリントアウトして、自分の手元で暖めてください。

ひとつのひらめきは、主人公や切り口を変えると、さまざまな作品になります。どれがそのひらめきにぴったりなのか、あれこれ熟考するのも創作の楽しみです。何より、自分の書いたものに、愛情を持ってほしいです。
8月22日(大阪産経教室)

驚きました。以前合評したときは平面だった作品が見事に立ち上がっていました。しかも、動き出していました。(やったね)と思いました。こうなってくると、合評するみんなも楽しそうです。ネーミングもおもしろいです。この作品は、いつか、きっと羽ばたくと感じました。本人しだいですが。

5枚作品、童話塾に出すそうです。合評はしましたが、すでに童話塾用にコピー済みで、推敲しないまま出すということでした。未完成のまま、いろいろな意見を聞くことはいいことで、ありのままの作品をみてもらいたいという潔い姿勢が好きです。
8月21日(広島興銀教室)

夕方と夜の教室、共に新しい生徒さんが加わりました。初めて童話を書く人もいますが、ベテランの巣山さんや佐藤さんがいて、作家としての生の声を聞かせてくれるので、プロの作家を目指している人には、お得な教室です。

4作合評しました。ひらめきから発想した作品や、体験をふまえた上でもの、素材の出所はそれぞれ違いますが、その人らしい作品になっています。

書き直すたびに、新たな展開を求められる場合があります。というのも、書き直してこそ見えてくるものがあるのです。せっかく書き直したのにという思いもあるかもしれませんが、作品は生き物です。新たな展開が書き直すことによって思いがけない発想が生まれるのです。合評を受けた作品のそのままにしないでしっかり書き直してさらに、合評を受けることはとても大切なことだと思います。

             先月、取材を受けたものが中国新聞の夕刊に載りました
                 
                       生徒さんはあと4人います
8月9日(堺パンジョ教室)

短編ばかり3作合評しました。それぞれクリアーして欲しい課題が見えます。

ひらめきにだけに頼って書き始めると、途中で、物語の進路を見失ってしまうことが、ままあります。短編といえども、何を伝えたいかテーマがあると、揺らぐことはありません。プロットを立ててから書き始める。それが彼女の課題です。

日常の生活が自然と共存しているからこそ生まれた物語です。人が目を背ける素材に取り組む姿勢にやさしさを感じます。すべてほんとうにあったことなので、初稿でも、大きなほつれはありません。ただ、その情景がどんな読者にもわかるようにするには、いかに事実でも書きすぎないことも大切です。物語の流れに関係ないことは削ぎ落としましょう。

主人公が夢を託す大切な花について、作者は実存しているものにこだわっています。うそを書きたくないそうです。このこだわりが作品のネックになっています。想像の花を生み出すことは、うそなのでしょうか? 日常生活の中でのうそのようなできごとを、ほんとうにあったように伝えることが創作の醍醐味です。これにはイメージできる架空の花を設定しましょう。いくら実存の花を取り入れても、イメージできなければ、子どもの心はつかめません。
8月8日(大阪産経教室)

完成枚数が20枚の若い女性向けの童話です。書き直しですが、提出を(まだかな、まだかな)と思って待っていたので、うれしく読みました。20枚作品と10枚までの短編と違うところは、書き込みの深さだと思います。主人公の心情変化を場面でていねいに描いてほしいです。それには主人公がどんな性格なのか、価値観なのか、容姿なのか、今、どんな葛藤をかかえているのかをしっかり設定させておかないと、展開が上滑りになります。季節感も大切になってきます。テーマはしっかりしていて、雰囲気もあるので、いい作品になると思います。

もう1作は、けっこうやっかいな問題がテーマです。というからには童話ではありません。短編ブラックユーモアです。深刻になりがちなテーマを、ユニークな切り口で、うまく笑いに変えてしまう筆力にはいつも感心してしまいます。物語としてどういう結末に持っていくか今のままでは……と思っていたら、合評しているうちに、仲間から素晴らしいアイディアが提示されました。すごい♪ その「落ち」さえあれば完成です。一気に書き上げてください。

合評は、お互いを高めあっていくのだとつくづく感じました。仲間の作品がどうすればよくなるかを考えているうちに、ひらめきやすい体質に改善していく場でもあります。
7月26日(堺パンジョ教室)

短編4作合評しました。今日は、合評の力と素晴らしさをつくづく感じました。

合評方法にもいろいろありますが、わたしの教室では、作品のほころびや文章の良し悪し、分りにくいところを指摘するだけではなく、どうすればこの作品がもっと光るか、ひらめきやアイディアを惜しみなく提供し合う方法をとっています。自分が提供したアイディアで、平凡だった仲間の作品が光りだしたり、深さをましたり、行き詰っていた作品が解き放たれて動き出したりするのを体感できるのは、ありがたいことです。さらに自分の発想力アップにつながります。もったいないからこのアイディアは自分のためにとっておこうと思っている間は、まだまだです。アイディアは無限です。ただ、思いつくかつかないかなのですが、思いつく体質になるためには、そのつどわき上がってくるアイディアを、惜しみなく人に提供することです。

特に、今日のあんぱんかあちゃんのひらめき光っていました。あんぱんかあちゃんのひらめきのおかげで、あの短編はきっと輝くと思います。

人は顔が違うように、価値観や考えが違います。だからこそ発見があるのです。そういう意味でも、合評仲間は、この教室のように10人前後はほしいです。

教室のあとのお茶の時間に、「この教室に来てよかった」と何人もの生徒さんにいってもらいました。童話を書き始めると、お話を種を見つけるために、今まで見過ごしていたまわりのことをじっくり観察する習慣がつきます。立ち止まることで自分を見つめ直したり、さまざまな考え方をしてみたりするので退屈することはありません。
7月25日(大阪産経教室)

40年前に話題になった出来事を、記録ではなく物語として今の子どもたちの心に届くように書くには、どうすればいいのでしょう。ほんとうにあった出来事なので、作者の記憶に頼るだけではなく徹底的に事実を調べなければならないでしょう。でも、事実の羅列だけでは記録になってしまいます。子ども目線で描くには、どうしたらいいか話し合いました。テーマはしっかりしているので、作者の筆力ならきっといい作品になると思います。

もう1作は、長編向きの素材です。それを10枚で書くには、無理があります。10枚にするなら、エピソードをその中のひとつに絞り、そのことだけを膨らませるといいと思います。別のエピソードでも10枚程度の作品を5つ書いて、主人公の成長物語としてつなげていけば、長編(中編)になります。

この教室のメンバーを中心にサークルを立ち上げる準備をしています。無から何かを立ち上げるのはなかなか難しいことですが、いい方向に引っ張っていこうと手探りで進んでいるみんなの力はすごいです。

7月17日(広島教室)

夕方と夜のクラスは、行き来は自由です。作家デビューした巣山ひろみさんが、夕方の教室に来て、いっしょに合評してくれるのは、心強いです。

                
                   デビュー作に続いて2冊目の出版
                     現在3冊目に向かって創作中
                すごいですねえ。みんなのあこがれの星です
                      目指せばいつか、きっと♪


今まで楽しく書いていた短編が書けなくなってくる時期があります。めげないで、これはいい傾向と思ってください。というのは、今までエピソードだけしか見えなかった様々な出来事が、主人公の心理や葛藤に気づくことで、書きたいことだけではなく、書かなければならないことがたくさん見えてきたということなのです。

分りやすい例えでいうと、ジクゾーパズルと同じです。いとも簡単にはまっていたのはピース数が少なかったからで、それが何十倍ものピースになることで全体が見えなくなってしまい、急に難しくなってしまったといえばいいでしょうか。

あせらずゆっくり立ち止まって、五感が受け取るさまざまな感覚、人物間のつながり、伝えたいテーマなどなど、主人公の気持ちに沿って想像してみてください。きっと見えてくるものがあります。それを文章にして、埋めていきましょう。書き上げたときの達成感は格別です。

前回提出された物語のプロローグを合評しました。読み手の想像力を掻き立てるファンタジーです。時間をかけて、だれも知らないファンタジーの世界を創りあげていってください。楽しみにしています。

新しい生徒さんが入会しました。なんと山口県の下松市からです。新幹線で通ってくれるそうです。うれしいです。すでに、福山市からおふたり、高知からおひとりと、遠くから来てくれる生徒さんが多い教室です。かくいうわたしも京都から通っています。それを広島の生徒さんが支えてくれています。

見学者もひとりありました。わたしは新幹線に乗り遅れるので、ばたばたと帰ったのですが、そのあと、巣山さんや佐藤智子さんたちが残って説明してくれたのでしょうか。入会の報告がありました。広島の方です。よろしくお願いします。
7月12日(堺・パンジョ教室)

長編1作・短編4編を合評しました。短編の場合、書き出しと、終わり方がポイントになります。書き出しを説明で始めないこと。読み手の心をつかむには、いきなり何かが起こることが大切です。主人公のキャラクターをうまく設定すると、その魅力で読ませることもできます。終わり方は、いつもいう「おまけにひとつ」を思いつくことに、知恵を絞ってください。くすっと笑わせるのもよし、もう一回読みたくなったり、なるほどと思わせるのも、あるいはなぁんだと思わせるのもいいかもしれません。感動がこみあげてくるようなら最高です。フィニッシュが決まれば光る作品になります。

短編には短編向きの素材、長編には長編向きの素材があります。短編は、気の利いたエピソードがひとつあればいいです。テーマが深いものは、短編では書ききれないので、長編または中編としてじっくり取り組んでほしいです。

いつもいうように、階段を一段一段登るようには上手くならないんです。ある日、突然、一気にかけ上がる感じで、うまくなるものです。今日の長編(中編)を読んで、やっぱりそうだよねと実感しました。構成もしっかりしていて、おもしろく読むことができ、テーマもしっかり伝わってきました。この作品がもっとよくなるように、たくさんの意見が出ました。合評はありがたいものです。羽ばたける作品だと思います。書き続けることの大切さを感じる作品でした。
                              
                 
               スイスのハイジの村に行ってきたメイコさんが
                   お土産の刺繍のしおりをみんなに
                      プレゼントしてくれました

                          蒸しパンは
                 合評作品を読んでいて思いついたという
                      アンパン母ちゃんのお手製


教室で合評したアルカさんの作品が、神戸新聞の「おはなしの森」に連載されました(6月)。
7月11日(大阪・産経教室)

3作合評しました。どれも、がんばって書いてくれていると思います。

公募に向けての短編は、幼児のどきどき感をもう少しわかりやすくして、すてきな終わり方につながっていくように、工夫しましょう。登場は人物・物を含めて、あれこれ出し過ぎないで、シンプルにね。

子どものころの思い出を綴った作品は、かわいい心の揺れが描けていました。おまけにひとつの終わり方も、意識して描いたそうで、努力が伝わってきました。

ユーモアたっぷりの作品は、キャラクターがそれぞれおもしろく描かれているのですが、物語して動き出していません。作品が途中なのでしかたがないのですが、書く力があるので、ついつい立ち止まって書き込んでしまうのだと思います。先に、プロットを立てると物語が動いていくと思います。物語の終着点が見えると、そこに向かって書けばいいわけなので、楽です。

教室のメンバーが発起人になって、関西で、日本児童文芸家協会のサークルを立ち上げようと企画中です。いっしょに楽しく、高めあって、近い将来、羽ばたきましょう。9月9日の説明会にお越し下さい。

                    
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6月28日(堺・パンジョ教室)

2003年4月に開講。気がつけば、いつの間にか11年目に入っていました。11年経って、教室全体にやっと火がついたというか、いい感じで燃え始めてきています。繰り返し言っていたことがやっとわかって自分の物となったという人もいます。発想をふくらませる力はもちろん、構成力や筆力がついてきた一方で、「書く」ということへの意識が、このところ急に変わってきたように感じます。前向きにです。何名かが日本児童文芸家協会の研究会員になったことで、更に意識が変わってくると思います。

メンバーに長編が書ける人が加わったので、このまま勢いがついていくのではないでしょうか。その生徒さんは書き始めて17年目。書き続けることが大切だという実感のこもったアドバイスがあったとき、聞いていたみんなの背筋がしゃんと伸びました。

合評作品が6作出ていたのですが、今日は白熱して、3作だけに終わりました。更に、今日、たくさんの作品の提出があり、合評待ちが8作にも! 2時間半かけて、通ってくる甲斐があります。
6月27日(大阪・産経教室)

2010年4月開講。梅田という場所からいい教室になると思っていたのですが、生徒さんの数が増えません。現在在籍の生徒さんにぜひ力をつけてほしいと思うのですが、少人数では合評内容も想定内に留まり、互いに創作意欲をくすぐり合うことも少ないので、9月いっぱいで閉講する決心をしました。

教室側は、せっかくのご縁だし、チラシ案内もして生徒募集をするので留まるようにいってくださったのですが、気持ちが傾いてしまったので、いったん休講させてもらうことにしました。もし、4〜6月の3か月間だけでも来てくださる方には、講師紹介ということで入会金は免除してもらうようにお願いします。短期間でよければご参加ください。

メンバーが発起人になって、日本児童文芸家協会所属のサークルを立ち上げる準備中です。

今日は1作合評しました。なかなかおもしろい作品でした。公募先もぴったりのところが見つかったので、書き直してチャレンジしてほしいです。
6月26日(広島・中国新聞カルチャーセンター)

1枚童話を含めて、2クラスで8作合評しました。

原稿用紙たった1枚で物語を書くのは難しいことです。不要なことをみんな削ぎ落とし、エッセンスだけにしなければなりません。かといって、あらすじでを書くのではありません。ストーリーを意識することです。1枚童話は、お話の種でもあります。ここから5枚童話にも10枚童話にも、もっとふくらませば長編にもなります。今日、合評した4作の1枚〜2枚童話はそれぞれユーモアがあったり、かわいかったり、トンチが効いていたり、価値観を発見したり、すてきな短編になると思います。

中編4作のうち1作は、出版が決まっています。その作品をみんなで合評していくのは、またとない貴重な体験だと思います。しっかり勉強してほしいです。他の3編も、いずれ羽ばたくだろうと思います。放っておかないで、書き直してください。何回も、何回も。

巣山ひろみさんの2冊目の単行本が近々学研から出版されます。『逢魔が時のものがたり』です。巣山さんはもともと才能のある書き手さんですが、教室で合評を重ねた作品を最後どのように書き直して、羽ばたかせたのでしょう。本になった不可思議な世界と再会できる日が待ち遠しいです。

                
                       差し入れ いろいろ♪
                
6月14日(堺パンジョ教室)

3作品合評しました。

合評に出される作品の完成度はまちまちです。ひらめきの段階でとりあえず書いて出す人もいれば、公募に合わせてむりやり絞りだそうと試みた作品を、自分でも納得しないまま出す人、自分の子どものころの思い出を童話としてふくらませて創作した人……。今日の3作品はそんな感じでしたが、わたしの教室では、どれもオーケーです。合評しているうちに、書き手本人が、そうか、わたしはこの作品を書くことで、こんなことを伝えたかったのかとわかればいいと思います。

毎回短編を提出する生徒さんが新しく加わったことが刺激になったのか、次回に向けて6人分(7作品)が揃いました。こう書くと出していない人たちが焦るかもしれませんが、だいじょうぶです。マイペースで行きましょう。

一歩前進してほしい。そのきっかけになるためにも、日本児童文芸家協会の研究会員をお薦めしています。研究会員は、会員と全く同じ待遇を受けることが出来ます。しかも、そよ風コンクールに応募ができます。添削も割引が適応されます。これからも書いていこうと思う人にステップアップとしてお薦めします。
6月13日(大阪梅田産経教室)

1作合評しました。発想が、いつもながらおもしろいです。合評作品がなければと、いっしょうけんめい書いてきてくれるのがありがたくもあり、うれしいです。

童話教室は合評がメインです。合評する作品が出ないと、プリントを配って講義をすることになりますが、講義はあくまでも講義。自転車の乗り方をプリントで伝えるようなもので、空回りすることがあり、身につきません。合評がいちばんです。作品を書いた人はもちろん、合評する立場の人も人の作品をしっかり読むことで力がついていきます。

現在生徒さんが5名ですが、1名はお母さんの看病でお休みです。いい意見の出るメンバーがそろっているのですが、4名のまま、あるいは3名と減って行けば、作品の提出状況のことなど合わせて考えると、教室として成り立ちにくいです。教室を日本児童文芸家協会傘下のサークルに切り替えようかと思っています。このことは、みんなにも相談していることなので、残った時間で、サークルの立ち上げについて検討しました。

立ち上げた場合はご案内しますので、関西で童話を書いているみなさん、ぜひご参加ください。メールでお問い合わせくだされば、お返事させていただきます。また、他の地域で日本児童文芸家協会傘下のサークルを立ち上げたい方は、協会事務局にお問い合わせ下さい。但し、サークルは、会員と研究会員のためのものなので、過半数が会員と研究会員でなくてはなりません。http://www.jidoubungei.jp/  電話03(3262)6026  FAX 03(3262)8739
5月23日(堺パンジョ教室)

短編3作合評しました。教室に出てくる作品は、どれも未完で、本人も納得できないものばかりです。それでいいのです。だからこそ合評をうける必要があるのです。

今日は、こんな意見が出ました。「そつなく書けているけれど、どうってことはない。何かが足りない」。そこです、工夫してほしいのは。どうすれば魅力的な作品になるか話しました。繰り返し、繰り返し言っていることなのですが、すとんと落ちて、自分のものになるのはなかなか難しいことのようです。自分のものにするには、書いて、書いて、書くことです。ある日、(そうか、このことだったのか)とわかる日が来ます。そうなればしめたものです。

公募に向けて書くのは、いいことです。枚数・締め切り・テーマなど制限が課せられているので、力がつきます。でも何を書いてもいいわけではありません。枚数に合わせて無理やり書いた作品は、公募先のニーズにあっていないというか、空気が読めず浮いています。公募に出す作品はニーズに合わせることが大切です。

書き始めたばかりのひとは、公募入選だけを目指さないで、まずは、体からあふれてきて書かずにはいられないものを書いてください。作品にならなくてもいいと思います。ひらめきをとらえて、きらめくシーンを描いてください。画家が一枚の絵が出来上がるまでにたくさんのスケッチを描いているように、スケッチを楽しんでください。電車などで人物ウオッチをしてください。

書いて、書いて、書いているうちに、子どもの読む物語を書くということは、こういうことなのかわかると思います。今は、自己満足の段階の人もいます。おとな目線はだめです。子どもが読むということを、常に意識してください。素材には、短編向けと長編向けがあります。それを見極めることも大切です。

厳しいコメントになりましたが、これはパンジョの教室だけではなく、他の教室も同じことが言えます。
5月22日(大阪梅田産経教室)

前回、1枚童話を書くためのコツをプリントして配りました。1枚童話といってもあらすじで終わるのではなく、起承転結を踏まえた上で、気の効いた終わり方を工夫しなければなりません。それには、ひらめきが大切です。もうひとつ大切なことは、魅力的なキャラクター立ち上げることです。

1枚童話に説明は不要です。いきなり主人公が動き出すようにしなければなりません。発想の力もつきますし、文章を幹と枝にする訓練になります。1枚童話は長い作品の種にもなるので、習作としてどんどん書き貯めておくといいでしょう。

というわけで、それを前回の宿題にしていたところ、夕べ、いっせいにメールで作品が届きました。それを今日は合評しました。おもしろかったです。
5月15日(広島・中国新聞カルチャーセンター)

短編3作と100枚を越える長編1作を合評しました。
短編Aメルヘン―@主人公はこのままがいいのか、それとも? A主人公の願い(悩み)は? B物語の終わり方? C不要な文章(説教じみた箇所)は削りましょう。ひらめきを種に、物語にしようという努力が伺えましたが、この物語でなにが伝えたいのか軸がぶれないように気をつけましょう。
短編B生活童話―へえ、そうなんだとおもしろかったです。@自然の発見 A父親と少年のふれあい B友情(3人3様) @ABについて、作者の知識をエピソードにして、シリーズになっていきそうです。
短編Cメルヘン―@主人公の設定→子どもの方がいいかな Aおとなを頼らず自力で解決 B魔法はいらない C主人公の恋に、ちょっかいを入れるおとたたちが工夫されていて、おもしろいし、絵が浮かんできます。ユーモアも感じます。
長編ファンタジー―この教室はメルヘンやファンタジーを書ける生徒さんばかりなので、いい意見がたくさん出ました。@主人公の葛藤について、時期・内容などを考慮 Aネーミングがすばらしい。光っていました Bラストはこれでいいのか Cタイトルを工夫しましょう。それにしてもすごいです。お休みの間に、こんな長い作品を書いていたのですね。
5月10日(堺パンジョ教室)

作品は提出順に合評するのですが、急ぎの作品が入り、4作品合評しました。

新しい生徒さんが入り、「雰囲気が変わって、刺激があります」といった人も、実はまだ新人さんで、「あなたが来たときもそうだったのよ」というと、笑っていました。マンネリにならないように心かげてはいますが、いちばんの刺激は、新しいメンバーの入会です。

わたしは、パソコンで書いている生徒さんには、ブログを立ち上げることを勧めています。何か、書かなければならないと意識することで、なにげなく送っていた毎日が新鮮に見えてくるものです。日々発見があります。発見はひらめきに通じ、ひらめきは童話の「種」でもあるのです。

パンジョ教室の生徒さんのブログに、今日の教室のようすが書かれています。
うさこのひきだし  5月10日
幸せの小ぶたの日記  5月10日  がんばって毎日更新しています。
しまたにさよの童話日記 5月10日
酔芙蓉徒然日記  残念ながら、今日は、娘さん一家を応援するため四国滞在中で欠席でした。
5月9日(梅田産経教室)

3作合評しました。前回、提出されていた作品(長編のパーツ)と、この日、出された短編2編(2編とも同じ作者のもの)です。いつものように、書き手を尊重しつつ、それでも鋭く、深い指摘があって、書き直すためのいい意見がたくさん出ました。

この教室は、生徒数は6人。少な目ながら安定してはいるのですが、現在1名の欠席が続いています。この上、生徒数が減った場合、提出作品がますます減って、合評に差しさわりがでるだろうという危惧を日ごろから感じていました。その危惧が、現実になりそうなのです。

夜勤明けに来てくれていた生徒さんが日勤になり、6月からは来れないことがわかりました。更にこれは確定ではないのですが、定年になったご主人が老後を島で過ごしたいと愛媛県へ移住の話が持ち上がっている生徒さんもいます。「そうなれば、広島教室に行きます」と本気とも冗談とも受け取れる発言まで出ているので、覚悟しなければなりません。生徒数が3人になる可能性が「大」だとわかって、福山教室のことが頭をよぎりました。

福山教室は、生徒さんが2人になったときに、広島教室と合併しました。今は、福山から高速バスに乗って通ってくれています。交通費も時間もかかるし、申し訳ないのですが、いい決断だったかと思います。というのも、広島教室にはプロとして羽ばたいている生徒さんや入選を重ねていつでも羽ばたける生徒さんがいる一方で、書き始めて間もない新人さんもいて、刺激もあり、学ぶところが多いと、よろこんでもらっているからです。そしてこれは広島教室の生徒さんの刺激にもつながっているのです。

産経教室を閉鎖することも頭においておかなければなりません。といっても、みんなを置き去りにするわけにはいきません。決して置き去りにはしません。協会傘下のサークルにという考えもあります。サークルにして勉強会を土・日にすれば、勤務の都合で退会したかっての生徒さんも参加できそうだという意見も出ました。どういう流れになっていくか、大切なことなので、あせらず時間をかけて、考えていきましょう。
4月26日(堺パンジョ教室)

新しく入会された生徒さんは、みんなの意見を一言一句逃すまいと、必死でノートにメモしていました。合評の場で出た意見のすべてを鵜呑みにして振り回されないように(いったんは手のひらに受けて、自分の創意と異なるものは指の間から流すように)アドバイスしたのですが、合評が終わったあと、「聞き漏らしていたかもしれない」と、わたしが書き込みした原稿を「ください」と持って帰りました。わたしは、合評が終わった生徒さんの作品は後日まとめてシュレッターにかけるので差し上げることは一向にかまわないのですが(そのつもりで書いてないので読みにくいですが)、このコーナーをアップするときに、手元に原稿がないので戸惑いました。

記憶をたどると……発想はおもしろいのですが、@絵本と少年の絆が書き切れていません(ここをしっかり書いておかないと絵本の中の登場人物が少年のために動き出すような不思議は起らないし、起ってもうそっぽくなってしまいます) A日常生活からメルヘンの世界への入口が不自然でした B欲しかったものを買って手に入れさせなければならない設定なので、その過程が強引かな C思いが叶うことが果たして幸せかどうか考え直してほしいです D主人公の年齢は妥当でしょうか E作者はこの作品を通じて何を伝えたいのでしょうか……、こんなことを話したと思うのですが、作者自身はメモを取るのに必死で、なかなかストンとはいかなかったようです。まずは耳を傾けるlことが大切かと感じました。そのうち慣れると思います。

ご主人とご自分の子どものころの思い出を綴った作品は、その時代を知らない子どもたちが読んでも、よくわかるように場面で書き直されていました。物質的には貧しい時代ですが、心豊かないい時代だったのだと感じることができました。また、おふたりの育った環境の違いがこの物語のポイントになるかもと思います。思い出の糸先がもっとたくさん見つかけて、どんどん紡いでいってください。

長編に書き直しの作品は、場面でしっかり書けていました。ただ書きすぎるきらいがあります。挿入分が長すぎると、何人かから指摘があったのも、筆がすべりすぎたのかもしれません。また、主人公が仲良しなのがおじいさんとおばあさんの2人に焦点をあてていることが、流れを悪くしています。物語の内容から判断して、前半は、おじいさんとのつながりにポイントをおいたほうがいいでしょう。後半におばあさんとの絆を書くことができます。おじいさんの呼び名、ユニークでよかったです。この名前にしたことで、物語全体にユーモア感が流れていましたし、後半にもうまくつながっていくと思います。主人公が悩みを銭湯で打ち明けるのはいいのですが、おじいさんの話が説教くさくならないようにしてくださいね。解決は後日に持っていってもいいかもしれません。
4月25日(産経梅田教室)

毎回出ている長編のパーツと幼児向け短編、詩を合評しました。

からんでしまった糸をほぐすように少しずつ長編のパーツが出来上がっています。書きたいことは山のようにある中から、糸先を見つけて書いていくのは大変だと思いますが、よくがんばっています。物語として組み立ててふくらましていくのは、まだまだ先のようですが、今回の作品は場面で書けていたので、伝えたいことがとてもよくわかりました。「楽しく書けるようになった?」。「しんどいです」。書く力だけではなく、生きる力も、ついていくと思います。きっと。

短編、小さい子どもにもよくわかるいい素材だと思います。何かを見て、自分もがんばろうと思う主人公に、小さな読者は共感するでしょう。

子どもの成長の節目を喜ぶ、お母さんの気持ちが伝わってくる詩でした。素直な思いを素直な言葉で書かれていたので、思わず、「おめでとう」と共に喜ぶことができました。
4月17日(広島教室)

広島教室は、3時半からのクラスと6時からのクラスがありますが、広島は月1回だけなので、どちらのクラスに来てもらってもいいことにしています。時間が許せば両方ともでも。それぞれのクラスの人数が少ないこともありますが、月1回だし、福山から高速バスに乗ってわざわざ来てくれる生徒さんが2人いるので、「来てよかった」と納得して帰ってもらいたいです。

今月からは、高知の生徒さんが復帰してくれました。高知からだと1泊しなければなりません。できるだけたくさんの人たちから刺激をもらって、実りある時間であってほしいです。

書き始めて間もない人が多いのですが、単行本が出たり、雑誌に掲載されたり、公募入選を重ねている人もいて、みんなを引っ張って行ってくれるので、ありがたいです。目指せば願いは叶うということを身近に感じることは、はげみになると思います。

『雪ぼんぼりのかくれ道』(国土社)でこの1月デビューした巣山ひろみさんは、2冊目の本がもうすぐ出ます。そして、また……。プロの作家としての歯車が回り始めたように感じます。

4時間かけて3作品を合評しました。自分の作品は、なかなか自分ではわからないものです。特に体験を綴ったときは指摘されると、土足で踏み込まれたようないやな思いをすることもあるでしょう。が、読み手が知りたいこと、まずはそこを掘り下げて書いてみることです。力もついてくるし、書きたくないところを書いているうちに、書きたかった本当のことが見えてくるのではないでしょうか。

メルヘンは、ひらめきから生まれることが多いです。ただ、ひらめきに振り回されないことも大切です。ひらめきにこだわってしまうと、主人公がおいてきぼりになり、物語がどっちつかずになることがあります。

また、不思議な場面との遭遇した場合、さっとながしてしまわないで、あわてずに、ゆっくり描写しましょう。擬音語や歌などを入れると効果的な場合もあります。
4月12日(堺パンジョ教室)

@いつもメルヘンを書いている生徒さんの生活童話です。「表裏一体」というひらめきが光っていました。伝えたいことも、本人の解説を聞くとよくわかるのですが、作品の中では省かれています。「今日は、いいわけはしないつもりです」と決心も新たに合評に臨んだのは大いにいいことだと思います。「あまり無理をしないでね」とわたしが振ったせいか、「ここはこういう意味で書きました」といつもの流れになりました。

わたしはそれを「いいわけ」だとは思いません。作品に書ききれていない部分の「補足」です。「それをみんな書いたらいいのでは」という意見が出ました。そうよね。作者の思いの丈をすべて書かないと読み手に伝わってきません。

経験を物語にするときは、最初は構成など考えずに、すべて吐き出してみるといいと思います。あわてないことです。しっかり書き込めばいい作品になると思います。長編向きの素材です。本人もそれがわかったようです。短編と長編の素材の違いは何度も話していると思いますが、次回にまた話しますね。

Aユーモアたっぷりの短編は、キャラクターがうまく立ち上がっていました。途中までだったので、続きがどうなるか、楽しみです。何枚作品にするかで、後半の流れが変わってきます。いろんな展開の可能性を感じました。

教室に出る作品については、どれにも愛情を感じます。みんなもそうだと思います。作品がよくなるようにという思いが、時には厳しく感じることもあると思います。ぐさりとくることもあるかもしれませんが、その「ぐさり」がいちばんいい意見だということいが、じわじわわかってくる……ということが、わたしにも何度もありました。良薬は口に苦し、です。

見学者がひとりありました。次回から来てくれるそうです。すでに長編は書ける人なので、心強いです。
4月11日(梅田産経教室)

3作合評しました。
@自分の内を素直に紡ぎ出そうとチャレンジしている作品。
Aわが子の思い出を楽しみながら紡いでいる作品。
B定年後に出会ったスポーツを通じて少年たちにメッセージを送ろうと試みている作品。
これらの作品がこれからどういう風に歩き出すかは本人しだいですが、素材は、みんな輝くものを秘めていると思います。すてきです。

長編をどのようにして書くか、手順は人それぞれです。まずは、あれこれ考えずに、思いを吐き出してみることです(書き出す)。次に物語として人に読んでもらうために、主人公はじめ、魅力的な登場人物を設定しましょう。プロットを立てることが必要になってきます。また、この作品を書いて伝えたいのか、テーマ(メッセージ)を織り込むことも大切です。キャラクターを子ども目線を意識して、物語をふくらませることは必須です。
3月28日(梅田産経教室)

2作合評しました。実に実におもしろいです。わたしは、「お話の種を見つけるコツ」について、折に触れてよく話しますが、それは書きなれていない人に向けてのことで、楽しんで書けるようになると、自分の中から書きたいものは湧き出てくるようで、それが作風になります。その人にしか書けない作品を読みながら、「書く」ということは、人間の心の深くにある「核」を掘り下げるということなのだと改めて感じ入りました。

「書く」=「核」です。書くことは人生を見つめなおす大切な作業にもなるのです。本を読むと人生が豊かになると言われていますが、「書ける」とさらに豊かになるのではと、教室だけではなくたくさんの方々の作品を読ませてもらうたびに感じます。筆一本で、心を開放することもできる「書く」ことのすばらしさに出会えたわたしたちは、幸せだと思えてくるのです。

産経教室の生徒さんは、童話としてそれらのことを書いているので、ここでこんなことをいうのもおかしいことですが、ついでなので書き留めておきます。自分の心のうちにあるもの吐き出したい人は、こういう風にかけば童話になるなどという枷をはめないで、自由に紡いでいってもいいのではと思います。いったん自分の内から紡ぎ出したものを、子どもたちに伝えたいと思ったときに、子ども目線で描けばいいのではなんでしょうか。

どんなときでも自分という舟を操るのは自分です。苦しい思いや、辛いできごとを受け入れるために、「書く」ことは力になってくれます。

28日の日記を読んで、欠席だった赤パンツ氏から、「ホットケーキを連想させる作品とは?」というメールが届きました。疑問に思われたのも無理ありません。起承転結おまけにひとつのおまけの部分を工夫するにあたり、ホットケーキがいきなり登場したのです。きっと、ちんぷんかんぷんだったと思います。
3月27日(広島中国新聞カルチャーセンター)

今日はやむを得ず遅れてくる人や欠席者が多くて、そういうことは重なるものなのだとふと思いました。人数の少ない中で、3作品合評しました。3作ともひらめきのある作品でした。

初心者にとって、「創作」することは特別なことなのかも知れません。何を、どこから、どのように書けばいいのか漠然としていて、なかなか書くきっかけがつかめないかもしれません。お話の種はどこにでも転がっているといっても、見つける目が育つまでに時間がかかる人もいます。アンテナを張るとよくいいますが、何にでも興味をもって、好奇心を高めることも大切です。

お話の種をキラリと光ったエピソードにつなげることができたら、しめたものです。あとは、魅力的なキャラクターを主人公にして、お話を展開していくのですが、いくつも、いくつも書いているうちにすとんとわかる日が、突然来ます。とにかく書かなくては始まりません。「そろそろ書きます」といってくれた生徒さんは、パソコンを習いにいっているそうです。ワードができるようになると書くことがおっくうでなくなるようですよ。

教室に来てまだ浅いのに、書き直しと次回作と2編持ってきてくれた人がいました。がんばっているんだ♪ うれしいです。上手に書こうと思わないで、どんどん書いてください。書いているうちに、発想しやすい体質になっていくと思います。

この教室には単行本を出していたり、入選を繰り返している書き手さんもいて、みんなを支えてくれています。ありがたいです。
3月22日(パンジョ教室)

3作合評しました。生活童話2作とメルヘン1作です。

5枚程度の短編はエピソードがひとつあれば充分です。それをいかに個性的に光らせるか、感動に結びつけるか、くすっと笑わせるか、(えー、うそお)とどんでん返しを仕掛けるか……、起承転結おまけにひとつのおまけの工夫が創作の醍醐味であり。難しさでもあります。今日合評した6枚作品は、ちょっとした工夫がみられました。が、話がそれるのでその部分はいらないという意見がほとんどでした。結果的にはいらなかったかもしれませんが、この創意工夫が想像力を育てると思います。

キャラクターの設定が、物語作りにいかに大切かということが、3作品を合評しながら、みんなにもよくわかったとおもいます。それに伴ったセリフも物語を生き生きさせます。ほぼ完成に近い生活童話については、少女と少年のお母さんの性格を置き換えてみたらどうかという提案が出ました。いいかもしれません。物語にめりはりがつきそうです。他にも一人称を三人称に書き換えてみたり、主人公と脇役を置き換えてみたり、人間を動物にしてみたり、こだわらずにいろいろなバージョンで書いているうちに、すとんとはまって、物語が生き生きしだすことがあります。

思い出を綴っているうちに、こんなこともあった、あのときはこうだったと、今はもうすっかり忘れていたことを芋づる式に思い出すことがあります。脳の活性化にもいいし、自分の人生を見直すことはこれからの生き方にもプラス要素としてつながります。事実を書き出しすことに留まらずふくらませる。これも童話を書く上で大切なことであり、楽しみでもあります。
3月14日(梅田産経教室)

前もって作品が届いていませんでした。珍しいことです。しかたがないので、「説明と描写」の違いがわかるように書写でもしてもらおうか、それとも……と心積もりをしていたのですが、始まる前に2作出ました。どちらも短編だったので作者に読み上げてもらって、合評しました。

1作は、きらりと光るエピソードをモチーフにして、子どもの日常を軽やかに描いた短編シリーズです。今回も、ユーモラスで暖かい作品になっています。たださらりと流してしまう部分がところどころありました。小さな読者がしっかりイメージが出来るように、描くべきところは具体的に描きましょう。次はどんなエピソードが物語なるのでしょう。楽しみです。

もう1作も、毎回提出される長編の1シーンです。今回、衝撃的なシーンが見事にリアルに描かれていました。この物語を書き始めたころは、書き手自身がどこまでさらけだすか葛藤があったことと、全体が見えないので、不消化を感じていました。本人も、書くことが辛かったようです。それから半年、作品が平面から立ち上がってきました。今回の描写は見事だと、全員の意見が一致しました。書きたくなかったことを作品として書けるようになったということは素晴らしいことだと思います。まだ書かなければならないシーンはあるようですが、今まで書いたものを時系列に並べてみると、つなぎ目ごとに書き足さなければならない大切なことが見えてくると思います。途中であきらめないで、がんばってよくここまでたどりついたと思います。
3月8日(堺パンジョ教室)

どんどん書ける人。最近はさっぱりだという人。書くことを楽しんでいる人。物語の展開に悩んでいる人。何を書いていいのかお話の種が見つからない人。想像を膨らませてるのが上手な人。体験を物語に紡いでいる人。メルヘンが童話だと信じている人。生活童話が得意な人。短編が好きな人。中編に挑んでいる人。作家を目指している人。絵本作家になりたい人。ただ書くことが好きな人。書きたいものがあるから書いている人。書くことにあこがれている人。人の作品を読むのが好きな人……。

合評を受けてひらめく人、言い訳する人、混乱する人……。何度も書き直して完成させる人。合評を受けたままの人、さまざまです。みんなオーケーというか、どれも、いずれ作品が羽ばたくまでの過程です。羽ばたかせてあげたいですね、分身のような物語。

いえることは、書くことを生活の中に取り入れると、今まで見過ごしていたことに目が留まり、新しい発見があったり、調べることでそこから世界が開けていき、人生が豊かになります。人や出来事を別の角度で見る習慣もつきます。何かにぶち当たっときに乗り越えるノウハウが見えてきやすくなります。思い出を紡ぐことでがんばってきた子ども時代の自分が愛おしくなります。人の作品を読むことで他人の人生も疑似体験できます。なるほどそういう考えもあるのかと気づくことで、これからの生き方も見えてくるように思います。

3作、合評しました。次回作品も4作出ました。萌えいずる春です♪
2月29日(梅田産経童話教室)

1月11日の振り替え講座でした。

3作合評しました。
@ユーモラスな短編シリーズ、今回はお父さんのユニークな一言物語を盛り上げていましたが、ちょっとわかりにくいので、別の言葉に置き換えた方がいいかもしれませんね。いつもはやさしいお兄ちゃんが、「これはしかたがない」というあたりにおかしさを感じました。

彼女が、「お遊びです」といって、プリントを配ってくれました。就学自前の幼児なら5〜10分、高等教育を受けた人なら問題が解けるまでにかなりの時間がかかるというの問題なのですが、なるほど……。子どもの目線とはこういうことだとおもしろかったです。そして、その目線は童話を書くことに通じるとつくづく思いました。ありがとう。他の教室でも使わせてね。

A風刺的発想は、彼女が描く物語の真髄です。今回も、立場が変われば善意も災難になるおかしさを描いていました。人物や小道具をたくさん出しすぎないように。短編はできるだけシンプルなほうが、物語が際立ちます。

B長編のスケッチですが、今回は、主人公の人間形成に影響するようなたいへんな出来事が描かれていました。長編を書くにはそれぞれの方法があると思うのですが、もしジグソーパズルのように一片一片を埋めつつ完成していくものだとしたら、今回のスケッチで、たくさんのピースができるような深いものでした。この出来事や家族関係をしっかりふくらませて描けば、あとは楽に描けるような気がしました。
2月23日(堺パンジョ教室)

3作合評しました。いろいろな意見が出ました。

@毎日書くことを決めてがんばっているんですって。その成果でしょうか、書き直し作品なのですが、新しい切り口を見つけたようなので、そこからどんどん広がっていきそうです。この教室ではいちばん年上なのですが、生き方が前向きなので、みんなが刺激をもらっています。手書きだった人も、彼女の刺激を受けてパソコンで書くようになり、それでグレードアップした人もいます。これからがますます楽しみです。

Aメルヘンをいえども、いろいろ調べて裏づけがあるのはすばらしいことです。ただ問題は、調べたことはすべて書きたいのでしょう。詳しく書きすぎて物語の展開をとめてしまっています。また思い入れが強すぎて、何が書きたいのかわかりにくくなっています。物語を、まずは「幹」と「枝」だけにしましょう。それから少しずつ、必要ならば「葉」をつけ、「花」も咲かせましょう。ひらめきはすばらしいので、こつさえつかめば、悩まずに、もっと楽しく書けるようになると思います。

B書き直し作品ですが、新しいキャラクターを立ち上げ、その目線で書いたのが、おもしろいと思います。ネーミングも光っていました。それぞれの子どもたちのキャラクターもおもしろく、物語の流れもわかりやすいです。最後をどう終わらせるか、余韻がのこるように、もう少し工夫してみるといいかな。きっと、ひらめくと思います。
2月22日(大阪 梅田産経教室)

3作品合評しました。

@書き直しの中編、魅力的な作品になっていました。まだまだふくらませいってほしいです。中・長編は小見出しをつけると、ふくらませやすいと思います。もう先が見えてきています。がんばってください。

毎回提出されるシリーズが2作あります。「深刻な作品」と「ユーモラスな作品」です。

A深刻な作品は、作者自身、教室に来るのが「気が重くなる」こともあるようですが、合評を受けた後は、「みんなに読んでもらえてよかった」ということなので、合評のしがいがあります。完成までは遠い道のりかもしれませんが、わたしたち読み手にもだんだん登場人物に興味が沸いてきたというか、愛情を感じるようになってきました。「もしかしたら、これはどえらい賞をもらう作品かもしれん」といった人も。化ける可能性大です。めげないで存分に吐き出してください。

Bユーモラスな作品の命は、くすっと笑えるエピソードです。エピソードはいくらでもあるということなので、どんどん書いて、まとめて1冊の本にという手も。必ず毎回出す。これを自分に課してみては?
2月21日(広島 中国新聞カルチャーセンター)

3時半からと6時からの2講座で、5作品合評しました。

@郷土の物産をモチーフにした場合、それがどんなものか、他地域の人でもわかるように書きたいですね。現代の子どもに郷土の物産を理解させるには、それが発生した時代に主人公をタイムスリップさせるといいです。たまたま、ごく自然にタイムスリップ出来る場所が描かれていたので、だいじょうぶ、短編でも描けます。きっかけは、あれをころころ転がす……です。戻ってくるときも同じパターンです。主人公にその時代の緊迫感を体験させてこそ、タイトルにもなっている物産への愛着が生まれるのですはないでしょうか?

A人間ではない世界を描く場合、もっと意外性を描いてください。価値観やすることが人間と同じでは、せっかくのキャラクターなのに惜しいです。主人公の目を通して描きたいテーマは何なのか、それを模索するのが作者への課題のように思います。童話も小説も大切なのはテーマだというのは、すでにご存知のことです。童話はこう書かなくてはならないという思い込みがあるのかもしれません。すでに小説の世界では評価を得ているのですから、作者らしい目線で子どもの世界を描いていけばいいと思うのですが、いかがでしょう。

B教室に来て、2作目の作品です。1作目より文章もシンプルで、内容もわかりやすく書けています。目線が面白かったです。みんなに合評してもらったところを参考にして、書き直してみてください。きっと楽しい短編になると思います。発想を自由に、どんどん書いていってください。

Cすでに公募入選した作品が冊子に載ったのですが、それをそのままプリントアウトして提出されました。それでも、少しもかまいません。合評にかければ、作品はもっとよくなります。ただ、この機会に、童話を書いているみなさんに言いたいことは、応募先をよく考えてほしいということです。どこかに出して入選しても、ひとときのよろこびです。つまり、今回のこの作品についていえば二席をもらい、そこがこの作品の終着駅です。発展はありません。せっかく苦労して書いた作品なのに、それでいいのかということです。入選がステップになるような公募先を選んでください。2〜3回入選したら、いつまでも公募を続けていないで、次のステップに進みましょう。もし、あなたが童話作家を目指しているならば。

Dセリフでキャラクターがわかるのがすばらしいと思いました。短編の物語には、よく似たストーリーがあるのは、しかたがないことです。この物語もそうなのですが、途中からラストにかけての展開が、個性的で光っていました。登場人物に無駄がありません。必然的で不可欠。なかなかこうはいかないものです。テーマも押し付けががましくなく、でも明確にわかりました。
2月9日(堺パンジョ教室)

2作合評しました。5枚と15枚作品です。共通していえることは、説明するための回想が物語の流れのじゃまをしているということです。子どもは、今起こっていることに興味を示します。ページを繰るたびに、物語の主人公といっしょに驚いたり、感動したり、悩んだり、発見したり、冒険したりすることこそが、本を読む楽しみなのです。前にこうだったと書いてあっても興味が沸かないのではないでしょうか(長編の場合は別です)。時間をさかのぼらないと書けないことは別として、今現在起こっていることとして場面で描けることを、わざわざ回想で説明するのはいただけません。回想がさらに二重になると、子どもはそのページに置き去りになります。短編は、子どもにもわかるように時系列で書きましょう。まずは、それができてから、いろいろな書き方にチャレンジしましょう。

また、登場人物の絆の深さをしっかり描かれていないと、物語が展開していきません。特に後に別れが来て、その喪失感とか、立ち直る過程を描きたいときは、なおさらです。
2月8日(梅田産経教室)

2作合評しました。1作は、ジグソーパズルで言えば何百ピースにもなりそうな長編作品の1ピースです。スケッチといえばいいのでしょうかひとつのシーンを描いたものです。スケッチを重ねるたびに見えてくるものがあるのはずなのですが、まだ、全体が見えてきません。たぶん、思い出としてはさらけ出しきれず、だからといって創作して盛り上げてほしいと思うところには事実の枷がかかっていて、どっちつかずになっているかもしれません。創作だと割り切ってキャラクターをより個性的に設定すると書きやすいと思います。今まで提出されたピースは、どこにはめこめばいいのか、本人にはわかっていても、読者はまだうまくつなげません。毎回提出されるピースを埋め込んでいけばどんな絵が完成するのでしょう。先はまだまだ長いのですが、最後の1ピースに意外性もほしいとつい欲張ったことを思ってしまいます。長編は、常にテーマを意識しておかないと物語がぶれてきます。

1作は、作者の思い出を綴ったもので、母親目線のエッセイになっています。これはこれで感動が伝わってくるのですが、作者はこれを童話にしたいというので、それなら子ども目線で書いてみてはと、ある提案しました。思い出というのもは厄介なものなのです。創作してしまうと「うそ」になってしまい神聖な思い出を侵してしまうと感じるのだと思います。エッセイはエッセイで置いておいて、ぜひ童話をして書いてほしいエピソードでした。
1月26日(堺パンジョ教室)

こちらも全員揃いました。わたしはもちろん、合評を受ける人も、出来るだけたくさんの角度から違った感性の意見を効けるのは、うれしいことだと思います。

すでに応募したという絵本原稿を合評しました。繰り返しに工夫がされていて、絵も浮かんでくる楽しい作品でした。ただ、みんなの一致した意見のひとつに、最後に鍋に入れたものに違和感あったようです。童話の世界ならありかなと作者は思ったようで、たしかに昔話にはよくあることなのですが、この物語の場合、ちょっとどうでしょうね。工夫した方がよりいいかもしれません。次々出てくる人や物の名前の多さにも振り回されてしまいます。親切なつもりの説明が物語の流れを止めてしまうことが多々あります。シンプルにして、物語の内容の方を膨らませましょう。きっといい作品になると思います。

うまく6枚に減らせていたと思います。無理なく、物語の流れもよくなっていました。かわいくって、思わず吹き出してしまうおかしさもあって、余韻の残るいい作品になっていました。じゅうぶん羽ばたいていける作品になっていると思います。あとは運しだい。つきを呼び込めますように。

休憩時間(この教室はあるのです)に、話の花が咲きます。30代から70代まで、人生観も価値観も違った人たちのおしゃべりは、なかなか愉快です。
1月25日(大阪梅田産経教室)

全員出席でした。それは、講師にとってとてもうれしいことです。2作合評しました。

1作は50枚を越える大作でした。しかも、童話。という表現はおかしいのですが、この作者の今までの作品はおとな目線でした。動物が主人公でも、目線がおとなでした。皮肉っぽくて、どれも味のある作品でしたが、今回はこども目線になっていて、主人公の男の子がけっこう覚めていて、家族構成も際立っていて、新鮮でした。今年は、これを仕上げましょう。

もう1作は短編。おばあちゃんとしての作者の愛情あふれた物語でした。盛りだくさんなので、今回は、「泥あそび」だけに絞りましょう。「書き直します。初めて書き直せそうだと思いました」といううれしい言葉が返ってきました。意気込みを感じてうれしかったです。

のんびりいくのもよし、心機一転がんばろうと思うのもよし。無理なく、その人のペースで、「書くこと」「読むこと」「合評する」ことを楽しんでいきましょう。
1月17日(広島 中国新聞カルチャーセンター)

日記にも書いたように、みんなで合評したことがある巣山ひろみさんの作品が単行本になったという、うれしい新年のスタートになりました。

ここは、3時半からのクラスと6時からの2クラスがあるのですが、どちらを受けても、両方を受けてもいいことにしています。というのも8時になれば、わたしは新幹線の時間の都合で急いで帰ることになってしまうので、せめてもの気持ちです。

自分史として書かれた作品は、それだけでも読み応えのある作品ですが、時代背景(社会情勢・衣・食・住)を織り交ぜて、戦前・戦中・戦後の女の生き方として描けば、連続ドラマにもなりそうな素材です。自分史を学んできた作者は事実以外は書けないといっていますが、事実をつなげただけでは、記憶のないところは描けません。創作は、「うそ」を書き足すのではありません。資料を調べて作品をふくらませていくこつがわかれば、書くことがもっと広がって、創作する楽しさにに夢中になること請け合いです。ライフワークとしてこの作品にとりくんでほしいと思います。

単行本向けに書き直し始めたという作品が一部提出されたのですが、この作品を通じて作者が何を伝えたいのかまだ迷いがあるようなので、適切なアドバイスが出来ず、作品をつつくだけになってしまいました。すでに短編はしっかり書ける人なので、今年はステップアップするという意味でも、単行本の原稿をクリアーしてほしいと思います。長編に必要なのは、テーマです。テーマがない作品は、気の抜けた炭酸飲料かな。

書き直しの絵本原稿、めりはりが効いていて、とてもおもしろくなっていました。絵が浮かんできます。もう一回書き直せば、公募に出せる作品になると思います。書き始めて1年経つか経たないかよね、たしか……? 
2012年1月12日(堺パンジョ教室)

今年は、書き手としても飛躍の年になりますように、気合を入れあいました。「書き手としての飛躍」とは何かといえば、作品を巣立たせることでしょうか。幸い童話には、公募というチャンスがあります。それに向かって書くということは、たとえ入選しなくても、どんな内容を求められているのか、枚数や締め切りなどニーズに合わせて書く訓練になるので、確実に力がついていきます。

公募に落ちても落ち込まないことです。その公募に向いていなかったと思って、推敲して他の公募に出せばいいのです。とはいえ、最初から二兎を追っていては話になりません。的を絞って、その公募に向いたよりよい作品が書けるように集中しましょう。

2作合評しましたが、どの公募にチャレンジするか決めてもらいました。ここで大切なことは、(わたしなんてとても……)と思わないことです。そう思ったら最後、そんな作品しか書けません。入賞することをイメージして、自分を高めることも創作していく上に大切なことです。
12月22日(堺パンジョ教室)

この数か月間で3人退会。今日は、ふたりが風邪でお休み。7人で今年最後の合評をしました。

長編の一部を合評しました。わたしは一気におもしろく読みましたが、書きすぎている箇所があるので、だらだらしているという意見も出ました。これは書くことが好きな人の欠点で、つい筆にまかせて乗りのりでよけいなことをこと書いてしまうのです。自分が書こうとしている物語にその場面、その描写が必要かどうか推敲してみてください。

長編を書くには、まず@テーマがいります。それははっきり見えていました。A登場人物の設定は、定まっていないようです。性格はもちろん、家族構成を含めてキャラクターがしっかり決まらないと物語がふらつきますし、途中で物語が展開しなくなります。B主人公を際立たせるには、脇役を固めることです。今のままの配役では役不足です。Cまさかの人物の思いがけない行動が、感動に結びつきます。D書き手が無理やりラストシーンに引っ張っていくのではなく、登場人物が自分たちで動いていくようにするには、魅力的な人物設定する以外にありません。人物設定あっての物語です。Eだらだら書きにならないためには、小見出しをつけて、まずはショートストーリーとしてエピソードごとにまとめることです。

短編の書き直しを合評しました。彼女のすばらしいところは、途中で投げ出さず、とことん書き直すことです。作品に愛情があるのだと思います。そのたびに、新しく見えてくるところがあって、おもしろいなと思います。
12月20日(広島教室)

3時半からの初級クラス。合評作品の出ていたこすずめママさんが、風邪でお休み。他に作品が出ていないので、講義する資料をプリントアウトしていったのですが、6時からのクラスのヤタガラスさんが、初級者向けにと短い合評作品を持ってきてくれました。助かりました。

初めて読む作品を合評するのは、集中力がいります。なれると、それもまた楽しいのですが、今日で2回目という人や、体力的に無理が出来ない人には、ちょっときつかったようです。

合評した作品は、メルヘンです。主人公である物体が、喜びから悲しみに。そして、再び喜びへと気持ちが移っていく過程を、時間の流れを抑えながらゆっくり描くと、大切なテーマを静かに伝えることができるいい物語になると思います。

6時半からの中級〜上級クラス。今日は、忘年会が控えていたので、初級クラスの人も残りました。小説では、すでに、いろいろな賞に輝いているベテランさんが、童話にチャレンジしています。動物を登場させ、メルヘン風に描くのだけが童話ではありません。さまざまな世界の社会現象もおとながからんだ人間の葛藤も、子ども目線で描けば、児童文学です。メルヘンではなく、子どもの心理を追求する児童小説にチャレンジされるといいように思います。

折も折、教室で合評したことがある小説「杜の三鈷鈴」が二席に入賞。『文芸ひろしま』に収められていました。思春期のふたりの少年の心をしっかり描けている読み応えのある作品で、すばらしい児童文学だと思います。

                     

「あまのがわ2011」を、同人のえこさんとヤタガラスさんが、全員にプレゼントしてくれました。おふたりの作品は、どちらもおもしろいです。ぜひ手を加えて、同人誌の中に留めておかないで、羽ばたかせてほしいです。
12月14日(産経梅田教室)

前の日になっても合評作品が届かないので、プリントを配って講義をしなければならないかとあきらめていたところ、ひとりから2作品届きました。机上の空論よりも合評の方が力がつくのは、いうまでもありません。

子ども目線で描かれている短編は、毎回楽しみです。日常のちょっとしたエピソードを見落とさないで、うまく童話に取り入れています。もう何作書けたでしょうか。もっともっと書いていくとキャラクターがはっきりしてきて、今までに書いた作品も、さらに深く描け直せると思います。

おとなのメルヘンのつもりで書かれた作品は、メルヘン仕立てにしてもいいし、メルヘンでなくてもじゅうぶん通じる作品でした。問題は、本人がどっちにするか、はっきり決めることです。あいまいな考えで書くと、どっちつかずというか、どっちからみてもほつれが見えます。

このところ、教室のたびに、当日提出される作品があります。体験がらみのエピソードらしく、本人は書くのがしんどいようで、前回、「これで終わりです」といっていたのですが、今日は5が出ました。5、輝いていました。脇役のキャラクターが魅力的に立ち上がって、物語(主人公)をぐいぐい引っ張っています。じわじわ核心に向かって匍匐前進している感じがしました。長編はいきなり書こうと思うと挫折することもありますが、こういう風に脇から固めていくといいのだと、改めて思いました。じわじわ、あわてず、書き進んでください。

今年最後の教室ですが、全員出席でよかったです。来年は何かの公募に応募できるようにがんばってみてください。
12月8日(パンジョ教室)

3作とも、初めて合評する作品ばかりでした。

教室が開講になったときから8年間、ずっと来てくれている生徒さんがいます。長い間、手書きでしたが、2年前にパソコンで書くようになってから、書き直しがしやすくなったのか、今までの作品を、くりかえし書き直していました。努力家なので、きっと力がつくだろうと思っていたら、今日の作品を読んで、(やっぱり)と、目の前が開けてくる思いでした。多くを語らずともセリフが生きていて、こだぬきのかわいさが、ページのあちこちからあふれていました。おばあさんが、やさしすぎないのもいいなと思いました。創作は、一段一段階段をのぼるようにうまくなるのではなく、うまくなるときは、何段もパタパタと駆け上がるように上達するのだと改めて思いました。

生活童話を書くのが上手な生徒さんの作品は、流暢に描かれているように見えます。が、素材がうまく使いこなせていません。せっかく登場させているのに、傍観者のままでは、もったいないキャラクターがいますよ。何よりも、おとな目線で書かれているのがよくないです。幼児童話で何よりも大切なのは、子ども目線です。子どもが悩み、子どもが考え、子どもらしい解決法を見つけてください。お母さんがしゃしゃり出すぎています。例えば、この子を応援してくれるのは、ほら、そのキャラクター……。教室では、そんな話をしました。すでに力がついているのですから、すぐに書き直せると思います。

絵本教室で学んでいた生徒さんの作品は、メルヘンはこうあるべきだというたくさんの思いが、枷になっていると思いました。サンザシのジャム・ミントのお茶・どんぐりパン……、そしてさまざまなネーミングに酔ってしまわないようにね。メルヘンの場合、登場人物は、森の動物であっても、魔法使いであっても、ドラゴンであっても、はたまた鍋やちゃわん、車であってもいいのですが、それらを使って何を伝えたいか……。とても積極的な生徒さんで、合評も的を得ているので、すぐに枷は外れると思います。

初めての原稿は、思いを書き出しただけで花丸です。それぞれの作品がデビューできるかどうかは、これからの書き直しにかかっています。たくさんの人に読んでもらって合評をうけることが、ひらめきにつながることはもちろん、ひとりよがりにならないいちばんいい方法です。
11月29日(産経梅田教室)

1000年も生きている猫の話は、古事記に裏づけのある物語だったのですね。深い……。それに気づいたのは、一番若いボーニーちゃん。子どものころ古典ばっかり読んでいたそうで、神様の名前も神話も、実によく知っています。驚きました。また、「神話を扱って書いているのは○○さんで、本の名前は……」と詳しいのは、ハモネプ母さん。読書量にいつも驚かされます。

シリーズ向きのアンソロジーに拍車がかかっています。兄弟が生き生き描かれていて(特に弟)、毎回作品を読むのが楽しみになってきました。

高校生抱えている葛藤をシリアスに描いているボーニーちゃんに、「某作家のこんな本があったな」と紹介していたのは、ラグビー氏。ボーニーちゃん、書くのがしんどくなったら、違う人物にスポットを当てて、別の切り口で描いていくといいと思います。今の素材で、とことん描いてみてほしいです。書いているうちに、伝えたいテーマが明確になっていくはずです。
11月24日(堺パンジョ教室)

だれでもそうですが、第1稿は、作者の思いがいっぱい詰まリすぎていて、その人にしかわからない部分も、多々あります。このモチーフで何を書きたいのか、書き始めたときには、本人にもまだわからないのかもしれません。繰り返し合評をうけて、書き直しているうちに、(そうか、わたしは、このモチーフを使って、こういうテーマの物語を書きたかったんだ)と気づくことがあります。

今日、合評した2作品は、どちらも書き直し作品です。すりガラスのはるか向こうだった物語がだんだん近づいて、見えるようになってきました。あともう少しです。書き直しは、力がつく確実な道です。

書き直しのこつ―第1段階
@キャラクターが立ち上がっていないと作品が動きだしません。
Aそれぞれの場面が映像となって浮かんでくるでしょうか。浮かび上がらないときは、その部分は説明書きになっているのではないですか? 場面で描いてください。
B言葉を選ぶことも大切です。同意語の中から、いちばんぴったりの言葉を選んでください。


この教室が始まった第1回から来てくださっていた生徒さんが退会されました。大正13年生まれ。ご家族が心配されてのことです。8年間、1作も作品は書かれていませんが、「ここに来るのが生きがいです」といってくださっていました。戦前・戦中の作品が出ると時代考証人として、「そこは、こうだった」「こういうこともあった」と適切なアドバイスをくださっていました。いつも遅刻で、そうっとドアを開けて入ってこられました。コーヒーが大好きで、教室のあとのお茶を楽しみにされていました。お顔がみられなくなるのはさみしいので、お買い物のついでに、教室に遊びにきてください。

これからも元気でねという思いをこめて、教室のみんなで、記念の色紙を送ることにしました。

                        
                ミーナさんの選んでくれた色紙はアルバムタイプ

                              ↓
                       
                  誕生日をみんなで祝ったこともあったよね

                              ↓  
                    
                  次のページからはみんなからのメッセージ
11月23日(産経梅田教室)

いつも、教室の日が近くなると作品がぱたぱたと添付されてくるのですが、今回は一作もなし。祭日ということもあって、(ほんとうに、今日、みんな来るのかな)と思いつつ教室へ行きました。

4作品が出ました。どの作者も、一読すれば合評できるように気配りされたものばかりです。2作品については、途中作品だったので(作品がないと困るだろうと思い持ってきてくれた)、次回にまわすことにして、他の2作を合評しました。どちらもなかなか面白かったです。

合評を受けた人が、「今日、来てよかったです」といってくれました。もうひとりからは、「書けるようになってきました。教室に来るのが楽しみです」という言葉をもらいました。どちらもうれしい言葉です。

産経教室のメンバーの合評は、鋭く・暖かです。心のうちをさらけ出して作品にするということは、自分の価値観・生き方を見つめ直すことができるいい機会であるとつくづく感じました。書くことで、今までの自分をクリアーして、人生をリセットし直すことができる、魔法でもあるのだと。
11月15日(広島中国新聞カルチャーセンター教室)

3時半〜のクラスに見学者がありました。12月から来てくれるそうで入会手続きをして帰られました。これで3時半からのクラスは5名。プラス夕方クラスからの応援が2名。合評するのにいい状態になってきました。よかったです。

いつもメルヘンか幼児童話を書いている生徒さんの高学年が主人公の生活童話を合評しました。書ける範囲がどんどん広がっていくことは可能性の広がりでもあると思います。わたしも書き始めたころはメルヘンだけが童話だと思っていました。それが生活童話を書くようになって、小説にも興味を持ち、気がついたらノンフィクションを書いていました。自分が向いている分野に出会うまで、いろいろチャレンジしてみてください。思わぬ自分を発見します。

6時〜の教室に、3時半からの生徒さんも残っていいことにしているのですが、今日は、みんな帰ってしまいました。4人で合評しました。3作出ていたのですが、2作しか合評できませんでした。1作は、発想が抜群におもしろいことと、物語の展開にめりはりがあるので、絵本にぴったりだと思いました。絵も浮かんできます。が絵本原稿にするには、文章が長すぎます。@どうすればリズミカルな文章になるか。A主人公の心を託すセリフとは。Bページをめくりたくなる展開のしかとは。C終わり方などについて話しました。原稿枚数ををどうすれば半分に減らせるかが課題です。自分が書いた文章は、なかなか削れないもので、これをクリアーすると、力がつくと思います。

すでに完成した作品を、出版社のニーズに合わせて書き直すことも、物語の世界がきっちり設定できていればいるだけ、難しいところです。手を加えすぎて作者自身、わけがわからなくなってしまうことがよくあります。もう1作はそんな状態でした。こういうときこそ合評にかけて違う目でみてもらうことが大切です。このクラスはほとんどか書ける人なので、いい意見が出ました。こだわりがあって作者には削れない部分が、ばっさりいらなかったりします。最後に、もうひとひねりほしいところです。
11月10日(堺パンジョ教室)

2作合評しました。

作品は人。といわれていますが、書き手の性格が現れるものです。1作は、とても上品な短編でした。書かれていなくても、家族の豊かな暮らしぶりと趣味の音楽のレベルの高さが伺えます。が、幼児童話だとすると、幼児には難しく、たいくつかもしれません。幼児目線で書くということは、作者がこうあってほしいと思う幼児観ではなく、生の幼児の姿です。幼児らしい発想と価値観で生き生きと動かせてください。それには、キャラクターの設定が大切です。キャラクターがしっかりイメージできれば、セリフも、動きも決まってきます。失敗もまた楽しい。

絵本を勉強していた生徒さんの作品は、絵本原稿。ダミーの絵本に合わせての原稿なので、文章が省略されています。動物の生態を良く調べていて、どんな質問にも即答できるのはすばらしいです。ただ、ノンフィクション絵本ではなく、動物がキャラクターの創作物語なので、事実という枷をかけすぎると、物語のストーリーにも枷がかかり、感動シーンが描きにくくなります。また絵本教室では、すべてのページに文章は5行にと教わったそうです。それでは流れにリズムがとれなくなります。たとえば、「あっ」という、一言だけで次のページをめくるどきどき感。それも絵本の楽しみです。みんな彼女からいい刺激をもらっています。
11月9日(産経梅田教室)

4作合評しました。4作とも短編ですが、作者の深い思いがこめられている作品もあって、合評が白熱。1時間超過しました。というか、いつもだいたいこういう感じです。

人が生きてきた軌跡は、それぞれさまざまですが、話したくないエピソードほと訴える力も大きいように思います。自分の体験を紡ぎだす決断をして、心をさらけ出して書いているうちに、これを伝えたかったのだというテーマがはっきり見えてきます。そのときに、人の心に感動を与えるような作品が生まれてくるのではないでしょうか。今日、合評した作品の中に、そんな予感がする作品もありました。

体験をそのまま書くのではなく、体験をふくらませて創作するのです。自伝やエッセイは事実に束縛されますが、創作は無限に広がっていきます。書き上げたエッセイなど事実に縛られた体験作品を元に、創作しましょう。

たったその一行があるために、その一言のセリフがあるために、作品がぽっと浮き上がることがあります。そんなフレーズに出会ったときは、作者自身もきっと手ごたえがあると思います。

ひらめきも同じです。が、ひらめきのばあい、そのひらめきをどう使えば、よりいっそう楽しい物語になるか、ひとひねりもふたひねりもいります。思いがけない展開になっていくと、物語が生き生きしていきます。発想の飛躍。できたらいいですね。
10月27日(パンジョ教室)

合評した作品について

3作のうちの1作は、軽妙で、ユーモラスな作品でした。発想がとてもおもしろく、作者のひとりよがりな部分をしっかり書き直すと、いい作品になると思います。終わり方は一工夫してください。
                      
                     余談ながら、「へのかっぱ」
                   我が家の食器棚にも住んでいます
                「ひいばあちゃんはごきげんぼくはふきげん」
                「はちゃめちゃ大家族」の挿絵を描いてくれた
                      粟田伸子さんの作です

公募に向けて書かれた作品は、テーマに沿って工夫したあとがみられました。伝えたいことはわかるのですが、いろいろな無理があり、また、あまりにもたくさんの思いが詰め込まれているので、どっちつかずになっているかもしれません。もう少し暖めておくといいと思います。公募の締め切りに向けて、自分を追い込むことはとてもいいことです。ただ、あせらないで、今回に間に合わなければ次回にしましょう。未完の作品を出しても、失望することになり、よくありません。力がついてきているので、自信をもって見送ってください。

書き直し作品ですが、とてもよくなっていました。ドラマチックでおもしろかったです。ただ、主人公の思いを置き去りにしたまま、あいまいに物語が終わっています。主人公は、何をいちばん願っているのでしょうか。物語のゴールをしっかり見つめて、書き直してください。きっといい物語になると思います。
10月26日(産経教室)

合評した作品について

今日合評した作品のひとつは、惑星の物語。わたしは天体に興味はあるものの、そのなりわいがどうなっているか、さっぱりわからないままこの年になりました。この物語を読んでみて、すごくよくわかりました。そんな気がしました。事実がどうのということを超えていて、おもしろいし、不思議感があふれています。惑星をキャラクター化したイラストをつけると、ちょっと風変わりな科学絵本になるのでは、と思いました。

弟のエピソードを作文に書いて発表する形式で書かれていました。おもしろいチャレンジですが、リアルタイムの出来事として書いたほうが、わくわく、どきどきするかなと思います。事実にとらわれるのではなくて、ラストはすてきな展開に。おかあさんの気持ち、とてもよくわかりました。

女の子の葛藤がとてもわかるように描かれていました。が、途中で、問題がすりかえられて、解決しないまま終わっているのが惜しいです。また、一部分がメルヘンになっていましたが、メルヘンにしなくてもいいという意見が多かったです。

物語を汲みだすポンプ、教室が始まった最初は、スカスカした音ばかりで、なかなか水が上ってこない状態でしたが、最近になって、どのポンプからも足並みそろって、水が溢れ出してきた手ごたえがします。ご本人たちはどうですか?
10月19日(広島教室)

3時半〜のクラスと6時〜のクラスがあります。
3時半からのクラスは初心者クラスということになっていますが、生徒さんの人数が少ないので、6時からのベテランの生徒さんにも早めに来てもらって合評に参加してもらっています。3時半〜の生徒さんも、時間が許せば、6時からのクラスに残ってもいいこといになっています。できるだけたくさんの人に作品を読んでもらうことは大切なことですし、わたしも、それで大いに助かっています。

3時半のクラスの短編1作と6時のクラスの短編2編を合評しました。少し傾向は違うものの、3作品とも異次元に入っていく不思議な空間がうまく設定されていました。ただ、異次元に入っていくには、場所の設定だけではなく、入っていくための主人公の「強い思い」が必要かと思います。そのことをポイントに合評しました。

大人の小説や自分史を書いていて、それぞれ高い評価を受けているお二人が、童話を書こうと教室に来ていらっしゃいます。子どもの目線で書くことに戸惑いつつも、チャレンジされているのですがなかなか難しいようです。事実だけを綴って自分史を書いてきた人にとっては、「創作」イコール「嘘」になるようで、抵抗があるようです。わかります。でも、創作して膨らませるおもしろさを知ったら、はまってしまうと思います。

子ども目線で書くということは、簡単に見えるのですが、さまざまな言葉と情報を知っているおとなにとって、実は、とても難しいことなのです。チャレンジ精神に感服しています。

                    
                    自分史の作品を集めた冊子です

           自分史を書きたいと思う人は、感性が豊かであることはもちろん
                 いいにつけ悪いにつけドラマチックな人生を
                送ってこられたのだなあと、書き手の生き様や
                 それぞれの価値観に感銘を受けます

                        自分史の教室も
                  中国新聞カルチャーセンターにあります
                   
10月13日(パンジョ教室)

幼児のころのわずかしかない記憶を繋ぎ合わせて、文章にすることはなかなか難しいことです。揺らぐ川面、青い食器のかけら、都内から見えた富士山……、風景が目に残る作品でした。それらの思い出を物語に組み立てることは、まだ先のことだそうで、「思い出を心から引っ張り出すことに、まずは慣れていきます」とのことです。それもまたよし、です。ひとつ引っ張り出すと、芋づる式に、心のひだの中に隠れていた幼いころの思い出が顔を出し、きっと、自分自身の再発見に感動するとと思います。たくさんの思い出と出会ってください。

絵本教室にいっていたという生徒さんが、自作の絵本の読んでくれました。頭に、どーんと降りていたひらめきを絵本にしたそうです。絵本教室では、イラストレーターのたまごというか、セミプロに近い人たちが来ていたそうで、絵はかなわないので文章を勉強しようと思い、この教室にきたそうです。

絵本を読んでもらう前に、文章のみを合評しました。メルヘンは、なんだってありなのですが、自然の摂理に合わないところ、反対に調べたという動物の実態にとらわれすぎているところがネックになっているなどの指摘が入りました。文章だけでは伝わりにくいところや思い込みだけで書かれている部分も多々ありましたが、発想もおもしろく、かわいいお話でした。なによりも、彼女のエネルギーは、みんなのいい刺激になったように思います。

ナチュラルさんが、自宅にできたあげびを持ってきてくれました。宝石のようです。一口ずつみんなでいただきました。甘くって、目をつぶると、秋の野山にいるようでした。
                     
                   
               あけびの皮を天ぷらにするとおいしいそうです
                 胡麻和えにするといいという人もいます
                      皮をひとつもらいました
10月12日(梅田産経教室)

同じ作者の作品を2作合評しました。お母さんの思い出を書いた作品と、作者とおまごさんとのふれあいを書いたものです。どちらもほんとうにあったエピソードだそうです。合評しているうちに、ふたつを合体させて、ある食材をテーマに「長編童話を書いて」ということに、全員一でなりました。ぜひぜひ。おもしろい作品になりそうです。

もう1作は、その場で読んで合評しました。わたしたちおじ(い)さんおば(あ)さんの育った時代とは違った価値観・倫理観をもった高校生が描かれていて、驚きながらも興味深く読みました。いろいろなものを躊躇せずにすべてさらけ出して、高校生の実態にどんどん斬りこんでいってほしいと思いました。登場人物に迎合するのではなく、でも、結果的に、彼らを応援する作品に膨らませてほしいです。人生のやり直しはいくらでもできるし、何よりも自分を大切にすることに目覚めてほしいと思わせてくれる作品でした。

                     ニュージランドにラグビーの観戦に
                      行っていたヒゲ氏からのお土産
                    
9月24日(梅田産経教室)

3作合評しました。作品を書くということは、生きてきた道を振り返りつつ、心を整理していくことだと感じました。創作であってもそうです。その人のなりと感性が光ってこそ物語がふくらんでいくのだと思います。その人にしか書けない3作を読ませてもらいました。たくさん意見が出ました。

書くということは、癒しにもつながっているのだと感じました。心をすっかりさらけ出したときに、感動が読み手に伝わることは確かですが、書き手自身もすっきりしないのではないでしょうか。さらけ出しきれないとどちらも不燃焼に終わってしまいます。

わたし自身もそうです。生きていた証として、しっかり書き留めておきたい素材はあっても、自分をさらけ出しきれないのでとりかかれないものがあります。というか、家族の過去までいっしょにさらけ出さなければならないので、書けないでいるのです。書くならしっかり書きたい。中途半端には書けない。でも知りたい事実を聞きとりたくても聞く相手がもうだれもいない……。時とともに、人は流れていくのです。

過去のとこと回想で書くよりも、今のこととして書く方が、伝わりやすいです。
9月23日(広島教室)

夕方の教室と夜の教室は、それぞれ1作ずつ合評しました。せっかくの合評なので、せめて、もう1作ずつほしいところです。

梶川洋一郎さん(ペンネーム)の『すだく虫の音』(小説)が「安藝文學」に載りました。梶川さんは北日本文学賞などでも入賞されていて、小説では実力者です。童話教室に来られているのは、子ども目線で書くことにチャレンジするためだそうです。

                    
            『すだく虫の音』は、被爆した当時立場の違ったふたりの男の
            それぞれの思い(うっぷん)が、描かれています。彼のアンテナ
            の鋭さを感じたのはそれだけには留まらず、東北震災の惨状
            をすばやく取り入れているところです。重い素材を、ちょっと下世
            話なエピソードを加えることで、庶民の文学にしています。


もうひとり、自分史を勉強してきた方(女性)がいます。感性豊かな作品を書かれるのですが、事実だけを紡いで来られたので、子ども目線で書くこと以外に、創作することが難しいとのことです。おとなのわたしたちが、子ども目線で書くことは、ほんとうに難しいことです。さまざまな複雑な問題を抱えた今の子どもたちの心に響くものを書くのは、さらにです。今の、子どもを知っておくことが大切です。

本が子どもたちの手に届くまでを考えてみると、不思議な気持ちになります。「本を書く」→「本を出版する」→「本を売る」→「本を評価する」→「本を買う」。すべておとなの手によるものです。当たり前といえば、当たり前なのですが、購買力のない子どもたちは、お仕着せの本を読むことになります。子どもたちが本を手にしたとき、子どもたちの心に残る物語を紡いでいきたいものですね。
9月22日(パンジョ教室)

絵本を勉強している若いメンバーが加わりました。合評作品を、いろいろな角度から何回も読んでくるという姿勢が、きっとみんなを新しい発見につなげていってくれると思います。

この教室を始めたとき(2003年4月)から来てくれていたさゆりさんがやめられました。家庭やご自分の事情で、この何年かは休んでは来て、休んでは来ての繰り返しでしたが、彼女の出てきてくれるのを、みんな待っていました。というのも彼女の意見は、外科の名医のメスといっしょで、スパッと作品の急所をついてくれるのです。それだけに本人は、「自分は作品を出せないのに」と心苦しさを感じるようになったそうです。

この教室をいつから始めたのだったかなと日記をさかのぼっていたら、ミニ童話教室にヒットしました。2003年4月〜2005年の3月まで、アップしていたものです。生徒さんたちと二人三脚で歩んだ1年だったとなつかしく思い出します。童話をこれから書き始める方に役に立つかもしれません(以前にもアップしたかも……)。さゆりさん、長い間、ありがとうございました。書くことはお好きなので、マイペースで書き続けてほしいと思います。

作品を書く上に大切なことのひとつに、場面が浮かんでくるかどうかということがあります。タイミングよく絵本原稿の募集があるので、画家さんが原稿を読んで場面が描けるように15画面を意識して、原稿を書いてみましょう。他の教室でもチャンレンジしてもらおうと思います。
9月14日(梅田産経教室)

今日合評した3作は、対象年齢や切る口は違っていましたが、突き詰めれば、どの作品にも、「命」が描かれていました。「命」は、「愛」とともに、書き手として伝えていかなくてはならない永遠のテーマだと思います。

幼年(低学年)に、「死」による別れを伝えるには、作品に描かなくても作者の「死」に対する思いというか、「死」をどのようにとらえているか、揺らぎない考えがいるとわたしは思います。命について、思いつつままいろいろ書き出してみると、自分の考えがみえてくるかもしれません。

わたしはかって、ホームページに毎年「とんぼのいろはがるた」を掲載していました。平成17年は「命」がテーマでした。「死」は生きていることを見つめなおすことかもしれません。
                           


 平成17年度版 とんぼのいろはがるた(テーマ 命) 
 





★い  いつ来るの イラクに恐怖の ない朝(あした) 
       
★ろ  ローソンで 食いつないでる 世代あり
  
★は  墓石は たしかに生きてた その証
       
★に  憎まれても はばかってみたいような みたくないような
     
★ほ  本読んで 知るいにしえ人の 暮らしぶり

★へ  塀の外も 中もかわらぬ 世の動き

★と  年とともに 三角が四角に 四角が丸に 

★ち  力ずくで 勝ったあとの 敗北感

★り  リストラは 首切りのことだと、ちゃんとお言い! 

★ぬ  ぬか漬けの 味とはうらはら この匂い

★る  ルーツを たしかめたいのは 人の常

★を  をかしいな いつかはじぶんも ごせんぞに

★わ  悪くないよ 母ならきっと いってくれる

★か  悲しまないで ママは 楽しく生きたから

★よ  ようこそと 生まれてきた子に ごあいさつ

★た  明治どころか 昭和も 遠くなりにけり

★れ  列にならぶ 価値があるのか 時間よりも

★そ  そびえ立つ 摩天楼よりも高き 罪の山

★つ  つねられて 幸せ感じる 小っちゃな手

★ね  猫にやり お残りいただく 初がつお

★な  泣かないで きっといいこと あるからね

★ら  乱雑に 昨日までは 生きてきた

★む  むなしさが…… 考えてる時が むなしく過ぎる

★う  生まれてきて わたしらしく 生きたよね

★い  今は昔 で始まっている 物語

★の  野道をいけば いけばいくほど 犬のふん

★お  おかげさま ごせんぞさまが いてわたし

★く  口にした とたん記憶の 外に消え

★や  やな感じ お若く見えるの 裏返しは? 

★ま  まあいいか いいかいいかで 今日も暮れ

★け  健康の ため楽しみは すべてパス?

★ふ  夫婦とは 他人と思う ことばかり

★こ  子だくさん 孫だくさんで 家族の輪
 
★え  えんりょして ただえんりょして終えた 友偲ぶ

★て  手品かな 人の命の 誕生は

★あ  あれ それ ほら が通じる おばさん連

★さ  咲かないまま 散った魂の レクイエム
      
★き  今日のことも むかしむかし あったとさ…… 

★ゆ  夢の中 なのかもしれない 今のこと

★め  めざし焼く 匂いに食欲 わいてくる 

★み  身の上を 語ればうそお ということも

★し  しあわせは 手のひらにのるほどでも うれしい

★え  英語らしき 電話がかかり 命ちぢむ

★ひ  人の世は おねがいを したりされたり

★も  もどれない どんな道でも 歩むだけ

★せ  せかい地図 もしその国で 生まれていたら

★す  すんなりと いかないからこそ おもしろい

★ん  んめいを(運命)を ん、ときばって 変えていく


中・高学年の読み物になると、「死」から物語が展開していって主人公の生き様を描いていくと、どうしても長くなります。大人向けになると、「死」もブラックユーモアとして描くことができるのだと、今日の提出作品をおもしろく読みました。悲しいことを悲しく描くのではなく、そこに作者の思いというかメッセージを。

9月8日(堺パンジョ教室)

作品がどんどん出るようになってきました。お互いにいい刺激があるのだと思います。今日は3作合評したのですが、いい意見がたくさん出たと思います。

次々、新しい素材を見つけて短編を書いていくことも楽しいですが、自分の子どものころを思い出しつつ、今の子どもたちに伝え残しておきたいことを、心の中から引っ張り出していくのも、そライフワークとしてすばらしいことだと思います。

大学時代の友人のことを思い出して、物語を立ち上げた人もいます。童話を書かなければ、改めて立ち止まって考えることもなく、過ぎ去ったこととして流していたことでしょう。創作とは、立ち止まって人生を省みすることなのだなあとつくづく感じました。

                    まさに、下に書いたとおりです
                             ↓

                 教室でのわたしの役目を暗示するような
                    おもしろいサインを見つけました
                     (京都の地下鉄のホーム)
                       
                     京都弁護士協会のものです
                    
                「問題解決の糸口を、私たちが見つけます」
            というキャッチコピーの横に描かれたからまった糸をみて
                  弁護士の仕事は、わたしと同じなんだ
                         と納得しました

というのも、童話の素材を膨らませるエピソードは、それぞれの書き手の心の中に潜んでいるのですが、本人はなかなか気づかないものです。「何を書いていいのかわからない」という生徒さんが、すっかり忘れていたエピソードを思い出すきっかけを作り、糸の端を引っ張り出して、物語を紡いでいくお手伝いをすることがわたしの教室での役目のひとつです。

思い出が多いほど絡まっているもので、うまく引っ張り出す要領さえわかれば、物語は次々書けるはずです。アンテナにひっかかったひらめきだけでは、短編を書くのがやっとです。それを膨らませるには、今まで生きてきた中でのエピソードが助けてくれますし、感じてきたさまざまな価値観や思い、経験、出会ってきた人々との人間関係などから、物語の核になるテーマが見つかります。
8月30日(広島教室)15時30分〜  18時〜

第3火曜日はお盆だったので、今日は、その振り替えでした。

15時30分からのクラスでは、2作合評しました。
1作は、幼児童話の短編です。何気ない日常のできごとを切り取ったかわいい物語ですが、おとな目線になっています。幼児が感じた小さなわくわく、あるいは、どきどき、はらはら、もやもやなどを、わかりやすい言葉と、リズムのある文章で描きたいて、幼児を共感させたいですね。セリフは、その子ならではの感性を、きらめきのことばでつぶやかせると、物語が光っています。

もう1作は、14枚の書き直し作品です。がんばってチャレンジしたことが感じ取られます。でも、まだまだ無駄な場面や登場人物が多いのですが、それは、作者に、童話はこうでなくてはならないという先入観があるのかもしれません。勇気を出して、余分なものをそぎ落としてみることが大切です。次に、この物語を通じて何を伝えたいのか、つまり、書きたいテーマ(物語の根)を明確にして、それには、どんな主人公を登場させ(幹)、どんなエピソー(枝)で綴って展開させていけばいいのか、プロットを立ててみてから、書き出すといいと思います。

18時からのクラスは、中編を合評しました。よく最後までまとめたと感心します。ただ、作者の中で、SFとして書くか、生活童話として書くのか迷いがあるようで、それがそのまま作品に反映していて、読んでいて共感するにはいたりませんでした。たいへんなことになっているのに危機感が薄く、しかも、このテーマが、震災後の今は難しいと感じたのは、わたしだけではありませんでした。近未来の設定にして書いてみるとおもしろいかもしれませんが、架空の話であればあるほど、裏づけのある時代設定が大切だと思います。それがないと、うそっぽ物語になってしまいます。力のある書き手さんなので、いつの日か、きっといい作品にして、羽ばたかせてくれることと思います。
8月25日(堺パンジョ童話教室)

@作品をきっちり構成してから、ていねいに書くタイプの人もいれば、A思いつくまま、とりあえず書いてみずにはいられないタイプの人もいます。どれがよくて、どれがよくないというのではありません。

@のタイプの人は、提出作品に完成度を求めるので、しんどくなることがあるかもしれません。もっと気楽に楽しんで書いてみては、と提案させてください。

Aのタイプの人は、書き手の頭の中でしかわからない作品を、ていねいに読んできて、なんとかならならないかと意見を出してくれる仲間に対して、感謝してほしいと思います。このタイプの人に次のステップとして提案したいのは、そんなにあわてて出さずに、もう少し手元において暖めておく辛抱も必要だということです。

@やA以外のタイプの人についてもいえることは、合評を受けた作品をそのままにしないで、かならず、書き直してください。今日は、書き直しを重ねた結果、すてきに変身した作品に出会えて、うれしかったです。
8月24日(大阪産経教室)

書き下ろし、書き直しなど4作を合評しました。作品に込められた思いは、「命のつながり」であり、「生きがいとの出会い」であり、「家族への思い」であり、「人生の応援歌」であり……、それぞれに違います。それが物語の核になっているのですが、意識すると、作品がもっと見えてくるのではないでしょうか。

みんな、それぞれ違った人生を生きてきたわけで(今も尚、生きているわけで)、年齢も違えば、価値観もそれぞれ違います。その人たちが、作品がよくなるための意見を出し合うのですから、なかなかおもしろいです。

今日、いちばん若い生徒さんからこんな言葉をいただきました。「教室にきて、みんなと出会えてから、人生が楽しくなりました。合評して作品がよくなっていくように、わたしは、ここに来るたびに、自分がよくなっていくのを感じます」。なんとうれしい言葉でしょう♪ 

それは、わたしも、創作仲間といると、感じることです。「書く」ということでつながるのは、知らず知らずのうちに「心」で受け止め合っているからなのでしょうか。
8月11日(堺パンジョ教室)

うれしいことに、作品の提出率がどんどんあがり、教室全体が勢いづいています。「創作」するということが、特別なことではなく、日常生活のなかに組み込まれたのではないでしょうか。だとすると、うれしいです。

教室に来て8年目の人もいれば、まだ1年にならない人もいます。ということは、
@とにかく胸に潜んでいる何かを吐き出している段階の人もいます。
A物語の糸先をみつけて、おそるおそる引っ張り出している人もいます。
B短編の描き方がクリアーできて、次々、物語として編み始めた人もいます。
C中編(50枚前後)に取り組み始めて、糸を絡ませている人もいます。
どの人も、書きたいように書けばいいと思います。合評を受けて、初めて、自分の書きたいことが見えてくるものもあります。

5枚童話なら最初の1枚で、子どもの心をつかんでほしいです。中編なら最初の5枚が勝負です。子どもを夢中にさせて、物語の中に引っ張っていくための気の利いたエピソードがいくつもほしいです。物語全体に流れるテーマと、余韻ある読後感。書いて、書いて、書いているうちに、自分流の描き方がみつかります。

自分が夢中になって読んだ本を読み返してみれば、わかることがあります。
8月10日(大阪梅田産経教室)

合評作品について

何を伝えたいかは、わかるのですが、物語として伝わってきません。なぜだということは、すぐにわかりました。それは、すっかりさらけだしていないからです。「書く」ということは、保身でいてはいけないのです。心を開いて、さらけださないと読み手の心に入ってこないのです。人には隠しておきたいこと、触れられたくないことがあって当然なのですが、書き手としては、それを乗り越えなければなりません。まさに葛藤です。

もう15年も前のことになります。わたしが生徒として、吉橋道夫先生の文章教室に通っていたとき、プリントとして配られた一文があります。それに、すべてが書かれています。


鉄筆のうた
  深澤義旻(よしあき)

ものをかくことへの抵抗は、
自分をさらけ出さなければならないところからくる。

ものをかくことの苦しさは、
自分をごまかすことのできないところからくる。

ものをかくことの辛さは、
自分の思考をまとめることの未熟さを思い知らされるところからくる。

だが、人間が人間であることの尊厳を失わないためには、
こうしたことに耐えなければならない。

人間は、自分の意思で、
自分を昨日とちがった人間につくりかえていく努力を、
死ぬまでつづけていかなくてはならない。

そうでないかぎり、
人は、ものをかくことの喜びを知るどころか、
ものをかけないことの悲しさにさえ、
ついに気づかないままに朽ち果てるであろう。

ものをかくということは、
人間改革の原点を探り確かめるためのものだということに、
熱い思いをこめよう。

7月28日(堺パンジョ童話教室)

童話ではありませんが、魅力的な体験が描かれています。が、まだ記憶から引っ張り出して羅列している段階で、本人にしかわからない部分が多いです。これからです。毎回、新しい作品を次々提出されているので、お話の種が、あふれんばかりに体に詰まっているのだと思います。楽しみです。

体験話を物語に書くということは、自分をさらけ出すことから始まります。時代を把握することも欠かせません。まだ小さかったから知らなかったのではなく、事実を調べて、どうすれば、子どもの目線で書けるかを工夫することです。子どもらしい5感を働かせると、忘れていたたくさんエピソードを思い出せるにちがいありません。暮らしの中(衣食住)をていねいに取り上げると、時代が浮かび上がってきます。ぜひ伝えてほしい物語です。

ていねいに書き直された作品は、なんともやさしい雰囲気のある1編になっていました。思えば最初のころは、合評を受けたあと、「わけがわからなくなった」と合評に振り回され、困惑していたことがあったのを思い出しました。合評はいったんはすべて手のひらに受けて、不必要なものは、指の間から落としてしまうコツがわかったようです。石の上にも足かけ8年……。

                   
                 定例になってしまったコーヒータイムは
                   手づくりのキーウィゼリーの登場♪
7月27日(大阪梅田産経教室)

課外授業として、京都こども未来館でのイベントに参加しました。イベントの様子は当日の日記をごらんください。現在活躍中の作家さんたちから、いい刺激をもらえたでしょうか? それにしても、京都の町は暑かったですね。遠いところ、ありがとうございました。ジュンク堂さん、くもん出版社さん、受け入れてくださってありがとうございます。
7月19日(広島中国新聞カルチャーセンター 興銀教室)

3時半〜5時半クラス
何度も入選歴のある夜のクラスの生徒さん3人が応援に来てくれるので、合評が充実します。

合評した作品は、どちらも短編ですが、そのうちの1作はテーマがしっかりしているので、いい作品になると思います。素材そのものがファンタジックなので描き方の工夫で、メルヘンにでも生活童話にでもなります。どちらも書いてみると勉強になるのではないでしょうか。

もう1作は、童話を書くのははじめてとはいえ、文章を書きなれている書き手さんなので、感動的なシーンも取り入れ、ストーリーとしても見えています。とはいえ、思い込みで書いているところが多々あり、そこからほころびがきています。事実をそのまま書くのではなく、素材にして創作をするということがだんだんわかってくると思います。

6時〜8時クラス
2作を合評しました。1作は、ベテランさんの作品です。キャラクターが際立っていて、子どもたちが大好きな物語になっています。ラストを一工夫してください。出版社に持ち込めば、そのまま、幼年向けの絵童話にしてもらえると思いました。

もう1作は、童話を書き始めて、一年足らずの生徒さんの作品ですが、発想がおもしろいし、幼い子どもの抱えている葛藤もよく見えました。が、気になった点は、主人公が、あることにこだわりすぎていることです。解き放してあげましょう。そうすることで、抱えている葛藤からも開放さるように思います。
7月14日(パンジョ教室)

4作合評しました。みーなさんグログ(7月14日)に、うまくまとめてくれています。ご参考に。

作品は「人となり」といいますが、全くその通りで、元気な人はお話も元気だし、草花の好きな人は草花を描くのがおじょうずです。メルヘンを書くのが好きな人もいれば、生活童話が得意な人もいます。提出作品は、それぞれに、読んでいて楽しいし、伝わってくるものがあります。こだわらずに、いろいろな分野にチャレンジしてみればいいと思います。

ただ、だれにでも書けるわけではないのが、戦争にまつわる物語です。いかに五感を研ぎ澄ませて情報収集しても、どこまで当時を伝えることができるのか、わたしの頭の中を、いつも占めている疑問です。70歳を過ぎた生徒さんが、防空壕の思い出を作品にして提出してくれました。合評しているうちに、当時のことをたくさん思い出し、「こんなこともあったのよ」、「そういえば、こんなことも」という流れになったとき、みんな異口同音に、「そのお話を書いて。読みたい」といいました。

戦争は、人間のしでかした愚かで悲惨な出来事ではあったのですが、子どもたちは、そんな中でも生き生き輝いていたのだなとほっとします。子ども目線で過去の物語を書くときに大切なことは、地の文で、子どもには見えなかった当時の事実をしっかり抑えておくことです。
7月13日(梅田 産経教室)

3作合評しました。「お話の種」を見つけ方はそれぞれによって違いますが、チルチルミチルが遠くまで探しに行った「幸せの青い鳥」が、実は家で飼っていた小鳥だったように、お話の種(素材)は、すぐ身近にあるものなのです。お話の種は、毎日の暮らしの中に転がっています。それに気がつけば短編童話は、どんどん書けるはずです。

合評作品について、どういうきっかけで、それぞれの童話ができたのか、聞いてみました。
@家族の会話に聞き耳を立てていて
Aテレビニュースを見ていて、気になる言葉があった
Bインターネットであるこを調べていて、情報をキャッチ
と動機はそれぞれ違いますが、わずかな言葉や出来事がそれぞれの心に引っかかったということは、書き手としてのアンテナがうまく張れていたのだと思います。他の人なら聞き流してしまうできごとから、お話が生まれるって、すてきなことです。創作の醍醐味です。

お話の種は、あくまで「種」であって、物語として膨らませていくのは、「想像力」です。そこで大切なことは、事実や世間の価値観、縛られないことです。逆もまた真なり。3作を合評していて、「お話の種見つけ力」も、「想像力」も身についてきたことを感じました。あとは、テーマとなるべき「作者の思い」がほしいです。この作品を書いて何を伝えたいか、常に意識する習慣をつけてほしいです。
6月23日(堺 パンジョ教室)

3作合評しました。1作は、作者の頭の中で煌々と閃いたモチーフを使ったメルヘンです。閃いたモチーフをなんとか物語にしたいという思いが強く、辻褄が合わなくても、無理があっても突っ走って書き上げたという感じがします。熱い思いは充分伝わってきますが、作品としては、これからがスタートです。ジグソーパズルをはめこんでいくように、物語の完成図を思い浮かべながら、ていねいに文章を綴っていくといいと思います。

2作目は、(もしかして)と思ったのですが、彼女が何もいわないので、あえてふれませんでしたが、彼女の日記を見て、(やっぱりね)と納得しました。わたしの5月31の日記のぶたと三日月の写真がヒントだったのですね。写真や絵を見て物語をイメージするのはいい方法です。とってもかわいいほのぼのとした幼児童話になっていました。ひらめきが光っていました。

さてさて3作目は、教室でした発想トレーニングに触発されて、1日1作を自分に科せ、14日を見事クリアーした1枚童話たち。そのこと自体がすばらしいです。14作を駆け足で合評したのですが、次の作品に移るたびに、作者自身が、「いやあ、よう書いたわ」と感動していました。ほんとうによくクリアーしたと思います。14の作品は、そのままふくらませば5枚童話になるものもありますし、もう少し暖めておいたほうがいいものもあります。が、すべてお話の「種」です。

このように、自分を追い込むことも大切です。わたしは童話を書き始めたとき、動物が出てくる物語を片っぱしから書いたことがあります。家の中の目に付くもので、むりやりお話を作ったこともあります。五十音順に、思いついた素材で書くこともできます。チャレンジしてみてください。
                   
                         当時のノート
                   思いつくまま動物の名前を羅列
            クリアーしたら消していくと、ゲーム感覚で楽しくかけます
                このとき、「発想トレーニング」用紙を使うと
                    更にイメージがわくのでは?

                        
6月22日(大阪 産経教室)

合評の前に、ディスカッションでひとしきり盛り上がりました。きっかけは原発です。この教室には、20代から60代、未婚の人も、子育て中の人も、仕事をしている人も、リタイアした人もいます。考えも価値観もそれぞれ違うのですが、童話を書くという共通の礎があるからこそ、相手の考えに驚くことはあっても、尊重しあい、耳を傾けることができるのだと思います。情報交換と発見のできるいい時間です。

2作品合評しました。モチーフが際立っていました。そのモチーフを使って、物語をどう組み立てていくかが、課題です。○○さんらしい、という評価は、時としてひとりよがりを現すマイナスの評価になることもありますが、この書き手の場合、価値観・切り口・物事に迎合しない辛口の表現・文章のリズムなどに独特の雰囲気があって、今日も、「それを失わないでほしいと」いう意見があり、全員が同意しました。

合評は、作品がよくなるためのものですが、一方では無責任です。合評する者の好みで、こうすれば、ああすればとこねまわす場合もあります。あくまで鵜呑みをしないように。でも、意見は貴重です。しっかり耳は傾けて、考えてみてください。ひとつの作品の行き着く先は、決してひとつではありません。

もう1作のテーマは、ぜひ伝えていきたいものです。命が受け継がれていることは事実なのですが、家族構成が、核家族に変わって久しくなった今、子どもたちが、3代先のご先祖さまに手を合わせることはないのでは? 今、自分がここにいるのは、なぜなのか、ふと立ち止まって考えるきっかけになる、いい作品でした。おじいさんとまごの繋いでいる手の強さがシーンによって変わるのは、いい表現だと思いました。
6月21日(広島 中国新聞カルチャーセンター 興銀教室)

昼の部(3時半〜5時半)
2作品を合評しました。ジャンル分けすると、どちらの作品もメルヘンに入るのですが、2作は、全く感じの違う作品で、メルヘンもなかなか深いのだなあと、おもしろく思いました。

1作は、初めての作品にもかかわらず、ストーリーを終わりまで運んでいった努力は立派だと思います。が、初心者にありがちな、不必要な登場人物や不自然なできことで、物語が混沌としています。
@物語と直接関係のない人物・できごとを落とす
A登場人物の性格設定
B葛藤を作る
C布石をうまくばらまいておく
D出会いは、おどろき
Eアイテムを効果的に使う
Fはらはら、どきどき
G失敗してこそ、おもしろい
Hおまけにひとつ 余韻ある終わり方

もう1作は、科学の教材にぴったりの自然情報満載のメルヘンでした。が、いろいろ意見が出たように、視点を変え、違う切り口で書いてみると、全く違った雰囲気のやさしいメルヘンになります。それも、またいいかな。
                  
お、すごい♪ 前回、みんなで頭の訓練をしたのですが、こすずめママさんが、「発想トレーニングのための表」を作ってきてくれました。

                   
                   これさえあれば、お話の種作りは
                       おちゃのこさいさい


夜の部(6時〜8時)
小説を合評しました。黄昏世代といわれる年代5人の生きさまが描かれていました。主人公の職歴そのものが一般人には興味のあるものなので、意外な内情や、それを支えてきたおくさんの現在の建前と本音を知りたいと思いました。広島弁で「やねこうがんす」(困難なこっちゃ)という方言があるそうですが、主人公の現在の人間関係ならびにそれぞれの生き方の「やねこうがんす」を、過去の職務とからめて書くと、もっとおもしろくなると思いました。実力のある書き手の作品だったことで合評が控え目だったのか、あるいは小説だったからので合評しにくかったのか、あまり意見が出なかったのがわたしには残念でした。

書きかけはもちろん、発想の段階でもいいので、作品を出しましょう。せっかくいい読み手が揃っているので、作品を出さないのはもったいないです。合評を受けて、昨日より今日、今日より明日という風に、書き進めていきましょう。
6月9日(パンジョ教室)

うさこさんの入選作品を収録した本が、できあがってきました。ハードカバーのりっぱな本です。入選作「ダンボールには気をつけて」は彼女が教室に来て間もないころに、ある公募に向けて書いたものです。そのときは没だったのですが、力がついてきた今、推敲すればたちまち輝く作品に変身することができるのよね♪ そういう意味でも、どんどん書いて作品をストックしておくことは大切です。

入選作がたくさん収められているので、二枚童話の勉強になります。仲間から、「わたしも買って」と注文が入りました。

                       
                        気分は絶好調のうさこさん

前回の、教室が終わってから2週間、うさこさんは、毎日1作品を書くことにチャレンジしてきたそうで、今日、14作もの1枚童話が提出されました。すごーい! これは、前回、教室で、発想の方法を勉強したのですが(広島教室でも産経教室でもチャレンジしましたね)、その発想法で生み出した物語たちです。「後半、苦しかったです」ということですが、彼女がクリアーできたのは、やっと本気になったからだと思います。「先生から聞いた言葉のあれこれが、今、やっとわかってきました」ということですが、夢へつながる扉のひとつが努力の結果、開いたのだと思います。

そのうさこさんの新しい作品、仲間からは高い評価を受けましたが、まだまだです。彼女も今日の日記に書いていますが、この物語を書くための基本的な姿勢がわかっていません。重いテーマを重く書いても、子どもたちは読んでくれませんし理解できません。子どもたちに理解してもらうためには、思いテーマ突き当りまでを、明るく、楽しく書いてみてください。その落差が、きっと読み手の心を揺さぶります。この作品を書き上げたら、更に飛躍できると思います。

もう1作は、生活童話の書き直し作品です。とてもおもしろくなっていました。お母ちゃんのキャラクターが光っています。が、主人公の少女の抱えている葛藤がおざなりです。それを、きっちり書けば、まさに、「楽しく、明るく、重いテーマを描いた」作品になります。6月末締め切りのある公募をおすすめしたのですが、帰宅したら、本人からメールが入っていました。「公募先の今回のテーマと合わないのでは?」ということでした。うかつでした。その通りです。合いません。公募に応募する場合は要綱をしっかり読んでください。

もう1作は、かわいいメルヘンです。だんだんつじつまがあい、流れが見えてきました。あと一息です。ただ、女の子はあくまでも背景のひとつと思ってください。重要な役割ではあるのですが、登場するだけで、セリフをいったり、心のうちを描いたりしてはだめです。視点がくずれてしまいます。女の子の存在を背景として扱っても、物語の内容をじゅうぶん伝えることができます。
6月8日(産経教室)

2作品を合評しました。1作は書き直しですが、主人公の性格も、物語の流れも見えてきました。言葉(形容詞)で表現するのではなく、@具体的に描写すること A読者が主人公に添って読み進み、いっしょにどきどきできること B表現をストレートにすること C脇役の子どもにも作者の愛情を注ぐこと Dどういうラストに持っていくか……。課題はまだまだありますが、おもしろい作品になりそうです。

もう1作は短編ですが、いつのながら作者の目線に驚かされます。転んでもただでは起き上がらないというしたたかさが、作品を面白くしています。「そんなもん、ありません」と本人から抗議がくるかもしれませんが、鋭い個性を感じます。せっかくのタイトルです。それを活かせる物語にしてください。メルヘンとはいえ、動物を描くときには生態を調べて、実際はどうなのか把握しておくと、創りあげた世界も、リアリティが増し、すとんと読者の心に落ちます。

入選して賞金をかせいだ暁には、知り合いの祇園のお茶屋に繰り出そうという話で、講座の後、盛り上がりました。いいね、いいね。そんな日を夢見ながら、楽しく書くのがいちばんです。
5月26日(パンジョ教室)

前もって、作品が出ていませんでした。公募に向けて提出された3枚童話を2作を読み上げてもらって、合評しました。なお、次回合評用の作品は、4作出ました。

思い出を作品にするときは、どうしても事実に縛られてしまいます。童話は、日記ではなく創作なのです。「ほんとうにそうだった」かもしれません。でも、事実をつなげているだけでは、内輪受けしても、そこに留まってしまいます。多くの読者に感動を伝えるには、創作しなければなりません。いくつかのエピソーはあくまで素材です。それを使って、どんなお料理にするか、あるいは、どんな布にするか、それが創作の楽しみでもあります。

物語の展開にほつれが出たときは、別の切り口を考えてみましょう。目的地への道はたくさんあるはずです。登場人物も、これでいいのか、最初の設定にしばられないようにね。

5月は、広島・産経・パンジョと共通で、「ショートストーリー(一枚童話)の書き方を勉強しました。所ジョージさんの「テストの花道」で、高校生を対象に、発想の仕方を広島に行く前日に放送していたので、使わせてもらいました。ひとつの言葉から、段階を経て発想していく72個の言葉。その言葉はバラバラのようですが、実は背景はつながっているのです。その背景も物語を組み立てる上の大切なポイントです。
5月25日(産経教室)

3作合評しました。どれもその作者らしい作品でした。輝かしい公募入選暦のあるひとりを除いてはどの生徒さんも、この教室に来て初めて童話を書いたという人たちですが、創作に対して意欲的なので、ずんずんうまくなっています。先が楽しみです。

創作のきっかけは様々です。ひらめきをふくらませて物語の世界を立ち上げるもの。書かずにはいられない体験がベースになっているもの。伝えたいもの。公募のテーマに合わせて書いているもの。まごの記録として書いているもの。いずれにしても、すんなり書けることはまれで、途中で方向を見失い、どう書けばいいか迷う場合の方が多いかもしれません。そんな作品こそ、合評にかけましょう。合評している間に、ひらめいてくることもあります。

また、人の作品は冷静にみることができます。「ここがわかりにくい」「ここが書けていない」「場面で書いて、もっとふくらませて」「ここは不用だ」などなど、しっかり伝えることは、決して人のためだけではないのです。
5月17日(広島教室)

★昼のクラス(3時半〜5時半)

自分史の教室に長い間通っていた生徒さんの提出作品は童話ではありません。大人の読み物としてなかなか味のある作品で、それが事実を綴ったものだということなのですが、プディックに勤める彼女の、人との係わり方がおもしろく、興味深く読みました。彼女はまだまだ吐き出したいエピソードがありそうで、楽しみです。「童話は書けない」ということでしたが、童話を書く書かないは別として、自分史として事実を書き留めるだけではなく、創作する楽しみを体感してほしいです。

書き直すたびに、つじつまがあってきて、説得力も出てきています。テーマがしっかりしているので、いつかこのテーマを旨とした公募があればいいなと思いました。

一枚童話の続きです。このチャレンジは発想を促す試みなのですが、それに加え、昨夜テレビで放映していたショートストーリーの発想手順を、「こんな発想の方法もあるよ」とプリントにして配りました。無から作品を生み出すには頭をほぐして、発想しやすい脳になることが大切かな。

★夜のクラス(6時〜8時)
思いつくまま書いて7枚になった作品を、今回5枚に書き直してきたのは、初めて童話を書くという生徒さんです。ストーリーの展開も意識できていて、初めてにしては、すごいです。今日は、もっと具体的に意見がでました。がんばって書き直してほしいです。

その人しか書けない世界を持っているのは、作家として大切なことだと思います。5枚でも、それを感じる作品でした。
5月12日(パンジョ教室)

@作品を書く → A合評を受ける → B書き直す 
これが教室での基本的な流れです。が、中には、せっかく合評を受けても@ → Aのまま、作品を書き直さない人がいますが、A → Bを何回も繰り返すことで、作品がすっきりし、またより深くなっていきます。さらに新しくひらめきも加わり、物語がだんだんおもしろく飛躍していくものです。

少女の日常のエピソードを物語にしている作品は書き直すことで、描かれていない少女の暮らしぶりまで目に浮かんでくる暖かい作品になってきました。書き直しの大切さを感じます。

想像だけで描いた部分に、今回、体験を踏まえた部分を挿入したのですが、描き方に、はっきりその差が現れています。体験した部分は、手に取るように状況がよくわかります。体験は、創作を後押ししてくれることを作者は実感したことと思います。経験が作品の中ではずんでいて、ほほえましくなります。ただ、この作品の場合、今回挿入した部分は外した方がいいように思います。みんなも同じ意見でした。想像で描いている部分の体験も間近だとか。書き直しを見るのが楽しみです。
5月11日(産経教室)

3作合評しました。

書き直し。ぐんと進んでいました。ふたりの少年はもちろん、キーポイントになる登場人物のキャラクターをしっかり設定すると、物語の弾み方が違ってきます。キーポイントの人物の設定いかんで、子どもたちが引き込まれる物語になると思います。3人をからめたエピソードも、あといくつかほしいですね。今どきの子どもたちが何に興味をもっているのか、読者対象のお子さんがいらっしゃるので、百万力です。

シリーズ物のうちの1作だそうです。ひらめきは抜群。とてもおもしろい発想なのですが、物語そのものがお行儀がよいので、せっかくのひらめきが盛り上がりきれていないように思います。もったいないです。作品の中で、思いっきり遊んでみるのもいいかもしれませんね。

続きを書く宿題は、そうか、こういう発想もありかと思いました。読者の視点がわき道にそれないように、突っ走った方がいいでしょう。
4月28日(パンジョ童話教室)

3作品合評しました。

童話以外の作品が出たのは、この教室では珍しいです。公募に向けての書き直しなのですが、さなぎが蝶に孵ったという言葉がぴったりの、とてもおもしろい作品になっていました。視点の変化が効果的です。乗りに乗って書いていることが伝わってきました。枚数が越えてしまうのは、あれもこれも欲張って詰め込みすぎているからですね。不用な登場人物やエピソードは削りましょう。シナリオになることを想定して、キャラクターを、「ありえーへん」ぐらいに、盛って、盛って、盛ってください。建前はセリフで、本音は心のつぶやきで書くといいですね。40枚へのチャレンジです。蝶が羽ばたいてくれますように。

短編、お母ちゃんのキャラクターが見事立ち上がっていました。好評でした。ただ、主人公の少女が傍観者であることが惜しいです。童話なので、子どもを活躍させたいですね。とりあえず10枚に書き直してみてください。

何度目の書き直しでしょう。書き直すたびに更に見えてくることがあり、不用な部分がみつかります。手書きしていたころは、「わけがわからなくなってきました」と合評に振り回されていたこともありましたが、ワードで書くようになって、楽しんで書き直していることが伝わってきます。新しいシーンも加わって、ふんいきのある暖かい作品になっていました。合評を受けてもそのままにしている人も多い中、書き直すことの大切さを毎回感じさせてくれます。
4月27日(産経童話教室)

3作品を合評しました。

1作は、作者がどうしても伝えたい体験を物語にしたものですが、テーマが深く、重いだけに、メルヘンの部分をどのように描くかが難しいところです。体験だけではなく、関連資料をたくさん読んで、子どもたちにもわかるエピソードを救い上げてみるといいでしょう。同じテーマの、違った切り口の作品をたくさん書いているうちに、その人らしい捉え方が見つかると思います。

2作目は、続きを書く宿題でしたが、(おー、こんな風に♪)と、驚きました。キャラクターの設定が絶妙におもしろく、おばあさんも少年も犬も、原稿用紙から飛び出してきます。5枚ではとても描ききれません。少なくとも10枚、20枚にもなる作品です。どう膨らませばいいか話し合いました。

3作目は、完成度の高い作品なのですが、心にすとんと落ちないのは、なぜでしょう。ひとつには、主人公があいまいだったからだと思います。たくさん出てくる子どもたちをさらりと均一に描くのではなく、作者が添って読めるように、主人公を絞ってみてはどうでしょうか。クラスメートそれぞれに子どもらしい葛藤をもたせ、先生が教室に持込んだあるものによって、バラバラだったクラスが変わっていく様子を、子どもたちに読ませたいです。
4月19日(広島教室)

今月から6時に加え、3時半からのクラスを開講しました。福山からふたり移ってきてくれました。新しい生徒さんがふたり。6時からの応援隊が3人加わってくれて、7人でスタートしました。

日本児童文芸家協会から提供してもらった「児童文芸」のバックナンバーを渡しました。

                  


前もって、作品を渡すことができなかったので、どうなるかと思っていたのですが、新しい生徒さんのうちひとりは公募の経験もあり、もうひとりは長年和歌をされていたようで合評に慣れていて、いろいろな意見をきくことができました。

6時からの生徒さんから、「3時半への振り替えもきくのですか?」という質問がありました。どうぞ、どうぞ。反対に、3時半から6時への振り替えもオーケーです。なんなら、通しで受けてもらってもかまいません。月に1回ですので、がんばってみてください。

6時からのクラスは、1枚目の続きを書く「宿題」3作を合評しました。このチャレンジはほんとうに面白いです。1枚目は同じなのですが、2000字で綴られている物語は、全く別の展開になっていて、それぞれ素敵です。初めて童話を書いた方の展開がすばらしいと、小説を書いているベテランさんが、しきりにほめていました。そのベテランさんの作品も味のあるものでしたし、物語の場を思いがけない場所に発展させた3作目の作品も、さすがでした。発想のいい訓練になったのではないでしょうか。1枚目を外してその部分を書き足せば、立派なオリジナルです。
4月14日(パンジョ童話教室)

2作合評しました。どちらも短編です。どちらの作品も楽しく書いていることが伝わってきます。が、ひらめきを原稿用紙に書き出した段階です。

童話にかぎらず、小説でも、エッセイでも、短歌や俳句でも、最初からいきなり完成作品を書ける人などいません。著名な作家の原稿が展示されていることがよくありますが、推敲に推敲を重ねた跡が見られます。書き直し、書き直し、納得できるまで繰り返せばいいわけですが、そのためには、まず、原稿用紙に思いを綴らなければ始まりません。

作品を書き始めて完成するまでに、いくつかのステップがあるとしたら、頭の中で考えていることを文字にする、これが第1ステップで、いちばん大変なことかもしれません。蒔いた種がやっと芽を出した段階です。どんな花が咲くか、色も形も大きさも香りも、まだわかりません。作者が思い通りの花を咲かせるために、これから育てていくのですが、これが楽しくもあり、時には苦しくもあるのです。

わたしの教室では、この段階で作品を提出してもオーケーです(「種」の段階でも)。合評にかけているうちに、登場人物はどんな性格なのか、この作品を書くことで何を伝えたいのか、作者自身が気づくことが多々あります。今日の2作品も、そんな第1ステップにたどり着いたばかりの作品でした。

それにしても驚きました。昨日体験した商店街の物語を書いてきたのは、74歳のあんぱんかあちゃん。パワーとひらめきにかんぱいです♪ そうなんです。書くには勢いも大切です。
4月13日(産経教室)

今日は、課外授業で、堂島から天神橋筋商店街を歩きました。

何か、発見はあったでしょうか? ただ歩いただけに終わったのなら、企画が今いちだったのかも。

わたしが書いた「とらちゃんつむじ風」も、ひいばあちゃんはごきげんぼくはふきげん」も、「まんざいでばんざい」も、「灰色バス変身大作戦」も創作童話ですが、すべてモデルになった商店街があります。うその物語でも、主人公の活躍する町や商店街、学校などをしっかり抑えておくと、物語にリアリティが出てきます。いつの日か、作品の中にこの商店街のシーンなど、出てくればうれしいです。お疲れさまでした。
3月24日(パンジョ教室)

わたしが童話を書き始めたのは(生徒さんには何度も言っているので耳タコでしょうが)、48歳のときでした。童話を書きたいという思いはあっても、どう書けばいいのか、まったくわからない状態だったので、童話教室があると知ったときは、とてもうれしかったです。ノウハウを習い、合評してもらうことで、書きたいことが「伝わっていない」ことに気づかされたり、他の人の作品を合評することで、「そうか、こういうことなのか」と目からうろこが落ちる思いで、少しずつ「書く」ということがどういうことかわかっていったと思います。

ひらめきだけで、やっと短い作品が書けるようになっても、その作品を発表する場さえありません。自己満足で終わるのかと思っていた矢先、「公募ガイド」というものがあることを知りました。書いた作品は公募に出せばいいということが励みになり、枚数、締め切り、ニーズを意識して書くことが、わたしを育ててくれました。締め切りの順番に応募先をファイルして、クリアーしていくのです。まんがや論文、エッセイ、おみやげ物の企画など、さまざまなものにチャレンジして、公募時代を楽しみました。余談ながら、公募ガイドはそのときから足掛け20年近くも買っていることになります。

そしてもうひとつ、わたしを助けてくれたものに、「ワープロ」があります。手書きが苦手だったわたしは、ワープロというのものが出てきたおかげで、原稿を書くことが出来たと思います。プリントアウトして活字でみると、冷静に見られるというか、ごまかしがきかなくなりました。それでも、当時は手書き原稿が評価されていて、印字原稿を蔑視する傾向がありました。表彰式でもいやみをいわれたこともあります。変れば変るものです。

さらに、日本児童家協会に迎えてもらったことが、大きな力になりました。協会に所属している先生方が、もがいていたわたしを引っ張りあげてくれたのです。出版社との出会いもそうです。わたしは自分を育ててくれたさまざまな恩恵を濃縮して、今、生徒さんたちに惜しみなく還元しています。そのつもりです。

わたしの教室では、書き直しを何回出してもオーケーです。5度目、6度目の人もいます。何度も何度も書き直すことで、視点を変えたり、登場人物を減らしたり増やしたり、エピソードを新しくしたりしているうちに、自分が何を書きたかったのか、薄紙をはがすごとく見えてくるものです。最近、パソコンを始めたことで、前に増して書き直しにいそしんでいる人がいます。目に見えてうまくなっていると思います。

先日、パンジョの生徒さんが入選したのですが、その作品は、童話教室に来て間もなく書いたものでした。すべての作品はいつか羽ばたける日が来るのです。自分を信じて書いていきましょう。
3月23日(産経教室)

童話を創作するには、「ひらめき」と「想像力」が大切なことは周知の通りです。合評時には、ひらめきやすい体質や想像しやすい脳のになるようなノウハウを取り入れて合評していますが、実は、物を書くには、その二つよりももっと大切なことがあります。それは、書き手の心の中に潜んでいる「思い」なのです。それを紡ぎださなければなりません。

短編は気の利いた「ひらめき」だけで書けますが、「中編」になると、「思い」(テーマ)が不可欠になります。それぞれの人が歩んできた人生が心に落としてきた「思い」紡ぎだしているうちに、心が開き、包み隠さず書いているうちに、作品が童話ではなく、小説っぽくなることも、エッセイのようになることもあります。それでいいと思っています。

わたしは、毎月公募ガイドから抜粋して、みんなが応募しやすい公募をプリントして渡しています。その中には、もちろん童話もありますが、それ以外のものもあります。童話でなくてはならないという枷を外して、楽しみながらどんどん書いていってほしいです。

                    
                         切り貼りして一枚に
3月15日(広島教室)

1作だけ合評の予定でしたが、「震災で心身が動転している中、大阪から来てくれる先生のために書いてきました」と2作の短編が出ました。わたしの住んでいるところは罹災していないのですから、何か支援のための行動を起こさないといけないとわかっていつつ何も出来ないでいる不甲斐なさに、震災以来、滅入っています。それでも、自分に課せられら日常はクリアーしたいと広島に足を運んだ気持ちを汲んでもらえてうれしいです。広島や福山のみんなと話しているうちに、元気をもらいました。

書き直しの1作は、すっきり、わかりやすくなっていました。ユーモアが光っていました。主人公の少年の葛藤を付け加えると、テーマが見えてくると思います。短編でもテーマがほしいです。物語が始まる前と、終わってからの少年の心の変化を読み手に伝わるように描いてください。

即読して合評したメルヘンは、実際に見たというだけあって、そのようすが詳細に描かれていました。スケッチとしてはオーケーです。そのスケッチを使って物語にするには、ひとひねりいります。それを見届けたあとのぼくの気持ちを描いてください。

@天の川のメンバー。彼女しか描けない不可思議な世界がもうすぐ単行本に。続いてもう1冊。
A天の川のメンバー。彼女の描く男の子はいきいきしています。ひらめきが光っています。
B高知から1泊できてくれています。メルヘンが得意なのですが、リアリティ童話にもチャレンジ中。
C忙しい仕事の合間を縫って来てくれています。何か月も続けて休会したときも、「先生は、わざわざ遠いところからきてくださっているのですもの」と会費を納めてくれました。ありがたいです。
D文学ですでに入選されている黒1点。童話にチャレンジ。幼年期・少年期の貴重な体験を、ぜひ、今の子どもたちに伝えてほしいです。
E初めて童話を書くそうです。期待しています。受付の人が、「すっごい美人ですよ」といっていました。ほんと♪
来月から、新しい生徒さんが増えるそうです。いっしょに童話と人生を紡いでいきましょう。
3月15日(福山教室)

福山教室は、今日で最後です。カルチャーセンターの方からの申し入れで、2009年6月に開講したのですが、生徒さんが増えないので閉講することになりました。しかたがありません。講座会場はには、中国新聞カルチャーセンターの方は常任されていないのですが、今日は、万華鏡の一日体験のために事務局の方が来られていたので、挨拶をすることができました。

今日は、1作を合評しました。書き直し作品でしたが、ずいぶんわかりやすくなっていました。自然と人間との共存というテーマも明確で、楽しく描けていると思います。もう1回書き直せば、公募に出せるレベルに達すると思います。

子どもの目線での書き方がわからないという生徒さんのために、5枚作品の1枚目を配り、続きを書いてもらう宿題をだし、その説明をしました。

4月から、生徒さんは、広島教室の夕方クラス(新しく開講)にきてくれます。

メンバー紹介
@かわいいメルヘン・幼児童話が得意。思いがけないところで岡信子先生とつながっていて、驚きました。
A波乱万丈の人生を送ってきたそうで、提出されるエッセイは、ドラマチックです。子ども目線で描くことにチャレンジしたいそうです。
Bお休み中がひとり。
3月11日(パンジョ教室)

4作合評しました。この教室は足掛け8年。最初からの生徒さんも残ってくれていて、いよいよ羽ばたける日も近いかと思える手ごたえを感じることも多々あります。天才といわれる人はともかく、わたしたちはアンテナを張って、書き続けることが大切なのだと思います。

メンバー紹介

@入ってくるなり74歳でパソコンにチャレンジして、ほかの人に刺激を与えてくました。 
A教室に来て7年目に手書きからパソコンに替えたことで、今までの作品を次々書き直し、みんなから「すごい」といわれています。 
B子育て・ボランティア・趣味と忙しい中、、最近、やっと「毎日書く」ことの大切さに目覚め、入選をきっかけに、パワーをみなぎらせています。
C毎日欠かさずブログを書きだしたことがきっけで、アンテナを張り方を身につけ、「見つける力」がつきました。 
D辛口のコメントで、仲間にいい刺激を与えることが出来る人です。 
E8年間作品は1作も書かれないまま、時代考証などには欠かせない存在感のある84歳です。
Fさまざまな勉強やボランティアに力を注ぎつつ、たまに出す作品は手ごたえがある文学作品です。
Gもうすぐ1歳になるおまごさんを主人公にしたメルヘンにチャレンジ中です。
Hあたらしいメルヘンの種をつぎつぎ蒔くことで、今、いちばん生き生きしている人です。
I今、お休みされています。 
3月10日(産経教室)

3作合評しました。教室を開設して1年。初期の提出作品と格段に違うことはもちろん、合評がうまくなってきたことも驚きです。作品を合評するときに、わたしが大切に思っているとことは、物語のほつれや文章の間違いを指摘し合うということよりも、その作品の切り口について意見をのべあうことです。

その作品を通じて、本当に伝えたいものは何なのか、そのためには主人公をだれにするのか、一人称か三人称がどちらで書くのか、テーマとうまくつなげていくには登場人物をどう設定すればいいのか……。それによって、ひとつのお話の種から、いくつものバリエーションが考えられます。今までは、わたしが提案していたのですが、今日は、生徒さんから、面白いひらめきの提供があり、(やった♪)と思いました。

井戸水を手押しポンプで汲んだ体験のある方にはよくわかると思いますが、最初はスカスカでも、汲んでいるうちにどんどんいい水が上がってきます。発想もそれに同じです。人の作品を読み込んで意見をいっているうちに、発想が生まれやすい頭になっていくものなのです。

メンバー紹介

@ブラックユーモアとナンセンスを足して2で割ったようなシャープな切り口のどことなくおかしい物語は、彼女にしか書けません。
Aメルヘンを取り入れたやさしさのあふれた童話は、彼女の人柄が反映しています。
Bお孫さんをよろこばせようと少年が登場する物語にチャレンジ中の黒一点。奥さま、奥さまのご姉妹に、童話を書いていることとを冷やかされつつ、チャレンジしています。アメフトマンです。
Cメルヘンも生活童話も入賞歴があり、中編も短編もすでに書ける人なので、更に羽ばたいてほしいです。
D小学校の先生だったこと、モデルになるおまごさんがいること、童話の種の「宝庫」を抱えています。これからです。
E民話に興味を持っていて、本もたくさん読んでいる若いおじょうさん(資格取得にためお休み中)。

2月24日(堺パンジョ教室)

3作合評しました。それぞれ作風の違う作品で、おもしろかったです。

一般的に、書きなれていない人の作品は、ほつれやつじつまの合わないところ、ひとりよがりなところがはっきり見えているので、合評の際、意見がたくさん出ます。問題は、文章力がついてきてからです。それなりに物語を構成できるようになってくると、引っかからずに読ませてしまうので、「すっと読めました」、「おじょうずです」、「おもしろかったです」というほめことばに変ります。本人もそう思ってしまうこの時期が、ある意味とても危険なのです。ほんとうに、子どもたちがおもしろく読める作品になっているのでしょうか?

@登場人物のキャラクターは描けていますか?
A葛藤は深いですか?
B子ども目線で書けていますか?
C子どもが活躍していますか? 
D物語にうねりがありますか?
E話が都合よく展開していませんか?
Fテーマをしっかり伝えられましたか?
G物語の始まりと終わりで、子どもが成長していますか?
Hこの作品は、短編向け? それとも中編? あるいは……

問題は山積みです。というか、物語をふくらましつつ書いていく楽しみは、これからです。
2月24日(大阪産経教室)

童話を初めて書くという人たちがほとんどですが、みんな書くことが好きなようで、楽しく合評しています。ひとりベテランさん(何度も公募に入選している人)がいてくれるのは、わたしにとって心強いです。

ユーモアというのは、書こうとと思ってもなかなか書けるものではありません。これ見よがしなユーモアは、読み手が引いてしまうだけです。今日、合評した作品は、作者のユーモアのセンスが光っていました。皮肉屋さんの彼女の感性が、ますます冴えて、作品に反映されてきています。言葉の選択が絶妙です。おもしろいです。彼女は、いずれ、童話の世界を飛び出していくかもしれません。限られた枠にはまらないで、どんどん書いて、広い世界に羽ばたいて行ってほしいです。
2月15日(広島中国新聞教室)

おとなの小説を書いてきた方なので、文章力も構成力もあります。童話にチャレンジされているのですが、今回は小説でした。

しっかりした短編になっていて、筆力で読ませてしまうですが、気になったのは人物像とテーマです。習作としては、これで充分というか、こういうものをたくさん書き溜めていくことは、筆力アップのいい方法だと思いますが、公表する作品としてみると書き足りないところが多々あります。

主人公に、ある人が会いに来るのですが、会いに来る前の主人公の抱えている葛藤と、後の主人公の心の変化が、しっかり描ける作品ではないかと思います。主人公の職業も魅力的で、その職業ならでは人生の捉え方も描けると思います。主人公の青春時代については、本人に語らせないと心のうちが描けません。主人公を、「会いに来た人」サイドにすると、姉の思いも書くことができます。どこから切るか、切り口を見つけるのも創作の楽しさです。

書くことについては真摯な方で、勉強家なので、いつもいい資料を、みんなに配ってくださいます。感謝です。
2月15日(福山中国新聞教室)

自分史として書いた作品を、童話にするにはどうすればいいのか。作品に沿って話し合いました。

いちばんの問題は、事実に束縛されていることです。「知らない」から「書けない」では、個人の記録にすぎません。そこは想像力を働かせて創作をしてほしいです。素材が深いので、主人公を中学生の男女に下げて、それぞれの葛藤と友情を描けば、心打つ作品になると思います。

「例えば、このとき少女の気持ちは……」と提案すると、「わたし、そんな気持ちではなかったです」という返事が返ってきました。「少年の抱えていた葛藤は……」「ないと思います」「それでは、なぜ、自殺をしたの?」「知りません」。彼女が、事実から開放されるには時間がかかるかもしれません。

でも、とても深い体験をたくさんされているので、創作する楽しさを体感したら、しめたものです。
2月10日(パンジョ教室)

3作合評しました。

@どうしてでしょうね、書き直す前の方が弾んでいたように思います。なぜなのか話し合いました。楽しいお話なので、素材としては絵本にぴったりだと思います。ただ、文字だけで読む童話と、絵本原稿では、描写方法が違います。絵本で大切なのは、
@キャラクターの設定  A物語の展開(ページを繰る楽しさ) Bリズム感 Cわくわく感 そして何より、D絵をイメージできるか などです。
本人もよくわかっていると思います。あと、もうひとがんばりです。ここぞというときはわき見しないで、集中してください。片手間に書けるほど甘くはありません。

Aおっ♪ パソコン二段書きクリアーじゃないですか! 74歳でチャレンジ、ばんざーい♪ 物語も雰囲気があって、いい感じにまとまっていました。結末のパターンについて、いろいろ意見が出ました。どの結末にしても素敵です。いろいろ試してみてください。自分の思いとぴったりの物語が見つかります。

B長編にチャレンジ。意気込みがうれしいです。いいテーマだと思います。作者の体験が元になっているので、すらすら書けたようです。ただ、ほんとうにあったできごとを物語にする場合、どうしても事実にふりまわされてしまいます。事実を羅列するのではなく、それをヒントに物語をふくらますことが大切ですし、それが物語を創り出す楽しさであり、妙味です。ぜひ得とくしてください。
2月9日(産経教室)

3作合評しました。珍しく時間通り終わったのは、出席が4人だったからでしょうか。しっかりいい意見が出ました。昨年末に、魅力的なキャラクターを立ち上げるための発想ゲームをしたのですが、3作品とも、そのときに設定したキャラクターを主人公にして書かれた作品でした。

うち1作は、タイトルがとてもいいのです。シンプルだけれど、実は深い……。その深さを書いてほしいと思いました。

1作は、主人公を助けてくれる登場人物の設定が、なかなか魅力的です。この登場人物と主人公のからみをしっかり書けば、これは子どもたちの心をつかむおもしろい作品になると思いました。不要な登場人物は削りましょう。

1作は、主人公(人間ではありません)の本能が、深い葛藤となって読む人の心を切なく動かす物語なのですが、すべてを書き切っていないので、見えてこないところがあって伝わりにくいところが多々あります。が、この作者のすごいところは、物語設定がしっかりしてあるので、どんな質問にも答えられることです。

具体的に、「あの公募に向いている」という作品が出ると、合評がしやすいですし、本人も書き直ししやすいだろうと思います。
1月27日(パンジョ童話教室)

2作品合評しました。どちらも書き直しでしたが、とてもよくなっていたと思います。が、まだまだです。

絵本原稿の場合は、絵をイメージすることが大切です。特に子どもがたくさん出てくる物語の場合、子どもたちが絵本から飛び出してくるような個性がほしいです。どう設定すればいいか、例えば……と、提案しました。ページをめくる子どもたちが目を輝かせているようすを想像すると、もっと楽しい場面が書けるのではないでしょうか。リズムよく、説明文、長文にならないようにしましょう。

もう1作は民話風の短編で、発想が面白かったです。民話なので、ありそうにもないことが起こってもありなのですが、それでも、「これはおかしい」という意見が出ました。それは、火山が爆発した後に畑を作るくだりです。溶岩が流れ出し、不毛の土地になるという現実を指摘されました。ふむふむ……、それじゃ、こうすればと知恵を出し合いました。

現実をしっかり見つめることができる人、物事にこだわらず夢を見ることができる人、それぞれ違っていての創作だと思います。でも、思い込みやひとりよがりはよくないので、合評にかけることは大切です。いい作品になるために、しっかり読んできてくれる仲間がいることは、ありがたいことです。
1月26日(産経教室)

合評作品を教材に、@登場人物について A視点 Bテーマ C文体 D原稿枚数などについて話しました。教材になった作品は、内容が深く、とても短編で収まるものではありません。作品の切り口云々とよく言われますが、深刻な家族の問題こそユーモラスに描くと、味のあるおもしろい作品になると思います。葛藤を子どもらしく乗り越えるストリーは、子どもの味方です。

もう1作は、3枚のショートストーリーでしたが、「えっ!」と意表をつく結末に、一瞬、頭が停止しました。「あ、そういうことか」わかれば、おもしろいのですが、中には理解できない人も。だれもに、「おっ♪」とわかってもらうには、布石が必要です。最後は、ホップ・ステップ・ジャンプで決めれば、最高です。高齢者向きの童話、老話です。
1月18日(広島教室)

講座は6時からなのですが、ベテランさんと初心者の落差が大きいので、講座の始まる前に、1時ほど初心者向けのお話をすることにしています。いつもはこの時間に3人ほど来てくれるのですが、今日は時間がかなりすぎても、だれも来ません。ひとりは欠席の連絡が入っているのですが、あとのふたりは……。とうとう6時になっても来ません(あとで、ひとりからはメールで連絡をもらっていたことを忘れていたことが判明、あとのひとりは来週だと思っていたそうで、講座が始まってからかけつけてくれました)。

不安な中での、一番乗りは新入生さん。だれもいないのでわたしよりも不安に思ったことでしょう。でも、ちょうどよかったです。キャラクターの立ち上げ方を話しているうちに、ぽつぽつと3人が来てくれました。2人は欠席です。

童話と、大人向けの作品を合評しました。ふたりとも、すてきな書き手さんなのですが、これらの作品については、どちらもまだまだかな……。作品にはそれぞれの思い入れがあって、それが作品を書くきっかけになった場合、それに縛られてしまうことも多々あります。こだわりすぎないほうがいいのではないかと、どちらの作品についても感じました。

欠席の生徒さんから、作品の感想が作者に届いていたようで、うれしかったです。
1月18日(福山教室)

骨折のため9か月もお休みだったプディックさんが復帰。よく忘れずに戻ってきてくれたことです。今日の講座の半分は、彼女の体験話を聞かせてもらいました。自分史を書く講座を受けに、広島まで通っているというバイタリティのある人なので、「書く」ということに対して真摯で、お話もなかなかおもしろかったです。彼女が心配していることは、「事実だけを書いてきたので、創作できるかどうか」ということのようです。素材が同じでも、中華もイタリアンも日本料理もできるように、物語の「素材(モチーフ)」と伝えた「テーマ」さえあれば、あとはたくさん書いて慣れていくだけです。

童話1作を合評しました。子どもたちにとって身近な素材なのですが、今の時代の価値観が少し変わってきているように思います。価値観は、時代と共にめまぐるしく変わっています。その著しい代表は電話です。「ダイヤルを回す」は死語ですし、携帯電話が出回ってからは家庭電話に友人から電話がかかってきて親が呼び出すのは、サザエさんの家庭ぐらいかも。

時代に合った読み物にするか、おばあちゃん(もしくは母親)の思い出話にするか、話し合いました。
1月13日(パンジョ教室)

4作を合評しました。それぞれにおもしろくなる可能性のある作品ですが、共通していえることは、出だしがもたもたしていることです。出だしは大切です。おもしろくなくては、子どもたちが読んでくれません。リズム感が大切だということも、説明がタブーだということも、みんなよく知っているのですが、書きたいことがいっぱいあって、どうしてもごたごたしがちでまわりくどくなってしまいます。書き出しに詰め込みすぎると本意が伝わってこないのです。

4作品それぞれの出だしについて、こういう書き方もあると知ってもらうために、参考例をプリントにして配りました。出だしの段階で子どもたちの心をとらえ、物語の中にぐいぐい引っ張っていくにはどうすればいいかを話し合いました。
1月12日(産経教室)

2作を合評しました。どちらの作品からも、「無」から「物語」をひねりだそうとしている意欲と、楽しみながら書いたということが伝わってきました。

ひとつの物語には、いくつもの展開の可能性が秘められています。よくある話にならないようにするためには、主人公をいかに魅力的な人物にするかにかかっています。書き出す前に、まず主人公の設定をしっかりしましょう。この主人公なら、こんなセリフをいうだろう。こんな服を着ているだろう。こんな仲間がいるだろう。こんなことをするだろう。主人公の価値観も、設定の如何によって変わってきます。

いろいろな可能性を想定して、お話を紡ぐ楽しさを感じてください。
12月23日(パンジョ教室)

最近、よく作品が出るようになってきて、たいへんうれしいです。作品が出るようになったきっかけは、いい刺激がいくつか重なったからです。

@半年前のことです。まだ入会して間もない生徒さんがパソコンにチャレンジしました。74歳、しかも入ってきたばかり。その前向きな行動力に、みんな驚いていたのですが、もっと驚いたことは、
Aパソコンにはまったく興味がないように見えていた手書き一筋だった生徒さん(60代)もパソコンにチャンレンジ、今までの作品をどんどん書き直し始めたのです。そのことで、こうはしていられないとみんなが思い始めた矢先、
B新しいメンバーが2名増えました。そのおふたりが熱心だったので、教室が一気にヒートアップしました。
Cしかもそのうちのひとりがブログを始め、更に、超忙しく活躍している生徒さんもブログを開設、現在4人の生徒さんのブログを開いているのですが、それぞれの活動的な日常や書く姿勢などがわかったことも刺激になっていると思います。
D他の教室の生徒さんの活躍も影響しているかもしれません。相乗効果というか、お互いが刺激しあうことで、いまやエンジンも絶好調です。
E今日は、もうひとりパソコンを始めた人がいました。

仲間がいるって、すばらしいことです。合評を受け、書き直ことが上達のこつです。でも、教室に来て8年。来ていることが楽しいといって1作も書いていない人もいます。そんな楽しみ方もあっていいと思います。その方はご年配なので、折に触れて時代考証として、いい意見をいただいています。ありがたいことです。

今日は、2枚という短い作品も2作あったのですが、5作品を合評しました。次回合評作品も4作出ました。作品に個性があるように、合評もそれぞれ気づく点が違うので、10人いれば強いです(今日の出席は8名でした)。
12月22日(産経教室)

5作品合評の予定がひとり欠席だったので、4作品合評しました。

この教室の特徴は、童話の枠を超えたいろいろな分野の作品が出ることです。書きたいものを書くことが一番大切だと思います。構成・キャラクターの設定・テーマ・エピソードや葛藤の創り方、説明ではなく場面で書くことなど、「書く世界」は共通しているので、「それはちょっと童話とは違います」などとは決していいません。書いているうちにほんとうに自分が書きたいこものに出会うと思います。そのときに路線変更すればいいわけで、枷は外しています。いろいろな作品を読めることは幸せです。今日も楽しみました。いろんな意見が聞けておもしろかったです。みんなもきっとそうだったと思います。

仲間の書いた作品を認め、よりよくなるための意見を惜しみなく出しているうちに、自分の作品を冷静にみる力や、書く力もついてきます。「情けは他人のためならず」という格言がありますが、「合評は他人のたけだけではない」のです。
12月21日(広島教室)

2作品を合評しました。どちらもその人でなくては描けない作品で、深いものを感じました。

1作は長編の中のひとつの物語なのですが、作者の少年時代の体験が底辺にあるだけに、味があって、もっと読みたいと思わせる何かがありました。ただご本人は、小説を書いてきた人なので、児童書としてどこまで言葉を開いたらいいのか、それがわからないそうです。確かに、子ども目線で書くことが今後の課題だと思います。

もう1作は、ファンタジーの書き直しですが、設定をさびれた温泉宿にしたことで、「湯つながり」ができ、リアリティが増していました。神さまのつかわしめという架空の登場人物の設定がなんとも魅力的で、引き込まれました。書き足してほしいことは、異次元にいってしまう少女の葛藤と、こちらの世界に帰ってくるきっかけ、帰ってきてからの少女の心の変化です。それを書いてはじめて、この物語が成立するのではないでしょうか。

生徒さんに「あまのがわ」の同人がふたりいます。どちらもいい書き手さんです。刷り上ったばかりの同人誌をいただきました。

2010年の「あまのがわ」

「あまのがわ」は手作り

広島市の「まちづくり市民交流プラザ」には
3階に「フリースペース」という場所があって
ここで「印刷」や「製本」が、なんと
無料でできるんですって

「紙代だけでいいのよ」
ということでした
市が文化活動を支援してくれる
うらやましいがぎりです
12月21日(福山教室)

2作品を合評しました。HALさんが今日で退会ということで、1月から生徒さんがふたりになります。ふたりとも積極的でいい書き手さんなのですが、ふたりだけでは合評がマンネリ化になります。教室を閉めるか、広島と合併するか(広島に行ってもいいといってくれるので)、悩むところですが、骨折で休会していた生徒さんが1月から復帰することになり、しばらく様子をみながら、カルチャーセンターと相談することにします。

文学さんの現代詩が広島県民文化祭に入選
教室で合評した作品ではないのですが
共に喜ぶことができて
うれしいです

だれかが入選するということは
いい刺激になります
12月9日(パンジョ童話教室)

<合評について>
ひとりよがりな作品にならないために、合評ほどありがたいものはありません。どの意見も作品がよくなるためのものには違いないのですが、中には、その場の思いつきで出る意見や見当違いな意見もあります。10人いれば10人の意見はそれぞれです。鵜呑みにして振り回されないようにしましょう。

<書き直しについて>
どの作品も、推敲するたびによくなっていくことは確かなのですが、同じ作品を何度も合評にかけていると、細かい指摘に囚われてしまって、何を伝えたいかということを見失うことがあります。冷却時間をおいて、新鮮な目で読み直すことが大切です。

<頭で書かないこと>
筆力がついてきた作品は、勢いですんなり読ませてしまうのですが、これが曲者です。立ち止まって、ほんとうにそうなのか、試してみることが大切です。リアリティは、たとえメルヘンであっても大切です。思い込みで書かないように気をつけましょう。

<おとな目線になっていないか>
おとなにとって常識的なことも、子どもにとっては未知の遭遇ということも多々あります。

作品が、どんどん出るようになってきました。次週の合評が楽しみです。
12月8日(産経教室)

2作を合評しました。1作は、スケッチといえばいいのでしょうか、1枚の絵を見ての風景描写でした。ていねいに捉えてはいるのですが、見えない部分を、「だろう」「かもしれない」という表現で書かれているのは、読み手に不親切だと思います。もし、この風景を物語の場面として選ぶなら、あいまいな表現ではなく、しっかり断言できるようにしなければなりません。そのためには視覚だけに頼らず五感と想像力を駆使して風景を捉えるといいと思います。絵に描かれた丘に吹く風を感じ、煙の匂いを嗅ぎ取り、子どもの遊ぶ声が聞こえてきたら、場面が立体化してきます。その中に、キャラクターをしっかり設定をした登場人物を置いてやると、物語が動き出します。絵に書き込まれていなかった人々の営みの中での発見のすべてが物語の種になります。

もう1作は、5枚童話です。物語を盛り上げるには、構成が大切です。怖い話はよりどきどき、楽しい話をよりおもしろくするためには布石も大切ですし、それなりのテクニックがいります。どうすればいいか、話し合いました。それに時系列。混沌としていると、読み手がすんなり入っていけません。
11月25日(パンジョ教室)

ふたりの作品を合評しました。どちらも書き直しでした。

ひとりは、手書きからパソコンに替えた成果がでたのか、創作8年目のステップアップなのか、誰の目にもわかるほど、このところ作品がグレードアップしてきました。毎回しっかり書き直してくるのも大きな力となっていると思います。もうひとがんばりです。

もうひとりは、短編の書き方はクリアーできたかと思います。が、中篇になると、短編のように「ひらめき」と「勢い」だけで描ききることはできません。中篇や長編には、短編で描けない世界を捉えるのですから、しっかりしたテーマと、登場人物の設定、それに描写力が必要です。例えば時代の価値観の違いを描くにしても、家族の絆を描きつつなのか、友だちと葛藤を描きながらなのか、学校を舞台にするのか、あるいはそのすべてをからめて紡いでいくのか、プロットもしっかり立てなければなりません。家がクリーニング屋ならクリーニング屋の子どもとして主人公を描かなければならないわけで、サラリーマンや八百屋、うどん屋に置き換えても通用するようではだめなのです。これから中篇・長編にチャレンジして、本格的に書くことの楽しみを見つけていってほしいです。

「書けない」という人のために、発想の訓練をしました。「書けない」のは、書き始めたころより「書くこと」に真摯になっているからで、あるいは書き始めたころより「書く」難しさがわかってきた証でもあるので、それはいいことなのです。決して落ち込まないでほしいです。「書けるとき」も「書けないとき」もありつつ、だんだん「書けるように」なっていくのです。素材の見つけ方も勉強しました。
11月24日(産経教室)

4作品を合評しました。この教室で提出される作品は童話だけではありません。あまり枷をかけないで、書きたいものを書いて、みんなの意見を聞いてみるというスタンスをとっています。

今日は、ひらめきで書いた童話や新聞記事からヒントを得て書いたという童話も提出されていて、発想の過程も聞くことができて、なかなかおもしろかったです。合評では、どちらの作品も本人は気づかない指摘がありました。きっと深い、いい作品に書き直せることと思います。

童話のほかに小説とエッセイも提出されました。エッセイはもちろん小説を童話に書き換えることもできるわけで、童話に書き換えるにはどうすればいいかなども話し合いました。

この教室は、それぞれの作風の顕著な違いで、いろいろな意見がでるので合評時に発見があります。教室の雰囲気もなかなかいい感じです。姿勢も積極的で、「同じテーマでいっせいに書きたい」と生徒さんから提案がありました。冬休みに宿題を出すということで話し合いました。
11月17日(広島教室)

2作品のうちの1作品は、第1稿なのでまだまだ未消化な作品でしたが、着眼点がおもしろく、合評しているうちに、深いテーマと繋がっていきました。それにつてもつくづく思うのは、まずはひらめきで書いてみることの大切さです。合評を受けているうちに、何を伝えたくてこの作品を書こうと思ったのかが見えてきて、結果、登場人物の設定のしかたや、だれの視点で書くかなどが明確になっていきます。まずは、書くことです。

もう1作は、すでに掲載が決まっている作品なので、合評は控えました。今更、どんなにいい指摘を受けても変更できないとなると、気が重くなるだけだと思います。

山口県から通っている新しい生徒さんは、自作のお話をペプサートにして子どもたちにされているのですが、「この教室はレベルが高いので」ということで、おやめになります。
11月16日(福山教室)

福山教室の生徒さんは3人が3人とも書ける人たちなので、少人数でもなんとかバランスを保ってきたのですが、このところ合評がマンネリ化してきています。更にメンバーが減る可能性もあるので、今後どうするか思案のしどころです。これについては、10月の教室のときに問題の提案をしておいたので、今日は、そのことについて話し合いました。どうするかは、ほぼ決まりました。

2作品を合評しました。1作品は、ひとつの物語のワンシーンというか、スケッチでした。習作として、スケッチをたくさん書いていくのは、力がついていくと思います。ただ、合評の後、書き直しをしないのは、作品を出したという義務を果たしだけで、物語を構成する力はつきません。

もう1作は、公募に応募済の短編で、あたたかくてメッセージ感のあるいい作品になっていました。彼女は、提出した作品は必ず書き直して、どれも入選レベルの作品に仕上げていっています。童話の素材を探すアンテナ力を含めて、お見事です。
11月11日(パンジョ童話教室)

書き直し作品2作を合評しました。

1作は、登場人物をがらりと替えてあって、(あっ)と思いました。このチャレンジは、素敵です。視点を変えることで、見えてくることが違ってくるので、いい試みだと思います。ただし、どちらがいいのか、替えるなら、どうするべきか、などをポイントに合評しました。

もう1作は、風景描写も美しく、落ち着いたポエムのようなメルヘンになっていました。完成度が高く、みんなで感動しました。メルヘンといえども書き直すにあたり、丸太橋を現地取材をしてきたということです。さすがだと思いました。つい欲張っていろいろ細かいことをいいましたが、思えばデビュー作品だったのですね。お見事です。

かって教室に来ていた生徒さんの話になりました。みんなの顔と作風を思い浮かべました。忙しくされているのでしょうが、書き続けてくれていますように。
11月10日(産経学園)

なんと5作品合評しました。作品がどんどん提出されるので、できるだけたくさんクリアーしていこうと、休憩なしで集中していますが、みんながんばってくれています。いろいろな作品があって、それはおもしろいです。合評も、だんだんうまくなってきました。はっとする意見もでるので、勉強になります。

先々月の入会時には、「ねこはきらいだから、なんともいえません」という合評しかできなかった人が、同じ作者の作品の深さと表現の面白さに気づき、今日は感銘していました。童話の本もどんどん読んでいるそうで、頼もしい限りです。

教室の始まる30分前を、質問タイム、ミニ講座などに充てています。雑談で終わることもありますが、情報交換の場でもあります。

見学者がひとりありました。ほんの15分ほどで退席されたのですが、受付で12月からの予約をして帰られたとか。しかも、他の講座を調べにきたついでに覗かれたということなのですが、ほんとうに来られるのでしょうか? きっかけというのは、そんなものかもしれません。楽しみにお待ちしています。
10月28日(パンジョ教室)

手書きで原稿用紙に書いていた生徒さんが、ワードを使えるようになりました。推敲しやすくなったそうで、作品の提出率がぐんと上がりました。創作するのが楽しそうです。そうなんですよね、短編ならともかく中編以上になると、パソコンなしで書き進めるのはたいへんだと思います。おっくうになって、あとまわしになって、1週間が経ち、ひと月が経ち……。

教室に来ている人の中には、パソコンといっただけで敬遠してしまう年齢層の人もいて、折りにふれてすすめているのですが、取り残され感が出ると逆効果かなと思い、ひとつの壁でした。それが打ち破られたのは、73歳でパソコンにチャレンジしたあんぱんかあさんのおかげかもしれません。

ブログもそうです。創作しているしていないにかかわらず、パソコンをしている人はぜひ初めてみられるといいと思います。@書くことがおっくうでなくなります A立ち止まって物を見るようになります B「知りたい」という意欲がわいてきます C自分を見つめ直し、考えを整理することが出来ます D自分の中のいろいろなことを発見、その発見が新しい発見につながっていきます。E老後が楽しくなります。公表するのは、自信がついてからでいいので、初めてみませんか?
10月27日(産経学園)

作品もたくさん出るし、鋭い意見も飛び交います。今日は、飛び入りの急ぐ作品もあったのですが、初めて書いた作品なのでどうしても入れてあげたかったので、はさみました。休み時間もとれないまま、驚くなかれ5作を合評しました。「急ぐ人は先に帰ってください」といったのですが、みんな残ってくれて、1時間延長になりました。順番待ちの作品は7作。ということは、この教室は、作品提出を順番に割り当ててもいけるかもしれません。

とにかく、元気のある熱い教室です。教室のあとのお茶も盛り上がりました。
10月19日(広島教室)

今日から新しい生徒さんが増えました。なんと山口県の方で、教室が6時からなので、一泊がかりだそうです。この教室は、高知からも一泊で来られています。それだけのものは持ってかえってもらえますようにがんばろうと思います。

2作合評しました。1作は生活童話でした。いつもほんわかしたメルヘンを書いている人なのですが、からりと違う作風に驚きました。前回、わたしが、「メルヘンでもリアティの部分はしっかりおさえておかないと、うそっぽい物語になる。そういう意味で、1回、現実の物語を書いてみては」といったので、挑戦したのだそうです。書き直すためのヒントがたくさんでました。生活童話をクリアーしたあとで書いたメルヘンは、またちがってくると思います。

もう1作は、母と娘の確執を幻想的に描かれていました。が、作者の中で、こなれていないというか、書ききれていないあいまいな部分があちこちにありました。母との死別は、遠い日ではなく、今日に近いほうが、そして失せ物が見つかったのは、母の死後すぐのほうが、切なくて心をうつように感じました。
10月19日(福山教室)

前回、ふたりの見学者があったのですが、ふたりとも申し合わせたように「レベルが高いので」とお断りがあったそうです。まるで、お見合いのお断りのようです。骨折でお休み中の方は、今月から復帰とのことでしたがお見えになりませんでした。ということで、いつもの3人とわたしで合評しました。全員、ほとんど毎回作品がでることや、合評レベルも高いので問題はないといえばないのですが、人数の少ないと、どうしても合評がなあなあになることや、発想がこじんまりしてしまうことがあります。

前もって作品が出ていたのですが、新作2作を先に、ということで即読して、合評しました。
10月14日(パンジョ教室)

急ぐ作品が出たので、先に即読で2作合評し、そのあと、前回提出作品を1作合評しました。

パンジョはもちろんどの教室でも、漠然と書くのではなく、公募に向けて書くようにすすめています。公募は要綱をしっかりクリアーしなければなりませんが、@締め切り A枚数 Bテーマ などが明確なので、書きやすいと思います。要綱を意識しながら次々書いているうちに、自然に力がついてくると思います。あとは公募の傾向と対策です。今までの入賞作品を読むこともいいでしょう。いずれにしても、たくさんの応募作品の中から選んでもらうためには、よくある話にならないようにしなければなりません。タイトルと、一枚目も大切です。

短編の場合、きらっと光るエピソードがあれば強いですし、中長編は、テーマがしっかりしていなければならないように思います。まずは、作者自身が楽しんで書くことです。自分でおもしろいと思わない作品は、だれが読んでも同じ感想です。

入賞すると表彰式で、審査員の先生方や創作仲間、画家さんなどとの出会いがあり、それが書く意欲につながっていきます。作品を書いてどんどん応募してください。
10月13日(産経学園)

今月から3人増え、生徒さんは8人になりました。もともと作品がたくさん出る教室だったのですが、教室に入ると、机の上にどさっと提出作品が乗っていたので、びっくりしました。みんな、存在感のする人たちで、教室が狭く感じました。バッグを置く場所を考えないといけませんね。

前回の提出作品2作と、今日提出の短編2作を合評しました。4人4様。当たり前のことですが、それぞれに着眼点が違っていて、とてもおもしろいです。エッセイか小説か、それとも童話か、何を書くべきが模索している人もいます。物事を斜(はす)に見て、皮肉たっぷりのユーモア作品にチャレンジしている人もいます。子どもの目とひらめきを持った人や、たくさんの子どもたちを見てきた体験を物語につむぎだせる人……。初めて童話を書くことに出会った人から、何回も入賞をしている実力派の人まで、みんなに可能性を感じます。

人数が増えたのでお茶タイムは無しにして、終了後、喫茶店でおしゃべりすることになりました。
9月30日(パンジョ童話教室)

7枚童話を1作を合評しました。物語の前半は前回に提出されていたのですが、後半は本日提出だったので、即読合評になりました。物語には、ほつれがあちこちに目立ちますが、テーマがしっかりしていることやキャラクターがうまく設定できているので、もう少し書き込んで10枚童話に書き直してみてはと提案しました。作者は先日来、パソコンで原稿を書くことにチャレンジしていたのですが、見事クリアーしました。これから書くことがもっと身近になってくると思います。

パンジョ教室は合評もうまいし、書くときはしっかり書ける人たちなのですが、作品がなかなか出ないのがネックです。作品が出ないと合評ができないし、プリントを配ってあれこれ講義をしても机上の空論で、合評に上回ることはありません。とにかくおっくうがらずに、一枚でも二枚でも書いてきてほしいです。

「書けない」と行き詰っている人のために、生徒さんひとりひとりの創作方法(お話の種の見つ方、紡ぎ方)を聞きました。それぞれパターンが決まっているようですが、お話の種は意外なところにも転がっています。こだわらずにもっと自由に物語の種を見つけ、楽しみながら紡いでほしいです。
9月22日(産経学園)

短編2作と中編1作を合評しました。見学者4名にもわかるように、短編2作を、それぞれ作者に読み上げてもらったのち、合評しました。見学者からも意見がでました。中編はあらかじめ読んでこないと合評できないので、見学者には、そこでお引きとり願って、休憩後、中編を合評しました。

「ハッピーエンドにはしたくありません」と作者が断言する中編は、向日性が求められる児童書には不向きかと思われます(もともと大人の世界を描かれています)。が、非凡な設定がなかなかおもしろく、登場人物も魅力的なので、どんどん書き込んでいけば、だれにも思いつかないおもしろい作品なる可能性大です。さまざまな質問に対して即答できるということは、作者の頭の中では、この作品で描きたい構想はできているのではと思われます。さまざまな枠を捨て、書きたいものを自由にどんどん書いてみるのもいいと思います。
9月21日(広島教室)

2作を合評しました。1作は締め切り間近な依頼作品です。彼女は、(21日の福山教室で説明した)「らしさ」を「作風」にしてしまった書き手さんなのですが、書ける人だけに、描写したいことがたくさんあってつい書き込んでしまうのです。盛りだくさんで、光らせるべき部分がぼやけてしまっています。不思議感を際立たせるためには、どの部分をを削るかがポイントだと思います。

220枚の長編を合評しました。みんなの分をコピーして発送するだけでもたいへんだったと思います。それだけに、羽ばたける作品になるように願いをこめて合評に挑みました。@女子中学生の現実の日常と、A主人公の心の葛藤が作り上げた非日常的な世界 が交互に描かれていくというおもしろい試みでしたが、Aの部分に違和感がありました。@の部分だけをつないでも作品として充分おもしろいのですが、Aの部分も捨てがたく(これがあるので個性的な作品になっている)、どうすればAの部分がうまく使えるか、ある提案をしました。友人とその家族は魅力的に描かれていましたが、主人公の存在感が薄いのも弱点です。
9月21日(福山教室)

今日は説明会があったので、時間がいつもより短縮されてしまい申し訳けありませんでした。

そんな中で、発想が光っているメルヘンの短編と、合評しがいのある中編、何か出さねばと忙しい中、急きょ書き直してきた短編を合評しました。それぞれ、らしい作品でした。「らしい」が「作風」として評価されたらしめたものなのですが、勉強中の「らしい」は、イコールその人の「思い込み」にすぎない場合も、多々あります。それを打破するには、まず、合評を受けるまえに、怖がらないで作品のまわりにはりめぐらしたバリアを取っ払い、無防備になることです。守りの体制に入らないで。そして、真摯な気持ちで聴く耳を持つことです。いいわけは作品を書き直すための役には立ちません。「どう書き直していいかわからない」という作品こそ、合評にかけると見えてくるものがあります。合評の力は絶大です。自分では見えなかったことに気づかされるはずです。
9月9日(パンジョ教室)

3作品を合評しました。書き直し作品2作と、書き下ろし作品1作でした。

たいていの場合、書き下ろしたばかりの作品は完成度が低く、粗いものです。つじつまの合わないことや、何を伝えたいのかよくわからないこともあって、合評で突っ込まれることになります。が、反面、自由奔放でのびのびしています。作品によっては、はっとするようなひらめきがあって、感動することも。でも、作品としてはまだまだなので合評後書き直すことになるのですが、何度も書き直しているうちに手馴れてきて、小手先でそつなく無難に書きまとめてしまうことがよくあります。お行儀のよい優等生になった作品は、初稿で見られたきらめきがなくなって、つまらなくなってしまいます。それを、どうすればいいか、話し合いました。

また書き直しを重ねている作品は、書き直し前の残像がじゃまをして、削ったことも書いているような気になることがあります。こういう場合は、作品をしばらく寝かせておくといいでしょう。1作に振り回されないで、次々、書いていきましょう。書いていくうちに、今まで配ったプリントに書かれていた創作のノウハウを体で感じるようになります。そうなればしめたものです。
9月8日(産経学園)

「童話を書きはじめてから人生が楽しくなってきた」という生徒さんたちの言葉はうれしいです。そうなんです、書くことで今まで見過ごしていたなんでもない日常のすばらしさを再発見できます。それは自分自身の発見にもつながっていきます。(わたしってこんなことを考えていたんだ)、(そういえば子どものころ……)、(わたしが伝えたいことはこれなんだ)、(これだけは伝えておきたい)……。童話を書くことは、この世に生れてきて生きた、確かに存在したという証にもなるのです。

2作合評しました。どちらも、楽しんで書いているということが伝わってくる作品でした。

短編は、書き直しですが、情緒豊かな作品になっていました。情景が目に浮かんできますし、どきどき感も伝わってきました。

もう1作は、長編の一部で、おとな目線で書かれた作品ですが、これはこれでおもしろいので、体験したことをどんどん吐き出して紡いでいってほしいです。ただ、わたしとしてはその作品をどうすれば童話として書くことができるのかを伝えたいので、そのことについて話しました。ひとつの作品は、視点を変え、切り口を替えることで、自在変化するものです。お気に入りの一枚の布を、どう裁断して、何にするか……、それも書く楽しみのひとつです。
8月26日(パンジョ教室)

3作品を合評しました。それぞれ、がんばって書いていることはじゅうぶん伝わってきました。個々の作品については教室でじゅうぶん意見が出たので、割愛します。

合評は、作品をよくするためのものなのですが、時には作者を惑わすことになるとつくづく思いました。仕上げたばかりで提出された作品や未完の作品は、作者自身にも、まだ見えていない部分が多いのだと思います。それなので、合評時に、こうしたらいいのではとストーリーの展開について意見がでた場合、(そうかもしれない)とぐらついてしまいます。それが成功する場合もあるのですが、自分が書きたかった物語を見失うこともあります。

人の意見に耳を貸すことはとても大切ですが、それに振り回されないことも、もっと大切です。いつもいうように、人の意見は拒まずいったん手のひらに受け止めて、それから不必要なものは、指の間からすべり落としていくことです。

作者自身がこの物語を書いて何を伝えたいかテーマを頭にしっかりおいておかないと、ほんとうにこれが書きたかったことなのかと自問する結果になります。そんなときはあわてないで、しばらく置いておくといいと思います。書く上で試行錯誤することに無駄は決してありません。気持ちを切り替えて、次の作品にとりかかってください。

どんな物語でも、登場人物の設定は大切です。それがじゅうぶんで出来ていないと物語はぐらついてしまいますし、何よりも読者がついていけません。共感できる人物設定を。
8月25日(産経学園)

3作品合評しました。

作品@ 父親が見えてきません。そのため、物語が小手先で終わっています。いかに父親不在でも、父親像をしっかり設定して、ていねいに描くことで、主人公をはじめ、他の家族の父親に対する思いが伝わってくるいい作品になると思います。

作品A 日常のあるできごとを描いた短編なのですが、月の煌々とした夜が目に浮かんできました。主人公のどきどき感を描いてください。作者は、まごに自分の思いを伝えるために書いているという気持ちが強いので、どの物語にもおばあちゃんが登場して、主導権を握っています。思い切っておばあちゃんを削ってみてはどうでしょう。かのちゃん自身の体験として書くことに、チャレンジしてみてください。新しい発見があると思います。

作品B メルヘンは、作者自身がしっかりイメージしておかないと、読み手に伝わりません。思い込みの世界では、せっかくのすてきな発想も読み手の混乱を招くだけです。特に、メルヘンの世界に人間を引き込む場合、異次元への入口と出口がいります。そうなると、短編では描ききれなくなってきます。これはあらすじだと思って、物語を膨らませてください。
8月17日(広島教室)

2作とも不可思議感のある作品でした。不可思議な世界は、だれにでも書けるものではありませんが、更に、そこに作者の伝えたい思いが入ってくれば、ただの不可思議な物語で終わらないで、読後感が違ってくると思います。

昭和18年生まれのわたしには、戦時中の記憶はありません。だから体験としては書けないのですが、それでも戦争のことは、書き手として書かなければならないという気持ちに、折りにふれかき立てられます。特に今の時期は思いが深くなります。広島に生まれて住んでいる広島教室の生徒さんたちには、ぜひ、書いてほしいと思います。常に意識しておくと、いつかきっと書ける日が……。

戦争のことを、子ども目線で書くとはどういうことなのか……。わたしがよく読みきかせをする堺の空襲の絵本『ななしのごんべさん』(田島征彦・吉村敬子)童心社 を読みました。

福山の生徒さん用に作ったプリント「テーマ・モチーフ・主人公  物語の展開」なのですが、参考にはなるので、配ってミニ講座をしました。
8月17日(福山教室)

短編2作と中編(54枚)を合評しました。短編2作の作者(同人物)は、毎回、前回の書き直しプラス新しいひらめきを作品にまとめてきます。その姿勢は、「物語を書きやすい体質」に改善していくのに役立っていると思います。

幼児童話の場合、同じパターンを繰り返すことが効果につながることがありますが、「繰り返し」は、エピソードの「羅列」では、決してないという説明をしました。

中編については、まずは、途中で投げ出さずに最後まで書いたとうれしく読みました。おもしろく書こうという努力が見えてくる作品です。そのため、作者の思いつくまま、あまりにも自由奔放に展開しているので、読者が右往左往してしまいます。作者が投げかけたままにしている「広島」という深いテーマを、しっかり取材してを追求してください。今までだれも書いたことがない切り口で戦争の後遺症を書ける作品だと思います。

第一稿ができあがるとほっとするものですが、実際は、ここからが創作のスタートです。一稿を基盤にして、どんな作品にするか、思考錯誤しなければなりません。物語が展開していく方向はたくさんありますが、中編になると、作者のメッセージというか、テーマが必要となってきます。それに合わせて、「テーマ・モチーフ・主人公 物語の展開」について、プリントを配りました。
8月11日(産経学園)

昨日の合同合評を受けた2作の書き直しが出ました。うち1作を更に合評しました。ずいぶんよくなっていました。今年の4月に初めて書いた作品を思い浮かべるにつけ、書き方がわかってきたのだなとうれしいです。それでも、削ってもいい部分がまだまだありました。この作品にかかわらず、実際にあったできごとを物語にする場合、個人的な思いがじゃますることが多々あります。いかに大切な思い出であっても、それを童話にしようと思った時点で、「作文」ではなく、「創作」することになります。

「思い出」を「童話」に変身させるには、魔法を使わければならないのです。魔法のかけ方を、学んでいってください。

「命」にはかぎりがあることを、こういうふうに淡々と伝えることができるのだと発見する童話がでました。好きな作品です。小さな子どもたちの心にストンと落ちる作品になりますように。

もうひとり、人には書けない「ちょっと風変わりな作品」を書く生徒さんがいます。毎回、発想がおもしろくって魅力的なのですが、いつも思うのは、これは(あらすじ)ということです。膨らませば、子どもたちが共感するいい物語になるのが見えているのですが、本人の中には、「枠」のようなものがあって(たぶん)、それが枷になっているように思います。その枷を外し、登場人物が自由に跳ね回り、物語が羽ばたいていけるように物語をふくらませる楽しさを伝えるのがわたしの役目なのかな。

自分の思いを表現した作品が出ました。共感できるすてきなメッセージです。その思いをノンフィクションとして書いてください。そのためには、取材は欠かせません。情報収集も。

教室をいくつかしていて感じることは、人はみな、それぞれに違ったお話の種を抱えている作家のたまごなのだということです。心の中に秘めているさまざまな思いを、次々うまく物語に紡ぎだすことができる人が、いずれは作家として孵化していくのだろうと。では、どうすれば物語がうまく紡ぎ出せるのか……。まずは、思いを文字にすることです。文字にしないと始まりません。その後、合評を受け、改めてその作品を通じて自分が何を伝えたいか立ち止まって考えているうちに、ひとりよがりな思い込みからも解き放たれて、何が書きたいのか見えていくことでしょう。
8月10日(藤田先生の教室と合同合評会)

藤田富美恵先生の教室(空堀童話教室と朝日カルチャー童話教室)の生徒さんとわたしの教室(パンジョ童話教室と産経学園童話教室・協会の会員さん)の合同合評会をしました。同じメンバーで合評しているとマンネリになりがちなので、合同交流の場が持てるのは、ありがたいことです。

短編ばかり、合計7作品合評しました。1作の持ち時間が15分しかないので、ほんのひとことずつしか意見がいえず、あと一押しすると見えてくる作品もあったので残念でした。ノンフィクションとして現地取材して書いてほしい作品もあって、取材の方法などもお話したかったのですが、時間の関係でいいたいことだけいって終わったことが悔やまれます。

どの作品も作者の生活背景が垣間見えました。日常の事実を童話にする場合でも、いえ、場合だからこそ内輪受けで留まらないように創作が必要です。いろんな意見が出て、勉強になりました。

藤田先生がタイムキーパーもしてくださっていたので、なんとか予定の時間内に納まりました。

ご主人を介護しながら月に一回生き抜きにこられている70代の方や、視力の術後の方、親を介護されている方、子どもが巣立ち、空の巣症候群だという方、定年になった方、子育て真っ最中の方、仕事に忙しい方……。みんなそれぞれの人生を歩んでいらっしゃるのですが、書くことに出会えたことがそれぞれのエネルギーになって、がんばっていけるんだなと感じました。みなさまお疲れさまでした。またのお手合わせの日を楽しみにしています。


                   
                   空堀教室のすみれさんの作品
                       神戸新聞に連載中♪
                    こういうことがみんなの刺激に 

                     「みんなに見せてあげて」
                         「はずかしい」
                     なら、とカメラに収めました

 
明日、産経学園の教室なのですが、「あしたまでに書き直します」とふたり。頼もしいです。
7月29日(パンジョ童話教室)

3作合評しました。それぞれのひらめきが光っている作品なのですが、合評にかけると、厳しい意見もでます。的確なだけにショックも大きいかもしれません。わたしもそうだったのですが、書きなれてくると、作品がパターン化してしまい、その作品が大賞をとっても、審査員の方に「手馴れた作品です」とあまりうれしくない評価をもらってしまったことがありました。殻を破ることが次のステップかもしれません。ショックな意見ほど、自分を育てることは間違いありません。めげないでがんばって。

「8月の講座は1回しかないのは、いやだ」と駄々をこねた生徒さんの一言がきっかけで、前から合同合評会をという申し入れがあった空堀童話教室と、合同合評会をお願いすることになりました。その案内書を駄々をこねた張本人のうさこさんが作ってくれました。
                   
                    かわいくって、わかりやすい♪
7月28日(産経教室)

3作合評しました。みんな構えずに、自然に自分の中から物語のはじっこを引っ張り出すのがじょうずです。作品の中には、5枚で納まる物語と、長編にふくらませたほうがいい素材とがあります。物語をふくらませるということは、(この作品の場合)主人公の思いをこつこつと積み重ねていかなければならないなのですが、短編を書きなれていると、早く結末にたどり着きたいという思いがじゃまして、たしかに「めんどうくさい」ことではあります。そこを乗り越えてほしいです。乗り越えたときに、ステップをいくつも駆け上がることができると思います。
7月22日(パンジョ童話教室)

公募短編を2作合評しました。公募に応募するということは、公募先の条件に作品を迎合させなければなりません。テーマについては、既成概念にとらわれず、自由な発想を。

童話は、高齢者の文学だと聞いたことがあります。子育てを終え、いろいろな人生経験をして、さまざまなゆとりができたときに、自身の内に蓄積しているものを紐解いていく……。パンジョの教室の生徒さんのおひとりに、70歳を過ぎてから教室に来られた方がいますが、まさにそんな感じがします。仲間の作品を合評しているうちにご自身の思い出がぽろぽろ出てきて、そのエピソードの一つ一つがまさに童話の種なのです。つい1か月ほど前からパソコンを習い始め、今日は、作品をプリントアウトしてこられました♪ インターネットもつないだそうで、情報源も確保。おっくうがらずに何にでもチャレンジされています。自分に枷をかけない前向きな生き方は、若い仲間の刺激にもなっています。これからの活躍が楽しみです。
7月20日(広島教室)

3作合評しました。教室にはいろいろな作品が提出されます。その人らしい作品にふれるたびに、作品は「人となり」だとつくづく思います。童話の形で提出されると合評しやすいのですが、中には、子ども目線で書かれていない作品もあります。それでも、それぞれの体験が光っています。その人にしか書けない世界を子どもたちに伝えるにはどうすればいいか、それは、今後の課題にすればいいことです。どんな形であろうとも、体の中にある書きたいことをどんどんひっぱり出していくこと。それが大切かと思います。そのうち、いろいろ見えてくると思います。平行して児童書を読むことをお勧めします。
7月20日(福山教室)

2作合評しました。だれも思いつかないような窓ガラスの奇抜な発想が目からうろこでした。またふーちゃんが主人公の幼年童話も、うまく書き直されていました。あと一息だと思います。合評したあとの作品を書き直すことは、なかなかしんどいことです。でも、それで力がついていくのだとつくづく感じました。

少年が主人公の物語は、長編の中の一遍で、楽しく読みました。残念なのは少年を傍観者にしたまま物語が進行していることです。少年の視点で物事を捉え、少年自身に悩ませ、考えさせてほしいです。きっと発見がある物語になると思います。

作品が書けない時は、だれにでもあります。そんなとき、無理に書こうと自分を追い込んでしまわないで、待ちましょう。子どもたちに読んでもらう作品は、どんな辛いテーマでも、作者自身が楽しんで書くことが大切だと思います。心のゆとりを失った状態では、伝えたいことも伝わりません。遠回りや道草も大切です。
7月14日(産経教室 梅田)

公募に出すということは、公募の趣旨に迎合しなければなりません。新聞や雑誌に掲載されるものについては、季節感が大切です。秋に発表されるものにタンポポやスイカ、雪など他の季節をイメージするものは、いくら作品のレベルが高くても、最後まで残らないように思います。また、対象年齢に合わせることも大切です。毎日新聞の小さなおはなしの応募者に、後路好章さん(もとカリスマ編集者・作家)からの創作のアドバイスが新聞に発表されました。

大人は子どもに読ませる文章を、つい教訓的にしてしまいがちですが、大人目線で書かれたものを子どもは読みたがりません。童話を書くときは自分の心を解放し、自身の中にある子ども心を呼び起こしましょう。優秀な作家であればあるほど、子どもらしさを残していて、子どもの喜ぶことが分かるものです。子ども時代の輝きを知っている作家の、良い作品を数多く読んでみましょう。作品を書くときは、いつも「本当に子どもが喜んでくれるか」と自問し、独りよがりになっていないか、考えてみてください。書き上がったものは何度も推敲(すいこう)してください。

「かさ」という公募の入選作のタイトルは、「雨ふりのあまのじゃく」だそうです。タイトルも作品の一部だとつくづく感じました。タイトルと物語ので出しで、短編作品の半分決まり、とどめは終わり方。くふっと笑ってもらえたり、じーんとくると思われたらしめたもの。もう一回読んでみたいと思わせることができたら、最高です。そんな余韻のある終わり方が、短編を書くときの大きな課題でかな。

生徒さんのひとり輪っかさんに、「冷蔵庫哀話」というおもしろい創作落語があることを教えてもらいました。彼女の娘婿さんは落語家なのですが、「いつも日か、婿の落語の枕に使ってもらえるようなユーモアのあるショートストーリーを書きたい」そうで、ぜひぜひ、と思いました。

7月8日  パンジョ童話教室(堺)

人の心の中には、本人も忘れているいろいろなできごとが潜んでいます。ひょんなことがきっかけで記憶が蘇り、なんでもない素材が物語のモチーフとなってスポットライトをあびることがあるのです。どんなささやかなできごとでも、その人らしい価値観とつながって、物語になっていくのですから、おもしろいです。

短編3作を合評しました。1作目は幾何学模様のネット、2作目は意外なことわざ、3作目はなつかしい昔の遊び。モチーフを発見する楽しさがわかったかと思います。が、問題はここからです。物語になることはわかっても、それをどんな物語にするかです。切り口はいろいろあります。短編のこつは、おまけにひとつをうまく見つけることです。見つかったときの醍醐味。味わってほしいです。それは次の作品を書く意欲につながると思います。
6月24日  パンジョ童話教室(堺)

合評作品が1作も、提出されていませんでした。即読合評もいいのですが、その場のひらめきだけでしか意見交換ができません。前もって読んでおくことができると、もっと深い意見がでると思います。

かって、「児童文芸」に「とんぼのいろはがるた」を掲載してもらったことがあります。
「そ」 そんなこともあったよね は、すべてお話の種
「つ」 月を見て宇宙の話 足元をみて靴の話
「ね」 ねずみもみみずも、 道野辺の草さえ主人公
    (ほら何かいっているよ、昨日から脱ぎっぱなしの服さえも)
今日、合評した短編は、まさに日常の出来事を物語にしたものです。もっと楽しくするにはどうすればいいか、それを考えるのが創作です。
「ろ」 ろくでもない話を、ろくでもある話にふくらませる楽しさ
「ほ」 ほんとうにあったことでも一工夫
といったところでしょうか。

もう1作は、絵本原稿の難しさを、みんなで共感しました。原稿が前もって出ていれば、参考絵本を何作が持ってきて、もっとわかりやすく勉強できたのにと残念です。新しいことへのチャレンジは、最初からうまくいかないものです。めげずに、どんどんアタックしてみましょう。
6月23日  産経教室(梅田)

たとえ主人公が幼児になっていても、おとな目線で書かれた物語は、幼児童話とはいえません。幼児が読めて、あるいは読んでもらって理解でき、そして、共感できる内容でなければなりません。例えば……、提出作品の書き出しを添削して配りました。また、参考にと、北川チハルさんの幼年童話を貸し出しました。

森の物語、「いっそ主人公を替えてみたら」と、提案がありました。うん、それって、いいかも♪ 

失われていく歳時記はぜひ書き残してほしいものです。めりはりをつけて書く。ありきたりにならないこと。同じパターンで繰り返さないこと。物語としてうまく転がしていくこと。あれもころえも盛りだくさんにしないこと。意欲的にどんどん書いていく人なので注文も多くなります。
6月15日  広島教室

講座の始まる前に1時間、初心者コースをしています。今日は、「推敲のしかた」について。

3作合評しました。4枚作品は、「中途半端な長さなので……」ということでした。確かに、公募に出すにはなかなか難しい枚数ですが、このメルヘンは、ある場面を切りとった秀作です。これ以上長くてはだれてしまうし、短くては書ききれません。ちょうどいい枚数だと思います。習作として、こんな瞬間を、どんどん切り取って書き溜めておくといいのではと思います。

書き直し作品ですが、読んだとき、「やったね」と思いました。登場人物が生き生きと描かれていたのです。特におじいさんがめちゃ素敵です。それでも合評にかけると、出てくる、出てくる、いろいろな問題点。でも、ゴールは目の先です。推敲し終わったら、しばらく寝かせて、もう一度見直してくださいね。

公募に応募のためのショートストーリーは光っていました。パパのキャラクターも、おばあちゃんのキャラクターも、使ったモチーフも、いおうとしていることもとても斬新です。発見もありました。ただ、この枚数では、いろいろ詰め込みすぎかもしれません。ぜひ、書き直してください。
6月15日  福山教室

5枚童話に四苦八苦しているのは、文学さん。今まで、小説という分野で思う存分心の丈を描写していた彼女にとって、子どもの世界を、5枚で簡潔に書き上げることはチャレンジなのです。でも、さすがです。ちゃんと子ども目線になってきました。あとは、リアルタイムの子どもがどうなのか、リアリティを抑えなければなりません。彼女は、教室に来てからパソコンを習い、ブラインドタッチで打つことができます。

かわいい子犬の物語は、子犬と人間が普通に会話しているがこれでいいのかということが問題になりました。難しいところです。映像ならわけなくクリアーできるのですが……。子犬の目線と価値観で書けると一番いいのですが、書き手の目線で書くといいかもしれません。いろいと試してみるといいと思います。

もう1作は、小説でした。わたしの教室は、「詩」がでることもあります。「書く」ことは、どんな分野であれ共通しているので、みんなで意見を出し合うことにしています。ストーリーとしては、なかなかおもしろくおとなの童話といえないこともないのですが、終わり方が、シビアです。こんな終わり方もあるし、こんな終わり方も……とアイディアを出し合いました。
6月10日  パンジョ教室(堺)

あんぱんかあちゃんに、本日の話題作「まもってあげるね ぼくのかさ」を朗読してもらいました。40年前の体験を紡いだもので、子どもが生き生きと描かれていて、しかも、とっても、かわいいお話になっていました。そのあと、同じ公募の次回締め切り3枚童話を2作合評しました。

幼児向けの童話を書くポイントの一番は、なんといっても「幼児目線」になっているかどうかです。
@文章は短く
Aミズリカル(文も物語の展開も)
B話がこみいっていない
Cすぐに何かがおこる
Dプラス思考(楽しい・おいしい・おもしろい・びっくりした・やったあ・こんなのはじめてetc.)
Eカラフル

発想の訓練として、ひさしぶりに「20の発想」ごっこをしましたが、みんな20にたどり着くのが遅すぎ! 頭が固くなっていますよ。このゲームは、考えていてはだめ。正解も不正解もないのですから、インスピレーションでどんどん展開していきましょう。
6月9日   産経教室(梅田)

さすが梅田にある教室です。生徒さんは、長岡京市・茨木市・西宮市・吹田市・宝塚市・寝屋川市と、各方面から来てくれています。毎回、競い合って作品が出るので、合評しても合評してもどんどんたまっていく状態です。うれしい悲鳴なのですが、どこか、チャップリンの映画(モダンタイムス)を連想させます。

今日は5作品合評しました。どの作品も、発想がその人ならではのおもしろさがあるので、合評することでありきたりにならないように気をつけなければと思っています。とはいえ、まだまだです。
@登場人物を整理しましょう
Aキャラクターをしっかり設定しましょう。その人の役どころは何でしょうか?
Bどうすれば、物語に躍動感が生まれますか? 
Cおとな目線になっていませんか? 子どもが楽しく読めますか?
D関係ない部分は、すっぱり削りましょう
E体験に縛られないで、そこから飛び出してください
次回の合評作品は5作品。それでもまだストックがあります。
5月27日   パンジョ教室(堺)

@本日提出の4枚作品を2作を即読。時間の都合で、わたしのみが口実推敲しました。どちらの作品もアイディアは光っていますが、今のままでは、思いつきを書き並べたという段階にすぎません。物語として組み立ててる前に、大切なエピソー活かすようにキャラクターをしっかり設定して、余分なものを削ぎ落としてください。短編は、いつもいうように幹と枝のみに。シンプル イズ ベターです。

A8枚と9枚の短編が2作出ていました。これは、物語の続きを書いてくださいと1枚目のみを提示して出来上がった物語の再提出です。提示した最初の1枚は、いわば物語を立ち上げるためのきっかけにすぎません。物語が動き出したら、1枚目に縛られないで、自由に羽ばたいてください。2作とも、読者を楽しませるための工夫が不足しています。そのためには……、繰り返しいつもいっているので、よくわかっていることと思います。頭にインプットしてください。

@もAも、なかなか作品が出ない人へのお助けメニューでしたが、結局は、常連さんのみが書いてきたというか、筆が重い人は、どんな誘いにも乗ってくれないということが、よくわかりました。書くことに対して慎重すぎるのでしょうか……。まずは書いてみることが大切ですが、次の教室までの2週間、何もしないのではなく、書かない日は読書、または書写(好きな作家の本を写す)をして、活字に親しんでください。おっくうがらずに、まずは、できることをしましょう……と7年も来てくれている人たちにいうのも失礼ですが、楽しく書けるようになってほしいです。
5月26日   産経教室(梅田)

前回、こんな公募がありますよと紹介しておいたら、今日は、一斉に作品が出ました。ひとりで6作書いてきた人がいて、驚きました。締め切りが今月末ということなので、速読して合評しました。テーマが決まっているのですが、それぞれ作品の傾向が違っているというか、その人らしいところがおもしろいです。

順番待ちの作品は次回まわしにして、今日の提出作品を先に合評しました。速読・かけあしでしたが、全員の作品をクリアーしました。6作提出の生徒さんについては、2作のみ合評しました。彼女は6作とも応募するというのですが、それは選者泣かせかな。応募するというのは、格式高いよそさまのお宅に訪問するようなものです。顔を洗い、髪をととのえ、よそいきに着替えて、靴下に穴が開いてないか、隅々まで配慮し、身だしなみを整えて、心を引き締め出かけるのが礼儀だと思います。数より質でチャレンジしてほしいです。

欠席のためやむを得ず添削した生徒さんの作品は、平等を欠かないように、本人に了解の上、教材として使いました。その彼女からメールが届きました。

今日は家の補修の件で、ハウスメーカーのおっさんを相手に、苦情をまくし立てておりました。それで気付いたのですが、私はいじわるババの話はなんぼでも書けるのであります。しかし肝心の子ども目線が決定的に無い! これからは近所の子供のまわりをウロウロして、よく観察しようと思います。あやしいお婆、あらわる! 添削していただいた作品は、今、書き上げました。そのまんまだと先生との合作になってしまうので、私なりに、あーでもない、こーでもない、と考えました。それでもつまり、おんぶにだっこで、私はたすかりました。他の生徒さんに(他の教室含む)何だか悪いなあ・・・、なあんて全然思ってませんチョー、ラッキー!!

おもしろいでしょ、彼女。「合作にならないように、あーでもない、こーでもないと考える」姿勢は、ステップアップの起爆剤になると思います。
5月18日   広島教室

この教室は童話を書き始めて間なしの人が半数もいるので、教室が始まる前の1時間をロビーで、初心者向けの講座にあてています。今日は、「擬音語の使い方」と、「小さな読者を引きずりこむために」のプリントを配って話しました。その後、教室に移り、合評しました。

1作は、おじいさんと少年の物語なのですが、物語がおじいさん目線になってしまっています。少年の目線で、「驚き」を描けばおもしろい作品になると思います。それには、おじいさんと少年のキャラクターをしっかり設定することが大切です。

もう1作は、今まで童話を書いたことがない定年後の男性が、いっしょうけんめい童話を書こうとしている努力の跡がみられる、ある意味ほほえましい作品でした。が、主人公が人間ではないのに、人間目線というか人間の価値観(つまり作者の)で描かれているので、違和感があります。かなり長い作品ですが、推敲して不要な部分をどんどん削っていくと、すっきりわかりやすい物語になるでしょう。
5月18日   福山教室

前もって提出されていた作品2作と、当日提出の作品1作を合評しました。うち2作が人生の終焉に起こりうるであろうエピソードを描いたものでした。今日から参加の新しい生徒さんは、道に迷って遅れてこられたのですが、もしかして、いっしゅん、教室も間違ったと思われたのではないでしょうか?

高齢者の心理を描いた高齢者のための物語を、わたしは「老話」と呼ぶことにしています。字が大きい、使っている言葉がわかりやすい、文体がやさしいというだけで、子どものために書かれた童話を高齢者に回すというのは、少し違うかなと思っています。年をとってこそ見えてくるおもしろさや、子どものころの思い出などを読みやすく紡いだ物語は、高齢者にとって共感することも多く、生きるはげみになるにちがいありません。

もう1作は、間違いなく子どものための童話でした。ふたつの物語を工夫してひとつにつなげたものですが、もともと違う質のものどうしなので、違和感があります。これは、切り離しましょう。メッセージ感のあるいい物語になると思います。

今月で丸1年経ちました。鞆の浦での1泊の合同合評会や広島でのお祝い会などしたこともあって、昔からの知り合いという感じすらします。まったく、童話の書き方もよくわからなかった1年前を思うと、よくここまで……♪ HALさんも今治から、よくここまで……♪
5月13日   パンジョ教室(堺)

2作を合評しました。

1作は、作者が書き残しておきたい、子どものころの本当にあった思い出物語です。物語は途中までなので、どのように展開していくかはわかりませんが、現代の子どもたちに遡った時代を伝えるには、当時の風物や、時代背景を描かなければなりません。子どもたちの遊び・服装・食べ物・価値観・日常生活の様子、電化製品、ラジオ(テレビ)から流れてくるドラマや歌、流行しているもの、行事、物売りの声、新聞の記事……。それらをうまく小道具に使いながら物語を書き進めていくと、その時代をしらない子どもたちにも映像として浮かんでくると思います。その時代について、みんなで、こんなこともあった、あんなこともと意見を出し合いました。

もう1作は、少年少女の友情物語(書き直し)です。物語そのものは感動的で、うまく構成されています。少女の視点で描かれているので、少女のキャラクターはしっかりイメージできました。が、少年のキャラクターが前半と後半では違うという指摘もありました。少年の設定がまだあいまいなので、物語にぐらつきがみられます。この少年は物語の要です。きちんとイメージできるように、少年について話し合いました。また、全体に書きすぎの傾向があります。特に、物語の始まりをテンポよくするために、省ける文章や語句を抜き出しました。ずいぶんすっきりしました。

パンジョ教室は、合評する人も合評を受ける人もベテランなので、鋭い意見も出ますがそれを受け止める懐もできているので、安心して合評できます。繰り返し、書き直し作品が提出されるのも特徴ですが、合評を受けた作品をそのままにしないで書き直すことは、大切なことだと思います、
5月12日   産経教室(梅田)

短編5作品合評しました。どの作品も発想がとても豊かで、それぞれ、その人でなければ書けない作品ばかりでした。合評をしているとすんなり鵜呑みしてしまいそうな人もいますし、こだわりがあって譲れない人もいます。合評の受け方は初回に説明したのですが、どんな意見も、自分の作品がよくなるためのものだと思って、いったんは両手ですべてを受け入れてください。

その後、自分の考えと合わないと思う意見は、指の間からすべり落とせばいいのです。簡単に迎合して自分らしさを失ったり、反対に、頑なになって、頭から人の意見を拒んだりしないようにしましょう。

合評というものは、かちんと頭にくることほど真意をついているもので、あとでじんわり効いてくるのだということが、そのうちわかってくると思います。

すでにそれぞれの作風があって、それがとてもおもしろかったです。わたしはその雰囲気を壊さないように、でも、だれが読んでもよくわかる物語になるように(これが問題で、自分だけがわかる世界に入ってしまっている傾向があります)、ほどいたり、紡いだりしていくお手伝いをしていこうと思っています。まずは、ほどかせてください。編みなおしを恐れないで。

協会から応募しやすい公募の情報が入りました。みんなでチャレンジしようと思っています。
4月28日   産経教室(梅田)

4作品合評しました。次回用に、なんと6作品も出ています。「家に帰ってから、一枚童話を3作書きました♪」というメールも届いています。みんな書く気満々です。しかも、どの作品も、着眼点がおもしろいんです。

物語を紡ぐ面白さは、ひとつの物語がたくさんの可能性を含んでいることを発見することかもしれません。紡ぎ方ひとつで、いくつもの物語が生まれてきます。どの物語にするかは、書き手が何を伝えたいのかによります。そのためには、キャラクターをしっかり立ち上げ、作品をどう展開させていくかです。それぞれの作品について合評の後、こんな可能性がありますよと話しているうちにあっという間に時間が経ってしまいました。

書きたいことは読み手にしっかりと伝わるように書かなければなりません。それには、主人公の葛藤の様子をしっかり描くことです。慮ってオブラートに包んでしまっては伝わりません。それがどういうことなのか、どんな状態なのか、いちど、すべてを書いてさらけ出すことが大切です。どんなことでも、傷つけようという悪意がなければ問題ないと思います。

前回の提出作品を、今日合評するにあたって書き直してきた人もいて、そのうちの1作は、時間がオーバーしていたこともあったのですが、書き直したものを読んでみたかったので、次回に回しました。

タイトルが、もうひとつという意見が出ました。タイトルは作品の顔です。しっかり書き直せて、作品が見えてきたら、きっといいタイトルがつくと思います。
4月22日  パンジョ童話教室

提出されていた2作品は、宿題の、「一枚目の続きを書く」でしたが、2枚目以降の発想は個々の自由で、もし、100人でチャレンジしても、同じ作品は、きっとないのだろうと思いました。

1作は、幼年童話になっていました。お話を創ろうとがんばった痕跡が見え見えなのが、愛おしいというか、なんともほほえましいです。まるで、幼児が鏡に向かって塗りたくった化粧のようでばればれ。「あれ、まあ、この子ったら♪」です。本人もじゅうぶんわかっていて、大笑いでした。結末は、とてもいいのですが、無理に最後までつなげるのではなく、どうすれば自然につながっていくのか、合評していくうちにわかってくれたのではないかと思います。変身した作品を楽しみにしています。

1作は、なんとテレポート作品です♪テレポート先を設定しなおすと、もっともっとおもしろくなります。登場人物多すぎです。しかも印象が薄いです。5枚童話にして、テレポート先に極めつけのキャラクターを登場させて、テンポよく、タン、タン、タタン♪といきましょう。
    理屈じゃないのよ、メルヘンは、うふふ〜♪ 
「頭、こんがらがってしまいました」とご本人は悩んでいましたが(日記を見ると、しっかり把握していました)、お行儀よくこじんまりもいいけれど、メルヘンの醍醐味は発想の自由。どこまで読者を楽しませることができるか、どんどん発想の泉のポンプをくみ出してください。

それにしても、今日の合評は、楽しかったですねえ。
4月20日  福山・広島教室合同合評会

2時30分〜5時まで  広島興銀教室ロビーで福山教室合評会をしました。福山のメンバープラス、広島教室のヤタガラス姫とまぶたさん、それに天の川氏も加わってくれました。今日からひとり新しい生徒さん(男性)が入会。その方もこの時間帯から参加してくれました。

5枚作品を2作を合評したのですが、大いに盛り上がりました。鋭い何人もの書き手の目が、時には鋭く、時にはやさしく切り込んでいきます。どちらの作品も短編としていい素材を見つけているので、ぜひ書き直してください。

長編を書いてきた人にとっては、たった5枚で書ける事は限られています。が、光る素材がひとつあれば、5枚もあるのですから、子どもの世界をたっぷり描くことができます。あれもこれも書きたいという思いをこらえ、思い込みや不要なものを削り落として、幹と枝にすることです。魅力的なキャラクターを設定しましょう。説明はタブーです。早く事件を起こして、テンポよく、読者を物語の中に引きずり込んでください。1枚目に渾身をこめてください。タイトルも作品のうちです。

5時〜6時まで、童話を書き始めて間なしの生徒さんも加わって、初心者向け講座のつもりでしたが、42枚作品を合評することになりました。音として登場する不可思議なキャラクターの実態は、心理的なものなのか、実在するものなのか、伝説なのか……。そのところがあいまいにしか伝わってこないのは、作者もまだつかみきれていないのかもしれません。その正体不明の音をキャラクターとしてしっかり設定すれば、物語はもっと大きく、おもしろく膨らんで、子どもたちの好奇心を引っ張り出すと思います。専門的知識が難しいという意見も出ましたが、もう少し詳しく書けば、物語とともに「スッポ」と心に落ちるでしょう。

6時〜7時半は、広島教室合評会でした。50枚作品作品を合評しました。興味深い作品で、いろいろ意見が飛び交いました。異次元に住む二組の祖母とまごの生活ぶりをもっと知りたいと思いました。100枚、200枚にもなる作品でした。

7時30分〜  お祝い会

ヤタガラス姫こと巣山ひろみさんのお祝い会でしたが、今日、特別参加してくれた天の川氏こと久保さんも三作品がそれぞれ入賞したそうで、いっしょにカンパイしました。グリム賞を受賞した高知の原さんがお休みなのは残念でした。ここで、おめでとうをいわせてください。HALさんもたくさん入賞しているのですが、こんどは、童話(児童文学)で賞をとってください。お祝い会のために奔走してくれたまぶたさん、ありがとう♪ おかげでいいお祝い会になって、とても楽しかったです。

福山から新幹線で、愛媛からバスで
かけつけてくれた仲間の気持ちがうれしいです


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4月15日   産経教室

わくわくどきどきの開講です。初回から、作品がたくさん出たのが、うれしい驚きです。

基本的には、公募に向けて書いて、合評することを改めて話しました。公募は、締切日・枚数・テーマなどが明確なので、それに向けて書いていくうちに、力がついていきます。入選すると本人はもちろん、一緒に勉強している仲間の励みにもなりますし、道も開けてきます。ただ、公募にもいろいろあるので、惑わされないように注意をしました。

記念すべき1作目の合評作品は、元エンジニアならではのひらめきと、特徴のある人物の登場が、物語を面白くさせていました。だんだんエスカレートしていくわくわく感もありました。ただ、どんなひらめきにも、ほんとうにできるのかどうかの裏づけは必要です。それが実証できれば、この作品は羽ばたける作品になると思います。原稿用紙の使い方も、ほぼオーケーでした。

意見も活発に出ました。そうなんですよね、主人公の背景の設定を変えることで、物語の内容は、さまざまに変化してきます。こだわらないで、「もし、こうだったら……」と、いろいろ試してみることもおすすめです。ただ、5枚童話ではあれもこれも書けません。スポットライトを当てるのは、ひとつだけ(登場人物にしても、エピソードにしても)、ひらめきがポイントです。

合評は一作だけにしてアイディアの沸きやすい頭脳回路ができるお遊びをしました。
4月8日    パンジョ教室

ひとりの書き手さんが、中学生と高学年向きの作品を2作、提出していました。中学生向けの作品を一読して、「おっ♪」と思いました。文章に気負いがなく、さらりと書かれているのですが、すごくいいんです。伝わってくるものがあるというか、どんどん読みたくなるのです。書き手にとって大切なことは、自分のスタイルというか、作風を見つけることです。彼女はこの路線で書いていけばいいと思いました。原稿表示のアドバイスをしました。

なかなか作品が出ない人のために、一枚目の続きを書く宿題を出してあったのですが、何作か提出された作品のうち1作を合評しました。生活童話をメルヘンにつなげてあったのですが、ユーモアもあり、なかなかおもしろく、終わり方などにもう一工夫はいるものの、違和感がありませんでした。おまごさんにも、お話の続きを書いてもらったとかで、子どもらしいお話になったそうです。一枚目を自作のオリジナルに換えて、作品の出来上がりです。

昨日、桜を見に行って、そして3時間で書いたという短編は、大人の童話というか、人生の末期をやさしく描いた高齢者向けの老話です。人生の最後をどう生きるかに取り組んでいる作者の思い入れが強い作品です。同じモチーフを使っていくつかの物語を書いてみるといいかなと思います。老話は、高齢者の背中をやさしく押すことができる大切な分野です。

「紙芝居の書き方を子どもに教えたい」という方が見学にこられました。本人が書きたいというのなら、教室にこられたら徐々にわかってくると思いますが、「どうしたら、子どもたちが物語を発想できるのですか」といわれると、講座はその方のためだけにあるのではないので、見学していただいた後、お断りしました。まず、ご自分が書けないことには、子どもたちにも教えられないのではないでしょうか……。現存の本を紙芝居にすることもひとつの練習方法ですが、著作権があるので、それを演じることはできません。

次回合評作品が3作出ました。
3月25日   パンジョ教室

合評した作品は2作品とも書き直し作品でした。ふたりとも、最近、競い合うようにどんどん作品を書いているので、目に見えて、上達してきています。

1作は、12枚作品です。テーマもしっかり盛り込まれています。ていねいに順を追って書かれてはいるのですが、不要な描写も多いため、物語にリズム感がありません。ありきたりの会話も削ってください。せっかくのキャラクターが際立ちません。物語にメリハリをもたせると、もっと軽妙な物語になります。あと2枚落として10枚にしましょう。

もう1作は、書き直しというより、全く違った作品といってもいいでしょう。作品はまだ途中でしたが、物語としては、今度の方がおもしろいです。が、あれもこれもと満艦飾なので、落ち着いて読めません。いったい何を伝いたいのか、焦点を絞ってください。専門知識がリアリティのある裏づけになって、おもしろいメルヘンになるでしょう。

どちらも作品も羽ばたける要素はじゅうぶんあります。がんばって書き直してください。

教室では、公募に応募することを勧めています。締め切り・枚数・テーマなどのニーズに合わせて書くことは力がつくからです。が、公募先は、よくよく考えてください。応募要項に、「すべての応募作品の著作権は、主催者側に帰属します」というのもありますし、自費出版をすすめる応募先もあります。またいちど掲載されると、もう応募はできません。どこでもいいから出せばいいというのではなく、大切な作品の送り先です、じゅうぶんに考えてふさわしいところに出してください。送った作品が使い捨てにされないように、入選を足がかりに飛躍できるところを選んでください。
3月16日   広島教室

初めて童話を書いたという同じ作者の作品を2作合評しました。物語のとして形にはまだなっていないのですが、それだけに手垢がついていないというか、個性を感じる作品でした。「こうすれば、子どもたちが共感する物語になるよ」と、物語の転がし方を話しながらも、半年ぐらいはあれこれ口を出さないで、彼女が自分で芽をだし自分の個性を自覚するまで見守って行ったほうがいいのかなという思いもしました。

もう1作は、書き直しということでしたが、わたしには、同じ素材でもう一作書いたと思えたほど、ごろっと変わっていました。ここまで書き変えることができるのはすごいです。ただ、素材がゆげだけに、もやもやとしたところがあるので、いちど絵本原稿にしてみてはどうかと思い、提案しました。絵になるように場面を書くことは、主人公をしっかり立ち上げ、物語の展開にメリハリをつけなくてはならないので、勉強になると思います。

それにしても、今日、特記するべきことは、ヤタガラス姫のゆきのまち幻想文学賞「長編の部」大賞受賞の通知をいっしょに聞いたことでした。ヤタガラスさんといい、まぶたさんといい、力のある書き手さんがいっしょなので、この教室で合評を受ける人たちは幸せです。
3月16日    福山教室

「5枚童話にチャレンジしています」という作品を合評しました。彼女はベテランの書き手さんなのですが、5枚で物語を納めるのは、「難しいです」ということでした。一般的に、初めて童話を書く場合、5枚からスタートし、それが10枚になり、20枚になり、やがて長編も書けるようになっていくのですが、長編だけを書いていた人にとっての5枚、これは難しいと思います。また、短編から長編に移っていった人が、かっては書けていた5枚が書けなくなって落ち込むことがあります。わたしもそうでした。それをクリアーして1人前だと、師からいわれたことがあります。彼女の場合、スタートが長編から始まっている(5枚を書いた経験がない)ので、なおさら大変だと思います。

5枚童話を書く一番のきめては、素材選びです。長編を書いていた作者は彼女に限らず、心情描写・情景描写などを深く書いてこその素材をとりあげてしまいます。なんとか5枚に納めても、読み手が知りたいところが書かれていないので、消化不良のままになりがちです。5枚童話は、きらっと光る気の利いたエピソードがひとつあれば、それでいいのです。それを会得するには、次々書くしかないでしょう。

もう1作は、作者が「珍しいはちみつを食べた」体験からうまれた物語です。なかなかの力作でしたが、作者が伝えたいメッセージがあれもこれもと多すぎて、山盛り状態で、原稿用紙からあふれていました。読み手が、どの主人公に沿って読めばいいのかまずは幹と枝だけにして整理しましょう。きっと、いい作品になると思います。

当日提出で速読した作品は、ウィットの効いたおもしろい短編でした。すでに応募、落選した作品だそうですが、主人公のキャラクター(うなぎいぬ)がわからない人には、そこで詰まってしまったようです。企業公募の場合、どこまで迎合するか、なかなか難しいところだと、本人もよく自覚していました。
3月11日   パンジョ教室

3作合評したのですが、今日は、愛知県から童話作家の後藤みわこさんが見学に来られました。公募出身の作家さんであることや、審査員もされている立場から、貴重なアドバイスをたくさん聞くことができました。

後藤みわこさん緑字は、みわこさんの意見を受けて、とんぼの感想

合評作品について、みわこさんは、「この素材で、いくつものバージョンが書けますよ」とおっしゃいました。切り口や視点を変えればいくつも物語ができるということです。200枚書いてだめなら、また一から書き直すことができる創作の秘訣は、このあたりにありそうです

みわこさんの素材についてのコメントを受けて。そうなんです。せっかくのおもしろい素材がぼやけてしまっています。「時計屋敷」「お大師さまのお米」「たかさんの人形」、それぞれにスポットをあて、物語をふくらませてほしいです。

公募を始めて間なしで佳作続きのとき、「いちばん(大賞)をとります」と新聞で宣言。「プロになります」ということも30代で夢を語ると題して新聞で公にしたそうです。みわこさんは、有言実行の人です。「趣味でいいです」と控えめに思っていては、そこ止まりだということでしょう。それもでも書くことの楽しさに変わりはないのですが、プロになりたいと願っている人は、どこかで、自己顕示をした方がいいかもしれません。自信を持って堂々と。そのためには、まず書かなくてはお話になりません。

審査員もしているみわこさんのアドバイスのひとつに、読みやすく配慮してある原稿には、作者の人柄や書く姿勢が伝わってくるというのがありました。パソコンで打って送ればいいというのではなく、大切な自分の分身を送り出すのですから、最後に、審査員が読みやすいポイント、字数でプリントアウトすることも、心得かもしれません。

同じ公募に、毎年応募してくる人がいるそうですが、代わり映えのしない作風では、なかなかハードルを越えることはできないようです。締め切りに間に合わせてとりあえず出せばいいのではなく、受かる原稿を送らなければ何の意味もありません。1回落ちた公募には、斬新な切り口で攻めるべきかも。
後藤みわこさんのふろしきバッグ

中からいろいろなお話の種が
出てきそうです♪

ニッサンの授賞式での先生方の講評が、関係者の森井弘子先生から届いていますので、記載します。ご参考までに。

★あまんきみこさん
受賞作のどきどきわくわくは小さな子どもの読み手にも届くと思う。一作一作立ち止まって推敲しながら、発見してしてほしい。書き続けないと裾は広がらない。

松岡享子さん
賞のいかんにかかわらず、書くということはみなさんにとっていい時間。長い間暖めていたものを作品にするということは、普通は流してしまうことをそうはしなかった。文字にするということは、生きる時間、密度の高いいい時間を過ごした証だと思います。

★向川幹雄さん
童話は子どもを意識しすぎている。絵本は、子どもを忘れ、自分のために描いている。童話は、おとなにもマインドをおいて、子どもからお年寄りまで読める芸術性の高いものを。

吉橋通夫さん
詩は自我を刻むといわれています。では小説は? 真実を刻むと思います。では、児童文学は、未来を刻むのではないでしょうか。どうぞ、未来を刻んでください。
2月25日  パンジョ教室

3作合評しました。

作品A―何度目かの書き直し作品です。物語が見えてきて、少女の思いが伝わってきます。が、まだまだです。ここを、こうすれば、更にもっと深い感動的な物語になると思うポイントがいくつかありました。が、そうすれば、生活童話の色が濃くなってしまいます。作者は安房直子さんにあこがれていて、メルヘンとして書きたいということでした。作者のこだわりも作品を書く上で大切です。その方向に書き直すとしたら、視点を変えた方がいいかもしれません。好きな安房さんの作品を書写して、キャラクター呼吸、物語を引っぱっていく力、自然の描写、間のとり方を感じることもお勧めです。

作品B―2回目の書き直し作品です。とても楽しい作品で、メルヘンとしてもしっかり成り立っています。ただ、大切なラストに無理がありました。合評に出せば、なんとかなるという思いがあるようですが、彼女のレベルになってくれば、その部分を自分でひねり出す努力をしなければなりません。ああでもない、こうでもないと考えているうちにアイディアの湧きやすい回線ができるのです。幼年童話だとしたら、文体をもっとリズミカルに、漢字も開いて、分かち書きにするなど、読みやすいように工夫しなければなりません。

作品C―長編にチャレンジするのですね。兄弟の葛藤と成長、それをいきいきと書くためにはキャラクターの設定をしっかりしましょう。兄弟だけにスポットをあてるのではなく、家族、クラスメイト、チームメイトなどの人間模様も描いてほしいです。名わき役を描くことで、ふたりが浮き上がってきます。どんな物語になるのか楽しみです。季節感も忘れないでね。
2月16日  広島教室

うれしいニュースと残念なニュースがあります。うれしいニュースは、高知から来てくれている生徒さんがグリム童話賞の優秀賞を受賞したことです。表彰式に行ってきたことや、先月からこの教室に来はじめたことで、いきいき輝いていました。思い出します公募おばさんをしていたころを♪ 入賞して認めてもらうということは、何よりもパワーの源です。残念なニュースは、引越しのため退会する生徒さんがいることです。彼女はニッサンに3回も入賞している実力者なので、惑わない鋭い合評が教室に刺激を与えてくれていました。来月から来なくなると思うとさみしいですが、どこにいても、書く仲間として、お互いに差さえあっていけたらいいなと思います。

合評作品A―とてもかわいい5枚作品でしたが、すばやくストーリーを展開させないとなりたたない物語です。それを踏まえたうえで、まずは、「つかみどころのない物」をキャラクターとしてしっかり立ち上げなければならなりません。また、そのキャラクターの価値観を変えることで、作品が際立ってくるのではと思いました。作者の書いていた結末に結び付けるには、ユーモアのセンスも必要かもしれません。

作品B―園児のちっちゃな葛藤から物語がはじまり、徐々に時代をさかのぼり、壮大な物語に発展させた作者の発想と筆力にぞくぞくしました。読ませてしまうのですが、「ここが気になる」というふたりの生徒さんのそれぞれの指摘から、更に物語が深くなることでしょう。合評にかけることで生まれてくる新しい発想。それは泉のごとく尽きることがないといつも実感するのですが、今日も、合評のすばらしさとすごさを感じました。

作品C―珍しい職業をとりあげていていたので、「もっと知りたい」と思うことがいっぱいありました。疑問点もいくつかあり、実際にこの仕事をしている人も納得できるように、更にもっと調べなければならないかもしれません。この職業を通じて主人公の価値観、生活ぶりも知りたいところです。初心を忘れないで、いつも胸に入れている小袋の中身。それが光っていました。

新しい生徒さんが3人増えました。そのみなさんへ。作品の合評は、「深く」「鋭く」「暖かく」するものだと吉橋通夫先生から教わっています。それを頭に、少なくとも2回は読んでくるようにしてくださいね。

ここでもチョコレートが♪

2月16日  福山教室

合評作品A―この教室に来て初めての書き下ろしです。ちゃんと子どもの目線で書かれていました。今まで子どもが出てくる大人の文学を書いていた作者が、「童話がどういうものかわかってきました。すっごく楽しいです」という一言が、わたしには書き下ろされた5枚の作品の提出とともにうれしかったです。

作品B―奇抜な発想が決め手の作品です。分割提出なので、今回の部分について、「ここがわからない」、「こうしたほうがいいと思う」などといってこじんまりまとめるよりも、もっとふっとんでもいいから好きなように思いっきり書いて、一括提出してほしいと思いました。合評にかけるのは、それからの方がいいでしょう。手ぐすねひいて待っています。

作品C―応募に出したという作品を朗読してもらったのですが、書き出しに工夫がほしかったかなと思いましたが、全体的に情緒豊かな、そしてテーマ性のあるとてもいい作品になっていました。もう1作、別の公募にだしたという作品も、立派に羽ばたいていける作品になっていました。すごいですねえ♪ 繰りかえし合評にかけ、書き直すことの大切さを感じました。


チョコレートをもらい損ねたというHALさんへのプレゼントが
わたしにもまわってきました。「連れチョコ」?
フキノトウの佃煮もいただきました♪

2月11日  パンジョ教室

合評作品A―引越しのトラックを見てこの物語をイメージしたとのことですが、作者は、「お話の種」の見つけ方を会得したように思います。童話は、発見から始まります。今まで見過ごしていた出来事が目に留まり、それが「お話の種」になるわけで、その「種」を自分の中の情報とリンクさせ、物語を立ち上げていくのです。それができると創作がうんと楽しくなります。合評作品についていえば、発想はなかなか素晴らしいのですが、書き足らない部分がちょこちょこあるので、物語が見えてきにくいのです。感動を更に呼び起こすためには、しっかり布石しておいて、物語に落差をつけることがポイントです。リアリティの問題は、教室で話した通り、切り口を変えればどうにでもなります。

合評作品B―
シリーズ4作目。「ネタ切れでなのでは?」という単刀直入な意見がでました。本人もその通りだといっていましたが、同じテーマで4作書けたことは努力の成果で、素晴らしいと思います。この作品の問題点(4作を通じて)をプリントにしてみました。プリントによる勉強は机上の空論になりがちなのですが、少なくとも本人には、ストンとわかってもらえたのではないでしょうか。 
1月28日  パンジョ教室

合評作品A―短編を1冊の本にするには、同じ主人公、あるいは同じテーマで連作すればいいのです。今日、合評した作品は、子ども探偵団の事件簿で、3作目の作品でした。サブタイトルが光っていました。なかなかこういうタイトルはつけられないものです。この作品の問題点は、
@作者の段取り通りというか、やらせっぽいところ
A子どもが傍観者。事件を解決していない
Bわくわく、どきどき感がない
C物語がこじんまりしている
ことです。工夫ひとつで、もっと、もっとおもしろくなります。読者もいっしょに解決している気分にさせて、楽しませてください。キャラクターの立て方、物語の展開のさせ方、切り口について話しました。4作目も出ました。読むのが楽しみです。何本も続けて書くことで、探偵物の書き方をクリアーできると思います。

合評作品B―姉妹の葛藤ならびに、それぞれの友だちとの関係が、うまく書けていました。わたしはそう思ったのですが、「姉の気持ちはよく描かれているけれど、妹が見えてこない」という意見も出ました。文章にほつれがなく、すっと読ませてしまうのですが、この読ませてしまうというところが盲点かもしれません。立ち止まって深く書くべき大切な部分を書き流してしまっているのでしょう。例えばここ。そしてここも……。そんな場面がいくつも見えてきました。あらすじに近いのかもしれません。家族とのシーンも描きつつ物語をふくらませていくと、いい中編になると思います。中編の応募先はいろいろあります。それにしても、合評の力はすごいです。
1月19日  福山教室

福山教室は3人なのですが、今日は5作品出ていました。再提出の作品もあり、一気に5作合評しました。今年第1回目ということで、おいしいおまんじゅうや巻き寿司、干し柿などを用意してくれていたのですが、いただく時間も惜しんでの合評でした。

おもしろい物語になる可能性のある作品をふくらませていくのは、とても楽しいです。キャラクターの設定、もしくは素材にきらめきがあると、それだけで物語が躍動していきます。あとは作者が主人公をどこまで応援できるかです。主人公ならびにその家族を応援することが、読者を応援することにつながっていくだろうなあと思える作品が、同じ作者から2作出ました。(おう)と思いました。

応募先が決まっている作品については、合評がしやすいです。2作品とも、書き直し作品でしたが、この作者の書き直しは、いつも積極的で、どこかに新しい取り組みがみられます。短編について言えば、日常のちょっとした習慣の描き方が光っていました。が、短編の場合、いくらいい描写でも、直接物語と関係ないことは削って、物語を深めることにページ数を使ったほうがいいと思います。自分の書いた文章はなかなか削れないものですが、別の作品に使えばいいのです。温存しておきましょう。

福山教室を開講して以来、同人誌に載った作品を提出し続けた作者が、はじめて書きおろし作品を提出してくれました。次回の合評用ですが、とてもうれしいです。今回は、古い作品がたたき台に上がりました。少年の青春時代の葛藤を描いた力作でしたが、今の時代に合うかどうかが一番の問題になりました。時代設定をきっちりしておけば、そういう青春物語もありなのですが、発表の場が、なかなか難しいところです。3人の少年の心と体の成長(異性への関心)を描くには、同じ小・中学校に通っている少女とのかかわりや、家族の価値観の描写も必須ではないでしょうか。

物語に出てきたコマ
よく回ります
1月19日  広島教室

3作を合評しました。3作とも偶然、不思議なアイティムを駆使しての物語ですが、それぞれ書き手の個性で、その人らしい描き方だなあと思いました。

「きつねのかがみ」は、ふたりの少年のうち、どちらを主人公にするかが、合評の中心になりました。たくさん意見が出たので、作者がどう書きなおすか楽しみです。彼女が書きなおせば、いつも作品が「化け」るんです♪

「かっぱのお皿」は、せっかくのひらめきが作者の体験した事実にしばられて、うまく生かせきれていませんでした。ほんとうにあった話から創作への思い切った切り替えが必要です。

「異次元への白い穴」は、たしかに怖いのですが、怖い落ちで放っておくのではなく、怖い出来事が起こったあとの少年の行動を追っていけば、アンソロジーの一遍ではなく、ひとつの冒険物語としてふくらんでいくのではないでしょうか?

それにしても、今日はうれしい驚きでした。ふたりの新しい生徒さんならびに、入会手続き後、いちども顔を出さなかった方がやっと出てこられたことで、一度に3人も増えました。初めて童話を書く人にもわかるように、そしてベテランの人にも納得できるような講座になるように工夫しますね。
2010年1月7日  パンジョ教室

新年早々、うさこさんの公募入選の報告ができて、とてもうれしかったです。正式発表はまだなので、公募名は控えておきますが、輝かしい入選です。うさこさんのひらめきと、繰りかえし書き直したがんばりの成果ですが、教室に作品が出るたびに(5回出たでしょうか、それとも6回……?)、みんなが真剣になって合評した成果でもあります。ということは、みんなにも入選レベルの力がついてきているということです。今年は、ひとつでもたくさん、公募にチャレンジしてください。きっと、いい結果が……♪

表彰式は3月だそうですが、そういう場での出会いが、また創作意欲を掻き立てることになると思います。心からおめでとうございます。みんなにいい刺激をありがとう♪

童話を書くのが難しいと思っている人へ。例えば、お手玉をするにも、一輪車に乗るにも、編み物をするにもコツがいります。コツさえつかめば、あとは、どんどん難技にチャレンジしていけます。最初は、辛抱強く、繰りかえし努力する以外にはないのです。童話の創作も同じです。物語を創るコツさえわかれば、自分の思いを物語に託すことができます。おっくうがらずに書くことになれてください。書くことがおもしろくなってきます。

今日、合評した2作は、物語を書くコツを会得したと感じました。だた、問題は、ここからです。「技」を磨かなければなりません。

1作目の作品の課題は、@むだな登場人物を切ること A葛藤を深める ことです。6ページに書かれていることを場面で書いていくと、子どもの背中を押す、深いいい作品になることと思います。このページがポイントです。

2作目の作品は短編シリーズなのですが、おもしろくて、楽しい謎解き物語にするためにクリアーするべき課題は、@登場人物のキャラクターを生かす A「名」ではなく「迷」に徹する B短編に関連性を持たせる ことです。「今、書くことが楽しい」という作者の弾む心は作品に反映してきます。「作品が転がっていく」実感を味わえるかもしれません。あと一息!
12月15日 福山教室

いつもは生徒さんの数だけ合評作品が揃うのですが、今日は1作だけでした。ゆっくり合評できて、それもよかったかなと思いました。

合同合評でも提出のあった幼児向けの作品でしたが、@分かち書きに  A絵本向きの15画面になっていて、B物語の内容も、おもしろくなっていました。それを更に、ページを繰るたびに画面が変わり、おもしろくなることを意識しつつ、場面をカットしたり、増やしたりしつつ、合評しました。

今年最後の教室だからと、コーヒーとケーキが出てくるといううれしいハプニングがありました。

「カープ最中」は
広島教室から福山教室宛に
届いたものです

忘年会気分でおしゃべりで盛り上がりました。当日提出の作品3作のうち短い作品もあったのですが、遠方からバイクで来ているHALさんが、日没の運転は危ないので、時間きっかりに終わりたいとお申し出があり、次回に回すことになりました、あと10分という間際に、「短い詩をみてください」と文学さんが。彼女は、作品が書けずにもやもやしているときに精神衛生のために、詩を書くそうです。心の中ならひねり出した魂のかけらを、素人があれこれいうのは僭越ですが、それでも感じるところ、気がついたところはあります。率直な感想を述べました。すると、もう一遍。3分クッキングならぬ、3分寸評でした。

帰りの電車で、今日いただいた『福山地方の詩と童謡』を読んでいると、井伏鱒二のこんな言葉を見つけました。

     昔の人が云ふことに
     詩を書けば風邪を引かぬ
     僕はそれを妄信したい

     洒落た詩でなくても結構だろう
     書いては消し書いては消し
     消したきりでもいいだろう
     屑籠に棄ててもいいだろう
     どうせ棄てるもおまじなひだ   (抜粋)

きっと、同じ思いなのでしょう。

12月15日 広島教室

ここでも提出作品は1作でした。作者のヤタガラス姫さんでなくては書けない不可思議な世界を描いた魅力的な作品なのですが、消化しきれていないところがあちこちにありました。公募先が決まっているというので、「テーマ」を意識しつつ時間をかけて合評しているうちに、深い霧が晴れたように、作品の陰から浮かびあがってくるものがありました。それは作者自身も気がつかなかった発見でもあったようで、「後半はばっさりカットします」という結果になりました。合評することの深さとおもしろさを体感しました。じっくりひとつの作品を合評することもいいなあと感じました。
休憩時間出汁巻きが♪

ヤタガラス姫さんのお父上の手作りです
それはもうおいしかったです♪

実は10日のパンジョ教室でも
うれしいハプニングがありました

おいしいコーヒーと和菓子
そして、いろいろ♪
12月10日 パンジョ教室

「童話を書くって特別なことではなく、ごくありふれた日常が素材になるんですね」といった生徒さんがいます。彼女は、童話教室に来られて日も浅く、今まで、童話を書いたことがなかった方なのですが、感じ方が早いです。そうなんです。なんでもないことが、書き手の感性で光ってくるのです。今日は、そんな日常の情景をとらえた生活童話を合評しました。

作者は、物語の種を見つけるのがうまいです。今回の作品は、高齢者の生甲斐をテーマに世代間の交流を描いたものです。まだアイディアの段階で、完成まではまだかかりそうですが、おっくうがらずに「とにかく書く」という彼女の姿勢は、書くことに慣れるのにも大切かと思います。たたき台に乗せて合評を受け、推敲していくうちに、構成力も身についてくると思います。

「物語の中のおばあさんと現実のおばあさんとの落差が大きい」ということが話題になりました。例えば5年生の子どものおばあさんは、平均60歳前後。今の60歳は、おばあさんとはとてもいえないぐらいお若いのです。それにもかかわらず、セリフや生き様が80歳ぐらいの感じがするという指摘でした。年齢のことをいえば、昨今は、80歳でも、かくしゃくとされています。わたしたち書き手がイメージするおばあさんと現実のおばあさん像には、確かに違いがあるかもしれません。これは、演劇と同じです。おばあさん役は、あくまでおばあさんとして振舞わなけれなりません。「虚と真実」の兼ね合いが難しいですが、これは、年齢に関係なく、おばあさんのキャラクターをしっかり設定しておけばクリアーできます。そのことについて話し合いました。

深山さくらさんの絵本「かかしのじいさん」を紹介するつもりでいたところ、もう一冊、生徒さんが絵本を持ってきてくれました。山岡みねさん作・絵の「いもほりやま」(岩崎書店)です。どちらの絵本も生徒さんに読んでもらい、楽しみました。「かかし」は物語から生まれた絵本で、かかしとすずめの心温まる物語です。作者のひらめきが麦藁帽子の上ではじけています。がんこなかかしの表情が愉快ですが、ストーリーに合わせて情緒豊かに描かれています。「いもほり」の方は、幼い子どもたちがお話を聞きながら、いっしょにいもほりを体験できます。「あ、すずむし」「ここに、ふくろうがいるよ」。発見を楽しみながら、夢中になっている幼児の姿が目に浮かびます。どちらも素晴らしい絵本の世界です。


                      

                      

11月30日〜12月1日  パンジョ・福山・広島合同合評会

8作をいっぺんに合評して意見を交しあうのは、またとないいい機会だと思いました。福山で開催、鞆の浦で宿泊することになったのは、

@宮崎駿さんが「ポニョ」を生み出した想像力の潜んでいる町だということ 
A埋め立て問題のニュースでタイムリーなこと 
B歴史のある港町を探索したいこと 
に加えて、

C福山在住のおふたりが、「鞆の浦はぜひ見てほしい」という思いも伝わってきたからです。みんなこの日を楽しみにしていました。

パンジョ教室 参加8名  提出作品2作
福山教室   参加3名  提出作品3作
広島教室   参加3名  提出作品3作

うち2作を、30日夜、晩御飯のあとに合評。1作を1日、朝ごはんの前に合評。 残り5作を福山の文学館に移動して合評しました。

短編から25枚ほどの中編。幼児向きからおとな対象まで、いろいろです。それぞれの物語の奥に潜んでいるのは、本来子どものあるべき姿や自然環境問題、高齢者の心のケアー、生死にかかわる葛藤など、深いテーマゆつながる素材なのですが、書き手自身が気づいていないケースもあります。その人にとっては、きっと、目からうろこだったのではないでしょうか。もちろん、テーマを投げかけようと努力している作品もありますし、絶賛を受けた作品もあります。が、まだ発想の段階という作品は今回の合評を受けて、物語としてふくらんでいくことでしょう。

作品の描き方はメルヘン、ファンタジー、生活童話……さまざまですが、過去や異次元とりんくする作品もあって、たいへんおもしろかったです。文学的表現にこだわった少し難解な作品もあれば、楽しく読めるエンターティメントもあります。どれもその人らしい作品です。

できるだけ多くの人の意見を聞いてほしいと思ったので、合評のみに追われてしまいました。どういうきっかけでこの作品を書いたのか、自分流の創作の極意など、話し合えばよかったです。

もし、第2回目の合評会をする場合は、文学を書いている作家さんを講師を招くことも考えなければと思いました。
                                               思い出アルバム
11月26日 パンジョ教室

今日、合評した作品は、家族の深刻な問題をユーモラスに書いた作品でした。物語を書くこつを会得したように思います。作者は、軽妙な会話を書くのがうまく、テンポよく読んでしまいますが、「地の文」についても意識しましょう。「会話文」と「地の文」のバランスは大切です。子ども向けの物語は地の文が多いと、読みづらくなりますが、かといって会話が多すぎると、軽薄な感じになってしまいます。会話でリズムをつけ、地の文で深めるといえばいいのでしょうか、季節感・臨場感・服装・しぐさなど、五感を使ってしっかり描写してください。

家族の葛藤を書く場合、「よくあるはなし」ですまさないことです。その人だから書ける価値観と、切り口の如何によって、ありふれたテーマに深みが増し、読後、ああ、そういうことなのかと感銘することになります。またキャラクターの設定も大切です。その人だからのセリフが、個性を描くことになります。

おとな間の問題をとりあげる場合も、視点は、子どもので目線で。

今日は1作品だけでしたが、テーマが家族の問題だったので、合評後、更に盛り上がりました。
11月17日 福山教室

合評作品のひとつは、すでに応募したもので、応募先のサイトでみることができます。童話ではないのですが、おもしろく合評しました。「なぜ落選したのか」聞きたいとのことでしたが、それは明確です。指摘したら本人も、「そうなんですよね」とわかっていました。公募ガイドを見て、自分が書ける物にはどんどんチャレンジするのは、わたしの公募時代によく似ています。まんがも、おみやげ物のアイディアも、エッセイも、論文も……。片っ端から応募したものです。入選して表彰式などに招かれるとそれが励みになって、また次を書く……。公募へのチャレンジは、志気が高まるだけではなく、ニーズに応えて書いているうちに、当然、力もついていきます。それにしても、HALさん、あなたは漁師なのかい……?

もう1作は、「山の家」という場所設定がとてもよかったのですが、なぜ、その場所にしたのか、書き手自身の思いが浅いようでした。すぐそばにゴルフ場があり、ハイカーもやってくるようでは、せっかくの場所なのに、もったいないかぎりです。登場人物を整理して、少年と少女にそれぞれ葛藤を背負わせれば、静かな山の家での出会いは、深い物語になると感じました。
11月17日  広島教室

広島でも2作合評しました。1作は、少年の日常にありがちな友だちとの葛藤を描いたものなのですがくり返しがおもしろくって、おうっ!と思いました。物語の流れを、「起・承・転・結」だとすると、「承」と「結」の間の「転」は2回。「承」を含めて3回のくり返しですが、そのくり返しが少年の期待を裏切るのです……。が、少年の心の変化が、意外な「結」へ導くための大切な決め手になるためのくり返しなおです。そこをが書き直しのポイントです。

もう1作は、作者自身が感じているものが、ビーンと響いてくる作品でした。彼女は、出版のチャンスがあれば、いつでもデビューできる人だと毎回感じます。そういうきっかけ作りもわたしの役目なのでしょうか。
11月12日 パンジョ教室

生徒さんは現在11名で、長く続いている人が大半なのですが、のんびりマイペースの人も多く、今日合評するための作品が1作も出ていませんでした。強制提出ではないので、こういうこともあるのです。当日提出を期待していたのですが、35枚の作品だったので即読は無理……かな。次回までにじっくり読んできてもらうことにして、今日は、創作のきっかけについて話し合うことにしました。すでに熟知のことなのですが、

@アンテナをはって、何にでも興味をもつこと
話し合っていくうちに、何人かが興味あるできごとにすでに出会っていることが分かりました。チャンスともいえるそんないい出会いを、なぜ放っておくのでしょうか。

A(あれっ)と思ったら、そのままにしないことです。まずは、書きたいことについて調べることです。図書館に行くのもいいし、最近は、インターネットで検索すると、基本的なことはたいていわかります。知らないことは書けないので調べるとことです。そこから先は、どこに共感できるかです。今の状態より一歩でも前に進んでみるようにしましょう。

Bめげないこと
物語を創りだしていくことは、楽しいことです。自分の中に秘めている思いと感性を信じましょう。でも、どんなことにも壁はあります。書き進めているうちに生じる産みの苦しみは、付き物です。根気あるのみです。昨日より、今日。今日より、あした。たとえ一行でも書き進めましょう。行き詰ったら、それこそ合評にかければいいのです。途中でもかまいません。他人の発想はおもしろいです。それをヒントに新しい展開が、きっとあるはずです。

ときたま持参していたミニコミ誌をの中から、物語になるニュースがあるかどうかチェックしました。記事はもちろん、広告にも、素材は転がっています。が、探せる人もいれば、気がつかない人も。慣れです。探しだす目を持ちましょう。ノンフィクションも創作も、種を見つけることから始まります。せっかくのテレビも新聞もぼんやり見ているのは、もったいないです。

今月末に行われる鞆の浦での合宿作品は2作出ました。広島からも届きました。福山教室のメンバーが、よりよい会になるように、あれこれ奔走してくれています。刺激をもらい合ういい機会です。みなさん、風邪などひかないようにおだいじにね。
尚、2009年10月以前については、下記曜日の日記に載せています。

パンジョ教室  第2・第4木曜日
福山教室  第1・第3火曜日  
広島教室  第1・弟3火曜日