日々好日  5月

    
   


5月31日(火) 「119番」

★網膜はく離で入院するという友だちの息子さんをたずねて、そのあと検査入院中の年上お友だちのお見舞いに行って、それから夕飯の買い物、ガッティちゃんの保育園のお迎えにと段取りをつけて1時に家を出たのですが、まもなく夫から電話がかかってきました。「庭ですべって打ったところがはれてきた」というのです。(すわ、骨折)とあわてて帰宅。119に電話をして、診てくれそうな病院の電話番号をききました。が、「今の時間帯、整形外科医がいない」、「これから手術」となかなか受け入れてもらえません。それで救急車を要請しました。すごくはれあがっているので、救急隊員の方も驚いていました。レントゲンの結果、骨折ではなく打撲のよる内出血で、血を抜いてもらいました。熱がでることもあるので、入院したらとすすめられたのですが、「あしたまた来ます」とききません。先生も苦笑い。帰ってきて冷やして寝ていますがまたはれてきたようです。ばたばたしているうちに保育園のお迎えの時間になりました。帰りに買い物に行って食事の仕度。メール便を出して、片道車で20分の銭湯に行き……。わたしの人生は、忙しバージョンの渦の中に巻き込まれてしまったようです。

★見て見て、愛しのおなべ軍団。次女がアメリカで使っていたおなべ二つが仲間入りして、にぎやかになりました。ル・クルーゼのおなべ、日本ではいいお値段なのですが、アメリカでは元々安い上に、一個買うと一個付いてくるというセールがあるそうです。

   
             左端と真ん中手前がニューフェイス


5月30日(月) 「一日京都」

★京都で取材。出かけるまでに5:30からマックの散歩、ごみの搬出、朝ごはんのしたく、キッチンの片付け、洗濯・鉢植えの水遣り、猫のトイレの始末、大工さんのお茶の準備……。ああ忙しい。それでも7:30分台の電車にのりましたが、乗り継いだ京阪は急行が先に着くということでしたが、思った以上に時間がかかりました。取材のお約束は午後3:00からだったので、それまでに墓参をしてから京都シネマに行くつもりだったのですが、上映時間の都合で順序が後先になりました。「コーラス」は、わたしの好きな映画でした。予告編を3本観ましたが、どれも観たいよお! 3時からM幼稚園にいって、園長先生はじめ、お二人の先生方にお目にかかり、取材させていただきました。取材内容についてとても真剣に深く考えていらっしゃって、その思いは、わたしも同じで、4時間近くお話合いをさせていただきました。今日は、朝・昼・晩と三食とも京都で済ませることになりました。
    
        それにしてもこの「きつねうどん」が、270円とはお安い!

★電車に乗っていると、若者がふたり乗ってきて、目の前に立ちました。一人の若者の着ているTシャツも上から羽織っているGジャンも、斜めにかけたワイン色のショルダーバックも帽子も、どうみても女物です。それが妙に似合っています。もう一方の若者が、キーホルダーになっているミニバッグを耳にひっかけ、「どや、こんなピアス」と見せました。「おもしろいやんけ。そういうたらな……」、二人は降りるまでファッションの話で盛り上がっていました。斜め前では、化粧に夢中になっている女の子がいます。よく見かける風景です。こういう若者たちが日本の将来を支えていくのかなと思うと、(平和だなあ)とばかりもいっていられなくなりました。


5月29日(日) 「東広島で取材」

★東広島に取材に行ってきたのですが、朝起きてから新幹線に乗るまでのあわただしかったこと。朝5:30〜6:30にマックの散歩。朝食の下ごしらえをしておいて、8:30に深井の銭湯へ送ってもらいました。朝風呂に入って(家のお風呂は改装中)、そこで着替えて、そのまま深井から新大阪へ。東大阪着は1時から2時の間というお約束だったので、少し早すぎると思い、15分間リフレッシュマッサージをしてもらうことにしました。かなりこっていたようで、昨夜の胃痛も肩こりが原因かも。体がすっきりするとがぜん食欲がわいてきました。(え、カレーモーニングですって♪) 半カレーに温泉たまご、コーヒーがついて500円。しかも、にんじんと大根のピクルスは自由。いやあ、おいしかった、安かったと満足していたのですが、それからがたいへんでした。西に行く新幹線は、のぞみばかり。やっと博多行きのこだまに乗り込もうとしたのですが、念のため「東広島に行きますか」と車掌さんにきいてみました。「こだまは時間がかかりますよ。ひかりで岡山か福山まで行って、そこでこだまに乗り換えた方が早いですよ」ということでした。それでホームを代わってみたものの、ひかりってほとんどないんです。40分後に岡山どまりがあるだけ。のぞみは速さが体に合わないことはもちろん、ジパングでは乗れません。40分後のひかりにのって岡山でおりて、乗り換えのため30分も時間待ちをして乗った新幹線は東広島には停まらないので、福山でおりてまた時間待ち。東広島に着いたのは2時10分でした。福山で電話をしておいたので、取材先のご夫妻が車でお迎えに来てくださっていました。大変なのはこれまでで、お宅に伺ってからは、おじょうちゃんたちも待っていてくださって、とても楽しい取材でした。取材の内容については、本が出るまで待っていてください。F家のみなさま(Gおじいちゃまも)、ご協力ありがとうございました。

5月28日(土) シリーズ「生きるってすばらしい」

★汐文社から出していただいた「行こうぜ! サーカス」と「さとうきび畑の唄」(ノヴェライズ)が「生きるってすばらしい」というシリーズに入っていることを、インターネットで知りました。

★アニマシオンという言葉を聞かれたことがおありでしょうか? 
アニマシオンとは、ラテン語のanima=魂を語源とし、動きなきものに生命を吹き込み活性化させること、人間が自らの魂を生き生きと躍動させ、人間の集団・組織の活動を活気づける事を意味するとのことです。文化・芸術・スポーツ・祭典などの活動を通して人間の精神の活性化と社会の活性化をすすめるとりくみを社会文化アニマシオンと呼び、欧州評議会の文化協力会議やユネスコの文化政策の発展の中で、社会改革の方法として社会文化アニマシオンへの注目がなされヨーロッパ各国に広まったとのことです。なかでもフランス、スペイン、イタリアで発展をとげているそうです。(読書のアルマシオンのHPより)
「ア二マシオンに使える本」として司書教諭の渡部康夫さんが、「盲導犬不合格物語」を推薦してくださっています。ありがたいことです。

★短編、さっそく書き直して送りました。アドバスをいただいたおかげで、いい作品になったと思います。

★大工さんにお昼のおつゆを出そうと作りはじめていたら、電話が鳴りました。なんということ、仲よしのお年寄りが下血して入院されたとのこと。病院にとんでいきました。おじょうさんのお話では、そのまま入院して検査を続けられるとのことに。どうそ大事になりませんように。心配も加わってわたしも胃痛に。夕飯を抜いて床に就きました。

5月27日(金) あれれ 

★書いた日記を貼り付ける前に消してしまいました。お風呂を改装するために大工さんが入ったこと。短編が二編オーケーになったこと。などを書いていたのかな。

5月26日(木) 「復刻版」

★童話教室の日でした。渡米中に一回抜けたので、その分は、何回かに分けて三十分ずつ時間を延長することで了解を得ました。合評も盛り上がったのですが、余談にも花が咲きました。名古屋から来てくれている生徒さんですが、実は乗り物が苦手。酔ってしまうそうです。それでもアーバンライナーに乗ってわたしの教室に来たいと思い、来てよかったといってくれるのは、うれしいかぎりです。とても熱心な方で、今回は2作、新しい作品が出ました。それに書き直し。これはみんなの前で読んでもらいました。たいへんよくなっていたのですが、公募に出すというので、講座のあと、細かなチェックを入れました。他の生徒さんにもいい影響があることでしょう。

★地域のミニコミ紙ホームタウンに、「クローズアップ」というコーナーがあって、数年前にわたしも「童話おばさん」としてとりあげてもらったことがあります。「クローズアップ」には、更に「復刻版」というものがあって、それには、編集長がこの人はと思う人を選んでHP上にアップされているのです。20余年間にわずか十数名。それがです、いつの間にかその中にわたしも入っていることに今日、気がつきました。 二十年前に東宝シンデレラに選ばれた当時の初々しい沢口靖子さんをみることができます。それにしてもわたしの写真、ありのままといえばありのままなのですが……。


5月25日(水) 「子どもによる、子どものための、子ども権利条約」

★地元の小学校におけるクラブ活動の支援が、今年も始まりました。クラブ支援制度が開始したのは1998年のこと。当時の校長先生に頼まれて引き受けてくれる人はいないものかとあちこち奔走。結果、茶道部・手芸部・ボランティアクラブ・お笑いクラブ(3年で廃部)を発足させました。学校サイドで手配された絵本クラブ・サッカー部とともに、地域住民のクラブ支援が始まって、もう8年目に入りました。わたしの運営するボランティアクラブでは、子どもたちにいろいろなことを体験させてきました。「ボランティアってなあに」に始まって、盲導犬こんにちは・車椅子の乗り方押し方・手話・目隠し歩き・お年より体験・リサイクル(当初は地域のごみ拾いをしたり、廃油で石鹸を作ったり、空き缶つぶし器を作ったり、ポスターを書いたりもしました)・地域のお年寄りとの交流(昔話をきく・昔の遊びを教わる・介護用雑巾の縫い方を教わる。当初はいっしょにゲートボールをしたり、和歌を詠んだり、昔のおかしを作って食べたりする時間のゆとりがありました)・プリペードカードを回収して、海外に送る・地域の寝たきりのお年寄りへ年賀状を書く。老人ホームのお年寄りに「お元気カード」と介護用雑巾を送る。当時は老人ホームを慰問して歌や手品を披露、お年寄りには喜んでもらい、子どもたちには、実感を伴う行動が励みになっていたのですが、年を重ねるたびにクラブの回数がどんどん減って、大半はカット。年間20数回あったクラブが、今年はたった10回になりました。その中で子どもたちに、ボランティアの心を伝えることができるのでしょうか。ゆとりの教育っていったい何なのでしょう……。そう思いつつ、学校に足を運びました。恒例の「ボランティアってなあに」は、プリントをくばって簡単に説明。子どもたちにどんなボランティアがやってみたいのかをききました。それを参考に残り9回のスケジュールを立てるつもりです。そのあと、「子どもによる、子どものための、子ども権利条約」を読みきかせしました。

                    

この本は、子どもにもよくわかるように、やさしいことばで語りかけるように書かれているのですが、それもそのはず、1997年、ふたりの女子中学生が「子どもの権利条約」を子ども向きに書き直す公募にチャレンジ。最優秀賞に輝いて、それが本になったのです。わかりやすくって、暖かくって、ほんとうにすばらしい訳だと思います。

   

5月24日(火)  「人生の先輩」

★「お赤飯を炊いたから、とりにきてえな」という電話が、早朝かかってきました。84歳のKさんからです。庭で咲いたといって、みごとな釣鐘草もいただきました。手作りの暖かい上履きも、何足いただいたことでしょう。ひとのためにさらりと何かするのがお上手で、くよくよされない生き方が素敵な、目標にしたい先輩のおひとりです。
   

     


5月23日(月) 「イケイケ……」


★先日の日本児童文芸家協会での懇親会でのことです。初対面の新聞社の編集さんから、「大阪本社のTさんにきいていたイメージとちがいますねえ」と、いわれました。はて、Tさんは、わたしのことをどのようにいっていらっしゃったのでしょう? 「イケイケだと……」。おー、なんと、なんと。こんなに物静かな大阪のおばさんのどこがイケイケなんじゃ。Tさんの顔を思い出してふきだしてしまいました。

★いなりずしを作るとき、油揚げを長方形に切る? それとも斜めの三角に? いつもどちらか一方しか作らないので、今日は両方作ってみました。長方形は安定がいいのですが、あまりごはんが入りません。三角形は、長方形よりごはんが少しですが多めに入ります。底の部分に油揚げを折り返すことができますが、三角のてっぺんがへしゃげるので、見た目が見劣るかもしれません。最近、市販のいなりずしのほとんどが長方形のようです。油揚げを裏返してごはんをつめるというバリエーションもあります。写真をとるまえに、みんなで食べてしまいました。

5月22日(日) 「一位♪」

★↓「盲導犬関係、売れ筋書籍ランキング」というのを見つけました。なんと現在トップでした。

1位: 盲導犬不合格物語
2位: 最後のパートナー―盲導犬を引退した犬たち
3位: お帰り!盲導犬オリバー―ぼく、みんなのこと覚えているよ
4位: 盲導犬クイールの一生
5位: 盲導犬になったクイール
6位: さよなら、盲導犬ミッキー
7位: 盲導犬・聴導犬・介助犬訓練士まるごとガイド―資格のすべて・しごとのなかみ
8位: がんばれ! 盲導犬サーブ―足をうしなっても主人を助けた盲導犬
9位: 盲導犬ジョナと登った3,000m
10位: サングラスをかけた盲導犬
11位: 野球盲導犬チビの告白
12位: 天国へいったサーブ―続・盲導犬サーブ物語
13位: おてんば盲導犬モア―君のことはぜったい忘れないよ!
14位: いっしょにあるこうね―盲導犬コディ
15位: 盲導犬チャンピイ―日本で最初にヒトの眼になった犬
16位: フー子とママのふたり―盲導犬ものがたり
17位: 歩けアイメイト―盲導犬
18位: さよならサティルン―盲導犬の里親になった子どもたち
19位: 盲導犬グレフ誕生物語
20位:
フロックスはわたしの目―盲導犬と歩んだ十二年

うれしいですねえ。次作もがんばらなくっちゃ。

5月21日(土) 「ひかり派」

★昨夜は東京で一泊していたのですが、今朝一番のひかり(6時36分発)に乗って帰ってきました。それにしても、ひかりって本数が減ったのですね。ほとんどがのぞみです。わたしは、のぞみのスピード感が苦手です。すれ違いざまに窓ガラスがびびびと振動するたびに身がすくむのです。電車のスピードの限界を超えているように感じて以来、ひかりにしか乗りません。本を読みつつ、居眠りもしつつ、時にはお弁当やコーヒーを飲みつつ移動することにしています。ひかりなら、ジパングが使えることもあるかもしれません。行きは、窓の景色を見つつ書き直し原稿を2作チェック。だれにもじゃまされないのがいいです。帰りの電車で、藤野恵美さんの新作、『怪盗ファントム&ダークネス EX−GP2』を読みました。とてもおもしろいです。「仲間の本」でご紹介しました。

               

★昼から保育園の理事会がありました。それに間に合うために早く帰って来たのですが、数字の羅列に眠たくなりました。園長先生のお姉さん(たぶん70代後半)が会計をされていて、どの項目についても、とても詳しく覚えていらしゃるのには感服いたしました


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月20日(金) 「日本児童文芸家協会総会」    
                                                                              
★日本児童文芸家協会の総会並びに式典・懇親会に出席のため、東京に向かいました。今年は、創立50周年の祝賀会もかねています。総会の後の式典では、越水利江子さんが協会賞を、浅田宗一郎さんと童みどりさんが新人賞を受賞されました。三人とも光っていました。また、児童文化功労賞には大海あかしさん、角野栄子さん、久米みのるさん、斉藤雅一さん、長新太さん、、山下明生さんが受賞されました。みなさんのスピーチは、それぞれとてもよかったです。

     

そのあと、祝賀コンサートがあり、真理ヨシコさんともう一人若い歌手の方が協会員の作詞した歌などを中心にうたってくださいました。小学生の頃よくうたった「野菊」なども、会員の作詞だったのですね。懇親会では、1年ぶりに東京の会員の方にお目にかかり親交を暖めました。出版社からもたくさん来られていて、お世話になっている方々にご挨拶できてよかったです。またお会いしたかった方にもお目にかかることもできました。お世話になっている出版社の担当さんが会いに来てくださって打ち合わせもしましたし、別の出版社さんには、書き直し原稿をお渡しすることおできました。パーティのお料理はとてもおいしかったのですが、後半はおしゃべりに夢中になっているうちに、お開きに。二次会は、とても大勢の人が参加されて、息苦しいほどでした。今、関西勢のパワーがすごいいわれたこともうれしかったです。創立50周年記念誌「児童文芸のあゆみ」の中で、光丘真理さんも、「今、関西勢がいい」書かれていて、その中に「児童文芸に連載した沢田俊子氏の『とらちゃんつむじ風』に大笑いした」と書いた後、関西陣の作品のどこがいいのか具体的に書いてくださっていました。光栄です。

5月19日(木) 「ハイテンション」

★留守中、郵便がたまっていました。
@「盲導犬不合格物語」(学研)見本本。おかげさまで6刷り目です。
A「家の光」6月号が届いていました。短編『大あたり」が掲載されています。
B産経新聞社から「産経児童出版文化賞」の審査発表の掲載紙が届いていました。
C子ども向け雑誌の短編依頼がありました。
D藤野恵美さんの新刊が!(できるだけ早く読んでご紹介します)。
E旅行前に提出していた原稿(部分的なもの)にチェックが入って戻っていました。
F某社から「行こうぜサーカス!」の国語添削問題の問題文としての使用願い。
G「1ヘクタール分の花束を送ります」という仰天のメッセージとともに、Nさんから、キバナコスモスの種がいっぱい! これは産経児童出版文化賞のお祝いですって♪ なんてすてきな発想でしょう。資料としてのご本も送ってくださっていました。
Hこいのぼりの絵てがみも。かわいくって見ほれてしまいました。
I新茶の贈り物♪ うーん、五臓六腑にしみわたるう。
★こなさなければならない雑用がいろいろたまっていて、とうとう一睡もしませんでした。時差の分も入れると、二晩徹夜したことになります。そんなことはもうできないと思っていたのに、徹夜後も、少しも疲れていません。夜中のあいだずっと思っていましたが、照明が明るいって幸せです。電気スタンドだけの照明って、ムードはあるかもしれませんが、やる気がおこらないのです。ああ、そうなのかも……。13日の日記にも書いたのですが、瞳の色が薄い人々は、わずかな光で十分なのかもしれません。昼から3時間ほど爆睡しました。あまり深く眠っていたので、目が覚めたた時、どこにいるのかわかりませんでした。

5月18日(水) 「ただいまっ♪」  アメリカでは、まだ17日です。

★シアトル発の飛行機は9時過ぎなのですが、空港には3時間前にいっていないといけないというので、6時半にホテルを出ました。何の問題もなくバンクーバーに着いたのですが、ここでちょっとしたハプニングがありました。入国時に、ガッティちゃんとママが親子であることを証明する書類がいるといわれました。あわてて母子手帳を探して見せたのですが、英語で書いてあるものがいるというのです。そんなものを持っているわけがありません。どうやら、眠たくてぐずりはじめたガッティちゃんを見て、無理やり連れ出そうとしていると思われたようなのです。アジア系の子どもの養子縁組などでトラブルがあるらしいのです。さて、えらいことになったと思っていたら、一つおいて向こうの窓口の人が日本語の書類が読めるらしくて、母子手帳を見てオーケーが出ました。「次の旅行からは英語で書いた親子の証明書を持ってこい」と不機嫌にいわれてもそんなのはどこでもらうのでしょうか。戸籍謄本も日本語だし。そういえば長女と次女がまだ小さかったときには、わたしと三人で写真をとったことを思い出しました。今は、親子別々に写真を撮っているので、それも問題なのかもしれません。関空に入国する際係りの人に、英語での親子証明、もしくは家族証明はどこでもらえるのか聞いてみましたが、「それはよその国の問題で、日本は関係ありません」そうです。バンクーバーで、ときたま日本語の読める係員がいたからよかったものの、もしいなかったら、今頃どうなっていたのでしょうか。「関係ない」ですませていいのでしょうか。荷物受渡し所で、麻薬探知犬が二頭活動していました。キャリアチェンジ犬かもしれないので、確かめたい気がしました。

                


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★超特急バスで、ウオーターフロントへ行きました。「ベビー連れは必ず座ってください」と運転手がいいます。といわれても二両編成のバスは超満員です。運転手が「ベビー連れを座らせて」と車内放送したとたん、すぐ目の前の人が立ってくれました。それにしてもすごいスピードです。立っていた娘たちは怖かったそうです。パイク・プレース・マーケットにはたくさんのお店が出ています。魚屋・花屋・八百屋・肉・ワイン・パン、チーズ・ワイン・衣類などなど。魚屋さんは、魚が売れると放り投げるというパフォーマンスで知られていて、店の前はひ人集りができていました。ときどき、ぶらさけたアンコウのひもを引っぱって、子どもたちを驚かせています。

中央の銀いるの魚はサーモン
珍しいくだものがいっぱい
花束は1500円でほれぼれするものが

スターバックスの一号店はここにあります


一口サイズのドーナツは、安くておいしくて評判通りでした。お昼はもちろんここのレストランで、魚介類を食べました。次女お勧めのサクランボも。一日ここにいたいぐらいですが、せっかくですので、長女とガッティちゃんと三人で、アンダーグラウンドツアーです。シアトルの町がは、もともと3〜5メートル地下にあったのだそうです。その跡を見せてくれるというのです。メトロに乗って二つ目の駅で降りました。メトロといってもバスで。バスが通れる大きくて広いトンネルがあります。昼間の時間は無料です。
 
一日数回。わたしたちのときは60人ほど地下はつながっているのではなく四か所ほど入り口が。詳しくは、追加でかくことにします。

        
地上を歩いている人が見えます。かびくさくって、昔はペストも流行ったというので、ガッティちゃんが心配ですが、生後間もない赤ちゃん連れもいました。このあと、次女との待ち合わせの場所に行き、買い物をしているうちに、8時をまわりました。ここはまだ日が落ちていないので、さっぱり時間がわかりません。いいレストランがありそうなので食事をして帰りたいのですが、いつまでバスがあるのかわからないことと、雨も降ってきたので、とりあえずバスでホテルまで帰ることにしました。今日がアメリカ最後の夜だと思うと残念です。


515

★外は雨。寒そうです。コートを送ってしまったのが残念です。空港からマリナーズ球場までの超特急バスは二両編成、というか一両目とに両目が蛇腹でつながっています。時速100から120キロは出ていて、カーブになると座席から振り落とされそうです。どこにも止まらず30分ぐらいで着きました。女の運転手さんも多いです。

          


今日の試合はマリナーズとレッドソックスでした。野球に興味がないわたしでも、すぐ目の前のグラウンドにイチローがいるだけで、心がはずんできます。イチローは大人気で、期待通り大活躍をしていました。
3回の裏でグランドをならしにきたお掃除のおばさんたちが踊りだしたのは、パフォーマンスのひとつのようです。試合がどんどん進むのではなく、試合の合間に子どもへのインタビューがあったり、お誕生日おめでとうのメッセージが電光掲示板に流れたり、歌手がアカペラで歌ったり、お客さんを楽しませるサービスがにくいです。

マウンド右がイチロー

イチローが活躍するたびに電光板に名まえが

名物のフライドポテトには、みじん切りにして揚げたニンニクがたっぷりかかっていて、とてもおいしかったです。それにレモネード。これもさわやかで長女は二杯目を注文していました。あまりの人の多さに、帰りはグッズ売り場が込むだろうと、先に買いに行こうとガッティちゃんを連れて長女と見にいっている間に試合は終わりました。あとで次女にきいたところ、イチローがとんできたボールをキャッチしてゲームセット。大歓声だったそうです。グッズ売り場のテレビを見て試合が終わったのを知ったわたしと長女はあわてました。会計をすませる長女を待ち、乳母車を取りにいき(その場所もなかなかわからず)、なんだかんだしているうちに次女にあえず、出口も遠いところからしか出られなくなり(あっという間にお客を追い出し、店も片付けてしまうのです)、一時間ぐらい探しまわりました。球場はすでにだれもいなくて、これは自力でバスに乗って帰るしかないかと思い、バス停を探し始めました。空港(こちらではシータックというのですが)行きのバス乗り場を、意外にだれも知らないのです。バスの運転手さんに聞くしかないといわれ、バス停でバスが来るのを待っていると、バスがやってきました。まずは車椅子の人がバスに乗ってから聞こうと思いつつ、どうやって段差のあるバスに乗り込むのだろうと様子を見ていました。すると、なんとバスの車体(前の方)がググーっと低くなったのです。まるでタイヤの空気を抜いたように。そして中から鉄板の橋がかかり、車椅子の人は楽に乗ることができました。他に待っていた黒人男性が乳母車を押していたわたしたちに、「あなたがたもどうぞ」といってくれました。その方に「シータックに行きたい」旨はなすと、丁寧に教えてくれました。どうやら反対方向で、球場の四つ先の通りを右に曲がったところから乗るようです。お礼を行って引き返すと、信号の向こうから次女がわたしたちを呼びました。次女も、いったんはバスに乗って帰りかけたそうなのですが、途中で降りて引き返してきたそうです。長女が、「悪いのはあたしたちだから」といっていたので、ひたすら謝りました。でも会えてよかったです。そのあと次女の案内でダウンタウンにいきました。UWAJIMAYAというスーパーがあって、日本の物はなんでも売っていました。シアトルでもここだけだそうです。日本茶のペットボトルを買いましたが、なんと
5ドル25セントもしました。夕食はここで、ベトナム料理と中華料理を食べました。帰りのバスは、各駅停車だったので時間的に長くかかったですが、町の中を通っていったのと、いろんな人が乗り降りしてきたので、とても楽しかったです。

いろいろな竜が電柱に巻きついている
 
                                            

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★朝、娘たちと孫はプールでひと泳ぎしました。その間、わたしは少しワードを打ちました。プールサイドで朝ごはんを食べて、11時半にチェックアウト。空港に向かったものの、飛行機は夜の8時発。サンデェイゴ空港での長時間をどうつぶすかが昨夜からの話題でした。タクシーを呼んで、ダウンタウンや港にいってみたいのですが、空港にはスーツケースを預けるところがないそうなのです。どうしょうかといっていたところ、次女がカウンターで交渉して午後1時半発の飛行機に振り替えてもらうことができました。今度は、ショッピングする時間もなく、あたふたとゲートに向かいました。アメリカでは靴までぬいで、箱に入れます。[ブラジャーをぬいでください]。(え、ブラジャーまで?)。いえ、[ブレザーをぬいでください]でした。そういえば、日本の笑い話に、こんなのがありました。――歯科医の診察室に[ここではきものをぬいでください]と書いてある。(着物を脱げって、歯の治療に来たのにおかしいなあ)と思いつつ着ているのもを脱いで診察室に入ったところ、医師がおどろいている。それもそのはず、[ここでは着物……]ではなく、[ここで履物……]だったのだ――。さて土曜日ということで空港は子ども連れも多く(生後間もないような赤ちゃんをたびたび見かけました)、飛行機は満席でした。しばらく飛んで窓の下を見ると、雪を頂いた山脈が連なっていました。いったいどこの上を飛んでいるのかと思いつつ、うたた寝をしました。

           

到着ロビーで片目に黒の眼帯をかけたはっとするほど素敵なおじいさんを見かけました。カーボーイハットには真珠がぐるりと飾ってあって、ポロシャツもズボンもブーツもすべて真っ黒。膝の上には真っ赤なバラの花束がのっかっているのです。誰かを迎えに来たのでしょうか。でも、人の流れには目もくれず、静かに本を読んでいるのです。もしかしたら……。そう、もしかしたらこの方は、若いときに別れたままになってしまった恋人を、すーっとこうしてベンチで待っているのでは……。そんな感じがするほどドラマチックな雰囲気が漂っていて、見とれてしまいました。写真が撮りたかったのですが、それは失礼と思ってやめました。それが返す返すも残念です。
早く乗れたおかげで
6時にはホテルのレストランでゆっくり夕食をとることができました。ホテルは角部屋で、大きな窓の真正面を右から左に飛行機が横切っていくのが見えます。

           

インターネットは
30分で5ドル。しかもローマしか打てない上、別の部屋に行かなければなりません。昨日までのサンデェイゴのホテルは部屋の机からフリーでできたのに……、とワードを打ちつつ、いつの間にか眠っていました。


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★今日はシーワールドに行くつもりだったのですが、予定を変更してホテルのプールで泳ぐことにしました。せっかく部屋の前がプールになっているのになんとも惜しいので。温水ジャグジーもついていて、ゆっくり楽しむことができました。

  
 ガッティちゃんもカバ君もごきげん  左の方のデッキチェアーの前が部屋。手前がジャグジー

今夜もう一泊して、明日シアトルに向かうのですが、荷物が多すぎるので整理して日本に送ろうということになりました。小包を送るのはホテルの前のお店でもできるのですが、三人分を合わせると、かなり大きな荷物になるので、できるだけ安く送るためにタクシーに乗って大きな郵便局にいきました。郵送料は日本から送るよりうんと安かったのですが、ダンボール代が
10ドルというのには驚きました。到着まで6週間かかるそうです。冬物の衣類がほとんどなので、一向にかまいません。

           
       すごい数の私書箱。裏にもまだ。近所の文房具屋さんにもありました。
       一般市民が利用しているようです。そういえば郵政は民営化……?

郵便局前の大通りを渡ったところに、オレンジ色の屋根瓦の建物が並んでいました。わたしのイメージしていたアメリカとはちがって、雑誌で見たことがあるスペイン風の建物です。ネイルアートの店やクリーニング屋さん、文具屋さんのほかにレストランやファーストフード、アイスクリームやさんなどの店がありました。お昼をかなり過ぎていたので、おいしいものを食べようとイタリアレストランに入りました。これが大当たりで、どのお料理も感激するほどおいしかったのと、ワインに力を入れているお店だったので、お料理によくあったワインをだしてくれて、思いがけず優雅なランチタイムでした。食後、ウエイターさんが、「ここの店のティラミスは特別。ぼくは二個でもぺロリです」とすすめてくれるので、注文しました。口に入れるととけてしまう軽さに、満腹を忘れてぺろりといただきました。荷物を出しに出かけたおかげでめぐりあった一軒の店。その偶然に感謝です。さて、ここはどこなんでしょう? ウエイターさんにホテルまでの道順をきいて、歩いて帰りました。知らない町を歩くのは楽しいです。

      
              ランチはテラスで♪

夕方、またプールで遊びました。週末で急に大勢のお客さんがやってきました。夜の
10時までプールはにぎわっていました。プールはライトアップされています。でもプールサイドは薄暗いです。そのプールサイドのデッキチェアーで白人の女性が本を読んでいたのですが、そこは明かりもなく、かなり暗いのです。瞳の薄い色の人は光をよく吸収するらしくて、暗いところでも本をよむことができるそうです。だから昼間はサングラスを……。そういえば昼間動物園で、乳母車に乗った赤ちゃんがサングラスをかけているのを何度も見ました。


5月12

サンデェイゴZOOに行きました。丘陵をそのまま動物園にしてあるので、とにかく広いです。動物たちができるだけ自然の中にいるようにしてあるので、人間は動物の暮らしを覗かせていただいているのだそうです。広い中にぽつんと数匹。どこにいるの?といった感じがします。300種類の動物がいるのですが、同種類の動物の数はとても少ないです。トラが一頭だけしかいないのはそれがトラのためにベストだということで、サルなども木々の上に数匹いるということをしっぽで確認するといった感じです。どこかにいるはずなのにと目を凝らさなければならないこともしばしばです。パンダは二頭いました。パンダはガッティちゃんの大好きな動物です。お座りして竹を食べているパンダを一目みるなり「パンパン」と叫びました。そのせいかどうか一頭は奥のほうに行ってしまいました。
この動物園が有名なのは保護のための調査や研究だそうです。絶滅寸前という珍しい中国の鹿や、クローン牛などもいます。次女にいわせると、学術的には素晴らしい動物園のようです。9時から4時までいたのですが、動物を見たというより、それぞれの動物のために考えられた自然環境を見たといった方がいいかもしれません。

低いガラスの仕切りの向こう二頭にいます

パンダのための寄付ボックス


手前の黒い牛がクローン

下半身だけシマ模様の動物(名まえ失念)

孤独なゴリラ

インコも飛んでいかないのか放し飼いでした。

保育室にはだれもいませんでした。


子ども連れが多いです。

★夕方、水着を買いにショッピングモールにいきました。人間が乗る横に、カートだけ乗せるエスカレーターがありました。これなら危なくありません。



夜は、ホテルの運転手さんお進めのお勧めのメキシコ料理を食べました。運転手さんはメキシコから通勤しているようです。みんな陽気で親切です。アメリカは広いということを移動するたびに感じます。そしてこんな大きな国をまとめていく大統領はたいへんだろうなあと思いました(子どもの作文みたいですが、実感です)。
              


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今日は、いよいよアパートを引き払いました。6日にこちらに着いたときは、ルームメイトが空港まで迎えにきてくれましたが、今日は、タクシーを呼びました。ここには車を持っていない人はほとんどいないので、タクシー会社が2社しかありません。しかも1社1台しか所有していないとかで、向こうのペースというか、運転手さんの態度がでかいそうです。予約も前日しかできません。なんとなく不安だったのですが、案の定、約束の10時を30分過ぎてもタクシーがやって来ないのです。飛行機に乗り遅れると、シアトルで飛行機に乗り継ぎできません。次女がアパートの管理事務所にかけこんで別のタクシー会社を教えてもらって電話をしたところ、15分後ならいけるとのこと。空港に電話をしてみたら飛行機の到着が遅れているもようで、間に合うかも……という状態でした。来てくれた運転手さんはかなりのお年寄り。運転中、手がぶるぶる震えていました。リタイアした普通のおじいちゃんがアルバイトでしているのなら、「一社一台」も納得です。こちらのタクシーは大型で、スーツケース大3、スーツケース小(またはそれに代わるもの)3、手荷物6 乳母車に人間4人が乗れるだけの大きさです。シアトル空港に着いてから次の飛行機に乗りかえるまで時間がありません。目指すゲートまで、モノレールを手荷物、ガッティちゃん乳母車を抱えて、いくつも乗り継いで(いやあ広いです空港)、ぎりぎり間に合いました。今サンデェイゴのホテルにいます。ここにはアメリカ一の動物園があるというので、三日間、動物園めぐりをする予定です。海も近く、ホテルの部屋はロの字に建っていて、真ん中はプール。ライトアップしていてきれいです。


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次女が日本に持ち帰る身の回り品は、大きなダンボールに4個もありました。トラックが取りに来てくれて、まずは一段落。次は、不用品の処分です。売れるものは売り、お友だちにもらってもらったのですが、それでも多くの物を廃棄処分しなければなりません。しかたがありません。いやあ、それにしても驚きです。アメリカはごみの分別をしていないのです。手を伸ばしてやっと届くぐらい大きなゴミ箱になにもかも放りこむのです。ベッドも棚も食器も食品も生活ごみもみんないっしょです。ショベルカーのようなクレーン車がやってきて、ゴミ箱を持ち上げ、トラックの上にひっくりかえして中だけ持っていくそうです。楽は楽なのですが、環境問題をどう考えているのでしょう。まさか行きの飛行機で見た丘や谷に捨てているのではないでしょうね。アパートを引きあげるにあたり、冷蔵庫の中が濡れていたり、荷物が残っていると、ペナルティとして委託金からさしひかれるそうです。委託金はルームメイトが払っているので必死で片付けました。アパート最後の夜は、炊き込みご飯、サーモンとケッパーとたまねぎのマリネ、サニーレタスとトマトのサラダ、生サラミ、次女特製のコーンコロッケ、干ししいたけの煮物、煮昆布。と冷蔵庫の掃除をかねての食事でした。それにしてもずいぶんたくさんの食料品(調味料をふくめて)捨ててしまうことに。もったいない……。

          
           ゴミ箱、小さく見えるのですが、わたしの背丈より背の高いです。


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★朝6時、ルームメイトのおじょうさんは、残っていた身の回り品やテレビ、掃除機などをマイカーに積み込んで自宅に帰っていきました。後部座席もいっぱいで後ろを見ることができません。次女の荷物は航空便で送ることになっているのですが、それを取りに来てもらうのは明日だそうで、まだ片付けきれていません。かなりの荷物です。仮の住まいだというのにすっかり根をおろしていたようです。午後から所用もあって大学のショップに買い物にでかけました。卒業式が終わったので構内は閑散としているのかと思えば、なんのなんの。すでに夏のゼミが始まっているとかで、とてもにぎやかです。次女のお友だちにも、たくさん会いました。とても日本語のうまい外人さんがいたので「日本語おじょうずですね」というと、日本に子どものころから住んでいたそうで、「彼女は日本人のようなもの」と次女が笑いました。当の彼女は、「毎朝、顔を洗って鏡を見るたびに、びっくりするのよね、わたし、日本人のはずなのにって」といっていました。大学の本屋さんでこんなかわいいポスターを見つけました。「BAD CATS」。もちろん探して買いました。

      

帰りに構内にいる熊を見にいくつもりでしたが、空が曇ってきたので帰りました。ショップからアパートまで
30分。途中で雨が降ってきたので、谷あり丘あり緑あり花ありの中を急ぎ足で帰りました。いやあ、疲れました。夕飯はグリーンアスパラのゆでたのと、じゃがいものバター焼き。それにあさりのボンゴレでした。ハイネッケンの缶ビールがおいしくってしあわせです。グリーンアスパラは、30本ほどで、なんとたった99セントでした。

              


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★すごい。そういうしかありません。ルームメイトの部屋にはダブルベッドや机をはじめ、ダイニングには、大きなテーブルのセットもあり、テレビも二台、かなりな荷物持ちさんなのですが、ご両親と三人であっという間に片付けてしまいました。それらの荷物は売れるものは売って残りは、大きなワゴン車とその後ろにつないだトレーラーに乗せてご両親が持ってかえりました。アメリカから来ている学生さんは、ほとんどそうしているようです。昨夜はベトナム料理を食べにいったのですが、今日は三食とも次女が作ってくれました。朝はホットケーキ。昼は水餃子。夜は、ポルチェ茸のリゾットとサーモンサラダでした。どれもとてもおいしかったです。寝る時間さえなかった試験中も、気分転換に料理を作っていたそうで、ルームメイトも驚いていたそうです。夕方、次女に地図をかいてもらって、ガッティちゃんとママとスーパーに買い物に行きました。歩いて30分。丘でできている町なので、行きはよいよい帰りは……、坂道なので、大変でした。アメリカのスーパーでいいなあと思ったのは、じゃがいもでもトマトでもたまねぎでも一個売りなのです。日本も昔はそうだったのに。

            

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★卒業式は厳粛ではありましたが、明るくて、ざっくばらんなのには驚きました。まずは服装。卒業生はみんなガウンにキャップ(漫画のフクちゃんがかぶっていたようなの)をかぶるのですが、足元は素足につっかけ、ビーチサンダルの人もいます。ジーパン、半パンツ、なんでもありなのです。保護者も同じで、ドレスアップした人もいましたが、大半の人が普段着のままで、子連れや孫連れも多く、会場をとりまく円形の廊下には、子守役と幼児・子どもが走りまわっていました。卒業生が名前を呼ばれて卒業証書をもらいにいくと、スクリーンに大きく顔が映し出されます。そのたびに拍手や歓声があがります。ジュースを飲んでいる人、ドーナツをかじっている人、みんながリラックスして卒業式を楽しんでいるようでした。もっとびっくりしたことは、授与されたものは卒業証書ではなくファイルだけなのです。証書を入れる立派な額も前もってもらっているのに肝心の卒業証書は6週間後に各自宅に送付されるそうです。卒業証書授与式と呼ばれている日本の卒業式とは、すいぶんちがいます。

      
         


5月6日

シアトルからアラスカ航空で一時間、次女の大学のある空港に向かいました。スーツケースの鍵はかけないでおくように、次女からメールでいわれていました。かけておくと壊されても文句がいえないそうです。飛行機の窓から下を見ていると山脈あり川あり田園あり自然がいっぱいで、地球もまだ大丈夫かもしれないという思いがしました。それにしても飛行機の窓から見た大学の敷地の広いこと。まるで大きな町のようです。あちこちの丘にはアパートがたくさん建っていて、そのほとんどが学生用だそうです。次女は渡米当初は食事つきの大学の寮にいたのですが、次に自炊寮に代わり、最後の一年は、ルームメイトとアパート住んでいました。

  

LDK、といっても夫婦に子どもが2〜3人は楽に住めるほどの広さです。半地下になっている玄関を入ってすぐがリビング。収納やキッチンまわりもとても機能よくできています。今は、部屋中ごった返しています。ふたりともアパートを引き上げるために荷造りの真っ最中なのです。それはそれ、着いてすぐに、バスに乗ってとなりの州までお買い物に連れて行ってくれました。なんでもそこにいくバスルートは今日でしばらく運休になるからだそうですが、絵に描いたような丘と谷をいくつも越えて……。楽しかったです。
 
     
      
     モールショップの善意のコーナー あまった缶詰などはここへ。いい考えだと思いました。


夕方にはルームメイトのご両親も車でやってきて(同じ州でも車で
6時間かかるそうです)、いよいよ明日は卒業式です。次女のアパートに着けばパソコンをつなげると思っていたのですが、暗証番号がないわたしのパソコンはつなげないようで、どうやらアメリカ膝栗毛はリアルタイムでアップできないようです。意気込んでいただけにがっくりです。もちろん、メールの送受信もできないでいます。夜がいつまでも明るいのは、サマータイムで1時間時計を進めているそうです。朝は5時には明るく、夜は9時に暮れるといった感じです。次女がハッシュドビーフを作ってくれました。お米はパサパサしていますが、とてもおいしかったです。


5月5日(アメリカ時間)

バンクーバーで40人乗りのプロペラ機に乗り換えて、シアトルに向かう際、指紋押印と顔写真を撮られました。アメリカ入国は厳しくなったと聞いていたのですが、否応なしでした。その代わりかどうか、荷物のチェックは皆無でした。チェックといえば関空では、「ペットボトルを持っていたら出してください」といわれました。ペットボトルを……? 怪訝に思ってその行方を見ていると、機械にかけて中身を調べています。「何のチェックなのですか」と聞いてみたところ、可燃物かどうかを確めたということでした。そういう危険性もあるのかと思う一方で、持っていると自己申告しなければ通過できるのが怖いなあと思いました。赤ん坊連れなので無理は禁物。シアトルで一泊しました。今、夜の8時をすぎたところですが、外はまだ明るいです。ガッティちゃんもママも疲れたのか、お風呂に入った後、死んだように眠りこけています。ホテルの部屋の机はインターネットにつなげるようになっているのですが、なんということでしょう。青い線(LUNというのでしょうか)をもって来るのを忘れていました。次女のアパートにいけば何とかなるでしょう。
      
 
     
          シアトル空港内の子どものお店。とてもロマンチックでした。   


5月5日(木) 「産経児童出版文化賞」

★今朝の産経新聞で、産経児童出版文化賞の発表がありました。産経児童出版文化賞は、昨年一年間に刊行された児童図書を対象に審査されるそうで、4252点の中から20点が、大賞以下それぞれの賞に選ばれました。光栄にも、『盲導犬不合格物語』が、その中の「フジテレビ賞」を受賞しました。六月に東京で、贈賞式と祝賀会がありますが、秋篠宮妃紀子さまがご臨席なされるそうです。受賞者の著書についてそれぞれお言葉がいただけるとのこと、この上ない幸せです。わたしのこの作品にスポットが当たったのも、毎日新聞社主催の全国青少年読書感想文コンクールで、森結衣子ちゃんが内閣総理大臣賞に輝いてくれたおかげかもしれません。3月末に出版社から内示をいただいてから発表の今日まで、けっこう長かったです。

★今夕、関空からアメリカに発ちます。次女の卒業式に出席のためです。「ガッティちゃんも来てね」ということなので、「お祝いじゃ、行くべえか」ということにあいなりました。じゃじゃ馬つきの膝栗毛、果たしてどうなりますことやら。


5月4日(水) 「空き缶つぶし作業」

★第一水曜日は、高齢者クラブのアルミ缶回収の日です。回収した空き缶をつぶすのを手伝いました。キリンビールが貸してくれた空き缶つぶし機ががんばってくれています。でも、機械だけではつぶしきれません。頼りになるのは、なんといっても人間の足。六人より七人。七人より八人……。人が多ければそれだけはかどります。今年度の自治会役員の皆さま、応援よろしくお願いいたします。回収したアルミ缶の中にスチール缶やビン類も混ざっています。ビンは機械にかけると炸裂するので、とても危険です。気配りをお願いしたいところなのですが、今朝、我が家の空き缶をためてあるビニール袋を提げたところ、なんだか重いのです。おやっと思って中を見てみると、ビンがいく本も入っていました。家族が多いと、なかなか徹底できないことなのかもしれません。でも、そこをなんとか、よろしくお願いいたします。

★海外旅行に行くとき、いつも写真立てにいれた母の写真を持っていきます。母にも知らない土地を見てもらいたいという思いからのですが、先日占いのH・Kさんのお話を聞いていたら、かもいに故人の写真を飾ったり、わたしのように故人の写真を持ち歩いたりすることはよくないんだそうです。成仏できないんですって。(どうする? お母さん)。そうよね、見たいよね、孫の卒業式。角帽を空に投げ上げるんだよ。アメリカの空の下で、それをいっしょに見ようね。


5月3日(火) 「がんばる」

★しばらく留守にするので、取材した分だけでもまとめておこうと思い、今日はほとんどパソコンに向かっていました。昼間、主婦であるわたしが家で集中して仕事をするのは、ほんとうに難しいです。夫も娘もそれぞれマイパソコンを持っていて、それなりに楽しんでいます。それだけに「パソコンに向かっている」イコール「仕事をしている」と思われないところが辛いところです。それにガッティちゃんが重い戸襖をあけて、仕事部屋に入ってくるようになったのです。彼女の口ぐせでいうと、「やべっ」なのです。旅先にパソコンを持ち込んでこの続きをしようと思っているのですが、家族にいわせると、「信じられない」そうです。遊ぶときは、遊べばいいというのです。でも二週間も仕事から離れるのは怖い……のです。

5月2日(月) 「サブコン」

★海外旅行をするにあたって、小さなノートパソコンを買うことに決めました。何を買ったらいいか、安くて、軽くて、使いやすいもの……。パソコンレスキューサービスの担当さんがいっしょに電気屋さんまでいって探してくれました。インターネットさえつなげることができれば、地球の果てにいても、日記を書き込むことができるわけでして……。と思っていたら、わたしのサーバー(ZAQ)では無理なようです。でも「奥の手」があって、もしかしたら日記をアップできるかも♪

★いやはや、こんなこともあるのですね。4月23日にメール便で送った書き直し原稿が、あて先不明で今日戻ってきました。出版社の住所を間違えたのかも……。早速確かめました。ちゃんとあっています。いつも何かにつけて、お電話をいただいたりお手紙をいただいたりしてはげましてくださっている方だけに、お忙しいのだろうと思いつつもご連絡がないのが気になってはいたのです。お手紙をいれておいたのですが、こちらからちゃんとお電話するべきでした。今日、あわてて連絡をとってみたのですが、だれも出られませんでした。連休ですもの当然でしょうね。全くどじでした。

5月1日(日)「取材」
★京都の町を急ぎ足で通り抜けている途中、二階の窓にこんな張り紙がしてあるのを見つけました。「おれがわるかった」「NAKAYOSHINYA」。パンダさんは、なにをあやまっているのでしょう……?

                                  
                    


★京都で墓参をすませて豊中に向かいました。取材です。内容については、まだここで書くことは出来ませんが、ご家族のみなさまのお話は、とても感動的でした。なにもかも包み隠さずにお話していただいたことがとてもうれしかったです。高校生のおじょうちゃんは春休みの今、ビーズのブレスレッド作りに夢中だとか。わたしにもプレゼントしてくれました。2枚の花びらが天使の翼のようで、とてもかわいいんです。ほらね。